隣駅の本屋さんに久しぶりに行った時に、表紙と帯に書いてあることが気になって読むことにしました。円安(200円)になるとか、日経平均が5万円、将来的には30万円になってもおかしくないとあり、日本がそんなに魅力的なのかを知りたくて読みました。
日本株は暴落するという本がある中で、日本の外から客観的に見ることができる、本書の著者(エミン氏)の考え方を理解したく思いました。
以下は気になったポイントです。
・日本はすでに「失われた30年」を脱して黄金期に突入している、黄金期のスタートはアベノミクスが始まった2013年で、すでに10年が経過している。4万円をつけた株価は、しばらく揉み合い調整しながら再び上昇し、5万円を目指すシナリオが考えられる。これが2050年まであと30年続き、現在の「株高」はまだまだ序の口だ(p12)1950-1990までの40年間、低迷は1990-2013年まで低迷した、それ以前の発展・低迷もそれぞれ40年、23年で動いている(p17)
・米国の巨大テック系銘柄が今後も成長するという意見は疑問視している、TSMCのように業績が悪いのに、半導体株のパフォーマンスが良い、これがすなわちバブルの末期症状である(p14)
・今は旧経済から新経済に移行している過渡期で、自動化は始まったばかり。大多数の仕事への影響はまだ軽微だが、このトランスフォーメーションが終わった時に最も困るのは人口の多い国である。作業効率化が進むことで、長期的には人間が携わる仕事がなくなり人口が多い国では人があぶれていく(p21)日本は人口増加国よりダメージはかなり少ないはず、自動化時代において人口減少は追い風(p22)
・日本の不良債権処理に使われたお金は1990-2005年までの15年間で100兆円、中国の場合どれだけ保守的に見積もっても、2200兆円が必要と言われるが、果たしてその程度で収まるか非常に流動的である(p43)
・2022年における中国の一人当たりの名目GDPは、12670ドル(世界70)で日本は33854(世界32)である、国が十分に飛んだ状態での高齢化と、それほど豊かになっていない状態での高齢化では状況が大きく違ってくる。経済成長率が落ち込むだけでなく、高齢化が加速していくことによって中国経済は極めて厳しい現実に直面するだろう(p51)
・資源(原油、鉄、銅、リチウムなど)の価格は下落するが、消費者物価はインフレ気味に推移していく、その最大の原因は、中国(安い労働力を使って供給)が西側諸国のサプライチェーンから外されるから(p57)
・新型コロナウィルスの感染拡大時に採った政策により世界的に借金(政府債務)が膨れ上がっている、世界の名目GDPの総額3倍以上(95兆ドル@2022に対して300兆ドル以上)である(p64)
・人口減少により労働コストが上がることもインフレの一因だが、「グリーンフレーション=脱炭素化など環境に配慮し持続可能な地球にするためにかかるコスト)」も要因としてある。太陽光や風力発電は、温室効果ガスの削減が効果的である反面、銅・アルミニウム、リチウム、銀、グラファイト、レアアース、コバルトの金属使用量が多くなる。太陽光発電は、単位電力あたり、化石燃料発電に比べると、11-40倍の銅を使用、風力発電は6-14倍の鉄を使用する(p68)
・米国が自国の経済覇権を守るために、出る杭の中国の頭を叩いている訳ではない、そもそもWTOに加盟しておきながら、国際貿易のルールを破って自国経済を肥えさせてきたのは中国であり、米国はむしろ被害者である(p87)
・1979年に旧ソ連がアフガニスタンに侵攻したことを機に、米国は旧ソ連に対するため、ムジャヒディン(その一人が、ウサマ・ビン・ラディン、p97)というイスラム戦士を育成、新米だったイランが反米意識を高めた時は、イランを牽制するために独裁者・フセインが率いるイラクを軍事支援したことがある(p91)共産主義国家において宗教は否定される、イスラム教の国々にとって社会主義国家はいずれ敵になるから、米国と組むべきというロジックで、米国はイスラム教の国々に近づいていった(p95)
・新疆ウイグル自治区に住むウイグル人は、その大半がスンニ派のイスラム教であり、中国が行なっている弾圧に対して本当なら米国と共闘して中国に文句を言わなければならない立場であるイスラム諸国は、反中国では立ち上がらない、それは米国がイスラエルを支援しているから(p99)新冷戦で米国が中国と戦うためには、イスラム世界を味方につけなければならない(p101)
・ウクライナとロシアの戦争は、ウクライナを軍事支援している欧米や日本などの民主主義国家と、ロシアに見られる専制主義国家の戦いである、中国は表面上中立的な立場をとっているように見えるが、専制主義国家という点において、ロシアと近い立ち位置にある(p141)
・これからやってくるインフレに強い資産と持つという観点では、株式・不動産・そしてゴールドが妥当だが、金利水準が高いと、米国債も選択肢に入ってくる(p166)
・日本は過去の借金が莫大になると、それを踏む倒す政策を行なっている、明治維新時には総額7413万両の債務のうち、返済に応じたのは3486万両(長期の分割返済)、戦後は預金封鎖、5円以上の日本銀行券を預けさせて、市中に流通している5円以上の旧紙幣を使えなくし、しばらく後に新円を発行、そして一定限度内に限って、旧円と引き換えおよび新円による引き出しを認めた(p175)一定の期間をもって旧円が使えなくなるようにしたので、全額を新円で引き出せないうちに旧円の資産価値がゼロになった、こうして旧円の債務を強制的に踏み倒したことになる(p175)
2025年4月28日読破
2025年4月28日作成