デヴィッド・グレーバーのレビュー一覧
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本文だけで二段組約600頁の大著、しかもその内容が帯によれば、「考古学、人類学の画期的研究成果に基づく新・真・世界史!」というのだから凄い。
人類史20万年で分かっていることはごくわずか。しかし現実にはルソーの『人間不平等起源論』かホッブスの『リヴァイアサン』で示された発想の二者択一で、それをアップデートしたものが語られているに過ぎないと著者たちは言う。例えば、農耕の発明により「バンド」から「部族」へ、さらに「首長制」→国家へであったり、狩猟採集、牧畜、農業、工業といった生産様式の変化などなど。ベストセラーらとなったビッグ・ヒストリーの著者たち(自分も大変面白く読んだ)、ハラリ、ダイアモン -
Posted by ブクログ
斎藤幸平の『人新世の資本論』でこの本を知り、手に取った。はじめはブルシット・ジョブとは誰の役にも立たない仕事や資本主義を成立させるために作られた(例えば広告代理店のような)仕事のことかと思っていたが、そうではない。役に立たないとわかっているのになぜかなくならない仕事のことだった。
私の周りではブラックな仕事の話を聞いてはいたが、その反対にこのような内容の伴わない仕事があるのかと暗然とした。
その対極としてあるのがケアワークである。教員の仕事がブラックであることは昨今知られていることであるが、このブラックさは政治によって作られたものであり、ケアワークをブルシット化することが政治的に進められた結果 -
大野和基 / ポール・クルーグマン / トーマス・フリードマン / デヴィッド・グレーバー / トーマス・セドラチェク / タイラー・コーエン / ルトガー・ブレグマン / ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
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最悪のシステムの中の最善のシステムである、資本主義について、情報技術によってますます加速し、変容をしていく先に何が待っているのか。2019年の断面で7名の経済学者が未来を予測した書
キーワードは以下です。
米中の対立
資本主義の修正と変容
富の再配分
人工知能の発達と普及、そして雇用への影響
目次
プロローグ 「未完」のその先を求めて
Chapter1 ポール・クルグマン 我々は大きな分岐点の前に立っている
Chapter2 トーマス・フリードマン 雇用の完新世が終わり、人新世がはじまる
Chapter3 デヴィッド・グレーバー 職業の半分がなくなり、どうでもいい仕事が急増する
Ch -
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朝の通勤電車は今日も人であふれる。眠そうな顔、スマートフォンを見つめる目、資料に赤を入れる手。皆、どこかへ向かい、何かを支えているように見える。だが、その仕事は本当に社会に必要なのだろうか、とふと思うことがある。
人類学者 (デビッド・グレーバー)は著書『(ブルシット・ジョブ)』で、働く本人でさえ「なくても誰も困らない」と感じる仕事が少なくないと指摘した。機械化が進めば労働時間は減り、人はもっと自由になる――そんな未来予想図は外れた。むしろ会議のための会議、報告のための報告が増えた。
忙しさは、しばしば充実と混同される。だが、埋まった予定表が人生の豊かさを保証するわけではない。働くことが -
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働いていることが善、働くことでお金を稼いでいることが善という認識がこびりついているため、いくら機械やAIに仕事が奪われても人間は何らかの仕事をしないといけない、そのためにブルシットジョブ(意味のない仕事)が生み出されているのだという話。
お金がないと生きられない、働く以外にお金を稼ぐ方法がないことが全ての問題ですね。ただ、私は上手くブルシットジョブを掴めた人に羨ましいの感情以外ない。「ブルシットジョブをしている人はリアルジョブをしている人を羨ましいと思っている」というような記述が何度も出てきたが、「でも俺にはあれはできない」と思ってる人も同じくらい多いと思う。
労働とお金を稼ぐことが同じ意味で -
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他の人も書いている通り、とにかく冗長で読みづらい。が、筆者の言いたいことは納得できるし面白い。
本文の後に続いた訳者の文章は1番要約してあってわかりやすいのだが、だったら本文の訳もう少しわかりやすくしてよ…と言いたくなった。。
ケアリングの話は全くその通りで、簡単にロボットによる代替ができると思わないし、それを数量化しようとするからおかしなことになる、というのは実際にブルシットジョブをやっている人間として非常にわかる。
そして最後は少し違う観点からベーシックインカムの議論に。ここが非常に面白かった。
人間の本質はきっと労働そのものに価値を感じるはずであって、だったらそこに集中する環境を作る -
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ネタバレ新年度にぴったりの本、かもしれない!
