デヴィッド・グレーバーのレビュー一覧

  • 万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~

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    暗黒時代とは、進化論の視点から現在を中心として歴史を観 察したときに現れる異分子を指している。本書は発展段階の 秩序空間に存在しえず、エラーとして意義付けされたすべて の可能性を肯定的に読み返す。すると、そこに現れるのは進 化の奴隷から開放された遊戯の人類史であった。

    個人的に、千のプラトーの直後に本着を手に取れたことが僥 倖だった。歴史の境界線を反復横とびする自由な欲望の形態 が、具現的な形で理解できる。

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    2024年02月10日
  • 万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~

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     本文だけで二段組約600頁の大著、しかもその内容が帯によれば、「考古学、人類学の画期的研究成果に基づく新・真・世界史!」というのだから凄い。
     人類史20万年で分かっていることはごくわずか。しかし現実にはルソーの『人間不平等起源論』かホッブスの『リヴァイアサン』で示された発想の二者択一で、それをアップデートしたものが語られているに過ぎないと著者たちは言う。例えば、農耕の発明により「バンド」から「部族」へ、さらに「首長制」→国家へであったり、狩猟採集、牧畜、農業、工業といった生産様式の変化などなど。ベストセラーらとなったビッグ・ヒストリーの著者たち(自分も大変面白く読んだ)、ハラリ、ダイアモン

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    2023年10月24日
  • 未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来

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    最悪のシステムの中の最善のシステムである、資本主義について、情報技術によってますます加速し、変容をしていく先に何が待っているのか。2019年の断面で7名の経済学者が未来を予測した書

    キーワードは以下です。

    米中の対立
    資本主義の修正と変容
    富の再配分
    人工知能の発達と普及、そして雇用への影響

    目次

    プロローグ 「未完」のその先を求めて

    Chapter1 ポール・クルグマン 我々は大きな分岐点の前に立っている
    Chapter2 トーマス・フリードマン 雇用の完新世が終わり、人新世がはじまる
    Chapter3 デヴィッド・グレーバー 職業の半分がなくなり、どうでもいい仕事が急増する
    Ch

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    2023年01月26日
  • 民主主義の非西洋起源について

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    『万物の黎明』が有名な人類学者グレーバーの論文、というよりは評論。民主主義は古代ギリシャから続く西洋起源のものであるという説を問い直し西洋を相対化する。構成員の間での意見の調整や対話的な試みは洋の東西を問わずむしろ一般的なものであるというのは言われるまでもない話ですが、民主主義という言葉を使うときに、社会契約説やフランス革命以降に整備された諸制度により成り立つ仕組みを指しているのか、根本の理念のことを指しているのかによって話が変わってくるということでしょう。ややこしいのはフランス革命以降の諸制度によって成り立っているのが単なる仕組みではなく資本主義も合わさった文化にまで広まっていることか。

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    2026年07月28日
  • ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

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     朝の通勤電車は今日も人であふれる。眠そうな顔、スマートフォンを見つめる目、資料に赤を入れる手。皆、どこかへ向かい、何かを支えているように見える。だが、その仕事は本当に社会に必要なのだろうか、とふと思うことがある。
     人類学者 (デビッド・グレーバー)は著書『(ブルシット・ジョブ)』で、働く本人でさえ「なくても誰も困らない」と感じる仕事が少なくないと指摘した。機械化が進めば労働時間は減り、人はもっと自由になる――そんな未来予想図は外れた。むしろ会議のための会議、報告のための報告が増えた。
     忙しさは、しばしば充実と混同される。だが、埋まった予定表が人生の豊かさを保証するわけではない。働くことが

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    2026年07月02日
  • ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

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    働いていることが善、働くことでお金を稼いでいることが善という認識がこびりついているため、いくら機械やAIに仕事が奪われても人間は何らかの仕事をしないといけない、そのためにブルシットジョブ(意味のない仕事)が生み出されているのだという話。
    お金がないと生きられない、働く以外にお金を稼ぐ方法がないことが全ての問題ですね。ただ、私は上手くブルシットジョブを掴めた人に羨ましいの感情以外ない。「ブルシットジョブをしている人はリアルジョブをしている人を羨ましいと思っている」というような記述が何度も出てきたが、「でも俺にはあれはできない」と思ってる人も同じくらい多いと思う。
    労働とお金を稼ぐことが同じ意味で

