小山宙哉のレビュー一覧
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購入済み
うれしすぎてココロが震える!w
モーニング連載7年、私が『宇宙兄弟』と出会って5年。これまでのいろいろなシーンが走馬灯のように思い出されて、読んでいて心の震えや感動が溢れ出る記念的な巻でした。日々人の見た宇宙と、六太が見た宇宙との重なりについても描かれるであろう26巻以降が今から本当に楽しみです。
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購入済み
この日のために読んできた!
葛藤や困難に負けそうになりながらも、楽しく暖かい周囲の人々、そして熱い仲間に奮い立たされて突き進んできた六太くんを応援してこれて良かった!
この巻をどれだけ心待ちにしていたことか!
六太くんになった気持ちでボロボロ泣きながら読みました!
同じ風景を見てみたいと強く思う巻でした!
シャロンとの約束へどんどん近づいていく六太くんが早く見たい!
次の巻にも更に期待します!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ宇宙兄弟 11
小山 宙哉
講談社
おすすめ度:90点
宇宙飛行士候補生・アスキャンが、砂漠70キロを踏破するサバイバル訓練の最終日。にも関わらず、六太は高熱にうなされ、ダウンしてしまっていた。辛い道中だったが、ようやくにして、最下位でゴール。
六太たち宇宙飛行士候補生の次なる訓練は、カムバックコンペティションへの挑戦だった。カムバックコンペティションとは、パラシュートの展開システムや、自動制御のローバーを作り、どのくらい正確にゴールへたどり着けるかを競う大会である。
しかし最下位でゴールしたE班のサポート役は、全くサポートする気のない屁こき技術者、ピコ・ノートン。しかも完全な酔っ払いだったのだ。
職員によると、ピコは帰還船オリオンの開発を任されており、さらにパラシュートの展開システムを開発・製造するサブプロジェクトの総合責任者とのことだった。しかも、日々人たちが帰りに乗るオリオンのパラシュートも、ピコが手掛けたものらしい。ピコはただの酔っ払いではない、試行錯誤を繰り返し、やっと今の使えるパラシュートシステムに仕上げた技術者であった。
六太たちE班の宇宙飛行士候補生は、決められた予算内でキャンサット作りに励んでいた。しかし、パラシュートがうまく開かなかったり、ローバーが障害物を越えられず、すぐ止まってしまうという問題が発生してしまう。
みんなが頭を悩ませる中、六太は車づくりの知識と大胆な発想力を駆使し、プログラムの変更とタイヤをスポンジで作ることで打開しようとする。
スポンジならギュッと縮めて筒に入れられ、走る時には十分な大きさに膨らむ、軽いし安いし、加工もしやすい。着地の時のショックもやわらげることができ、いいこと尽くしである。
これまで様子を見ているだけだったピコは、自分ができなかった発想と、失敗を乗り越えて良い物を作ろうとする六太の考え方に衝撃を受けた。
ピコはパラシュートの布を素早くキレイに畳みながら、作業の心構えを話し始める。それは、キャンサットが本物の宇宙船と考え、自分の隣にいる宇宙飛行士を一緒に乗せて打ち上げるつもりで、全部の作業をやれということ。そして、隣の男の命を預かったつもりで、パラシュートは女子が畳む方がより良いことを教えた。
ピコのアドバイスと、六太の大胆な発想のおかげで、E班にもようやく成功の兆しが見えようとしていた。
宇宙飛行士候補生の訓練、カムバックコンペティションの準備をする中、なぜか六太は、サポート役のパラシュート技術者、ピコ・ノートンから飲みに行かないかと誘われる。
