佐野広実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第66回江戸川乱歩賞受賞作。
特別養護老人ホームの門の前に、置き去りにされた身元不明の認知症の老人。老人の身元を突き止めてほしいと娘から頼まれた元刑事藤巻は、自らも軽度の認知障碍を患っており、他人事とは思えずこれを最後の使命と引き受ける。
始まりは地味な老人の身元調べ。
だけど、老人が隠し持っていた数枚の身分証明書が発見されたあたりからぐいぐいと謎に引き込まれていく。
深まる謎、何者かによる脅し、証拠品の盗難、そしてとうとう死者まで。このあたりになると緊張感で息もつけないほど。
そして次第に明らかになっていく真相。黒幕の正体は?一気に社会派ミステリの様相を帯びていく展開に読むのをやめられ -
Posted by ブクログ
佐野広実『氾濫の家』は、郊外の住宅地に暮らす五十代の専業主婦・新井妙子を主人公に、
家父長制・精神的DV・ブラック企業・ヘイトビジネス・学歴偏重・家庭崩壊
といった現代日本の暗部を重層的に描く社会派ミステリーである。
妙子は、夫・篤史の強烈な支配のもとで長年生きてきた。
篤史は「家族は俺の所有物だ」「金を稼ぐ俺が絶対だ」と信じて疑わない、典型的な家父長的男性である。
表向きは大手建設会社のエリート社員として振る舞うが、実際にはヘイト企業まがいの事業に加担し、上司の命令には絶対服従。
家庭でも同じく、妻と子どもを「支配すべき対象」として扱う。
長女・順子は父親に反発し、家を飛び出した。
長男・将