氾濫の家

氾濫の家

小説・文芸
2,200円 (税込)

11pt

妻は自分のモノ。子供たちも自分のモノ。金を稼いでくるのは俺なのだから、家族は俺の言いなりにならなくてはならない。

郊外の住宅地に住む五十代の専業主婦、新井妙子。
ある日、隣の家で殺人事件が起きる。被害者の隣人が著名な大学教授だったこと、一人息子がいたことを、妙子は事件を通じて初めて知る。
平穏そうに見えた隣家で何が起きていたのかーー事件はやがて、妙子自身の家庭の闇をあぶり出していく。

『誰かがこの町で』で「同調圧力」を、『シャドウワーク』で「DV」を描いた異能のミステリー作家、今度のテーマは、この国に根深く残る「家父長制」!

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内ミステリー
  • 出版社
    :
    講談社
  • タイトル
    :
    氾濫の家
  • タイトルID
    :
    1776457
  • ページ数
    :
    392ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年01月21日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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氾濫の家 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    夫の精神的DVにより支配が続いた家庭が氾濫によりゆっくり崩壊していく。
    とても読みやすく面白かったです。
    言ってしまえば、昔の体育会系的男のやりようが壊れていき、子の反乱を経て言いなりになるしかなかった妻も少しずつ自我を取り戻していくという、割とありがちな話の感じですが、読みやすさもあってその隷属の辛さと抜けられないもどかしさ、そこから脱していく過程の気持ちよさなどよかった。
    個人的には夫にはもっとふさわしい「ひどい目」を味わわせて欲しかったのがちょっとだけ残念。

    0
    2025年05月12日

    Posted by ブクログ

    登場人物、すべての人が、なんだか好きになれない作品だった

    全体的に解決した感があんまりないな

    なんかもやもや

    まぁそれでも最後まで離脱せずにちゃんと読めたので、星4つとしました

    本のカバーが不穏な感じで大好き

    0
    2026年09月18日

    Posted by ブクログ

    外見だけ取り繕うって、そんな感覚わかる。
    ここまでではなくとも、みんな誰もが虚勢はって生きてる部分はある。

    ただ、子どもに死んで欲しいと思われるような親にはなりたくない。

    0
    2026年05月08日

    Posted by ブクログ

    最後まで面白く読めた。
    登場人物への嫌悪感が終始とれず、最後はざまあみろ、と思ってしまった。
    まだいるんだろうな、家長制度に重きを置きすぎる人種。気持ち悪さの表現は抜群だった。

    心情表現が多いのは私の好みだけど、やや極端なのかな。一方で浅いキャラクターもいて、5に近い4にしました。

    0
    2025年08月14日

    Posted by ブクログ

    隣家の大学教授が殺された。モラハラ夫と共に暮す妻妙子は隣家に出入りする人物を目撃していた。家から逃げ出した娘、家にいつかない浪人の息子。

    結末もプロセスも悪くない。ただどこかスッキリしない。なぜだろう。

    0
    2025年04月22日

    Posted by ブクログ

    すらすら読めた。
    夫が怪物。でも、だからってあんな最後でいいの?
    社会派ミステリーかと思ったけれど、イヤミスなのかも。

    0
    2025年04月12日

    Posted by ブクログ

    自分が幸せを感じるために
    自分より不幸な人をわざわざ作ろうとする人がいる


    人の一生は崩壊に向かう過程にすぎない

    0
    2025年04月09日

    Posted by ブクログ

    多分、小説としては面白かったんだと思う。
    でも、この読後感の悪さは何だろう。
    妙子自身は、何も解決してない気がする。
    作者として、伝えたい事は何となくわかる気がするけど、何か違う気がすると言うか…
    上手く言えないけど、イライラだけが残った。

    0
    2026年07月14日

    Posted by ブクログ

    大学教授の家で起こった殺人事件というより、隣家の新井家の話がメイン。
    吐き気がするほど横暴な夫と、洗脳されているかのような妻。
    夫自身も自分の頭で考えるより上からの命令に従うしかない、それこそが生きる術だと思っていたのだろう。
    最後は妻も子どもたちも解放されて、のびのびと暮らしていけそうだ。
    よかった…、と言っていいのかな。

