馳月基矢のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
深い話
この作者の本は、初めて読むが、ちょっと軽めのタイトルから想像していたような軽いだけの話では、無かった。手習い所の師匠である主人公とその妹、友人の隣の道場の跡取り息子の、周りで起きる事件や、それに纏わる人々の話なのだが、何となく、考えさせられる物が有った。
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Posted by ブクログ
能登半島地震のチャリティとして書かれた本。前に一度、イベントでお見かけした上田聡子さんが方言や慣習などについて監修されているということだ。
許嫁が隠密で、一年に一度会いに来たりするという設定からして、そんなことあるのかな?と思ってしまったのだが(そんなの公にします?)、それはさておき、私が北前船好きで、地元の風俗や料理がたくさん出てくる本書は楽しく一気読みさせられた。食べ物もほとんど馴染みのあるものばかり。
読んでいる途中で、何度か、今は無くなってしまった輪島朝市を思い出し、しんみりしてしまった。
もう、2巻目も出ているらしいので早く読みたい。 -
Posted by ブクログ
現代でいう自閉症の将太。その不可解な言動に鬼子と呼ばれていた子供時代。
どこの手習でも見放されていたが、白瀧親子の手習所で初めて居心地がいい場所を得る。
矢島家の道場で、剣を習い、心身ともに充実していき、それが周りの人間や環境とも、少しづつだが対処ができるように。
ひょんな事から養女となり義理の妹となった長崎出身のおりよ。おりよとの、関わりから一段と成長を。
恋を知らない将太だったが、いつしか心におりよの存在が。
自傷行為を繰り返す大店の娘や、騙された縁談などで環境は変わってゆく。
恋心の変移を綴るとともに、将太の成長を中心のシリーズ3巻は第1シリーズとはひと味違うお味わい。