田内学のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今回は、『お金の不安という幻想』という書籍を読みました。
レビューです。
まず、いつも聞いているラジオの2番組で今回の書籍が紹介されていました。
普段、『そもそもお金が不安を煽っているのでは?』と思っていた為、タイトルに惹かれて読んでみることにしました。
読んでみると、『価値』と『価格』の違いについて考えさせられます。
当たり前ながら、交換価値としての『価格』、経験や体験の対価としての『価値』。
自分なりのモノサシを持ち、価格に惑わされず価値を持ちましょう。というお話。
となりの柿はあかい
SNSで、派手に儲かった投稿を見ると、『なんか自分にもできそう』と思ってしまうが、そんなに甘くない。ネット社会は欺瞞に満ちどんなジャンルでもプロの真似したらプロと同じ結果が出るわけではない。
そりゃそうだ、メジャーリーガー大谷選手の道具を使えば、大谷選手と同じ結果が出るわけじゃない。プロトレーダーと同じ売買ができる訳じゃないのに、同じ市場で戦う。これは無謀だ。
『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』
真似しやすそうな成功例ほど、成功に必要な要素が抜け落ちている。再現性が低く失敗を招きやすい。あなたが投資だと思ってる行動、投資ですか?ギャンブルですか?
一般市民がこんなに、お金について考え出したのは、バブルが弾け、失業者、倒産件数や非正規社員が増え、なかなか就職できず、ITに乗り遅れた日本で慣習や慣例に流され、自分の意見持たず言えず彷徨った超氷河期世代が現在の労働人口の主役だからだろうか?
著書の田内さんは、高校生の頃、阪神淡路大震災を経験し、今まで当たり前にあった日常が壊れお金が意味を成していない、と感じたそうです。
この本を読むまで、私は…、世間との繋がりは薄れたが、お金さえあれば何でも手に入る、どんなサービスも受けられると根拠のない自信を持っていました。
老後2000万円問題も、正体すら知ろうとせず、切り抜かれた『老後2000万円』という言葉だけが一人歩きし、我遅れまいと投資を始め、手痛い失敗を繰り返しました。
令和8年、この上ない物価高、インフレ、円安エトセトラ。何でも怖がるのではなく、正体を知って怖がる。そして、未来を変える。自分は現役世代としては高齢者(?)だが、未来を担う若者を支持する。そもそも、このお金の不安という幻想は、人手不足が招いた現象なのだ。
働く、食べる、生活する、病院に掛かる、洋服を着る、行政サービスを受ける、すべて人がいないと動かない。確かに昭和のころと比べて生活は豊かになった。いつでも空いてるスーパー、燃費のよくなった車、整ったインフラ。けど、それらを支えるのも『人』である。
頑張っても報われない、そんな気持ちになることもあるけれど、不満をぶつける敵を見つけるより、不安を共有できる味方を探す。
そうは言っても急にお金の不安がなくなるわけじゃない。
けど、お金と、その周りや気持ちの持ち方など勉強になりました。
おすすめの一冊。 -
Posted by ブクログ
お金ってのは人と人とを繋いでいたものを記号にしただけでしかないんだと分かった。だから、お金だけあっても満たされない人もいればお金が無くても満たされる人がいる、結局お金の奥にある人との繋がりを得られているかどうかでしか無いって事なんだね。
ようし、お金の奥の人を思ってガンガン使ってくぞ!!!
