三体III 死神永生（上）

劉慈欣 / 大森望 / ワンチャイ / 光吉さくら / 泊功

[ブクログ · ★★★★★]

宇宙という壮大なスケールのこの物語を読んでいると、身近な悩みが小さく感じる。

三体文明の地球侵略とそれに対する人類の抵抗を描くストーリー。
人類とは全く異なる三体人の文化と思考。
生々しい人類の抵抗。
異なる文明が混じりあうことによる、二つの文明の成長と進化。
最高におもしろい！

どんな結末が待っているのか、続きが楽しみ！

[ブクログ · ★★★★★]

一旦，終了したと思った話が、予想も付かなかった展開をした
作者の創造力には、驚くほかない
下巻の展開が、とても気になる

前作と比べて、知らなかった物理の用語が増え、ネット検索で調べる事が多くなった
知識の幅を広げられたのは良かった

[匿名 · ★★★★★]

面白かった。
死神永生編は本当にめまぐるしい巻だ。三体との長い闘いが次の巻でおわると思うと感慨深い。
最後の巻がどうなるのか楽しみだ。

＃切ない ＃ドキドキハラハラ

[ブクログ · ★★★★★]

完結編三体死神永生上巻。
奇想天外な話に非常に満足いく読書だった。
三体世界の攻撃に瀕死の地球が、予想の斜め上からの起死回生の一手。三体以上の脅威に地球はどう対処するのか。最後の下巻へと続く。

[ブクログ · ★★★★★]

3つの太陽をもつ惑星が滅亡の危機に直面して、新天地を求め太陽系を目指す。人類の遥か先をいく高度な科学をもつ、この三体文明と呼ばれる侵略者の接近に伴い、地球存亡へのカウントダウンが始まる。そんな設定の全三部からなる物語の第三部。宇宙には知的生命体が計り知れないほどいて、他の存在が明らかになると攻撃してくるという理論に基づき、前作までに三体文明が宇宙のどの場所にいるか特定させる情報を全宇宙に向かって発信できる手段を得た地球は、三体文明からの侵略を抑止する。この抑止が果たして効くのか。
これとは別に、三体文明の宇宙艇本体に向け、攪拌を目的として地球からスパイを送り込むことが決まる。搭載重量制限から脳だけを送り込む。選ばれた人物の名は雲天明。孤独で控えめな人生で、唯一憧れた女性、その名は程心。彼女は三体文明抑止のボタンの操作権限を託された。雲天明は生前膨大な金を得ることができ、程心のためにある恒星の所有権を取得、名前を秘して贈与する。二人の運命が交わることはあるのか。最新科学の知見を駆使し、想像を絶する壮大なスケール。普通のSF小説では、明らかに不可能だよな、突拍子もないことだよな、と思える内容が、リアリティをもってぐいぐい迫ってくる。テキストから想起される映像が脳内で再生される。謎が謎のまま積み重なりながらストーリーは進むが、それさえも自然に受け止められる。そんな不思議な感覚にさせられる。科学とロマン、後半への期待が高まる。

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二転三転どころか上巻だけで五転六転の盛り上がり。下巻も一筋縄では行かなさそうで楽しみなような怖いような。とりあえず自分がこんな世界に生きてたら精神持たなそうです笑 不穏な副題の意味は何を表していて、どのように結末に向かうのか楽しみに読み進めます。

[★★★★★]

三体シリーズは、その構想の雄大さに驚きです。しかも文明論に偏らずに、場面の切り替えもしっかりしています。下が楽しみです。

[ブクログ · ★★★★★]

1、2部から相変わらず面白い。スケールの大きさと、その中で語られるSF的なディティール。何百年に渡る人類の物語。

[ブクログ · ★★★★★]

「面壁計画」の裏で動いていた「階梯計画」。その計画の立役者、程心。面壁者羅輯により訪れた穏やかな日々で、地球人は三体人との関係は良好だと信じ込んでいたが……。三体Ⅱの裏側、そしてその先の物語。→

まだ上巻なんでアレですが、とりあえずここまでの感想。
劉慈欣天才じゃね？（笑）冒頭のローマ帝国の話がラスト繋がった時は「うわー！！」ってなった。四次元んん！！
程心がダメな感じで描かれてるんだけど、多分これも下巻で変わる気がする……。だってあの羅輯がコレだよ？（笑）カッコいい→

あと、フレスとAAがとても良い。フレスが程心に話す言葉が毎回とにかくよくてじんわりする。程心はフレスとAAがいるから踏ん張れてるんだろうな。

あ、智子が二次創作映えしそうなの、めちゃくちゃわかる。エンタメ色強め。

下巻で全てがまとまるんだろうけど、最後まで目が離せない。楽しみー！

[ブクログ · ★★★★★]

中国のSFシリーズの第3巻。大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、泊功訳『三体Ⅲ 死神永生　上』（早川書房、2021年）は前巻『三体Ⅱ 黒暗森林』と時系列的には重なるところから始まる。前巻『三体Ⅱ 黒暗森林』で三体世界の侵略の抑止に成功した。これで物語は決着したかに思われたが、まだまだ続く。

黒暗森林抑止は相互確証破壊による核戦争の抑止を連想する。物語で黒暗森林抑止が破られたことは核戦争の抑止も悲観的になる。一方で地上の基地は無力だったが、宇宙戦艦が救いになった。これは現実世界の戦略ミサイル原子力潜水艦の有効性に通じる。

三体文明は地球よりも技術が発達していたが、地球文明の個人主義や自由主義を取り入れることで飛躍的に発展した。三体文明は過酷な環境に生きるために全体主義的な体制であった。しかし、「全体主義は、科学の発展を阻むものだと判明し、かわって思想の自由が奨励され、個人の価値が尊重された」（263頁）。
『三体Ⅱ 黒暗森林 下』（早川書房、2020年）でも以下の指摘がある。
「人間性の解放は、必然的に科学とテクノロジーの進歩をもたらす」（149頁）
「全体主義的な体制が人類発展の最大の障害である」（243頁）
このような指摘を中国の作家がしていることは興味深い。今や同調圧力の強い集団主義的な日本社会よりも中国の方が個人主義が進んでいるかもしれない。

安楽死法が成立する。安楽死の選択者は医療費の負担を避けることが動機になっている。安楽死の議論では「死の自己決定権を認めろ」ということが主張されるが、現実は個人の主体的選択ではなく、金銭負担を避けるという追い詰められた選択である。それを自己決定権で正当化するならば自己決定権の冒涜である。

物語の安楽死法では安楽死の前に５回の質問に答えなければならない（47頁以下）。質問は「あなたは自分の命を終わらせることを望みますか？「はい」なら３を、「いいえ」なら０を押してください」というものである。質問文は同じならば「はい」の場合に押す数字はランダムに変わる。これによって機械的に「はい」と答えてOKとすることを回避しようとしている。

安楽死法そのものを支持できないが、ここまで慎重に意思確認することは注目に値する。責任逃れの公務員が拠り所にするアリバイ作りのための意思表示とは異なる。