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    2026年06月13日
  • ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

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    無意味だと感じながら仕事をすることの、心理的、社会的、政治的な効果について。
    AIによる要約を短時間で読んだだけだと、読者自身の考察の時間がないので、グレーバーの意図を理解できない。最後に対処法の提案があるが、それよりも各自が問題意識を持つことが対処の第一歩だと思う。

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    2026年04月02日
  • ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

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    最初の方はまあわかったようなことをぐだぐだとって感じでしばらく積んでおいたんだけど、さいごの100ページあたりで、俺はアナーキストだとか言い出して最高。頭の中にしかないものの硬直性。俺は問題を提示するだけとかかっこいい。

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    2026年02月17日
  • ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

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    他の人も書いている通り、とにかく冗長で読みづらい。が、筆者の言いたいことは納得できるし面白い。
    本文の後に続いた訳者の文章は1番要約してあってわかりやすいのだが、だったら本文の訳もう少しわかりやすくしてよ…と言いたくなった。。

    ケアリングの話は全くその通りで、簡単にロボットによる代替ができると思わないし、それを数量化しようとするからおかしなことになる、というのは実際にブルシットジョブをやっている人間として非常にわかる。

    そして最後は少し違う観点からベーシックインカムの議論に。ここが非常に面白かった。
    人間の本質はきっと労働そのものに価値を感じるはずであって、だったらそこに集中する環境を作る

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    2025年11月30日
  • 啓蒙の海賊たち あるいは実在したリバタリアの物語

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    マダガスカルに定着した海賊とその子孫の社会学。面白い。中間的な位置づけに自分を持ってくる知恵と後世からの評価

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    2025年09月22日
  • ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

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    ネタバレ

    新年度にぴったりの本、かもしれない!
    就職や就活を通して「社会人」になる洗礼を受ける私たち。

    社会に貢献する、
    組織の役に立つ、
    どんな仕事も尊い、

    そうやって社会に出たときに世界中の働く人が直面する矛盾や葛藤は、
    きちんと説明されてこなかった。
    だからこそ、多くの共感を読んだんだろうと思います。

    本書が出版されたのは2018年、この日本語版も2020年7月、パンデミック発生後に出されています。

    著者のブルシットジョブ論が世に広まったのは、2013年のウェブマガジンへの寄稿記事からだそうです。

    その後のコロナがさらに彼の議論を現に裏付け、「グレーバー現象」がさらに広まっていったのも納

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    2025年03月30日
  • 万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~

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    ひとことで言えば「ビッグ・ヒストリー」への疑問、アンチの超大作だが、ハラリやダイアモンド、ピンカーなどをポップ人類史と徹底的に批判しているのが興味深い。
    遊戯農耕とシリアス農耕というコンセプトも大変面白い。わかりやすく直線的に語ることの弊害にも気付かされる。
    膨大で熱のこもった訳者あとがきもあるので、先にここから読んで全体の見取り図とするのも良いと感じた。

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    2024年11月13日
  • ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

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     アメリカのアナキストでもある文化人類学者デヴィッド・グレーバーが書いた世界のカラクリを解き明かす「解放の書」との触れこみで、前から気になっていたものをついに読んだ。
     3名で訳しているのもあり、かなり読みにくい。訳も色々と迷ったようで、訳注も多い。原文も修飾語が多く一文が長いのだと思う。日本語もそのとおりに訳しているらしく、やたらと「~の~の~における~については~か?」みたいな冗長な表現が多く、章立ても行き当たりばったりで、全然頭間に入らなかったため、2回ほど通読するはめになった。
     
     ブルシット・ジョブというのは「その仕事にあたる本人が、無意味であり、不必要であり、有害でもあると考える

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    2024年10月19日
  • 万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~

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    我々の不平等な社会はいつ始まったのか?という問い。これを人類史の考古学的証拠を見ていきながら、なぜ我々の社会は閉塞してしまったのか?という問いへと定義され直される。その答えへの手がかりには太古の人類を現代人と同じような人間として認識しなおし、これまでに存在した多様な社会を無視せずに包括する必要性がある。近年人気を博しているポップ人類史に対する批評であり、改めて構造主義的見地から人類史を捉え直す名著。

