佐野広実のレビュー一覧

  • 誰かがこの町で

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    伝染病のように知らないうちに感染してしまっている“同調圧力”。自分は鳩羽地区の住民のようには絶対ならないと言い切れない不安にさらされ、誰もがそうなりえるという恐ろしい可能性に気づいてしまう。
    「正しさ」を盾にしたその空気の圧力に抵抗できる人はどれくらいいるのだろう。
    もう現実に存在していてもおかしくないそんな町の暴走は狂気に限りなく近づいていく。
    主人公の真崎にも弁護士の岩田にも木本夫人にも自分の弱さに負けた過去があり、時を経てその弱さと向き合う生き方が現実でも集団が生む狂気の歯止めになるのかもしれない。

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    2025年02月14日
  • 誰かがこの町で

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    ネタバレ

    面白かった。

    人々の行動が、絶妙に「あり得る」と思えるラインであった。本気で街を嫌いになる。
    このあとまた新しい事件は起きるかもしれないが、それはあずかり知らぬことである。コンパクトに勧善懲悪な気持ちよさが味わえた。

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    2025年01月25日
  • 誰かがこの町で

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    同調圧力。現実にあったら、かなり恐ろしい。でも本当にあり得そうな構成に感服しました。最後もう少しスッキリさせてくれると嬉しかったのですが、内容的には仕方ないのでしょうね。実写も気になります。

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    2025年01月17日
  • サブ・ウェイ

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    巨大都市東京に、血管のように張り巡らされた地下鉄路線。
    今日も多くの人が行き交う、その地下鉄の安全を確保する私服警備員たちの活躍を描く。

    かつて国鉄には鉄道公安官がいたが、彼らは公務員であり、警察官であった。
    対して地下鉄の保安員は、民間警備員。
    公権力は持たず、武力はなく、捜査権もない。
    地下鉄の安全を護るのは、犯罪、事故が起きないように自然に誘導する。
    特殊な職場に集まってきたメンバーは、それぞれがいろいろなものを抱えている。
    そのヒューマンドラマと思いきや、話しは一転してスリリングな場面展開へ。
    一件落着して、平和を取り戻し、また彼らは地下鉄路線内に散らばっていく。
    面白かった。

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    2025年01月08日
  • 誰かがこの町で

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    ちょっと極端な設定な気もするけど「本当のことを知っていながら口をつぐんでしまう」という事は誰にでもあり苦しくなるほどでした。

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    2025年01月07日
  • 誰かがこの町で

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    オーディブルにて。

    読んだはずなのに未記録だったため。
    期待値が高すぎたせいかそんなにだった記憶。

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    2024年12月31日
  • サブ・ウェイ

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    誘拐、痴漢、万引きなど駅ではいろいろな事件が起こる。実際もそうなのだろう。最後急展開だったけれど、事件も解決して終わったので良かった。

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    2024年12月15日
  • わたしが消える

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    奥深い内容で真実を追う姿に乗り移るように早く知りたいという衝動で読み進めた。認知障碍というものが珍しい病気でないと分かってきている現在だけれど実際に診断されたらどんな気持ちで残る人生を送らなくてはならないのか。そして実際に診断された主人公が身元調査を始めて巻き込まれていく事態は想像の上をいく。

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    2024年10月23日
  • サブ・ウェイ

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    地下鉄に私服警備員っているの?
    最近は物騒になってきたし、こんな風に見守ってもらえたら安心だけど、働く側になるとなかなか大変な仕事だと思う。
    物語に登場する警備員はたまたま女性ばかりなんだけど、いざ何かの事件に遭遇したら一人で対応できないのでは?と、主題から離れたことを考えてしまった。
    駅や車内ではこうやって毎日色々な事件が起こっているのかとちょっと怖くなる。
    それらの事件と平行して、恋人を殺した犯人探しも進んでいき…
    一つ一つの事件が解決しても全然すっきりした気持ちになれない。実際、当事者だったらこんな気持ちなのかなと想像した。

