吉川凪のレビュー一覧

  • 言の葉の森――日本の恋の歌

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    一気に読みきれなくて、積読を繰り返していた。今日訪れた敏馬(みるめ)神社に柿本人麻呂の句碑があり万葉集ゆかりの地と記されていた。道中のバスの中で、この本のページをめくりながら、家で腰を落ち着けて読めなかった理由がなんとなくわかったような気がする。
    ここに登場するのは古の恋の歌が大半を占める。居ても立っても居られないような心情やら、人に見られては恥ずかしいやら、こっそり涙を流す寂しさについてやら、、、どれもこれも落ち着いた雰囲気ではないのである。勿論中にはゆったりとした気分にさせられる句もあるにはあるが、人の心の移ろいを見事に切り取って歌にしたものばかり。それに短文エッセイを組み合わせ、訳された

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    2023年11月17日
  • 言の葉の森――日本の恋の歌

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    日本の小説や詩を韓国で翻訳する著者が、和歌を訳してそれにまつわるエッセイを添えた本を日本で翻訳したもの。そこに翻訳の面白さがあります。
    歌から想起されるものは時代や国を超えるのか。それとも個々の人の心によるものなのか。

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    2023年11月16日
  • 記憶書店 殺人者を待つ空間

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    翻訳者がいいのだろう とても面白く引き込まれて
    しまった
    妻子を殺され 殺人者ハンターに復讐を誓い
    車椅子ながら古書収集家 大学教授としてマスコミに
    顔を出して 批判されながらも15年
    引退を宣言し予約制の記憶書店を開き
    ハンターを引き寄せる
    以外な展開でハンターがわかるが
    最後の最後まで面白い

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    2023年11月01日
  • 絶縁

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    東アジア~東南アジアの若手作家による『絶縁』という共通テーマのもとに書き下ろされたアンソロジー。

    かなり読みごたえがある。
    読み終えるのに結構な時間がかかった。
    同じ時代を生きているのに、その国の政治・社会状況によりこんなにも違った世界が広がっているとは、想像もしなかった。そう、同じテーマのもとに書かれているにも関わらず。
    作家の個人的な傾向もあるだろうが、それとてその国の社会情勢に影響されることは少なくないだろう。

    村田沙耶香、チョン・セランの作品は、読みながら(村田沙耶香のはディストピアのようだったが)その状況や心理が掴みやすかったのは、やはり似通った社会構造の国の作家だからだろうか。

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    2023年06月17日
  • 絶縁

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    正直、難解なものも多く(特に燃える)、途中で断念しそうだったが、「穴の中には雪蓮花が咲いている」が素晴らしくて、読んでよかった〜と思った。チベットが中国なことも知らなかかった無知な私だが、ラシャムジャさんの他の作品も読んでみたい

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    2023年06月02日
  • 絶縁

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    「絶縁」がテーマだからどの作品も薄暗い雰囲気だった。けどほのかに温かみも感じる作品が多かった。(特に、『穴の中には雪蓮花が咲いている』という話が最もそれ)
    全然読んだことないような国の作家さんたちの作品が読めてよかった。国が違うだけで雰囲気が全然変わる!

    そもそも村田沙耶香さん目当てだったからだけれども、やっぱ村田沙耶香さんは圧倒的だ〜…
    読者をピシャリと閉め出す感覚がくせになるよね

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    2023年04月29日
  • 言の葉の森――日本の恋の歌

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    1000年前のどこかの誰かも、今日の私と同じ気持ちだったのだと知るあの瞬間がとても感慨深い。和歌の醍醐味だと思う。
    31音の言葉の裏側に溢れんばかりの思いがあって、それを時代や国を越えて作者に届いているということがなぜか嬉しく感じてしまった。
    一見和歌の中身とは関係がないような作者のエッセイは、独自の視点で和歌を日常に重ねていてその世界に引き込まれた。
    読むのが楽しい1冊だった。

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    2023年04月04日
  • 絶縁

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    アジアの作家の豪華ラインナップ。村田は相変わらずで、たまに読むとそのヘンさが心地よい。ハオ・ジンファンの作品は、彼女らしい寓話だがやや月並み。チョン・セランはさすが。こういう、ストレートに苦いテイストの作品も書くんだと思った。あとよいと思ったのは、ベトナムのグエン・ゴック・トゥと台湾のリエン・ミンウェイの作品。こうしてみると結局、日本と距離的に近い国々の作家に共感しやすいのかもしれない。

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    2023年03月03日
  • 世界でいちばん弱い妖怪

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    小説をまともに読んだことのないブルーカラーの労働者が仕事中に思いついた物語という裏話に驚いた。星新一のショートショートみたい。

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    2023年02月22日
  • 言の葉の森――日本の恋の歌

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    読んでいて印象に残ったところのメモ。

    「日本人は愛してると言うことは少ないけど、どうやって愛を伝えているの?」の答えが「一緒にカレーを食べると美味しいとか、今度天気のいい日にツーリングに行こうとかって言うよ」と。
    私の「愛してる」は「気をつけて来てね・帰ってね」だなぁと思った。

    平安時代、女性は名前を公表しなかった。神聖なものだから。とあって、今はそんなことないやろ〜と思っていたら、そんなこと大有りであった。
    大人になってから、下の名前を呼ばれることってそんなにないもんね。自分の名前をとても気に入っているので、積極的に呼んでもらおう。

