小山宙哉のレビュー一覧
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ネタバレピコ・ノートンは背負った闇が大きすぎる。大事な人を過去に2度も亡くしているからだ。ブライアンJの乗ったパラシュートがここに関わってくるのかと。悲しすぎる話。
本巻では宇宙飛行士の裏にいる技術者側からの視点で描かれるが仕事に対する矜持、誇りを感じさせられる。
ピコがブライアンJの死を悼み酒場で一人泣く姿が本当に辛すぎる。
「本気の失敗には価値がある」
この言葉に今の自分に本気で仕事に取り組んでいるだろうか、自問自答した。
ピコ・ビンス・リックの3人のポットヒルの友情が好きだった。
ピコとビンスが拳を合わせるのが多いのは、過去の悲しい出来事からきているシーンなのね。
宇宙兄弟は本当に人に熱くて -
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ネタバレ日々人が凄まじい危機に陥る。具体的に危機敵状況を描いたことで、ジェニファーが以前触れていた、「最悪の場合を想定して行動」するという地上のスタッフの動向を描けている。そこで日々人を救うために吾妻と、まだ日本にいる六太を活躍させる展開が今後の展開を予想しても非常に巧い構成だと感じさせる。六太だけが活躍するわけでもないため、主人公を過度に持ち上げさせない活躍のバランスをとっている。
故人であるブライアンの扱いが特に凄い。回想でしか出てこないのにこれだけ感動的に仕上げるのは見事過ぎる。そして兄を出すことで南波兄弟の決意にも繋げる徹底っぷり。
ヒューストンに行く前に日々人のこの危機を経たことで六太の周囲 -
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ネタバレ六太側の合格発表と日々人側での月でのトラブルへ。
相変わらず合格を一挙に明らかにせず一部はエピソードと共に明らかにしたり、残った人々も会見の場面で劇的に魅せる凝り方がたまらない。せりかの父とのやり取りは特に積み重ねがあるので感動的。六太にはついに星加さんと対面するのが良い。
なんとなく通過者の予測はつくものの、3次の審査の時点ですんなり通過したりしなかったりという前提があるので確実に予想までは出来ずワクワクしたまま読める。合格後の飲み会での元Aグループの祝福は非常に感動的。
そんな喜ばしい中日々人の方では大きなトラブルに陥る。常々語られてきた死のリスクに対する向き合い方を回想させつつ、最後まで -
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ネタバレロケット発射から月面着陸という大きなイベントから結果発表へ、という巻。発射して途中から加速する際を発射時以上に盛り上げたり、月面着陸時の世間の盛り上がりだったり、作中の凄い出来事を「本当に凄い」と思わせる演出が非常に巧い印象。世間の反応をここから視野に入れ、吾妻の心情に繋げるのも面白い構成。弟が尊敬しているからこその兄の接近を巧く持って行く。無重力の軽やかさに気持ちの晴れやかさを合わせたり、大きなイベントへの人間関係の絡め方も非常に巧い。
なお前巻では気になった六太の日々人への心情変化は以前の天候の話と巧く絡めることで良い話に仕上がっている。出来ればこの発射後の話まで前巻に入れて一続きで読みた -
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引き続き3次試験。トラブルが頻発する中の人間関係の描写が面白い。特に、真壁の所属するB班との対比により六太たちのグループが巧く行く様子が心地いい。試験が簡単には行かない様子を二つのグループから巧く見せている印象。主人公の方が問題を解決するのに成功するのは意外だが魅力をうまく出している感じ。
シャロンおばさんの素性を明らかにするタイミングが面白い。これをきっかけに楽しいグループだったという流れに一気に持って行けている。お化け屋敷扱いされていたこともここでまさか効くとは。その流れにまだ最後の2人の選出方法が決まっていないことが巧く効く。
なお、宇宙についての知識の話が多い巻のも魅力の一つである。 -
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ネタバレ3次審査開始。これまでの審査とは違いかなり独特なので試験そのものの描写が増えるため、この点だけでも面白い面が出る。詳しくするためにケンジをはじめとして勘の良いキャラを通して分析させるのも良い。六太には似合わないのでケンジのキャラがココで生きてくるのが巧い。
六太のグループの描写が中心だが、メンバーの描写も少しずつ積んでいるのが巧い。自己紹介は全員あった方が良かったかもしれないが、それぞれの心情描写を順番にしていくことで読者としても思い入れが持てるような形になっているのが3次審査の最後にふさわしい人を選ぶ、という結末への期待感に繋がっていると思える。
六太のアメリカでの体験が試験に活かすわけでも