吉行淳之介のレビュー一覧

  • 砂の上の植物群

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    あぐり観てキャーエイスケさんかっこいい〜とか言っててごめんなさいって思いました。なかなか暑く苦しい印象でした。熱っぽい。赫っぽい。夕陽のせいかな。これはわりかし短い作品ですが、長かったらちょっと読むのしんどかったかも。
    なぜか高村薫の照柿を思い出したけど、あれはこのくらいの時代の暑苦しさを目指していたのかな?ふと思った。

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    2012年07月30日
  • 春夏秋冬 女は怖い~なんにもわるいことしないのに~

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    稀代の好色作家、吉行淳之介が軽妙に語る「女とはいかにおそろしい生き物であるか」。文豪たちの悲惨な体験談も笑えますが、やっぱり猥談で本領発揮してますね。この女性論、女性はどう思うんでしょうか…。

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    2012年03月24日
  • 夕暮まで

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    あんにゅい。
    変なおっさんと、尻軽女(処女―それ以外はなんでもする)のお話。
    何も起こらない。いや、正確にいうと途中で女が処女じゃなくなるんだけども、それは話のなかえではどうでもいいことらしい。あっさり描写、てか、見逃したくらいだ。

    それにつけても、作者は男である。
    この一つも素敵なところのない男と不倫までして恋する必要性が一切感じられない。女の書く不倫小説に出てくる不倫男の多くは魅力的である。こいつなら、しゃーねーな、と思わせる男である。でも、この遊び人の描いた男には一抹の魅力も感じられないからこそ、この小説の意味があるように感じた。
    つまり、何も起こらない。ということ。
    昭和の香りがこの

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    2012年03月13日
  • 原色の街・驟雨

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    吉行淳之介は『夕暮れまで』だけしか読んだことがなく、しかしその作品の印象がなかなか良くて気になっていた。
    そこで、吉行の娼婦物を中心に読んでみることにした。


    ・「原色の街」

    気に入るということは、愛することとは別のことである。気に入るということは、はるかに微温的なことだ。

    ・「驟雨」

    その女を、彼は気に入っていた。気に入る、ということは愛するとは別のことだ。愛することは、この世の中に自分の分身を一つ持つことだ。それは、自分自身にたいしての顧慮が倍になることである。そこに愛情の鮮烈さもあるだろうが、わずらわしさが倍になることとしてそれから故意に身を避けているうちに、胸のときめくという感

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    2012年01月27日
  • 暗室

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    谷崎潤一郎賞受賞作だそうですが、
    ピンと来ませんでした。
    イメージのつぎはぎによって、
    巨大で不気味な「何か」を現出させようとしているらしい
    ……と、察することはできましたが。

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    2012年01月09日
  • 暗室

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    語り手はフロイト信者で、エッチした女たちを精神分析をするのが癖になっている。だからか語りの展開が推理小説のようになっていて、全体として筋らしい筋はないのだが、飽きさせない。「暗室」のモティーフとしては、長兄の立身のために戸籍から抹消された白痴の兄妹が屋根裏でこっそり戯れている、という挿話が強烈なイメージとしてあり、それが後半にいくにつれ、女性器のイメージとだぶってくる。水子殺し(堕胎)のトラウマ。そういう色男の罪障感みたいなものがどうも根底にはある。

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    2011年11月26日
  • 原色の街・驟雨

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    かなり面白かった。

    上手く言うことはできないけれど、これまで僕は、吉行淳之介は女性や女性に対したときの男性を描くのが上手いのではないかと思っていた。例えば吉行淳之介の作品には、風俗嬢のような人が登場して、それが魅力的であることが多いので、そうした気分のときに吉行淳之介を手に取ることが多かった。

    けれども、この短編集を読んで、特に「漂う部屋」を読んで、吉行淳之介の別の側面を見ることができたと思う。「漂う部屋」には、『生の極限の姿から醸し出される奇妙なユーモア』に富んだ場面がたくさん登場する。どうしてこうまでいやに心に残るのかは分からないが、ユーモアと言わざるを得ないというような場面である。こ

