佐野広実のレビュー一覧

  • わたしが消える

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    本編のラストはややできすぎな感じがするが、身元不明者の謎解きや、自身の境遇と重ね合わせる描写は面白かった。
    スピンオフ的な「春の旅」は、短いがとても良かった。

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    2025年08月29日
  • 氾濫の家

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    最後まで面白く読めた。
    登場人物への嫌悪感が終始とれず、最後はざまあみろ、と思ってしまった。
    まだいるんだろうな、家長制度に重きを置きすぎる人種。気持ち悪さの表現は抜群だった。

    心情表現が多いのは私の好みだけど、やや極端なのかな。一方で浅いキャラクターもいて、5に近い4にしました。

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    2025年08月14日
  • サブ・ウェイ

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    地下鉄の私服警備員、穂村明美が恋人を失ってから教職の道を捨てて警備員になり恋人を殺した犯人を捕まえるまでの日々を描いた物語。明美は区切りを付けたかったのか付けたくなかったのか。

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    2025年06月19日
  • サブ・ウェイ

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    東京の地下鉄は毎日色んな事件が起きているんだろうな。数回しか乗ったことがない田舎者の私には怖い場所だと思う。そんな私には未知の世界である東京の地下鉄が舞台の話。

    主人公の穂村明美は地下鉄の私服警備員。警察とは違う立場なのだけど、乗客が安心して乗れるように地下鉄に乗って見守るという仕事。見守るというのは優しい言い方かな?体を張って守ってます、という感じだ。読み終えて思ったことは、やっぱり地下鉄怖い…、乗る時は気をつけよう、です。

    話は面白かったです。穂村明美の悲しい過去。その過去に区切りをつけて立ち直っていく姿がいいです。あとは同僚の町村、原口、奥野と四人でバー
    "エルニーニョ"(本当は違う

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    2025年06月03日
  • 誰かがこの町で

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    ネタバレ

    この小説の舞台はとあるニュータウン。このニュータウン渦巻いている同調圧力、身内保身は地域単位だけでなくより少数の集団でも起きうる事案だと感じます。
    自身の身を守る為に他者を貶める。状況の主語が「自分」に変わるだけでこうも人は変わるのか、改めて恐怖感を覚えました。

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    2025年04月28日
  • 氾濫の家

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    隣家の大学教授が殺された。モラハラ夫と共に暮す妻妙子は隣家に出入りする人物を目撃していた。家から逃げ出した娘、家にいつかない浪人の息子。

    結末もプロセスも悪くない。ただどこかスッキリしない。なぜだろう。

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    2025年04月22日
  • 氾濫の家

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    ネタバレ

    読んでいて心を抉られ続けているような感じから逃げられませんでした。

    結婚以来(姑と)夫からモラハラをされ続けている専業主婦妙子が隣家の殺人事件をきっかけに起きた出来事を描いた今作。

    長いモラハラで本来身に付けていた善悪や好悪の感覚さえ奪われてしまい、ただただ生きることや夫の機嫌を損ねないように過ごすだけだったのに、そこから救い出してくれたのは自分が慈しんだ子供達であったというのはとても良かったと思いました。

    また夫である篤史でさえ実は偏狭な価値観に染められていた、とも読めるのも面白いなと思いました。違いは自分の考えを省みることができるかだけで、その行動は自己中心的な動機か否か、他人に思い

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    2025年04月19日
  • 氾濫の家

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    すらすら読めた。
    夫が怪物。でも、だからってあんな最後でいいの?
    社会派ミステリーかと思ったけれど、イヤミスなのかも。

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    2025年04月12日
  • 氾濫の家

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    自分が幸せを感じるために
    自分より不幸な人をわざわざ作ろうとする人がいる


    人の一生は崩壊に向かう過程にすぎない

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    2025年04月09日
  • 誰かがこの町で

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    養護施設で育った麻希の失踪した家族を探す法律事務所の真崎
    「安心安全の町」で起きた児童誘拐事件
    2つの物語の真実とは…

    読み応えがあって面白かった!
    衝撃すぎる真相
    同調圧力、集団心理、自己保身…
    ここまでではないにしても誰にでも起こりうる問題だと感じた

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    2025年04月02日
  • 誰かがこの町で

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    ある種の洗脳というか、「当たり前」と思っていることが思い込みや同調圧力的なものだったりすることって意外に身近でありそうでこわかったです

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    2025年03月28日
  • 氾濫の家

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    ネタバレ

    2025/02/14予約 14
    2025/03/11予約 30
    横暴な夫・篤史に従うだけの妙子。隣の家での殺人事件をきっかけに夫から逃げ出すことを選ぶ。
    今どきありえないほどのモラハラ夫を、子どもたちはとっくに見限っていた。そして夫の勤務先もハラスメントまみれ。仕事内容も邪魔な人間を排除すると言う、時代錯誤感。
    話がスピーディーに進み、ラストは家庭も会社も氾濫の中にとりこまれる、ってことなのかな。自分自身が痛感することが、女性は結婚で退職してはいけない、だがやっぱりね。
    今の時代は仕事を辞める選択は無いと思うけど経済力は大切だ。

