あらすじ
地下鉄内での防犯のため、試験導入された地下鉄私服警備員として働く穂村明美。彼女は、二年前に地下鉄駅構内で起きた暴行事件によって恋人・要一を失い、その事件の真相をつかむために警備の仕事に就いていた。勤務の中で、明美は乗客たちの様々な事情に触れていく。そして要一の事件の手がかりを掴むが……。江戸川乱歩賞受賞の著者が紡ぐ、心震えるヒューマンサスペンス!
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Posted by ブクログ
恋人を殺された明美。犯人につながる手がかりをもとめ地下鉄の警備員の仕事をしている。警備員といっても、私服で目立たないように電車に乗り、揉め事がおこらないよう目配りをするのが仕事だ。仕事や仲間、上司の三木との関わりの中、明美は自分を見つめ直す。そして、恋人を殺した犯人は‥。
改めて考えると電車って本当に様々な人が乗ってるんだよねえと思った。ミステリ要素があっておもしろかった。
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ここ3冊くらい、面白いと思える本に当たらず、挫折していたところ、巡り会いました!
地下鉄の私服警備員という仕事は、本当にあるのかなぁ。本分でも試行段階だけれど。
穏やかなトーンで、警察ではないけれどそれ様の事件への対応が何話かあり、最後に主人公自身がその仕事に?求めていた事件に巡り会うのだけれど、出来すぎでしょ⁈と思いつつも惹き込まれる。
加速度ついて読み込みました。
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地下鉄の私服警備員、穂村明美が恋人を失ってから教職の道を捨てて警備員になり恋人を殺した犯人を捕まえるまでの日々を描いた物語。明美は区切りを付けたかったのか付けたくなかったのか。
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東京の地下鉄は毎日色んな事件が起きているんだろうな。数回しか乗ったことがない田舎者の私には怖い場所だと思う。そんな私には未知の世界である東京の地下鉄が舞台の話。
主人公の穂村明美は地下鉄の私服警備員。警察とは違う立場なのだけど、乗客が安心して乗れるように地下鉄に乗って見守るという仕事。見守るというのは優しい言い方かな?体を張って守ってます、という感じだ。読み終えて思ったことは、やっぱり地下鉄怖い…、乗る時は気をつけよう、です。
話は面白かったです。穂村明美の悲しい過去。その過去に区切りをつけて立ち直っていく姿がいいです。あとは同僚の町村、原口、奥野と四人でバー
"エルニーニョ"(本当は違う店名)で仕事が終わったあと女子会をする。それが楽しそうでいいなと思いました。明美にいい仲間がいて良かったな。
この作品は連作短編でいいのだと思うのだけど、長編にも感じた。これって"地下鉄に乗って乗り継ぎを何回かして目的地に行く"というイメージが、一つの物語と思えたのかな?そこが不思議な感じでした。
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地下鉄サリン事件からちょうど明日で30年を迎えるこの日に読み終えた事に何か不思議な感覚になった。
この設定のような職業が本当にあるのかないのかわからないが、誰かがこの町で、でも感じたようにこの作者は何気ない日常に潜む闇のようなものを描くのが上手だと思う
Posted by ブクログ
最近お気に入りの作家さん。相変わらず読みやすく、とても面白かった。
今回は連作の短編でさらに空き時間にサクサク読めた。
私は第一話が特に印象深かった。母親なら当然、、同情せざるを得ない悲しい物語。
今のところ、この作家さんの作品、全てとても面白かった。まだ未読の方、ぜひ読むべし。
Posted by ブクログ
地下鉄の私服警備員として働く明美。私服警備員として地下鉄に乗りながら困っている人やトラブル対処をして働いている。明美にはこの仕事を始めた理由がある。明美の恋人である要一が2年前に地下鉄で亡くなったのだ。防犯カメラを見ると、後ろ姿の犯人が映っていた。明美はその犯人を捕まえたいという思いを抱えながら地下鉄の私服警備員として働いている。本当にこのような私服警備員がいるのかはわからないけど、鉄道って本当にいろいろなお客さんがいるから、いろんな出来事があるんだろうなと思いながら読んだ。子どもを誘拐され身代金の引き渡しに駅にやってきた母親、駅にあるコンビニの万引き、乗客同士のトラブルなどなど…。いろいろな出来事がありながら、恋人の要一を殺した犯人に段々と近づいていく明美。最後は犯人逮捕で明美もようやく前に進めるようになりそう。
地下鉄の私服警備員。もし本当にこの仕事があるならすごく大変な気がする。読み始めた最初は電車に乗ってあちこち移動して楽しそう!と思ったりしたけど、良くも悪くもいろいろな人との出会いが多すぎ。。良い人との出会いならいいけど、犯罪者とかトラブルを起こす人の対応は大変そう。。
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面白かった!地下鉄の私服警備員が、恋人を殺した犯人を追うサスペンス。普段のほほんと乗っているだけだが、実は色々と大変なことが起こっているのだなあ。
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架空の設定としては設定を活かしたエンタメ性に乏しく、過去の傷を背負った人間の葛藤や成長を描く人間ドラマとしては、人物の深掘りが浅く感情移入出来なかった。
と言うことで、設定の必然性を感じられずに終わってしまった感じ。
面白くなかったわけではないです。
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※
地下鉄警備員として働く主人公と同僚、
上司たち、勤務する中ですれ違う人々と
向き合うことでそれぞれが抱えてきた過去と
これからを描いた物語。
Posted by ブクログ
佐野広実さんの作品をもっと読みたくなりました。ということで、次はこの作品、この作品は全6編の連作短編集となっています。
物語の主人公は穂村明美という、2年前に地下鉄構内で起きた暴行事件で恋人の要一を失った経験を持つ女性。要一の死後精神的に落ち込み体育教師を目指していた気持ちも失い引きこもっていたが、亡き父と交流のあった三木から、地下鉄私服警備員の仕事を紹介される。明美は、要一の事件の真相を知ることができるかも…と、私服警備員となり地下鉄構内の安全を図る毎日を送っていたのだが…。
〇誰を探していますか
誘拐事件の被害者遺族がとった行動とは…。
〇誰を見捨てたのですか
骨壺ばかりが忘れ物として押収される訳とは…。
〇誰の命令ですか
駅構内のコンビニで多発する万引きは?