酒の席には候補生たちの教官であるビンセント・ボールドもおり、どうやら2人は、失敗に前向きな六太を、共通の親友・リックと重ねているらしかった。
リックとピコとビンスの子供時代――。
3人の夢は、いつか自分たちでロケットを作り、宇宙へ行くこと。それは、『いつか宇宙へ行く』と毎日誓いを交わすほど、熱心だった。
しかし親や教師たちは、3人の夢に反対していた。将来は鉱山で働くよう強く説得していたのだ。ピコとビンスは反抗することが出来ず、宇宙への夢を諦めると言い出す。
2人の諦めの言葉を聞き、リックは激高した。
『こんなど田舎の街で宇宙に本気で憧れた3人が出遭えたんだ。俺はそれだけでも、奇跡だと思ってた。
拳を合わせる気がねえんならもういいよ。勝手に鉱山でもどこへでも行ってくれ――俺は絶対諦めねえからな』
それ以来、3人は決別してしまった。
そして――。
ビンスとピコが進学の説明会に出席した日の午後、リックは事故で死んでしまった。
乗用車に乗っていたリックは凍結した路面にハンドルを取られ、そのまま湖に突っ込んでしまったのだ。
ピコとビンスは、この日のことを死ぬほど後悔した。
後悔という言葉では、全く足りない程に――。 -
Posted by ブクログ
ネタバレおすすめ度:90点
宇宙飛行士候補生、通称・アスキャンとなった六太たちは、2年間の合同基礎訓練を受けるため、アメリカ・ヒューストンにやってきていた。
歓迎会も開かれ、占いが得意なアマンティにさっそく占いをしてもらい、今後の展望的なことをみてもらったのだが……アマンティは何やら不穏な表情を浮かべてしまう。
そして後日、いよいよ合同訓練が開始された。
訓練教官、通称・スポンサーは、先輩宇宙飛行士である、ビンセント・ボールドと、ラリー・パイソンの2名。
バスで砂漠へ連れてこられた六太たちは、1チーム6人制、全5チームに別れることになった。
六太はE班、ケンジ、せりか、絵名、新田、アマンティの6人。気温は40度。背負う荷物は、1人平均12キロ。
これから6日間、アスキャンたちは毎日リーダーを変えながら、70キロ先の目的地「アマリロ」まで、サバイバル生活をしながら歩くのだ。
初日終了時点でE班の順位は最下位、遅れた罰で腕立て伏せの罰を受けることになってしまう。
サバイバル訓練4日目。全体の半分まではきていたが、E班はいまだ最下位だった。この日のリーダーは新田。誰よりも早く宇宙へ行きたい新田は、順位がつけられるとわかっているものなら、全部トップを狙わなきゃダメだと焦り、飛ばしていた。
サバイバル訓練5日目。
六太たちE班の順位は4位まで上がっていたが、ひとつ問題が起きていた。
新田が大事に持っていた携帯を、ここに来るまでのどこかで落としてしまったらしいのだ。
しかもその電話は、今晩かかってくる予定とのことだった。新田は自分だけ取りに戻ると言い出すが、この日のリーダ―である六太は、みんなで進むことを決める。夜になれば、携帯は着信でチカチカ点滅するはずである。そのことに気付いた六太は、夜になってからみつけにいくのが得策と思い、先へ進む判断をしたのだ。
その夜――。満点の星空の中、六太と新田は昼間歩いてきた砂漠の道を戻っていた。その道中、重い口を開く新田。
「……俺にも一人、弟がいる」
今晩電話をかけてくるのがその弟で、話すのは2年ぶりになるという。
新田の弟は部屋から一切出ず、出ない理由をきいても、「僕にもわからない」としか答えない。新田は、兄としてずっと何とかしてやりたいと思っていたが、今まで何度も、そのチャンスを逃してしまっていた。たった1本の電話で、どうにかなるとも思えないが、それでも希望を持っていたのだ。
しばらくして、前日食糧があった地点に到着した六太たち。
目を凝らしよくみると、草の陰でチカチカ携帯が光っていた。
『俺はまた……チャンスを逃したんだな……』
着信はあったが間に合わなかったようだ。悲しみと悔しさの顔を浮かべる新田だった。
