泊功のレビュー一覧

  • 三体3 死神永生 上

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    今回一番印象に残ったのは、程心が執剣者になった瞬間だった。正直あまりにもあっさり抑止が崩壊して笑ってしまったが、同時にこれは構造的には納得感しかなかった。

    程心は人類と三体世界の仲介になろうとしていたように思う。執剣者に求められていたのはむしろ逆で、「撃つかどうかを合理的に判断する人物」ではなく、「合理性を超えて撃つ可能性を否定できない人物」や、ウェイドのように「こいつなら閾値を超えたら絶対やる」という確信を与えるような振る舞いが求められるべきだったと思う。羅輯はやはり個としての判断基準を持っており、それが誰にも共有されないという点に本質的な強さがあったのだと思う。彼は人類に対しても完全には内面を明かさず、ある種の面壁者であり続けたように思う。その「理解不能性」こそが抑止の信頼性を支えており、三体世界にとっても最大の脅威になっていたのではないか。

    今までのシリーズでもあったことだが、今回色濃いなと思ったのは人類全体の思想の一貫性の無さだ。場面場面でコロコロ移り変わりし、非科学的なものにすがりつく、とても弱い面が強く表現されていたように思う。

    一方で、終盤での雲天明の再登場や4次元文明の示唆など、明らかに後半への伏線も多く、特に天明の提示した情報がどのように作用するのかが気になるところである。

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    2026年03月30日
  • 三体2 黒暗森林 下

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    1はそんなに刺さらなかったので据え置いていたのだが、同じような人が2は面白いとレビューしていたので手に取った。確かに面白かった。
    400年後の対決に向けてどこにリソースを注ぐべきかという考え方が興味深かったのだが、それをウォールフェイサーに一任するという展開に驚いた。背景を踏まえたとしても現実で考えたらとても採択されるとは思えなかったが、案の定作中でも皮肉られていて苦笑した。おまけに主人公が理想の恋人を妄想したり、果てには妄想の恋人をウォールフェイサー権限で探し出したりして、一体何を見せられているのかという気分にもなった。そりゃ「計画の一部」がミームになるよ。とは言え冷凍睡眠で時間軸が飛ぶと大胆な未来描写に、過去からの来訪者達が戸惑う様にはワクワクした。でも何でもかんでもモニターになるのはちょっと鬱陶しそう。
    ルオジーの狙いは呪文をかけたタイミングで何となくピンと来た。ただ効果の出方までは想像していなくてその絶大さには驚いた。また他のウォールフェイサー同様、民衆からの扱いが乱高下する様は気の毒だった。一矢報いることが出来て他の面々も多少は救われただろうか。

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    2026年03月30日
  • 三体3 死神永生 上

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    IIも、ぶっ飛ぶ感じの展開で面白かったが、個人的には、世紀が進展するⅢ上の方が、読みやすく面白かった!星を好きな人に贈るというのはとてもロマンチック。下巻に突入中。

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    2026年03月22日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    三体が面白かったのでこちらも読んでみた

    【印象に残った短編】
    ・郷村教師:高度な知的生命体から見た地球人。相互情報伝達は音波を通した毎秒10ビット程度の低性能なもの。世代間の記憶継承能力も無い地球人が技術を進歩させてきたのは、「教師」という人達が知識を紡いでいったから。物語後の子供たちの将来に想いを馳せずには居られなかった。

    ・詩雲:神に近いテクノロジーを持つ生命体が、古代地球文明の「漢詩」に興味を持ち、李白を越えようと太陽系全てと引替えに漢詩を総当りで作成しようとする話。
    文化にテクノロジーで対抗しようとするその発想がまず面白い。宇宙に浮かぶ全ての可能性を含めた漢詩のストレージ、それこそがタイトルである詩雲。
    「猿をキーボードの上で歩かせて偶然できた小説は、どれだけ出来が良いとしても傑作と呼べるのか?」今のAIと芸術の関係を示唆するような内容。

    ・人生:胎児に母親の記憶を遺伝させられたらどうなるかという話。最終的に今後の人生の悲観して胎児は胎内で臍の緒を自らちぎり自殺してしまった。無知というのは将来を考えるにあたっては保護するものになる、というのは他にも当てはまりそうだと感じた。

    ・円:三体にもでてきた人間計算機の話。途方もない話で面白い

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    2026年03月18日
  • 両京十五日1 南京脱出

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    著者初読。自分にとっては珍しい翻訳小説でもある。もともと翻訳物にはどこか苦手意識があり、購入をしばらく躊躇していたのだが、物は試しと手に取ってみた一冊である。

