佐野広実のレビュー一覧

  • 誰かがこの町で
    話の筋は途中で読めてしまうけれど隠然たる街ぐるみでのいじめから犯罪へと暴走していく描写が恐ろしい。真実を告発するよりも自己保身を優先してしまう登場人物たちの弱さが新たな悲劇をうんでしまう。誰もが陥りがちなことでもある。尊厳をもった人間として生きるには勇気が必要なのだな。
  • 誰かがこの町で
    こちらも、一気読み!!
    言い方悪いケド、胸くそ悪くって!イライラして!!住民たちにムカムカした!!!
    同調圧力からの、洗脳されてる感じが、すごく気持ち悪くて、怖かった(/ _ ; )
    いじめがテーマの道徳で、こんな感じの話あったなぁ。

    佐野さんの作品のおじさまは、なんか、渋いというか、カッコよく読...続きを読む
  • わたしが消える
    マンションの管理人で、元刑事の主人公の藤巻は認知障碍の宣告を受ける。先の不安を思いながら、大学生の娘の研修先である介護施設で保護されている認知症患者の身元調査の依頼を引き受けることに。妨害や脅迫と事件が動いて行く。その裏に隠された真実とは…。

    江戸川乱歩賞受賞作ということで手に取った作品。
    まずは...続きを読む
  • わたしが消える
    主人公が軽度認知障がいと診断されたところから開始するが、もっと重度の認知症患者が登場し正体を探る。もう認知症関係なく、身元調査がどんどん壮大にハードボイルド感も溢れる展開に。ジャケ買いしたことを忘れて2冊買ってしまった。
  • わたしが消える
    第66回江戸川乱歩賞受賞作

    元刑事の藤巻は、事故でケガをした際軽度の認知障碍を宣言される。
    離婚した妻はすでに亡くなり、大学の娘はいるが迷惑はかけられないと思っていた。
    娘の実習先の施設に身元がわからない認知症の人がいるので調べて欲しいと頼まれ、事件に巻き込まれる。

    緩やかに始まるが次第に引きつ...続きを読む
  • 誰かがこの町で

    小さなコミュニティに落ち着いていると
    そこが全てで周りが段々見えなくなってくるのかもしれない。
    「おかしいな。」とか「だめだよな。」って心のどこがでわかっていても
    疎外されることの恐怖に勝てなくて従ってしまう。

    みんなでやってるからこわくない。
    みんなそうしているから普通。

    日本人特有の性質を...続きを読む
  • 戦火のオートクチュール
    ヒトラ―が支配する当時の北欧で生きた日本人の父と娘の生き方が強く描かれている。登場人物も個性豊かに書かれておりミステリーと歴史小説を融合させた内容だったが、その側面に描かれている、娘と母そして祖母の間に出来た深い溝が、祖母の生きてきた道を辿る事で少しずつ埋まって行くところがこの小説の主題と感じた。
  • 誰かがこの町で
    自己保身のために同調することは醜いこと。
    権力を持ったとしても、それを振りかざして周囲を従わせることも醜いこと。
    風通しや多様性、日本に足りないと言われていることを、町という縮図を用いて、伝えてくれているような気がしました。
  • 誰かがこの町で
    同調圧力がテーマの小説。
    しかし、読んでいくとそれだけに
    止まらず、19年前に起きたとある
    殺人事件と、一家の失踪。
    法律事務所に訪れた女性の依頼で
    閉塞感のある鳩羽地区に赴き、調
    査をしていくと、過去の出来事が
    次第に分かってくる。
    現代パートと過去の鳩羽地区での
    パートが繰り返していく構造で、
    ...続きを読む
  • 誰かがこの町で
    ばたやんのオススメの本。丁度、自分が町内会のゴタゴタにうんざりしてたところなので、タイムリーに読めました。町内会って、殺人まではいかなくても、同調圧力で言えなくなる雰囲気って、あるよね。それと、まだまだ家長制度が残っている閉じた世界。分かるわーと思いながら楽しく読みました
  • シャドウワーク
    DVの被害を受けた人達のシェルターで過ごす小説かとおもったら…
    ミステリー小説でした。面白かったです。
    DVの描写も怖くなるくらいでし
  • わたしが消える
    面白かった!これぞ江戸川乱歩賞って感じの作品。
    前日譚に当たる短編も良かったです。 
    ここ数年の乱歩賞受賞作の中では一番好き。
  • シャドウワーク
    シャドウワーク
    佐野広実さん。

    暴力夫。
    ドメスティックバイオレンスの闇。
    DV被害者。

    シスターフッド
    男性優位の社会を変えるため、階級や人種、性的嗜好を超えて女性同士が連帯することを表すもの。

    一気読み。
    すごい。
    読み応えがありました。
    とても考えてしまう。本です。


  • シャドウワーク
    「一度だけ」なら許されてもいいのか…「世界は法律で裁けない悪意で満ちているけど…必殺仕置き人シリーズの梅安思い浮かぶ。「持ちまわり」自分と関わりのない人間始末する論理、無差別殺人と紙一重。女を一人ずつ「解放」していくための「無関係」な殺人、ホントに許されるのか?佐野さん、問題作ばかり投げかけてくる。...続きを読む
  • シャドウワーク
    滅びよ、DV。赤の他人に暴力を振るったら即警察案件なのに、夫婦や家族間だと「いさかい」で済まされてしまうとは...まじで許せん。この物語の女性陣は全員DV経験者で終始心が痛かった。江の島にDVで逃げ出した女性たちを匿う家がある。夫から守り、立ち直り支援してくれる有難い場所だが、住人になるには様々な条...続きを読む
  • わたしが消える
    始めはライトなミステリーかなぁ?と思っていたのだけれど、読み進めるにしたがってがっつりミステリーだったし、門前さんをめぐる背景が壮大なものでびっくりしたけど面白かった!
  • わたしが消える
    介護施設の前に捨てられた認知症の老人
    彼は誰かを求めて元警官の老人が動く 元警官は認知症の前段階だとの診察を受けている 彼もまた他人には言えない過去を持っている

    思いもかけない大きな謎が次々と明かされてゆく
    ミステリーとしても充分面白いが、認知症のひとに最後まで残る記憶はなにかを考えさせられる...続きを読む
  • シャドウワーク
    タイトルはそういう意味かぁー
    本当にありそうで怖い話

    最後の方にちょろっと書いてあった、女性が加害者になるパターンってのも闇が深いな、と
  • シャドウワーク
    江ノ島を望む坂の上に立つ一見普通の民家。
    そこは夫のDVで重傷を負い命の危険に晒された女性たちがひっそりと暮らすシェルターだった。
    そこに暮らす5人の女性には共通のある「ルール」があった。
    千葉県警館山署の刑事・北山薫は、遺体で発見されたある女性の死を調べるうち、この家に辿り着く。そして彼女もまた、...続きを読む
  • わたしが消える
    第66回江戸川乱歩賞受賞作。


    特別養護老人ホームの門の前に、置き去りにされた身元不明の認知症の老人。老人の身元を突き止めてほしいと娘から頼まれた元刑事藤巻は、自らも軽度の認知障碍を患っており、他人事とは思えずこれを最後の使命と引き受ける。

    始まりは地味な老人の身元調べ。
    だけど、老人が隠し持っ...続きを読む