第1章のまとめ
・税金の導入によって、お金(貨幣)が必要になる
・集めた税金を政府が使うことによって、お金が循環する
・お金は、個人にとっては価値があるが、全体では価値がない
・お金によって、人々が支え合える社会が実現している
第2章のまとめ
・問題を解決しているのはお金自体ではなく、お金を受け取る人々
・お金が商品に変わるのではなく、自然資源に無数の労働が結びついて商品が生産される
・お金の力は選ぶ力、解決してくれる人を選ぶことしかできない
・ムダな仕事を減らすことで、経済は発展している
日成果を分かち合うことができなければ、ムダな仕事が必要になる
・1人ひとりが社会を形作っている
第3章のまとめ
・みんなでお金を貯めることは、将来の備えにならない
・年金問題を解決するには、少子化を食い止めたり、生産効率を上げる必要がある
・お金は移動しているだけで、全体のお金は増減しない
・未来に向けて蓄えられるのは、社会基盤や生産設備、技術や制度など
・全体にとって大事なのは、値段よりも使用価値を上げること
・お金は奪い合うことしかできないが、未来は共有できる
第4章のまとめ
・金銭的な格差と生活の豊かさの格差は異なる
日格差のない豊かな生活を提供する人々が結果的にお金持ちになっている
・消費と投資のお金の流れによって未来が選ばれる
・投資されたお金自体ではなく、それを受け取って研究開発する人たちが未来を創造する
・1人ひとりの生み出すお金の流れが格差を作っている
・現代において、税金は支配者による搾取ではなく、再分配に使われている
・政府による再分配は、1人ひとりの投票によって決められる
第5章のまとめ
・全体の預金が増えているのは、誰かが借金をしているだけ
・過去からのツケが存在するのではなく、同世代の格差が存在している
・借金する国ではなく、働けない国が破綻する
・外国に頼る以上、外国に対してどんな価値を提供できるかを考える必要がある
・人から人への贈与、過去から現在、現在から未来への贈与が経済を発展させる
最終章のまとめ
・働くとは、お金を稼ぐことではなく、誰かの役に立つこと
・お金によって社会は広がったが、“ぼくただ”と感じられる範囲はせまくなった
・目的を共有すれば、“ぼくただの範囲は広がる
・“ぼくたぢ”の範囲をいちばん広げられるのは、未来を共有すること
・そして、人を愛すること -
Posted by ブクログ
ネタバレ投資信託やNISAを活用して、ただお金を貯めておけば将来は安泰だ。そう思い込んでいた私にとって、本書は「社会全体の構造」という全く別の視点から大きな課題を突きつけてくれる一冊でした。
特に目から鱗だったのは、「労働人口が急激に減少する日本において、仮に個人がお金を持っていたとしても、そのお金の価値自体が激減してしまうのではないか」という指摘です。その結果、本当に限られたごく一部の大金持ちしかまともに暮らせない時代が来るかもしれないという未来像には、強い衝撃を受けました。
昨今のインフレや物価上昇に加え、日本にはこれから確実な労働人口の減少が待ち受けています。人口動態は、未来を極めて高い確率で予測できるデータです。それを踏まえると、「ちょっとした小金持ち程度では暮らせない世の中」が到来することは、容易に想像がつきます。いくら個人が口座の数字を増やしたところで、社会全体が機能しなければ自分自身の豊かな生活には繋がらないのだと、心から実感させられました。
では、この人口減少という深刻な課題にどう立ち向かうべきなのか。その答えは、突き詰めれば「生産性を上げる」こと以外にありません。
本書で紹介されていた「椎茸の例」は非常に象徴的でした。椎茸の価格は100年前と比べて大きく下がっています。昔は山に入って探すしかなかったものが、人工栽培の技術が確立されたことで、大量かつ効率的に生産できるようになったからです。このように、限られた人数でも高い成果を生み出す「生産性の向上」こそが、人口減少社会における唯一の解決策です。
周囲を見渡すと、まだこの危機感を持っていない人が多いように感じます。マクロな社会構造の変化を捉えた上で、これからの時代を自分自身がどう生き、どのように振る舞うべきなのかを深く考えさせられる、極めて示唆に富んだ一冊でした。 -
Posted by ブクログ
GS出身の原作者による、まさに懺悔のような本。お金のために、お金だけを追って戦い続け、最後お金をいっぱいもらった時に、虚しさが訪れた。だからこそ、このお金の本質を伝えたいと思われたんだろうと思う。全体としては、お金はどうでもよくて、限られた労働力が生み出す財を、お金というもので等価交換していく仕組み、つまり金融の仕組みを説明している。
一方で、注釈として何度も入れられているのが、個人としてはお金を貯める意味があるというところ。財が限られた時、財に対する値段が上がる。俺を変えるのは、お金をたくさん持っている人だからだ。老後の資金を貯める意味は社会にとってない。これは真である一方で、お金を貯めずに道後を迎えたら大変なことになる。金融を理解すれば、極端なことをいうとキャピタルを持っている人が強いということだ。七海さんと、優斗くんがボスに師事して、少しずつ理解していく金融の仕組み。 -
Posted by ブクログ
Audibleの聴き放題期限が迫っていたので、駆け込みで聴いた。
本書が出版されたのは2021年、コロナ禍のさなか。エッセンシャルワーカーの社会的価値の重さと給与の低さが社会問題としてクローズアップされ、彼らへの給付金20万円に異論の声はほとんど上がらなかった。そんな時代背景のもとで書かれた本書は、「労働が価値を生み、その労働を人が担う」という前提を土台に、ミクロからマクロまで経済を俯瞰していく。金融経済も金融政策も年金も、突き詰めれば誰かの労働とお金の交換によって回っている——その視点は、読んでいて「そうだ、その通りだ」と膝を打つものだった。
しかし、AIエージェントが登場した2026年以降、この議論の土台は揺らぎはじめている。本書のタイトルを今の時代に合わせて書き直すとすれば、「タダみたいなお金のむこうにAIと、減り続ける人が少しだけいる」とでもなるだろうか。田内さんがAIエージェント時代の経済をどう論じるか、続編を読んでみたい。