あらすじ
江戸川乱歩賞作家の渾身作!
圧倒的リアルで描く、極上の歴史ミステリー!
祖母の形見は血塗られたシャネルスーツ
ココ・シャネル、エヴァ・ブラウン、アドルフ・ヒトラー、そしてひとりの日本人女性――
占領下のパリに秘された謀略とは?
祖母が遺したのは、血に染まったシャネルスーツだった。
遺品の謎を解くため、フリーライターの結城真理は疎遠だった母とフランスに赴く。祖母は第二次世界大戦中、外務省一等書記官の娘としてナチ占領下のパリにいた。その足跡を辿ると、驚愕の事実が。歴史上のある人物を巡る謀略が浮かび上がったのだ。
約80年の時を経て、祖母が胸に秘めていた秘密が明らかに!
【『マドモアゼル』(島村匠名義)改題作品】
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
祖母の形見は血塗られたシャネルスーツ。
ココ・シャネル、エヴァ・ブラウン、アドルフ・ヒトラー、そしてひとりの日本人女性――
占領下のパリに秘された謀略とは?
祖母が遺したのは、血に染まったシャネルスーツの謎を解くため、フリーライターの結城真理は疎遠だった母とフランスに赴く。祖母は第二次世界大戦中、外務省一等書記官の娘としてナチ占領下のパリにいた。その足跡を辿ると、驚愕の事実が。歴史上のある人物を巡る謀略が浮かび上がったのだ。
約80年の時を経て、祖母が胸に秘めていた秘密が明らかになっていく歴史ミステリー。
とても面白い、一気読み間違いなしの1冊(*^^*)
Posted by ブクログ
祖母が遺した血に染まったシャネルのスーツ
このスーツの謎を追い、疎遠だった母とフランスに飛ぶ結城真理
祖母の久能千沙は第二次世界大戦中、外務省一等書記官だった父と一緒にナチ占領下のパリに住んでいたのだった
はい!大好きな歴史ミステリー♪
しかもシャネルスーツの謎を追う2014年の真理のパートと第二次世界大戦中のパリに暮らしていた祖母、千沙のパートが交互に進む〜
ニヤニヤ…(笑)
さらに、ココ・シャネル、ヒトラー、エヴァ・ブラウン、早川雪洲…
もう興味がない訳がない
物語後半、ヒトラーの愛人エヴァ・ブラウンがいるオーバーザルツブルクにあの人が登場した時には思わず声を上げちゃったよ~
どうしてこんなことを思いついちゃうわけ?
そして当時の実在した人物や時代背景についての下調べに心が震える!
物語はフィクションだけど、もしかしたら実際にこんなことあったんじゃない?って思っちゃう…
やっぱり作家さんってすごい!
そしてこれぞ歴史小説の醍醐味〜
歴史に翻弄されながらも、自分の信条を貫いた女性たち
一着のオートクチュールを巡るラストには涙した…
Posted by ブクログ
フリーライターの結城真理は、母の大学時代の友人である松村弘子に母が古いシャネルスーツを持ち込んで本物かどうか、戦前に作られたものかどうかを調べてほしいと頼まれ、その件を調べにフランスへ行ってほしいと言われる。
それは、祖母が遺した血に染まったシャネルスーツで、その遺品の謎を解くために母とフランスに赴く。
そこで知ったことは、若かりし祖母と曽祖父のこと。
祖母は、外務省書記官の娘としてナチ占領下のパリにいて、ココ・シャネルと出会っていた。
大戦末期と現代を交互に物語は進む。
謎と驚愕の繰り返しの連続である。
祖母・母・娘の三代系譜の物語だが、それぞれ仕事に生き、芯の強い女性であることがわかる。
そして共通するのはシャネルもそうであったのだろう。
祖母が遺したのが血に染まったシャネルスーツであったこと…それは、娘に、孫に、語りたいことがあるという隠された事実だったのかもしれない。
母娘がけっして仲良くわかり合える間柄ではなかっただけになおさら切なさが尾をひく。
Posted by ブクログ
「祖母が遺したのは、血に染まったシャネルスーツだった。」
そこから始まる祖母、千代の痕跡をたどる旅。外交官の仕事は、戦争を回避するために交渉に力を注ぐこと。今、果たして外交官たちは、そのために動いているのだろうかということを考える。時代に翻弄された女性たち。ココシャネルという人物を知りたくなった。
Posted by ブクログ
ヒトラ―が支配する当時の北欧で生きた日本人の父と娘の生き方が強く描かれている。登場人物も個性豊かに書かれておりミステリーと歴史小説を融合させた内容だったが、その側面に描かれている、娘と母そして祖母の間に出来た深い溝が、祖母の生きてきた道を辿る事で少しずつ埋まって行くところがこの小説の主題と感じた。
Posted by ブクログ
佐野広実『戦火のオートクチュール』祥伝社文庫。
島村匠名義で刊行された『マドモアゼル』を加筆修正、改題、文庫化。
第66回江戸川乱歩賞受賞作の『わたしが消える』が非常に面白かったので、本作も読んでみることにした。
歴史ミステリーである。なかなか面白い。
雑誌のライター結城真理は、母親の大学時代の友人の松村弘子からあることを依頼される。長らく疎遠だった真理の母親の結城智子が持つ祖母の形見の血塗られたシャネルスーツの謎を解くために母親の智子と共にパリに飛んで欲しいというのだ。
真理と智子の動きを監視する外務省の外郭団体を名乗る大津真一という人物が二人の調査を妨害しようとする。
祖母の千沙は第二次世界大戦中、外務省一等書記官の久能範義の娘としてナチ占領下のパリにいた。
祖母の足跡を辿るうちに、驚愕の事実が浮かび上がる。千沙の恋人クルト・シュピーゲル、ココ・シャネル、エヴァ・ブラウン、アドルフ・ヒトラーと役者は揃い、ナチス占領下のパリで繰り広げられた謀略の歴史。
本体価格940円
★★★★
Posted by ブクログ
佐野広実さんの作品はこの作品で一段落!!ちょっと今まで読んできた作品とは異質な感じなのは、島村匠さんの「マドモアゼル」を加筆、改題した作品であるからなのでしょう。佐野広実さんの作品だからというだけで、何の予備知識もなく手にしましたが、まさかのアドルフ・ヒトラーや、ココ・シャネル、その人が登場して驚きました!!
主人公はフリーライターの結城真理、母の智子とともに、祖母の千沙の遺品である血塗られたシャネルのスーツについて調査するためフランスに赴く…。千沙は第二次世界大戦中、外務省書記官の父とともにナチ占領下のパリにいたことがあったのだ…。フランス、そしてドイツと巡り確信に迫っていく…。
壮大な歴史に迫るミステリー…とでも言えばいいのかな。調査で判明したのは、歴史に翻弄された千沙の悲しい過去でした。でも、私が興味を惹かれたのは、ココ・シャネルの生き様だったりします。リアルではシャネルなんて無縁だけど^^;