その頃新田の弟は、今晩アメリカ上空で見える流星群の情報を、JAXAのホームページで確認していた。
そして何気なく、アスキャンたちのメッセージ動画に、新田の名前を見つけると――。
『今……自分の居場所がないと強く感じていて――小さな世界に閉じこもっている人がいたら、聞いてください。それこそが、外に飛び出す原動力です』
それは、『一歩踏み出す勇気をもって欲しい』という、兄・新田からのメッセージだった。
電話では話すことができなかったが、それでも新田の想いはカズヤに伝わっていた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレおすすめ度:100点
「我々がダミアンとヒビトにしてやれること――2人とも必ず生きて帰ると信じること」
いまだ通信が途絶えたままの日々人たちを救出しようと、クラウドの言葉に一丸となるNASA職員たち。
救出に使用するビートルの充電を待っている間、吾妻の提案で、今すぐ動かせる無人ローバー・BRIAN3号を向かわせることとなった。
月面の谷底では――。
『メインタンク酸素残量ゼロ……予備タンク酸素残量……80分……!』
崖を上ろうとした際に酸素タンクを破損してしまった日々人は、救出までの時間を考え愕然としていた。
『俺は……助からないかもしれない……』
時間をかけ、再度崖を上り、ギブソンを使ってダミアンを運ぶ日々人。
凍え続けるダミアンの体を温めるためにも、早くひなたに行かなければならないのだ。日々人はギブソンの上にダミアンをロープで固定し、緩やかな斜面を駆け出した。
『酸素残量、あと40分!』
一方つくば宇宙センターでも、日々人を救おうと星加たちが3Dマップを作成し、奮闘していた。そこに、連絡を受けた六太が駆けつけた。日々人たちの現状を聞きくや否や、地図の谷の端を指すと――。
「ヒューストンに頼めませんか、ビートルの行き先をもっとこっちの方に変更してもらえないか……」
その位置は2人が落ちた位置から20キロも離れた場所。2人が緩やかな場所から谷を上ろうとしていると仮定して、ビートルをそちらに向かわせて欲しいというのだ。だが六太の意見をNASAは承諾しなかった。救助が来るまでは、落下した現場に待機している可能性の方が高いと判断したのだ。
日々人はダミアンの命を最優先に考え、すぐさま行動。なんとか時間を稼ぎ、ダミアンを崖上の太陽の光が当たる場所へと運ぶことができた。
一方NASAでは、日々人たちが崖から脱出したことにより、宇宙服の信号を捕えることができていた。その信号の場所は、バギーが落ちた地点から20キロ移動した所、六太が地図を見て推測し、JAXAが伝えてきたポイントだった。
日々人たちの生存にほっとしたのもつかの間、いままで管制が知らなかった問題が発覚する。
ビートルが救出するまで20分はかかるのに、日々人の酸素が残り10分ももたないのだ。
ダミアンを安全な場所へ移すと、日々人は自分の置かれた状況を重く受け止め、一人月面を歩きだした。
どうせ死ぬなら満天の星空を見て死にたいと思い、再び谷底に落ちようと思ったのだ。
だが、崖から飛び降りようとしたその時、日々人の視界の端にピカッと光るモノが見えた。
それは、月面着陸直後に見た謎の光のよう。
『どうせ死ぬなら、謎の光の正体を知ってからがいい……』
そう思い、日々人はゆっくりと光の方へと近づいた。
そこにはなんと、胸にBRIANと手書きされた、宇宙飛行士のフィギュアが立っていた。
『ブライ……アン……』
ブライアン・Jは、日々人にとって親父のような、兄貴のような、あるいは友人のような大先輩だった。
新人だった日々人を自分の控えに推薦し、宇宙飛行士に必要なことを教えたのもブライアンだったのだ。
彼の口癖は――『来てやったぞ、ヒビト。助けてやろうか? 大先輩ブライアン・Jが』――。
