田内学のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これまで経済という言葉を聞くと、どこか自分とは無縁な、数字やグラフの世界の話だと思っていました。しかし、田内学さんの『お金の向こうに人がいる』を読み終えた今、私の目に見える景色は少し変わりました。経済とは、決して冷たい数字の羅列ではなく、私たちの「労働」と「助け合い」の循環そのものだったのです。
特に印象に残ったのは、現代社会が「GDP(国内総生産)を増やすこと」を目的化してしまっているという指摘です。著者はこれを「勉強の目的」に例えて説明しています。本来、勉強の目的は知識を蓄え豊かになることですが、いつの間にか「テストで高得点を取ること」にすり替わってしまうことがあります。経済も同じで、本当の目的は私たちが豊かに暮らすこと(効用)のはずなのに、いつの間にかGDPという数字を追うことが目的になってしまっている。バブル崩壊後、経済が成長していないと言われますが、それは「価格」や「数字」の話であり、私たちの生活の質や「便利さ」という効用は、確実に上がっているのだと気づかされました。
私はこれまで、お金を「単なる支払い手段」や「貯めるべきもの」として捉えていました。しかし、この本は「お金の価値とは、将来誰かに働いてもらう予約券のようなものだ」と教えてくれました。私たちが喉が渇いた時にコンビニで飲み物を買えるのは、誰かがトラックを運転し、誰かが棚に並べてくれたからです。お金で解決しているように見えることの裏側には、必ず「誰かの労働」が存在しています。
「人は一人では生きられない」という言葉は使い古された表現かもしれませんが、経済という視点からその意味を再定義できたことは、私にとって大きな収穫でした。お金が回るということは、誰かの労働が誰かの幸せ(効用)につながり、その循環が社会を支えているということです。
経済に疎いと感じていた私ですが、この本を通じて、社会の温かい仕組みを少しだけ理解できた気がします。これからは、お金を使うとき、その向こう側にいる「誰かの働き」に思いを馳せ、感謝の気持ちを持って社会の一員として歩んでいきたいと感じました。 -
Posted by ブクログ
人のむこうにお金があるじゃなくて、
お金のむこうに人がいる。
まず人々の幸せを増やすこと。
つまり人を見ようと。
誰かが働いてモノを生産してくれてるからお金に価値が生まれる。
まぁそういう考え方も一理あるよねとなる1冊。
個人的にここが良かったとなったのはワインの話で…
『1本10万円のワインは、いいワインです。いいところを100個も200個も持っています。1本1000円のワインも、いいワインです。1個か2個はいいところがあります。1000円のワインがおいしいと感じる人は、味がわからない人ではありません。その逆です。たった1個か2個しかない、いいところに気づくことのできる幸せな人です。いいワインかどうかは、あなたが決めればいいのです。』 -
Posted by ブクログ
田内学さんの本は3冊目。
何か大切な事を言っているのかな、わかったような、わからないようなモヤモヤした感じは今回も同じ。もっとシンプルに書けばわかりやすいのになと。わざとかな?
幾つかの視点は、興味深く、勉強になった。
1、モノ経済からカネ経済への移行。このカネ経済が不安の根本原因。手触りのある具体的な世界から、数学的で抽象的な世界線の拡大。抽象化するほど価値が見えなくなって、シンプルに計量化される価格に踊らされやすくなる。価値と価格。大切なのは価値であり、その基準を持てるか否か。価値と価格は、とても大切な考え方。ミスターマーケットは常に精神不安定なので付き合うとこちらが疲れる。自分の価値基準を持ちたいモノですなぁ。
2、投資の利益は2種類。インカムゲインとキャピタルゲイル。インカムは企業が社会から得た対価としての利益から生み出されるもので適正な報酬。キャピタルは売り手買い手の交換差額であり、なんの生産も伴っておらずギャンブル的。個人的には、それはそうだけど、インカムもキャピタルも良いじゃんかと思う。始まりは誰しもがインカム、つまりは労働の対価から始まっているはずで、ギャンブルシステムがあるおかげで得られることもあるやろと。要は仕組みをうまく使うか否かの話。
3、ピケティの不等式r>gは、投資をしろって言うよりは資産を多く持ったものが有利な社会構造があると言う指摘。確かに、投資しろってふうに勘違いしている面はある。とは言え、これは資本主義である限りそうなんだろうから、社会として再配分する仕組みでうまく是正するしかないんじゃない?税金の仕組みであり、詰まるところは政治なのかなと。
4、金融資本、人的資本、社会関係資本。ここら辺は橘玲先生も言ってたなぁ。カネだけじゃ幸せは手に入らない。健康や家族、友達。バランスですなぁ。
5、これからの日本ではお金よりも人手不足が問題だと言う事。サービスを提供する人や材を生産する人がいなければお金だけあっても仕方ない。ヒト、モノ、カネ。要は、常に希少なものに価値があると言う事で、その時々どのバランスの問題ではないか。技術革新が起きればヒトやモノの価値がなくなる可能性もある。もちろんカネも。だからと言って金がなくていいよ言うことにはならん気がする。
6、日本人がオルカン買うってことは円を売ってるわけで、その反対に円を買った人は日本の資産を買っている。外国から配当金を得て、日本で家賃を外人に払うみたいな関係があると言う事。確かに、取引は常に両面なので、それが東京のマンション価格高騰させたりしてんだろうな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私は正直「お金」が苦手です。
25歳になったけれど気づいたら使いすぎてしまうし、NISAも投資も保険もよくわからないし、でもお金がないと生きていけないということだけはわかっている。どうしたらお金を適切に扱えるのかわからないもどかしさ。日常を生きることに精一杯で、何をどう勉強したらいいのかもわからない。
けれど本作を読んだら何かきっかけが掴める気がしました。1度読んだだけでは、完璧ではない。けれど何かが芽生えそうな気持ちです。
読み終わって私が気になったのは、世界にあるお金は減ることも増えることもない。
ということはもし貯金という概念がなかったら、どうなのか?
お金を貯めずに、何かに使う。
高価なものを購入して保管する、だと貯金と同じようになってしまうのでそれ以外でお金を消費する。その場合、今と比べて貧富の差はどうなるのか気になりました。 -
Posted by ブクログ
―お金の多さ=自分の価値としてる人に向けた一冊。お金について勉強・知識として少ない人に向けた内容が多くて,学生の時に読んでいたらお金についての固定観念が崩れる助力してくれる。
確かに企業目線にしたら金稼ぎを主目的にするとその企業にお金が集まることが次第に減ってしまうのはあると思います。社会との共存を目的としている企業に対してこそ投資という名のお金が集まります。そして更に多くの人や媒体を対象として繋がりが拡大していく好循環が続いていく…何処までを現実論として捉え理想論として追うのか問題が発生しますが,そのバランスを自分の中で舵取りする力が必要なのかな