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    2025年03月25日
  • わたしが消える

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     読みたいと思いながらも、ずっと積んでた一冊です。はじまりは一見すると地味なんだけれど、段々と大きくなる感じかな…でも最後は、いい感じにまとめてくれる作品でした。

     元刑事の藤巻はある日軽度認知障害の診断を受け、娘には迷惑をかけたくないと強く思う。ある日、娘が訪ねてきて、実習先の施設で認知症を患う身元不明の男性、門前さんについて調べてほしいと依頼を受ける。徐々に明らかになる、門前さんの過去とその正体、門前さんを狙う謎の勢力…そして、藤巻と娘の関係性の変化など、読みどころ満載です。

     認知症が進行し、記憶が消える中、最後まで残された記憶って…どんな記憶なんだろう?もし、私が認知症になったら、

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    2025年03月21日
  • サブ・ウェイ

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    地下鉄サリン事件からちょうど明日で30年を迎えるこの日に読み終えた事に何か不思議な感覚になった。
    この設定のような職業が本当にあるのかないのかわからないが、誰かがこの町で、でも感じたようにこの作者は何気ない日常に潜む闇のようなものを描くのが上手だと思う

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    2025年03月20日
  • 氾濫の家

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     重いな、佐野広美さんの作品は、ホント重いっ!けど、スゴイ!!

     主人公は新井妙子、50代の主婦。夫の篤史は大手建設会社に勤めている。長女の順子はシンガポールに行ったきりで、長男の将一は予備校に通う浪人生という家族。ある日、隣の家に住んでいる大学教授が殺害される事件が発生する…。

     この妙子の夫、篤史がとんでもない、嫌なヤツで…ムカムカしちゃいましたねぇ!何様のつもりだぁ~!!とか、言いたくなっちゃいます。昭和の時代じゃあるまいし…!!でも、昭和の時代でもね、一筋縄で行かなくともどうしようもない頑固者でも、間違ったことをしない、言わない素敵な人もいますよね…。だから、救いがない…。けど、そ

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    2025年03月17日
  • 氾濫の家

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    DV夫の家庭環境を描いた作品。
    隣の家でも殺人が起き、家族とどう繋がっていくのか、先が気になる内容です。
    ページ数は400で、文字数も結構ありますが、テンポよく進み、一気に読めると思います。
    読み応えのある一冊です。オススメ。

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    2025年03月08日
  • 誰かがこの町で

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    同調圧力というものがどれだけ怖いのか、自分たちの『当たり前』が世間の『当たり前』とは違う事に気づかず、一つの事件をきっかけに町民たちの結束は益々強くなっていき反抗するものは許されない…
    時系列がポンポンと飛ぶので少しわかりにくいところもありましたが、最後には点と点が綺麗に繋がる作品でした

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    2025年03月01日
  • 氾濫の家

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    どちらかといえば裕福な家庭が並ぶ住宅地で、殺人事件が起きた。現場隣の家の主婦・妙子はその事件をきっかけにして、自らの家庭の異常さを否応なしに認識させられていく。凄惨な事件よりも、一見何もなさそうな家庭の闇が恐ろしいサスペンスです。
    一軒家に住み夫は一流企業に勤めており生活には不自由のない、一般的には「幸福な家庭」を持つ妙子。しかしその実態はにはぞっとさせられます。暴力こそ振るわないものの、暴言と抑圧で束縛し支配する夫。子供たちにも軽蔑され、なにひとつ自分の楽しみを持たないままに漫然と日々を送る妙子は、まさしく牢獄にいるのと変わりません。だけどこの状況をはっきりと認識しているのって、妙子の子供た

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    2025年02月27日
  • 氾濫の家

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    隣の家でおきた殺人事件をめぐるミステリーと一見思いきや、家庭の闇、モラハラ夫など様々なものが重なり合っている。最後はスッキリ、なのかな。因果応報。分厚い本ですがあっという間で面白かった。まさに主人公宅は氾濫の家。

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    2025年02月26日
  • 氾濫の家

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    隣家で殺人事件が起きたことに驚いたのは、50代の専業主婦・新井妙子である。
    何が起きたのかわからないのは、隣りが大学教授の夫と研究所に勤める妻という共働きの夫婦で挨拶程度の付き合いしかなかったからだ。
    だが、それだけではなかったのかも知れない…。

    隣りの事件捜査と並行してわかっていくのは、妙子の家庭内でのことである。
    モラハラ夫に反抗して出て行った娘と予備校に通う息子だが、そのうち息子までが家を出て行く。

    夫が会社で何をしているのかさえ把握できていない妙子だったが、隣りの家の殺人よりも我が家がどれだけ異常だったかを子どもが出て行ってから気づく。


    家庭内で起こることは、家庭内に留めておき

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    2025年02月21日