    物語の舞台は15世紀前半。日本でいえば室町時代、いまだ戦国の世が到来する以前の頃であり、中国では明が繁栄を極めていた時代だ。当時の皇帝洪熙帝は、皇太子である朱瞻基を留都南京へと派遣する。朱瞻基は実在した歴史上の人物であり、のちに皇帝として即位する存在であるが、恥ずかしながらその背景知識をほとんど持たないまま読み始めたため、序盤は状況を掴むのにやや手間取った。

    さらに、物語の随所に登場する官職名や職業名、あるいは地名などがすべて漢字表記で現れるため、読み方すら分からず戸惑う場面も多い。翻訳作品に対して抱いていた不安が、やはり的中した部分もあったと言えるだろう。

    それでも、物語が動き出すと、その勢いは凄まじい。皇太子一行に降りかかる陰謀と危機は、次から次へと連鎖していく。息つく暇もない展開の連続に、気づけばページをめくる手が止まらなくなっていた。歴史小説でありながら、徹底してエンターテインメントとしての疾走感を失わない点は見事というほかない。

    読み進めるうちに、当初感じていた知識不足や言葉の壁は徐々に薄れ、むしろ未知の時代と文化の中を旅しているかのような感覚が生まれてくる。翻訳小説への苦手意識を少しだけ和らげてくれた一冊とも言えるだろう。

    もっとも、本作はまだ物語の序章に過ぎない。続きが気になるのは間違いないが、果たしてこのままシリーズを追うべきかどうか。興味と逡巡のあいだで、しばし思案しているところである。

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    2026年03月15日
  • 三体2 黒暗森林 上

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    人類滅亡の危機が迫る圧倒的な緊迫感と、主人公・羅輯(ルオ・ジー)のどこか突き放したような私生活。そのあまりに歪な対比と、彼の掴みどころのない行動論理に引き込まれるうちに、物語は一気に加速していく。上巻を読み終えた瞬間、すぐさま下巻を手に取らずにはいられない一冊だ。

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    2026年02月16日
  • 三体2 黒暗森林 上

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    主要人物の一人である羅輯(ルオ・ジー)に関わる2人の女性の話し方がとても印象的。「作者のコントロールを離れ、やがて彼らの次の行動が予測不能になる。作者はただ好奇心に駆られて彼らのあとをついていき、彼らの生活の細部を除きま見たいに観察して記録する。それが名作になるのよ。」- 羅輯の元恋人である女性小説家から、小説を書いてプレゼントしてほしいとお願いされ書き始めるが羅輯の中で登場人物が自在に動き出すことに悩む。女性小説家は、作者が登場人物をコントロールするのではなく、真に才能のある小説家であれば登場人物は自由気ままに動き回り、作者はただそれを記録するだけだとするメッセージ。
    「ええ。人間の表情、とりわけ目の光は、一番微妙で複雑なんです。視線やほほえみは、ものすごくたくさんの情報を伝えられる。そしてその情報は、人間にしか理解できません。人間だけがこの種の感性を持ち合わせている。」 - 羅輯の妻となる女性はとても綺麗な心の持ち方をする女性で今作の鍵になるんじゃないかと睨んでいる。SFっぽさが感じられて良かった。

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    2026年01月31日
  • 三体3 死神永生 上

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    ◯階梯計画
    ◯ラダー・プロジェクトが気持ち悪い。
    ◯ラダー・プロジェクトの気持ち悪さが、「世界99」みたいな話になってきてる。
    ◯ひどい世界だ〜。
    ◯黒暗森林がイマイチ納得できないんだけど、ほんとに見つけた瞬間に攻撃するの?
    ◯面白い。わからないところは、あるけど読む手が止まらない。

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    2026年01月15日
  • 三体3 死神永生 上

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    黒暗森林の着地が良かっただけに、「蛇足」なんじゃないかと思ってたが、そんなことは杞憂だった。
    まるで人類の宇宙戦艦が光速の1%に加速するようにだんだんと面白く、あるいは智子が低次元展開するかの如くお話の風呂敷が広がり、これをどう畳み込むのか下巻が楽しみである。

    たぶん現実世界の大衆をモデルにしているんだろうけど、物語に登場する市井の人々がおバカすぎて、三体人に粛正された方が良いのでは?とウンジェのような感想を抱いた。

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    2026年01月14日
  • 三体2 黒暗森林 上

