佐野広実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
郊外の住宅地で起きた殺人事件をきっかけに、隣に住む家族が崩壊していくというミステリー小説。
著名な大学教授が殺されるが、その犯人を探る推理よりも、背景にある社会的な背景や家族心理に力が注がれている。
隣家に住む50代の専業主婦・新井妙子は、家父長制を重んじる会社員の夫の強権的な扱いに隷属してきた。
封建的な姑にいじめ抜かれながらも、彼女を介護し、最後を看取った。
娘や息子は何も自分から言い出せない、変わろうとしない妙子に愛想を尽かせていた。
夫・篤史の会社はそこそこの規模の建設会社だが、社長は外国人ヘイトの傾向があり、政治家とも癒着、裏事情のあるリゾート開発構想を進めていた。
また、殺された大 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新井家の隣に住む大学教授が殺害され
一人息子が怪しいと思われる事件がおこった。
同時に新井家の綻びもハッキリと見えるようになる。
↓ 厳し目の感想になります。
序盤から中盤、同じことがダラダラ繰り返し書かれている。
読むのに時間が掛かってしまった。
妙子の煮え切らない思いにイライラ。
娘の順子と息子の将一が真っ当で救われる。
殺人事件も浅く、面白さが半減してしまった。
会社を脅迫し5億を脅し取ろうとした宮崎もあっけなく殺される。
上司に従順な新井篤史が宮崎に対しどのような行動を取るか
考えればわかると思うのだが。
実は宮崎は生きていて、反対に新井篤史が窮地に追い込まれる。
ドラマのような -
Posted by ブクログ
「同調圧力」「DV」などをテーマに社会問題を描いてきた作者が家庭内の支配、レイシズム、ミソジニーなど社会に蔓延る人権侵害をテーマに描いた作品。
隣家で起こった殺人事件を発端に壊れていく家庭の姿を中心に描いていくのだが、この新井家の主が本当に胸糞悪い。昭和一桁生まれならいざ知らず、51歳でここまでのことを口にする(思っている人間は数多くいるだろうけど)人間が未だにいるものかと呆れる。そしてそんな糞男に唯々諾々と従う主婦の妙子もまた歯痒い。
新井夫婦、隣家の夫婦、新浪建設の社員、野間、そして刑事まで登場人物が悉く歪んでいる。まあ、人間なんて皆ある程度歪な存在なんだろうけど、ここまで揃うと読んで -
Posted by ブクログ
佐野広実さんの作品はこの作品で一段落!!ちょっと今まで読んできた作品とは異質な感じなのは、島村匠さんの「マドモアゼル」を加筆、改題した作品であるからなのでしょう。佐野広実さんの作品だからというだけで、何の予備知識もなく手にしましたが、まさかのアドルフ・ヒトラーや、ココ・シャネル、その人が登場して驚きました!!
主人公はフリーライターの結城真理、母の智子とともに、祖母の千沙の遺品である血塗られたシャネルのスーツについて調査するためフランスに赴く…。千沙は第二次世界大戦中、外務省書記官の父とともにナチ占領下のパリにいたことがあったのだ…。フランス、そしてドイツと巡り確信に迫っていく…。