〇誰が悪いのですか
駅のトイレに置き去られた赤ちゃんを保護したが…。
〇誰を信じますか
要一と交流のあった人物に接触しようとしたが…。
〇あなたは誰ですか
強盗事件の犯人を追尾した明美は…。
なんとなく、なんとな~く、読んでいて、結末が予想できちゃう展開なんですよねぇ…。でも、読み続けることが苦痛ではなく、その逆で読みやすい感じであっという間に読み終えることができました。
地下鉄って、もし何かあったとき、逃げ場がないのが怖いですよねぇ…。今はあんまり縁がないけれど、〇年前には結構お世話になってました。まだ大江戸線も副都心線もなかった頃でしたね(汗)。
Posted by ブクログ
巨大都市東京に、血管のように張り巡らされた地下鉄路線。
今日も多くの人が行き交う、その地下鉄の安全を確保する私服警備員たちの活躍を描く。
かつて国鉄には鉄道公安官がいたが、彼らは公務員であり、警察官であった。
対して地下鉄の保安員は、民間警備員。
公権力は持たず、武力はなく、捜査権もない。
地下鉄の安全を護るのは、犯罪、事故が起きないように自然に誘導する。
特殊な職場に集まってきたメンバーは、それぞれがいろいろなものを抱えている。
そのヒューマンドラマと思いきや、話しは一転してスリリングな場面展開へ。
一件落着して、平和を取り戻し、また彼らは地下鉄路線内に散らばっていく。
面白かった。
Posted by ブクログ
地下鉄に私服警備員っているの?
最近は物騒になってきたし、こんな風に見守ってもらえたら安心だけど、働く側になるとなかなか大変な仕事だと思う。
物語に登場する警備員はたまたま女性ばかりなんだけど、いざ何かの事件に遭遇したら一人で対応できないのでは?と、主題から離れたことを考えてしまった。
駅や車内ではこうやって毎日色々な事件が起こっているのかとちょっと怖くなる。
それらの事件と平行して、恋人を殺した犯人探しも進んでいき…
一つ一つの事件が解決しても全然すっきりした気持ちになれない。実際、当事者だったらこんな気持ちなのかなと想像した。
Posted by ブクログ
試験導入された地下鉄監視員の明美が、様々な人々との関わりで成長しながら、恋人を殺した犯人を捕まえようとする物語。
6話の物語は少し緩い話の展開で、大きな破綻もないから読みやすいとも言える。
最終話の結末はこれなのか…と、意外では無いが無理があり、物語の詰めとしてはあまり好ましくなかった。
Posted by ブクログ
地下鉄の私服警備員って本当にいるのかな?
実際に乗車して様々な駅や車内を警備するなんて大変な仕事。
確かにテロや傷害などの犯罪も怖いし、物騒な世の中だから何があってもおかしくない。
恋人を殺された犯人を捜しながらっていうのが、いかにもって感じはしたけど、おもしろかった。
Posted by ブクログ
穂村明美の恋人は、駅構内で何者かに襲われて命を失った。
事件の手がかりを掴めればと、私服警備員となった明美は、様々な事情を抱えた乗客たちが起こすトラブルに遭遇していく。
以前は警視庁で防犯課に勤務していて、亡き父の友人である主任統括官の三木の助言や同期の町村(夫が東京メトロの職員)原口(会社員から転職した見た目、派手)奥野(元会社秘書、眼鏡で静か)たちとの交流もあり、さまざまな事件に心痛めながらも乗り越えていく。
第一話 「誰かを探していますか」〜誘拐事件で息子を亡くした母親がしたこと。
第二話 「誰が見捨てたのですか」〜置き忘れていたものは骨壺で受取人は。
第三話 「誰の命令ですか」〜駅構内のコンビニで高校生の万引きが。
第四話 「誰が悪いのですか」〜駅のトイレに置かれた段ボールに捨て子が。
第五話 「誰を信じますか」〜動き出した亡き恋人の事件に刑事と向かった先に。
第六話 「あなたは誰ですか」〜指令室からの連絡で強盗事件が発生し逃走した犯人を追尾すると…
地下鉄で起こるさまざまな事件に対処しながら忘れることのできない亡き恋人の事件と上司の三木と父の過去や仲間たちとの繋がりも並行して進んでいく。
犯人を捕まえないかぎり、前に進めないと感じていた明美だったが、第六話で区切りをつけたようだ。
ただひとつの事件が解決したということかもしれないが、恋人の死を受け入れ淋しさを感じたことで新たな一歩が踏み出せるのだろう。