あらすじ
ヤバイやつらが続々襲来! どうする人類?
「驚かないで! ぼく、ほんとに弱いの。殺したりしないでね」。命乞いする落ちこぼれ妖怪に、「プルスマ、プルスマナス」と呪文をつぶやく謎のエイリアン。さらには人間からダシをとりたい妖怪世界の料理人から、あがり症の新米悪魔まで。ヤバイやつらがゾクゾク襲来! どうする人類?
◆表題作「世界でいちばん弱い妖怪」
人間界に落ちてきた妖怪は、警官に取り囲まれるなり、開口一番、救いを求めた。「ねぇ待って! 撃たないで! 一発で、ぼく死んじゃう」。妖怪には足がない。歩けない。震えながら取引をもちかける。「君たちがぼくを生かしてくれるなら、ぼくも自分の妖術で人間を助けることができるよ」。妖怪に食べられると肛門から出るころには若返るという。実際に妖術が成功すると、若返りを求めて人びとが列をなした。人類と妖怪の共存だ。しかし約1万人が青春を取り戻したころ、のみこまれた人が死んでしまう事故が起こり……
くすっと笑えて、時々ドッキリ、最後に沁みるショートショート18編。
人気イラストレーターのクイックオバケの挿画もたくさん入って、ページをめくるだけで楽しめる。朝読やすきま読書にもオススメです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ブラックユーモアコメディ短編集
日頃短編集って物足りなさ感じてなかなかお気に入らないけどこれはちょうどいい長さでオチついて読みやすい。普段本読まない人も読めるんじゃないかな〜
・世界で1番弱い妖怪
本のタイトルにもなってる話。世界で1番弱い妖怪のところ行ったらどうしようかな〜
・スマイルマン
毎月100人笑うと死んでいく悪魔に取り憑かれた。自分が生き残るため他の人を犠牲にしてもかまわない精神を日頃みんな隠して生きている
・アリ人間、キリギリス人間
「残りの寿命が30歳でいられるけれども10年間老人になる」という条件が。たしかに周りの人が契約していたら自分も、と思ってしまうかも。みんなが老人の間自分1人だけ若くてもつまらないし、自分が老人の時にみんなが若いのもつまらない、と考えたら私も波に乗って契約する派な気がする。というかこぞってみんなが30歳になりたがるほどいい歳なのかしら
・タトゥー
飢餓で死にそうな子をタトゥーにして入れて救おうプロジェクト。自分を犠牲にしてまで子を救える人はどれだけの数いるんだろうか
・目をつぶりたい人たち
今度は画像見ると食べた人と同じ感覚が味わえるようになる能力を悪魔は授けにきた。どうでもいいけどテレビに出てるようなあんなにおいしいものを食べて太らないで体型キープしてる芸能人ってすごいよね。
・六本の矢
やられたらやり返す!倍返しだ!
Posted by ブクログ
とてもおもしろかった!
さまざまな妖怪が出てくるショートショート集。
どの妖怪も見た目はグロテスクなのに、どこか抜けていたり、慌て者だったり、やけに丁寧だったり…そんな妖怪たちが突然人間界にやってくるから、人間たちは大騒ぎ。妖怪たちの自由さ、おおらかさに比べて人間達の了見の狭さ、欲の深さには呆れつつ、でも現実に妖怪が来たら同じような言動をしそうだな、というシュールさがスパイスになっている作品ばかり。
子どもから大人まで楽しめる作品。
著者は中学を中退して工場で働いていて、小説とは無縁の生活だったにも関わらず、ふとしたことでインターネットの掲示板に作品を投稿し、それを読んだ人たちがアドバイスをすることでどんどん作品がブラッシュアップされていき、全集の出版にこぎつけたとのこと。
きっと人柄や正直さに惹きつけられた読者がたくさんいるんだろうな、と作品を読んでいても感じられる。
Posted by ブクログ
バイク川崎バイクさんの短編小説『電話をしてるふり』に似てるが、バイク氏よりこちらの方が面白いオチが多かった。
何より作者のバックボーンが、内容に切実な真実味を漂わせるので★多めです。
Posted by ブクログ
ポップで読みやすい超短編の中にエイジズム批判、ルッキズム批判、商業主義批判が盛り込まれて面白かった、けど女性の描き方が微妙だったな…好きなのは『スマイルマン』と『ダシを取る妖怪』
Posted by ブクログ
ショートショート。
面白いけどワンパターン気味で、最初に結末が読めてしまうものもあった。
この作者は悪魔とエイリアンが好きなんですね。大いなる力に人間の欲望がむき出しにされる、みたいなのが好きなのかな。