ヤスダスズヒトのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
越佐大橋シリーズ第一弾として初っ端から異端な性格と個性が魅力的です。狗木と戌井のハードが充実。ぶっちゃけた頭のイカレた空間なのに超常現象のない珍しい作品と評価されるのも頷けます。現実ではありえない、―――だからと言って世界観にのめりこめないわけじゃない共存に大喝采。自らラノベの世界に浸るのではなく、気づいたら世界の中にいるような体験を最初のカラーだけでも味わえました。クールで頭のいい腐った連中のぶっ壊れた街がどれもこれもいい。最下層なんて特に結構、隔絶社会上等。イラストは相変わらず巧妙な職人のヤスダスズヒトさんで絶妙なリンクが良い仕事っぷりだと関心です。
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Posted by ブクログ
「酷いですよ張さん! 人をジェイソン呼ばわりなんて! いいですか、『十三日の金曜日』シリーズの中で、彼は一度もチェーンソーを使ってないんですよ! 紳士なんですよ!」(p.70 l.16〜p.71 l.1)
『バウワウ!』よりは主人公が大人しい分、展開も控えめだったかな? と感じたが、『バウワウ!』の世界観をもう少し楽観的に楽しめる内容に仕上がっている印象。
続刊を念頭に書いている作品らしかったので、続刊のために世界観を深める意味と、前巻の登場人物のその後や新しいキャラの顔見せと考えるなら、それ以上に十分読み応えのある内容だったと思う。
ただやっぱり、前巻にいたような「突っ走ったひとたち -
Posted by ブクログ
「俺がどんなに苦労してもだ。お前らはどうして派手に吹っ飛ばないんだよ! (略) お前らもっと10メートルぐらい吹っ飛べよ! 『デスペラード』とか見た事ねえのか? あんな感じでよ、もうドーンって感じでやってくれないと興醒めなんだよ正直!」(p.48 l.14〜17)
『バッカーノ!』でもそうだったが、この方は多数の登場人物を自由自在に描ききることのできる構成力が凄い。
そしてその登場人物が、きちんと個々の存在として成立している点が凄い。
昨日読んだ『断章のグリム』とほぼ同じくらいの原稿量ですが、どう考えても『バウワウ!』の方が内容が濃いです。
そして一本の読み切りとしてきちんと完結させている -