吉川凪のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東アジア~東南アジアの若手作家による『絶縁』という共通テーマのもとに書き下ろされたアンソロジー。
かなり読みごたえがある。
読み終えるのに結構な時間がかかった。
同じ時代を生きているのに、その国の政治・社会状況によりこんなにも違った世界が広がっているとは、想像もしなかった。そう、同じテーマのもとに書かれているにも関わらず。
作家の個人的な傾向もあるだろうが、それとてその国の社会情勢に影響されることは少なくないだろう。
村田沙耶香、チョン・セランの作品は、読みながら(村田沙耶香のはディストピアのようだったが)その状況や心理が掴みやすかったのは、やはり似通った社会構造の国の作家だからだろうか。 -
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Posted by ブクログ
読んでいて印象に残ったところのメモ。
「日本人は愛してると言うことは少ないけど、どうやって愛を伝えているの?」の答えが「一緒にカレーを食べると美味しいとか、今度天気のいい日にツーリングに行こうとかって言うよ」と。
私の「愛してる」は「気をつけて来てね・帰ってね」だなぁと思った。
平安時代、女性は名前を公表しなかった。神聖なものだから。とあって、今はそんなことないやろ〜と思っていたら、そんなこと大有りであった。
大人になってから、下の名前を呼ばれることってそんなにないもんね。自分の名前をとても気に入っているので、積極的に呼んでもらおう。
装丁もすごくかわいい。
1000年前の言葉なのに、国 -
Posted by ブクログ
ネタバレうーんなるほど。作者がジェームズ・ティプトリー・ジュニアに影響を受けたこと、よくわかる。
SFだが、情緒に訴えるところも、生きとし生けるものへの深い愛情を感じさせるのも良い。
パラレルワールドものでジェームズ・ティプトリー・ジュニアが出てくる「アリスとのティータイム」、人に紛れて暮らす異星人を養子にした女性と異星人の友情を描く「養子縁組」、隣に暮らす異星人との交流を描く「となりのヨンヒさん」が特に良かった。「ヨンヒさん」は、最高。人種差別の暗喩ではあるだろうけど、それだけではない。人間からは「ガマガエル」と蔑まれる容姿の異星人の、故郷を思う心情と、人間との束の間の友情は本当に切ない。異星人が「 -
Posted by ブクログ
ネタバレどこかの新聞で紹介されてたんだと思うが、タイトルだけメモして、どんな風に書いてあったかは忘れてしまった。唯一「韓国のSF小説」であるということだけ。
とは言え、慣れるまではちょっと戸惑い、なかなか進まなかった。一つ言えるのは、私がこれまで読んできた日本のSF小説とは大分趣が違ったということだ。まぁ、言うほど日本のものも読んでないけど。
ほぼ短編集と言って良い。独特の世界観があった。最後の数篇は同じ世界線の別の話だが、これも交わることはなく。訳者があとがきに書いておられるように、様々な社会的背景などが内包されているらしい。例えば朝鮮半島における問題であるとかも。ただそれを知らずとも読める。どれに -
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