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    2024年10月19日
  • サブ・ウェイ

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    試験導入された地下鉄監視員の明美が、様々な人々との関わりで成長しながら、恋人を殺した犯人を捕まえようとする物語。

    6話の物語は少し緩い話の展開で、大きな破綻もないから読みやすいとも言える。
    最終話の結末はこれなのか…と、意外では無いが無理があり、物語の詰めとしてはあまり好ましくなかった。

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    2024年10月17日
  • サブ・ウェイ

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    地下鉄の私服警備員って本当にいるのかな?
    実際に乗車して様々な駅や車内を警備するなんて大変な仕事。
    確かにテロや傷害などの犯罪も怖いし、物騒な世の中だから何があってもおかしくない。
    恋人を殺された犯人を捜しながらっていうのが、いかにもって感じはしたけど、おもしろかった。

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    2024年10月05日
  • サブ・ウェイ

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    穂村明美の恋人は、駅構内で何者かに襲われて命を失った。
    事件の手がかりを掴めればと、私服警備員となった明美は、様々な事情を抱えた乗客たちが起こすトラブルに遭遇していく。
    以前は警視庁で防犯課に勤務していて、亡き父の友人である主任統括官の三木の助言や同期の町村(夫が東京メトロの職員)原口(会社員から転職した見た目、派手)奥野(元会社秘書、眼鏡で静か)たちとの交流もあり、さまざまな事件に心痛めながらも乗り越えていく。

    第一話 「誰かを探していますか」〜誘拐事件で息子を亡くした母親がしたこと。

    第二話 「誰が見捨てたのですか」〜置き忘れていたものは骨壺で受取人は。

    第三話 「誰の命令ですか」〜

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    2024年09月24日
  • わたしが消える

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    介護施設で働く娘の依頼により、認知症を患う"門前さん"(施設の門の前に放置されていた)の身元を調査することになった父。
    ただの身元調査だったはずが、いつの間にか警察組織の闇に迫っていき、公安や暴力団なども絡んだ大きな渦に飲み込まれていくーという展開にハラハラさせられました。

    なぜ"門前さん"は、自分を偽って生きてこなければならなかったのか。
    真実が明らかになったとき、彼の辛さや悔しさを想像すると胸が詰まりました。
    認知症の症状が進行し、過去の記憶が消えていってしまうなか、、、最後まで残された記憶は、どうか幸せなものでありますように。
    切なさが残る作品で

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    2024年08月05日
  • わたしが消える

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    元刑事の藤巻は、事故をきっかけに認知障碍だと伝えられる。
    そんな矢先に、介護施設でボランティアをしている娘から、認知症の患者さんで身元のわからない人がいるので、その身元を調べて欲しいと頼まれる。
    しかし、それが何か大きな事件に繋がっていたのか、妨害や脅迫を受けることになる。
    ただ、元刑事ということも手伝って、真相を知るまでやめる気にはならなかった。
    ただ、事態は悪くなるばかり…一体この認知症の患者は何者なのか…
    読み応えあり。

    2024.5.6

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    2024年05月06日
  • わたしが消える

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    第66回江戸川乱歩賞受賞作品。軽度認知障碍を患った元刑事の藤巻が身元不明人「門前」の過去に迫るうちに徐々に恐るべき真相が炙り出される。人間ドラマ・サスペンスものとしては面白いが展開の風呂敷を広げすぎ真相が飛躍しすぎたように感じる。主人公の認知症の設定ももう少し深みを持たせてほしかったように思う。

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    2023年12月25日
  • 戦火のオートクチュール

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    シャネル展に去年行ったのもあったので、帯の「祖母の形見は血塗られたシャネルスーツ」の一言で買った
    面白かった、もっとシャネル自身について知りたくなった……!

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    2023年05月20日