    装丁もすごくかわいい。
    1000年前の言葉なのに、国

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    2022年12月18日
  • となりのヨンヒさん

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    れっきとしたSF小説でありながら、韓国の実状を描いた現代小説でもあるという稀有な短編集。定番のパラレルワールドを舞台にした著名なSF作家に捧げるオマージュ作品にしても北朝鮮との表裏一体の有り様を彷彿せざるを得ない。

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    2022年06月13日
  • 世界でいちばん弱い妖怪

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    バイク川崎バイクさんの短編小説『電話をしてるふり』に似てるが、バイク氏よりこちらの方が面白いオチが多かった。

    何より作者のバックボーンが、内容に切実な真実味を漂わせるので★多めです。

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    2022年03月13日
  • となりのヨンヒさん

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    はじめての韓国女性SF作家作品。人気エリア賃貸物件が格安な訳はお隣の住民がガマガエルのような異星人だったから。宇宙を夢見るも事故で下半身付随になった娘は
    囲碁武宮九段宇宙流で人生教訓を学ぶ。亡くなった人の顔が現れる海がある町の出身の女子など。ちょっとだけ変わったお話が多数。まだまだ日本同様男性社会のお隣韓国程よいフェミニズムSF短編集はなんだか心地よいです。

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    2021年08月11日
  • となりのヨンヒさん

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    設定はガチSFだし、どちらかといえば淡々とした、心理描写少なめの文章なのに、情緒に訴えかけてくるものがある。本から慈しみのようなものが滲み出ている気がする。(マイノリティや、理解されることが難しい事情を抱えた人々への)

    試し読みを勧めるなら『宇宙流』〜『雨上がり』、『引越し』を選ぶ。

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    2021年07月07日
  • となりのヨンヒさん

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    ネタバレ

    うーんなるほど。作者がジェームズ・ティプトリー・ジュニアに影響を受けたこと、よくわかる。
    SFだが、情緒に訴えるところも、生きとし生けるものへの深い愛情を感じさせるのも良い。
    パラレルワールドものでジェームズ・ティプトリー・ジュニアが出てくる「アリスとのティータイム」、人に紛れて暮らす異星人を養子にした女性と異星人の友情を描く「養子縁組」、隣に暮らす異星人との交流を描く「となりのヨンヒさん」が特に良かった。「ヨンヒさん」は、最高。人種差別の暗喩ではあるだろうけど、それだけではない。人間からは「ガマガエル」と蔑まれる容姿の異星人の、故郷を思う心情と、人間との束の間の友情は本当に切ない。異星人が「

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    2020年06月28日
  • 明日の恋人たち

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    金原ひとみの書評が気になったのと表紙カバーの紙質が好きで購入。タイトルから恋人たちの日常の中のちょっとした出来事のお話が色々詰まってるのかなと無防備な状態で読んでいたので、実は不倫でした!とか二人は離婚してました!とか母が自殺を試みました!みたいな展開にそこそこ驚いてしまった。起承転結に組み込むはありきたりすぎる出来事だと思うのに。こういう物事が日常で自分の身近で起きるときってこんなふうに不意を突かれるような感じなのかもしれない。

    『平穏無事な現代生活』が心に残ったように思う。自身が関わった最悪な事故とその被害者について考え苦しみ、次第に己の中で不運や不幸と結びついて象徴として受け入れている

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    2026年08月17日
  • 絶縁

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    村田沙耶香『無』 メモ

    私たちが感じること、考えることは全て一つの象徴的存在から操作されている。私たちは得体のしれない大きな存在から受け取る電波によって思考し行動する。私たちの混沌の世界において思考と行動はすべて自分ではない存在の影響を受けているため、自分の責任ではない。判断を下したのは自分ではない。これが混沌……ではなく、これこそが無であるかもしれない。思い出せないことは無ではない。思い出せない中でも想起されることがことがある。混沌の世界にも無の世界にも優劣がある、優劣というトピックは私にとって最も興味のあるトピックだからそれに落とし込んで解釈する。ほかの人にとっての混沌と夢は違うのかも?

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    2026年07月21日
  • 絶縁

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    アジアの色んな作家が同じテーマで短編〜中編を書いている。日本の作家とは違う文化の土台を持っているので、感じ方や感覚が違っていて面白い。

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    2026年02月01日
  • 明日の恋人たち

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    なんとくどの話も同じに感じてしまった。
    主人公のトーンが同じ感じというか。
    どの話にも共通の、仄暗さというか重さがあるせいかなぁ。、

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    2025年11月27日
  • となりのヨンヒさん

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    ネタバレ

    どこかの新聞で紹介されてたんだと思うが、タイトルだけメモして、どんな風に書いてあったかは忘れてしまった。唯一「韓国のSF小説」であるということだけ。
    とは言え、慣れるまではちょっと戸惑い、なかなか進まなかった。一つ言えるのは、私がこれまで読んできた日本のSF小説とは大分趣が違ったということだ。まぁ、言うほど日本のものも読んでないけど。
    ほぼ短編集と言って良い。独特の世界観があった。最後の数篇は同じ世界線の別の話だが、これも交わることはなく。訳者があとがきに書いておられるように、様々な社会的背景などが内包されているらしい。例えば朝鮮半島における問題であるとかも。ただそれを知らずとも読める。どれに

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    2025年10月15日