日々人が手にしたフィギュアの背中には、それぞれフィギュアを持って並んでいる少年時代のブライアンとエディの写真が貼られていた。
『そうか、ブライアンがこれをここに……』
このフィギュアは、ブライアンがいつか兄弟で月面に立つことを願って置いたものだったのだ。
思わぬ所でブライアンの大切な物を見ることができた日々人だったが、酸素は残り1分にまで減っていた。
自らの状況を重く受け止め、死を覚悟した日々人。
だがすでに酸素残量はゼロ、酸素不足の息苦しさから、日々人にはまたもや幻聴が聞こえていた。
『助けてやろうか? ヒビト』
薄れゆく意識、その中で見つめた先には、なんとブライアン・Jが立っていた。
『来てやったぞ、ヒビト。この大先輩ブライアン・Jが――』
そして歩いてくるブライアンの背後にも、何かが見えてきた。
それはプレートに『BRIANー03』と書かれた、酸素を生成できるローバー・ブライアン3号。
こうして日々人は、今にも気を失いそうな状態の中で必死に手を伸ばし、なんとかブライアン3号から酸素をもらうことができた。
NASAのコントロールセンターでは、日々人の無事を確認し、ほっとした様子のクラウドが吾妻に話しかけていた。
実は吾妻は、六太の判断を信じ、自ら指揮をとって20キロ離れた場所にブライアン3号を移動させていたのだ。
「アズマ……君のおかげだ。君がここにいてくれたから、ヒビトを助けられた」
クラウドの言葉に吾妻が返す。
「俺の判断じゃないですよ。ヒビトの兄の判断です――ナンバムッタ。もうすぐ、我々の仲間になる男です」
2日後――。ずっと日々人を心配していた六太は、ようやく交信を許され、JAXAのモニターに向かっていた。
画面の中の日々人は意外にも元気そうで、自分は3人の宇宙飛行士に助けられたと言う。
1人目は月面に人形を置いてくれ、自分を呼び止めてくれたブライアン・J。2人目は指揮をとってブライアン3号の自分のもとへ送ってくれた吾妻。そして3人目は、ブライアンの行き先を示してくれた六太だ――と。 -
Posted by ブクログ
ネタバレおすすめ度:95点
せりかは伊東凜平の墓の前に立つと、備えられている日記を手に取り、子どもの頃を思い出していた。
せりかの父・凛平は、細胞などを検査する病理医だった。しかし、凛平は突然体調を崩してしまう。
『日記を書いてくれないか』
せりかは約束を守り、日記を書き続けた。だが、凛平はなかなか退院することができなかった。
『宇宙飛行士になる――』
宇宙には重力がなく、きれいなタンパク質の結晶を作ることができ、そのため脳の病気の原因も地上よりちゃんと研究できると知ったからだった。宇宙ならば治療法も見つかるかもしれない、凛平の病気も治せるかもしれない――と。
墓に来る前、せりかはJAXAから自分が合格したことを聞いていた。
『お父さん……! 私……宇宙に行けるんだよ――!』
せりかはダンスするようにステップを踏み、風を受けて思いっ切りジャンプした。その姿は、空の上の父に見てもらうかのようだった――。
六太が合格するかどうかは、もう運に頼るしかない。にも関わらず、やけについている日々に、六太の不安は募るばかりだった。
その頃、受験者の一人、溝口大和の部屋では――。
『残念ながら今回は、不合格となりました』
理由を問いただす溝口に、星加は言う。溝口はリーダーとしてこれからどんな職場でもトップに立てる人材だと思う――だが一つ、足りないことがある『仲間に頼る』ということだ――と。それを聞き、溝口は閉鎖ボックスでの試験を思い出していた。
『真壁ケンジ……――真壁は合格だろう。そうでなきゃ、困る……』
一方、南波家リビングでは――。
『忘れられてる……? もしかして……』
