吉川凪のレビュー一覧
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一気に読みきれなくて、積読を繰り返していた。今日訪れた敏馬(みるめ)神社に柿本人麻呂の句碑があり万葉集ゆかりの地と記されていた。道中のバスの中で、この本のページをめくりながら、家で腰を落ち着けて読めなかった理由がなんとなくわかったような気がする。
ここに登場するのは古の恋の歌が大半を占める。居ても立っても居られないような心情やら、人に見られては恥ずかしいやら、こっそり涙を流す寂しさについてやら、、、どれもこれも落ち着いた雰囲気ではないのである。勿論中にはゆったりとした気分にさせられる句もあるにはあるが、人の心の移ろいを見事に切り取って歌にしたものばかり。それに短文エッセイを組み合わせ、訳された -
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東アジア~東南アジアの若手作家による『絶縁』という共通テーマのもとに書き下ろされたアンソロジー。
かなり読みごたえがある。
読み終えるのに結構な時間がかかった。
同じ時代を生きているのに、その国の政治・社会状況によりこんなにも違った世界が広がっているとは、想像もしなかった。そう、同じテーマのもとに書かれているにも関わらず。
作家の個人的な傾向もあるだろうが、それとてその国の社会情勢に影響されることは少なくないだろう。
村田沙耶香、チョン・セランの作品は、読みながら(村田沙耶香のはディストピアのようだったが)その状況や心理が掴みやすかったのは、やはり似通った社会構造の国の作家だからだろうか。 -
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読んでいて印象に残ったところのメモ。
「日本人は愛してると言うことは少ないけど、どうやって愛を伝えているの?」の答えが「一緒にカレーを食べると美味しいとか、今度天気のいい日にツーリングに行こうとかって言うよ」と。
私の「愛してる」は「気をつけて来てね・帰ってね」だなぁと思った。
平安時代、女性は名前を公表しなかった。神聖なものだから。とあって、今はそんなことないやろ〜と思っていたら、そんなこと大有りであった。
大人になってから、下の名前を呼ばれることってそんなにないもんね。自分の名前をとても気に入っているので、積極的に呼んでもらおう。
装丁もすごくかわいい。
1000年前の言葉なのに、国 -
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ネタバレうーんなるほど。作者がジェームズ・ティプトリー・ジュニアに影響を受けたこと、よくわかる。
SFだが、情緒に訴えるところも、生きとし生けるものへの深い愛情を感じさせるのも良い。
パラレルワールドものでジェームズ・ティプトリー・ジュニアが出てくる「アリスとのティータイム」、人に紛れて暮らす異星人を養子にした女性と異星人の友情を描く「養子縁組」、隣に暮らす異星人との交流を描く「となりのヨンヒさん」が特に良かった。「ヨンヒさん」は、最高。人種差別の暗喩ではあるだろうけど、それだけではない。人間からは「ガマガエル」と蔑まれる容姿の異星人の、故郷を思う心情と、人間との束の間の友情は本当に切ない。異星人が「 -
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金原ひとみの書評が気になったのと表紙カバーの紙質が好きで購入。タイトルから恋人たちの日常の中のちょっとした出来事のお話が色々詰まってるのかなと無防備な状態で読んでいたので、実は不倫でした!とか二人は離婚してました!とか母が自殺を試みました!みたいな展開にそこそこ驚いてしまった。起承転結に組み込むはありきたりすぎる出来事だと思うのに。こういう物事が日常で自分の身近で起きるときってこんなふうに不意を突かれるような感じなのかもしれない。
『平穏無事な現代生活』が心に残ったように思う。自身が関わった最悪な事故とその被害者について考え苦しみ、次第に己の中で不運や不幸と結びついて象徴として受け入れている -
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村田沙耶香『無』 メモ
私たちが感じること、考えることは全て一つの象徴的存在から操作されている。私たちは得体のしれない大きな存在から受け取る電波によって思考し行動する。私たちの混沌の世界において思考と行動はすべて自分ではない存在の影響を受けているため、自分の責任ではない。判断を下したのは自分ではない。これが混沌……ではなく、これこそが無であるかもしれない。思い出せないことは無ではない。思い出せない中でも想起されることがことがある。混沌の世界にも無の世界にも優劣がある、優劣というトピックは私にとって最も興味のあるトピックだからそれに落とし込んで解釈する。ほかの人にとっての混沌と夢は違うのかも? -
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ネタバレどこかの新聞で紹介されてたんだと思うが、タイトルだけメモして、どんな風に書いてあったかは忘れてしまった。唯一「韓国のSF小説」であるということだけ。
とは言え、慣れるまではちょっと戸惑い、なかなか進まなかった。一つ言えるのは、私がこれまで読んできた日本のSF小説とは大分趣が違ったということだ。まぁ、言うほど日本のものも読んでないけど。
ほぼ短編集と言って良い。独特の世界観があった。最後の数篇は同じ世界線の別の話だが、これも交わることはなく。訳者があとがきに書いておられるように、様々な社会的背景などが内包されているらしい。例えば朝鮮半島における問題であるとかも。ただそれを知らずとも読める。どれに