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    2011年09月21日
  • 夕暮まで

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    技巧的な恋愛だな――というのが、第一印象。主人公の佐々さんは、腹立たしいくらい安定しているように見える。飄々と不倫するの。もうちょっと翻弄させてやりたい反面、この手の男性が魅力的に映るあたり、私もクチバシが黄色いよなあ、って。

    そんなふうに、主人公はノンシャランな男性っぽく私の目には映るけど、男性の読者がこの小説を見て、佐々さんが翻弄されてるだとか不安定な部分あるだとか、垣間見えたりするのかな。そして、22歳で処女の杉子がどう見えるんだろう。女性経験豊富な大人の男性にぜひ問いたいところ。

    だって、私はどうしても杉子目線で読んでしまいます。

    佐々さんじゃないと杉子の相手が務まらない感は、あ

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    2010年06月11日
  • 原色の街・驟雨

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    浦野所有。

    芥川賞受賞作。…ですが、この1冊だけでは、吉行淳之介の何たるかが理解できませんでした。

    作風としては、一つの物語のなかで次々に話者(視点)をかえることで、立体的に見せるというのが特徴なのでしょうかね。

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    2010年05月13日
  • 原色の街・驟雨

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    吉行淳之介は病弱で、東大英文科に入っても学業に勤しむ気がおこらず、さっさとやめて女学校の教師になり、さらに編集者に憧れて、雑誌社に入っている。思想から離れて娼婦の街に着目した。

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    2009年10月04日
  • 娼婦の部屋・不意の出来事

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    「鳥獣虫魚」「寝台の舟」「風景の中の関係」、青い花」、「紫陽花」など、初期の傑作短編13編を集めた作品集。

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    2009年10月04日
  • 娼婦の部屋・不意の出来事

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    13話の短編集です。どれも不思議なストーリーで、中にはついていけなくて、置き去りにされてしまうものもありました。一番不思議でないのが、1話の「娼婦の部屋」。吉行さんの本にはよく娼婦が出てきますが、雑誌記者の「私」が娼婦の秋子のもとへ通う話。その秋子は何度も娼家を出て、素人になり、そしてまた舞い戻り・・・、そしてまた・・・。「私」は、それを多少の感情のブレを持ちながらも淡々と語ります。「手毬」「出口」「紫陽花」「花束」も不思議で、どう考えていいのか分からない所もあるのですが、この4つは、わりと好きです。他のストーリーもよく分からないと思いつつ、読み進まされてしまう不思議さ。それも、少し猥雑で隠微

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    2009年10月04日
  • 砂の上の植物群

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    常識を越えることによって獲得される人間の性の充足! 性全体の様態を豊かに描いて、現代人の孤独感と、生命の充実感をさぐる

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    2009年10月07日
  • 夕暮まで

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    自分の人生と“処女”の扱いに戸惑う22歳の杉子に対して、中年男の佐々の怖れと好奇心が揺れる。二人の奇妙な肉体関係を描き出す。第31回 野間文芸賞

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    2009年10月07日
  • 星と月は天の穴

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    初めて読んだ吉行淳之介の小説。
    私にはこの主人公の男性くらいの年齢の男性の考えていることがやっぱりわからない

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    2009年10月04日
  • 夕暮まで

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    06 12/23
    吉行淳之介って思ったより現代の作家なんだね。最近の感覚で読んだ。
    平易だけど難解な感じだった。

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    2009年10月04日
  • 原色の街・驟雨

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    「男」とは「ナイーブで(愛しいほど)まぬけ」だと知った1冊。吉行が身をもって教えてくれる、ありがたい。

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    2009年10月04日
  • 砂の上の植物群

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    タイトルはかっこいいが(クレーの絵のタイトルから取ったらしい)内容はこの時代の純文にありがちで、文体も特に個性はない。
    しかし、そつなくよく書けている平均点の高い小説。
    悪くはなかった。

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    2009年10月04日