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    ◯面白かった。
    ◯頭の中で作った理想の女性が現れて、恋愛して子供作るとか最高じゃん。
    ◯ソフォンはバレないって一部での話だけど、二部では速攻なんの説明もなくバレてるのは??
    ◯とにかく難解。
    内容も、まぁ難しい部分はあるんだけど、それより難しいのは人の名前(笑)とにかく覚えられない(笑)
    ずっと隣に人物相関図と検索するためのスマホを置いてる。


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    2026年01月13日
  • 三体2 黒暗森林 上

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    難しかったです!
    いや、話の内容は前作ほど理系に浸っておらず読み取りやすいのですが、蟻の視点からの叙述やラオジーが小説家の元カノに理想の女性を導き出される話など、展開が重層的で特に前半はよくわからず難しく感じました。
    しかし面壁計画が出てくるあたりから少しずつ面白くなりました。
    ハッブルⅡ望遠鏡に映る「刷毛」、迫ってきますね彼らは確実に。
    次巻も楽しみです。

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    2026年01月05日
  • 三体2 黒暗森林 上

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    主人公が汪淼から羅輯に変わる。汪淼は出てこない。

    人間は嘘をつくことから、三体側に人類は敵としてみなされる。
    そこを逆手に取る形で、考え出された面壁計画。科学者や元大統領、元国防長官などが選ばれる中、羅輯の名前が呼ばれる。
    途中、羅輯がむかし書いた小説の話とか、理想の彼女の話とか、何読んでるのかと思うほど脱線した気がするが、必要だったのかな…

    上巻は面壁計画の話が中心。そのまま下巻へ。

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    2025年12月10日
  • 三体3 死神永生 上

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    非常に面白かったですが、下巻もあるためあえて星4にします。
    今回の主人公がルオジーからチェンシンになりましたが非常に魅力的な登場人物でした。物語の前半の賢いアイデアの数々から後半では人類の代表のような形になるくらいの出世でしたが、変わらず彼女らしい選択の心情の数々で良かったです。
    これからこの物語がどう終幕するのか楽しみで仕方がないです。

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    2025年12月07日
  • 三体3 死神永生 上

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    ネタバレ

    前回で綺麗に終わったと思いきや絶望に突き落とされ地球があそこまでになるとは思いもしなかった!これからどうなるのか最後展開が全然読めない。下巻でどうなるのか楽しみです。

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    2025年11月17日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    短編集だが、SFとして申し分のない作品となっていました。私は詩雲が好みの作品でした。
     三体を読んだ人には読んでほしいですが、やはり短編集なので物足りなさが残ります

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    2025年11月01日
  • 三体3 死神永生 上

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    ・星の贈り物は素敵すぎる。脈なしな人も一途な気持ちには弱いのだなと思った。
    ・ルオジーの家庭が崩壊していてとても悲しかった。ルオジーのような家庭を気づくことが夢だったのに。。
    ・

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    2025年10月31日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    爽やかな読後感のものもあるが、後味の悪い終わり方のもののほうが多い印象。

    個人的には「詩雲」「栄光と夢」が好み。

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    2025年01月18日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    三体が面白かったので、劉慈欣さんの他の作品も読んでみたいと思いこの本を手に取りました。
    収録されている作品はどれも短く読みやすかったです。

    収録された作品はどれも面白かったですが、鯨歌、円円のシャボン玉が特にお気に入りです。
    鯨歌はオチが面白くて印象に残りました。
    円円のシャボン玉は、すごく優しくて幻想的な作品だと感じました。

    作品の幅が広くて飽きずに楽しめたので、劉慈欣さんの他の作品も読んでみたいと思います。

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    2024年10月06日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    話題の「三体」が読みたく、この作家の本は初読みでもあり、三体の長さを考えると・・・。
    まずは、こっちの短編からと思った。

    SFですが、宇宙戦艦もでてきません、異星人がちょこっと、でもいいですね。静かな感動があります。
    特に好きなのが「郷村教師」「栄光と夢」。
    「栄光と夢」はドラマ化してほしい、全世界に作家のメッセージを伝えたらいいと思う。

    肝心の「三体」の作中エピソードである「円」、これもおもしろかった。「三体」を読むのがとても楽しみになった。

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    2024年09月21日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    円ほど身近なようで不可解な現象はない。

    “円周率”で検索すれば、興味深いエピソードが山ほど出てくるにも関わらず、もう一つ言っていることがわからない。

    「円」は『三体』で日本でも一躍有名となった劉慈欣のSF短編集。
    収録されている『円円のシャボン玉』は、以前SFマガジンで目にした。

    巻末の訳者あとがきにあるように「些細な日常から壮大な世界への飛躍こそSF」の地を行く短編が、多彩な展開でまとめられている。

    やっぱりすごい人でした。

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    2024年08月13日