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    2024年07月13日
  • ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

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    ★金銭に換算できないケアリングの価値★労働は苦行を伴うものであり、教師や看護師など誇りとやりがいを得られる職業は低賃金でも仕方ない――。「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」に先立つ、労働を修養の一環とみなす英国の考え方まで立ち上り、無意味なのに意味があるように取り繕わなければならないブルシット・ジョブの存在に光を当てる。

    労働はそもその金銭と換算するものではなく、時間の切り売りという概念を取り込んだから雇用者は働き手が暇そうにしているのを許せない。労働は生産にばかり焦点を当てていたからこそねじれが生じ、サービスという概念を取り込めていない、と主張する。最後に遠慮がち(?)ながらベー

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    2024年01月07日
  • 未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来

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    色んな視点があって面白い。
    現代社会を憂えている点では一緒。
    個人的には、フリードマン、グレーバー、ブレグマン、ショーンベルガーの思想にかなり共感を覚えた。それぞれの著書を読んで、より詳しく勉強しようと思う。

    以下、個人的なメモ(ネタバレ?)

    ポール・クルーグマン
    富の集中は防がなければならない。
    資本主義による経済不平等をどこまで是正するか。政治の話。

    トーマス・フリードマン
    「Average is Over」格差拡大で、平均的では不十分で、常に平均以上になることを志向しなければならない。
    「creativity,collaboration,comunity,coding」が必須スキル

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    2020年02月03日
  • 未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来

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    面白くて一気に読んでしまった。
    当世きっての論客七人を少しずつ楽しめるとは、贅沢な。と思って後書きみたら、一部はNewsPicksでの連載記事だったようで、なるほど納得。うまいわけだ。
    あくまでもエッセンスでしかないので、それぞれの著書をしっかり読み込みたい。

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    2020年01月18日
  • 万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~

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    ブルシットジョブを書き上げたデイヴィット・グレーバーと考古学者であるデヴィット・ウェングロウによる今までの歴史観に一石を投じる大作.国家の成り立ちが暴力性に基づいているといわれているが,本書では全く違うということを主張している.王族による暴力的な支配を経て,現代の民主主義が形成されているとされているのが,これまでの歴史観であったが,本書ではそのような王権国家が出てきたのは稀であり,1200年ごろから始まったと主張される.メソポタミア文明などでは,平和的で格差の小さい国家が形成されており,必ずしも支配と国家形成はセットではない.
    本書では様々事例を用いて説明される.エッセンス的に
    ・文化とは何を

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    2026年07月22日
  • ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

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    原著2018年。ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)という言葉が世の中に定着してだいぶ経つ筈だが、まとまった考察は初めて読んだ。

    その通り!と溜飲が下がる話が半分、そんな筈ない、と反発を感じる話が半分、といった感じ。

    99人が食糧生産に励んで残り1名の王を喰わせる体制から、1人の農家の働きで残り99人が喰える体制に変化すれば、その99人がやっている「仕事」は、「本来なくても良い仕事」のようでもあり、それこそが「人間らしい」仕事のようでもあり、ひとによって評価は様々だろう。

    何をして喰っているのかよく分からない人だらけ、という状況は、何千年も前の「都市文明」から、たぶん変わってない筈

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    2026年05月07日
  • ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論

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    「私が障がい者雇用枠だから、何もできないと思われて、業務をわりあててもらえない」前の職場ではそう勘違いしていた。

    この本を再読して、あの会社じたいがブルシット・ジョブであり、健常者枠で採用された人も本当はすることがなくて、することがあるフリをするのが上手だっただけなのだと気づいた。
    することがなく長時間すわっているだけの仕事に私はうつ病になり退職した。
    今は、障がい者雇用枠であってもブルシット・ジョブではない仕事、意味のある作業をする仕事に転職したおかげで、うつ病はかなり改善された。仕事にやりがいもある。給与は高くないけれど。

    SNSがここまで普及したのも、勤務時間中こっそりSNSをつかっ

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    2026年03月18日