オ・ヨンアのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久しぶりに会ったらきっとお互い「お前超老けたね」って言い合ったりしちゃうんだろうな。大学の近くのモールの喫煙室で、講義終わりにチューハイ片手に馬鹿話に興じていたのが、もう随分昔に感じちゃう。
そんな感じで、本作第一編目を飾る「ジェヒ」は私に大学の友人を思い起こさせた。今となっては彼はもう結婚してしまって、すっかり疎遠になってしまったけれど。特に共通の趣味があるわけじゃないのに仲良く毎日つるんでたなんて、今考えると若かったからできたのかもしれない。だってそうでしょう?今も関係が続いている友人なんて、大体が映画や音楽、ファッションの趣味でつながっている人ばかりだ。
ジェヒと主人公の男の共通点といえ -
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Posted by ブクログ
勝手な思い込みだけど、
受験・結婚・出産などなど、日本におけるストレスは韓国で更に苛烈だと思ってる。
そんな中で子供を産まない、という生き方は、
相当にストレスフルなんじゃないかと思う。
何故産まないの?とは聞かれるけれど、
何故産むの?はあまり聞かれない。
何故?と聞かれると、聞いた方に悪意はなくても、
批判された様に感じてしまう。
こうあるべきなのに何故?と。
登場する女性たちが自分の生き方を真剣に、
とても誠実に考えていて少し後ろめたく感じた。
私、なんとなく生きてしまっているな。
私自身は子供が欲しいと願って授かって、
大変だったけどよかったと思っているけれど、
子供が欲しいとい -
Posted by ブクログ
ネタバレ正しい答えを示すのではなく、
迷いながら主人公たちが自分なりの答えを選んでいくところがいい。
だから読んでいる私自身も、私だったらーと考えられる。
テーマは重いのに、決して派手な展開にせず、どこかドキュメンタリーのように物事が淡々と進んでいくのも、読み手に考えさせる余白が生まれてよい。
自分の過去を探すため、というところから始まっていながら、いつしかそこから話が転がりだし、展開していくのもいい。
養子とか、韓国が舞台とかそういうのとは関係なく、
「わたしがいることの意味」を考えさせてくれる良作だと私は思う。
※蛇足だが、唯一苦しかったのが登場人物の名前。
似た名前が多くて、頭の悪い私