――とその時、ようやく、プルルル! と電話が鳴った。内容は、星加による『呼び出し』だった。六太が公園に着くと、大勢の遊ぶ子供たちの中で違和感を発しているおっさん・星加がいた。会話の中、六太が子どもの頃に星加と会っていたことを思い出すと――。星加は六太に握手の手をさしだした。
「我々JAXAは君を――宇宙飛行士として迎えます――おめでとう! 君には運がある!」
さらに星加は続けた。
「これからさっそく記者会見だ! 今日から君の、宇宙飛行士人生が始まるぞ!」
遅れて到着した六太を壇上で待っていたのは、ケンジ、せりか、絵名、新田。六太を含むこの5名が、新しい宇宙飛行士として合格したのだ。
会場は歓声と拍手で大盛り上がり。しかし六太はいまだ夢心地で、『自分が宇宙飛行士になれる』という実感がえられないでいた。
そして居酒屋での祝賀会。
六太の携帯には祝いのメッセージメールが何件も届いていた。なかでも『やっさん』こと古谷からは10件も来ており、その内容は――。
『なんやその答え! サル以下の発想やな!』『ジブン一人だけ 顔がニヤケてるぞ』
など、ほとんどが六太に対するツッコミだった。
そのすぐ後、今度は福田が祝いにかけつけてくれた。福田は六太、せりか、新田の合格が自分のことのように嬉しくなり、思わずテレビの前で泣いてしまったとのこと。それはきっと古谷も同じだったはずだと、みんなで祝杯をあげるのだった。
店内の喧噪の中、宴会の時間は過ぎ――。
そこに響く携帯のバイブ音。また古谷からのメールだった。
その文面は――。
『そーいえば大事なこと言い忘れてたわ。合格おめでとう』
六太は、立ち尽くしたままその言葉を受け止めた。
『閉鎖ボックスで2人を決めなあかんかった時、俺が言ったこと覚えてるか? 俺の中ではもう2人は決まってる。この2人しか考えられへんて。あれな……新田と――南波のことや。その2人が堂々合格して、その上伊東さんまで合格できた。ジブンら最高や!! 俺もなんか燃えて来たわ。待ってろよ南波! 俺も絶対宇宙行くで!』
読み終え、六太は涙をこらえながら月にいる日々人に尋ねた。宇宙飛行士になったと実感したのはいつだったか――と。
『俺は――飲み屋のトイレで、友がくれた11件目のメールを読んだ時だ』
JAXAの入社式のあと、理事長である茄子田から、人という字に例えられた深い話を聞かされていた。茄子田は、ほとんどの職員は飛行士を支える発射台に過ぎないが、飛行士たちを宇宙へ送り出すためならば全力で支えていく覚悟がある、と六太たちに力説したのだ。
一方、月では日々人とダミアンは、無人探査機・ギブソンを見つけ出して修理するため、基地を離れることとなった。バギーで月面を走る日々人たち。会話は弾んでいたが、その目は空気がないせいで鮮明に見えすぎ、錯覚を起こしていた。
そして――。
日々人たちが乗ったバギーが突然の衝撃に見舞われてしまう。
不覚にもタイヤの下の地面がなくなり、バギーは深い谷底へと飛び出していたのだ――。
気づくと、日々人が落ちたのは太陽光の届かない暗い谷底だった。起き上がると、日々人は冷静に自分の置かれた状況を把握した。
まず宇宙服の酸素はメインタンクだけで10時間は持つようだった。救援までは約4時間。
辺りは真っ暗で、ダミアンの姿はどこにもなかった。
しばらくすると、捜していた無人探査機ギブソンを見つけることができた。
そしてその前方に、幸運にもダミアンが放った照明弾を確認した。
なんとかダミアンの傍まで駆け寄り、その安否を確かめる日々人。
ダミアンは足をケガして立てなくなっており、音声機能と体温を調節する循環機能も故障してしまったようだった。
ダミアンは日々人の足手まといにならないよう『自分を置いていけ』と伝える。
ダミアンを助けたい、そう思った日々人は、ギブソンでダミアンを運ぶため、彼を担ぎ岩を登ることを決めた。
だが、壁面に手を掛け上ろうとした瞬間――岩が崩れ、日々人はそのまま落下してしまう。