    0
    2026年03月22日

    Posted by ブクログ

    佐野広実『氾濫の家』は、郊外の住宅地に暮らす五十代の専業主婦・新井妙子を主人公に、
    家父長制・精神的DV・ブラック企業・ヘイトビジネス・学歴偏重・家庭崩壊
    といった現代日本の暗部を重層的に描く社会派ミステリーである。
    妙子は、夫・篤史の強烈な支配のもとで長年生きてきた。
    篤史は「家族は俺の所有物だ」「金を稼ぐ俺が絶対だ」と信じて疑わない、典型的な家父長的男性である。
    表向きは大手建設会社のエリート社員として振る舞うが、実際にはヘイト企業まがいの事業に加担し、上司の命令には絶対服従。
    家庭でも同じく、妻と子どもを「支配すべき対象」として扱う。
    長女・順子は父親に反発し、家を飛び出した。
    長男・将一は父の期待に応えようとするが、難関大学への進学を強要され、すでに合格している大学を蹴って浪人を命じられるなど、精神的に追い詰められている。
    妙子自身も、夫と姑から長年の精神的抑圧を受け続け、自分の意志を持つことができなくなっている。
    カウンセリングに通い始めたものの、まだ自分の感情を言語化することすら難しい状態だ。
    ■隣家の殺人事件
    そんなある日、隣家で殺人事件が起きる。
    被害者は著名な大学教授・正木氏。
    妙子は事件当日、正木家に侵入する男とすれ違い、目が合い、会釈まで交わしてしまう。
    しかし、妙子はその事実を警察に伝えない。
    「もし犯人だったら、自分も殺されるかもしれない」
    という恐怖と、
    「夫に責められるかもしれない」
    という長年の刷り込みが、彼女を沈黙へと追い込む。
    事件をきっかけに、妙子は隣家の家庭にも深い闇があったことを知る。
    正木家は外から見ればエリート家庭だが、実際には父の支配、母の不在、息子の孤立が積み重なり、崩壊寸前だった。
    妙子は、隣家の崩壊を目の当たりにすることで、
    「自分の家も同じではないか」
    と気づき始める。
    ■「氾濫」するもの
    物語が進むにつれ、妙子の家庭では、夫の支配、子どもたちの反発、会社の不正、地域社会の偏見など、あらゆる問題が「氾濫」するように噴き出していく。
    妙子のもとには、時折、彼女の心を励ます手紙が届く。
    その差出人は誰なのか。
    手紙は妙子の心を支えるが、同時に事件の真相とも密接に関わっていく。
    警察が真相に近づくにつれ、妙子は自分の沈黙が事件にどう影響したのか、そして自分の家庭の「真実」をどう扱うべきか、選択を迫られる。
    結末は「完全な救い」ではないが、妙子が自分の人生を取り戻すための一歩を踏み出す瞬間が描かれ、読者に深い余韻を残す。
    ① 家父長制の暴力
    本作の中心テーマは、作者自身も明言しているように 「家父長制」 である。
    篤史は暴力を振るわないが、
    • 経済力を盾にした支配
    • 妻の人格否定
    • 子どもへの過剰な期待と管理
    • 「家族は俺の所有物」という思想
    といった精神的DVを徹底して行う。
    この「目に見えない暴力」が、妙子の自尊心を奪い、子どもたちの人生を歪めていく。
    ② “見えない家庭崩壊”の構造
    隣家の正木家も、新井家と同じく「外面は立派、内側は崩壊」という構造を持つ。
    この二つの家庭は、
    「日本の中流家庭の闇」
    を象徴的に描いている。
    • 夫の支配
    • 妻の沈黙
    • 子どもの孤立
    • 外面の良さ
    • 近所の無関心
    • 社会の偏見
    これらが複雑に絡み合い、家庭を静かに破壊していく。
    ■③ 社会問題の多層的描写
    本作は家庭の問題だけでなく、
    • ブラック企業
    • ヘイトビジネス
    • 政治家との癒着
    • 学歴偏重
    • 差別意識
    など、現代日本の社会問題を幅広く扱う。
    それらは決して「背景」ではなく、家庭の問題と密接に結びついている。
    篤史の支配性は、会社の体質や社会の価値観と連動しており、個人の問題ではなく構造的な問題として描かれる。
    ① 読者を圧倒する“重さ”
    多くの読者が「読んでいて苦しくなる」と評している。
    それは、物語が単に暗いからではなく、
    「現実に存在する問題を、逃げずに描いている」
    からだ。
    妙子の心理描写は非常に丁寧で、
    「なぜ彼女は逃げないのか」
    「なぜ警察に言わないのか」
    といった疑問が、読者の理解へと変わっていく。
    ■② ミステリーとしての構成
    殺人事件は物語の“導入”であり、
    本質は「家庭の闇の解明」にある。
    警察が真相に迫る過程は緊張感があり、
    妙子の沈黙がどのように物語に影響するかが、読者の興味を引き続ける。
    ■③ 妙子の成長物語としての側面
    本作は、抑圧され続けた女性が、
    「自分の人生を取り戻す物語」
    でもある。
    妙子は最初、夫の顔色をうかがい、子どもに「私が怒られるからうまくやって」と言ってしまうほど自分を失っている。
    しかし、隣家の事件や手紙の存在を通じて、
    少しずつ「自分の感情」を取り戻していく。
    その過程は痛々しいが、読者に深い共感を呼ぶ。
    ■④ 社会派小説としての完成度
    佐野広実は前作で「同調圧力」「DV」を扱ってきた作家であり、本作はその延長線上にある。
    だが本作は、
    家庭・企業・社会・政治
    を一つの線で結びつけるスケールの大きさが際立っている。
    「家父長制」というテーマを、
    個人の問題ではなく社会構造として描いた点は、近年の日本文学の中でも特に重要な試みだ。
    本作が読者に強い衝撃を与えるのは、
    「これはフィクションではなく、現実の延長にある」
    と感じさせるからだ。
    • 家父長制の残滓
    • ブラック企業の体質
    • ヘイトビジネスの台頭
    • SNS時代の偏見の拡散
    • 学歴偏重社会
    • 家庭内の沈黙
    • 近所の無関心
    これらは、現代日本のどこにでも存在する。
    妙子のように「逃げられない」人は、現実にも多い。
    本作は、そうした人々の声なき声を代弁している。

    5. 総括
    『氾濫の家』は、
    家庭の崩壊を通して日本社会の構造的暴力を描いた、重厚な社会派ミステリー
    である。
    • 家父長制の暴力
    • 精神的DV
    • 社会の偏見
    • 企業の不正
    • 家庭の沈黙
    • 子どもの孤立
    • 事件の真相
    これらが複雑に絡み合い、読者を圧倒する。
    しかし同時に、妙子が自分の人生を取り戻すために踏み出す一歩は、
    静かだが確かな希望を感じさせる。
    読後に残るのは、
    「これは他人事ではない」
    という重い実感と、
    「それでも人は変われる」
    という微かな光だ。

    0
    2025年12月23日

氾濫の家 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内ミステリー
  • 出版社
    :
    講談社
  • タイトル
    :
    氾濫の家
  • タイトルID
    :
    1776457
  • ページ数
    :
    392ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年01月21日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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