就職や就活を通して「社会人」になる洗礼を受ける私たち。
社会に貢献する、
組織の役に立つ、
どんな仕事も尊い、
そうやって社会に出たときに世界中の働く人が直面する矛盾や葛藤は、
きちんと説明されてこなかった。
だからこそ、多くの共感を読んだんだろうと思います。
本書が出版されたのは2018年、この日本語版も2020年7月、パンデミック発生後に出されています。
著者のブルシットジョブ論が世に広まったのは、2013年のウェブマガジンへの寄稿記事からだそうです。
その後のコロナがさらに彼の議論を現に裏付け、「グレーバー現象」がさらに広まっていったのも納 -
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アメリカのアナキストでもある文化人類学者デヴィッド・グレーバーが書いた世界のカラクリを解き明かす「解放の書」との触れこみで、前から気になっていたものをついに読んだ。
3名で訳しているのもあり、かなり読みにくい。訳も色々と迷ったようで、訳注も多い。原文も修飾語が多く一文が長いのだと思う。日本語もそのとおりに訳しているらしく、やたらと「~の~の~における~については~か?」みたいな冗長な表現が多く、章立ても行き当たりばったりで、全然頭間に入らなかったため、2回ほど通読するはめになった。
ブルシット・ジョブというのは「その仕事にあたる本人が、無意味であり、不必要であり、有害でもあると考える -
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★金銭に換算できないケアリングの価値★労働は苦行を伴うものであり、教師や看護師など誇りとやりがいを得られる職業は低賃金でも仕方ない――。「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」に先立つ、労働を修養の一環とみなす英国の考え方まで立ち上り、無意味なのに意味があるように取り繕わなければならないブルシット・ジョブの存在に光を当てる。
労働はそもその金銭と換算するものではなく、時間の切り売りという概念を取り込んだから雇用者は働き手が暇そうにしているのを許せない。労働は生産にばかり焦点を当てていたからこそねじれが生じ、サービスという概念を取り込めていない、と主張する。最後に遠慮がち(?)ながらベー -
大野和基 / ポール・クルーグマン / トーマス・フリードマン / デヴィッド・グレーバー / トーマス・セドラチェク / タイラー・コーエン / ルトガー・ブレグマン / ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
Posted by ブクログ
色んな視点があって面白い。
現代社会を憂えている点では一緒。
個人的には、フリードマン、グレーバー、ブレグマン、ショーンベルガーの思想にかなり共感を覚えた。それぞれの著書を読んで、より詳しく勉強しようと思う。
以下、個人的なメモ(ネタバレ?)
ポール・クルーグマン
富の集中は防がなければならない。
資本主義による経済不平等をどこまで是正するか。政治の話。
トーマス・フリードマン
「Average is Over」格差拡大で、平均的では不十分で、常に平均以上になることを志向しなければならない。
「creativity,collaboration,comunity,coding」が必須スキル -
大野和基 / ポール・クルーグマン / トーマス・フリードマン / デヴィッド・グレーバー / トーマス・セドラチェク / タイラー・コーエン / ルトガー・ブレグマン / ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
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Posted by ブクログ
原著2018年。ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)という言葉が世の中に定着してだいぶ経つ筈だが、まとまった考察は初めて読んだ。
その通り!と溜飲が下がる話が半分、そんな筈ない、と反発を感じる話が半分、といった感じ。
99人が食糧生産に励んで残り1名の王を喰わせる体制から、1人の農家の働きで残り99人が喰える体制に変化すれば、その99人がやっている「仕事」は、「本来なくても良い仕事」のようでもあり、それこそが「人間らしい」仕事のようでもあり、ひとによって評価は様々だろう。
何をして喰っているのかよく分からない人だらけ、という状況は、何千年も前の「都市文明」から、たぶん変わってない筈 -
Posted by ブクログ
「私が障がい者雇用枠だから、何もできないと思われて、業務をわりあててもらえない」前の職場ではそう勘違いしていた。
この本を再読して、あの会社じたいがブルシット・ジョブであり、健常者枠で採用された人も本当はすることがなくて、することがあるフリをするのが上手だっただけなのだと気づいた。
することがなく長時間すわっているだけの仕事に私はうつ病になり退職した。
今は、障がい者雇用枠であってもブルシット・ジョブではない仕事、意味のある作業をする仕事に転職したおかげで、うつ病はかなり改善された。仕事にやりがいもある。給与は高くないけれど。
SNSがここまで普及したのも、勤務時間中こっそりSNSをつかっ -
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