【感想・ネタバレ】ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

斎藤幸平の『人新世の資本論』でこの本を知り、手に取った。はじめはブルシット・ジョブとは誰の役にも立たない仕事や資本主義を成立させるために作られた(例えば広告代理店のような)仕事のことかと思っていたが、そうではない。役に立たないとわかっているのになぜかなくならない仕事のことだった。
私の周りではブラッ...続きを読むクな仕事の話を聞いてはいたが、その反対にこのような内容の伴わない仕事があるのかと暗然とした。
その対極としてあるのがケアワークである。教員の仕事がブラックであることは昨今知られていることであるが、このブラックさは政治によって作られたものであり、ケアワークをブルシット化することが政治的に進められた結果ではないかと思った。
労働に関して非常に示唆に富んだ本だと思う。

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Posted by ブクログ 2023年08月14日

この本以降「ブルシット・ジョブ」という言葉が流行語のように数々の著作で引用され、動画でも用いられてきた。この語感の意味をその定義以上の文化的な課題への警鐘を含め、しっかり前後の文脈まで把握する事が重要。二次的な浅い理解ではなく、原典を読めて良かった。本著は少し冗長で口説く感じるが、平易で分かりやすい...続きを読む表現。かつ、自らの頭で考えながら読む為には、あれこれ具体例を示しながら、ダラダラとした対談のような紙幅がちょうど良かったと、後から感じた。

興味のある切り口で頭の整理をしてみる。「価値のある仕事とは何か」「価値とは何か」「価値の無い仕事は何故生まれたか」「隣人と奥さん(旦那さん)を交換し、相互に有償で仕事を依頼するとどうなる」「本当は働かなくても良いのでは」、これら個人的な疑問に対し、本著を援用し、時に行間を自発的に思考し、読み進めた。本来、読書とはその所作なのかも知れない。

富裕国の37から40%の労働者が既に自分の仕事を無駄だと感じているらしい。無駄なら辞めれば良いが、お金が必要だ。また、何故無駄と感じるのか、無駄とは何か。コロナ禍にエッセンシャルワーカーという言葉が多用された。生活に必須な仕事以外は自粛。そう言われると、確かに、無用な仕事はありそうだ。更に、ここでは、職務に留まらず、同じ仕事における「拘束時間」を問題視する。

勤務時間中においては労働者の時間はそれを買った人間に所有されているという観念がある。そのため勤務時間中は生産性を上げて余裕の時間が生まれても、自分の好きなことをするわけにはいかない。監視の目があるから、余計な仕事をする。余計な仕事をしないと暇すぎて心が参ってしまうという問題もある。漫画でも読んで待機できれば良いが。この点、一足飛びに労働分配とベーシックインカムにより解決されずとも、コロナ禍のテレワークが社会実験となったように感じる。仕事の早い人間は、テレワーク中に手っ取り早く成果を出し、ブルシットの生まれる余白を自らの時間として手に入れたのだ。

労働者が実際に行っている事は、フェミニストがケアリング労働と呼ぶものにかなり近い、という本著の発言も響いた。ケアリング労働を有償で交換し合えば、労働者の納得感は増すが、最終的には税務署が喜ぶだけだ。金銭を対価にせずに、つまり、価値比較の無用化とそこから第三者に搾取されぬためには、我々は、信頼と愛をベースに、または単にネット上の承認欲求を満たす仕組みをモチベーションに労働交換比率を高めていくのが良いのだろう。その時、それはブルシットと対極になる。

思考は尽きない。もっと読みたい、考えたいと思わせる読書だった。

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Posted by ブクログ 2023年01月21日

やらなくても誰も困らない仕事(何も寄与しない仕事)って確かにあると思います。

労働自体が目的となっていないか❓
そんな事を考えさせられる一冊です。

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Posted by ブクログ 2022年10月11日

ブルシットジョブとは。
被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用形態である。しかし、その雇用条件の一環として本人は、そうではないと取り繕わなければならない。

高給であればあるほどブルシット化してしまう現状。その無意味さに本人が気付いているか...続きを読むらこそ、そうではないと自分が演技をしてしまうという記述には心当たりがありすぎて胸が痛かった。

さらに、その歴史的な背景を紐解いていく壮大さに夢中になった。

この本を読み終わったあと、端的にこの世界をかえりみて思うことは「狂っている」の一言である。

ベーシックインカムなどにやり、自由に人間らしさを取り戻した世界になることを切に願う。

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Posted by ブクログ 2022年10月07日

世界中どこにでも仲間がいる、クソ仕事が溢れ続けることそれ自体によって、資本主義が終わる未来が見える、そんな一冊。

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Posted by ブクログ 2022年09月05日

デビッド・グレーバーは、2013年の「ブルシット・ジョブ現象について」と題された小論で、どうでもいい無益な仕事「ブルシット・ジョブ」が世の中に満ち溢れているのではないかという刺激的な仮説を世に問うた。この小論は各国語に翻訳され(例に挙げられた14か国語の中になぜか日本語が入っていない。ラトビア語や韓...続きを読む国語は入っているのに)、様々な議論を巻き起こした。その中にこの論争に関してイギリスで世論調査が行われ、労働者のうち37%が自分の仕事に意味がないと感じていて、不満と考えている割合はそれよりも低い33%という結果が出た。論争や世論調査の結果は著者の想定していた以上のものだったのだ。

「なにか有益なことをしたいと望んでいるすべてのひとに捧げる」とした本書は、この小論を大幅に拡張して一冊の本にしたものである。小論はそのまま収められているが、そこで十分に掘り下げられていなかったこと ― なぜこの状況が問題視されずになんらかの手が打たれなかったのか ― を探求したものである。ブルシット・ジョブに関する広範な議論やヒアリングの事例が含まれるため、結果とても長い本になっていて、もう少し冗長度を下げて短く(そして値段も安く)することはできたかと思う。またもちろん、その内容について必ずしも賛成するという人ばかりではないと思う。しかしながらそれでも、何かしらの大きな問題提起がされていて、読まれるべき本とひとまず言っていいかと思う。

【ブルシット・ジョブの定義】
グレーバーは、ブルシット・ジョブを最終的に次のように定義する。
「被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている」

自分の仕事はこの定義にズバリと当てはまります、正にそうです、という人はもしかしたらそれほど多くはないのかもしれない。ただ、自分でもそのように感じているという主観的評価が定義に含まれているところがここでは大事なところだ。そして、実際にイギリスの労働者の37%がイエスと答えたのだ。

グレーバーは、具体的なブルシット・ジョブの例として、人材コンサルタント、コミュニケーション・コーディネーター、広報調査員、財務戦略担当、企業の顧問弁護士、などを挙げている。果たして、これらの仕事全部がブルシット・ジョブなのかどうかわからないが、より一般的な観点から整理して、ブルシット・ジョブのカテゴリーとして次のようなタイプの仕事を挙げている。
・取り巻き (Flunkies)
・脅し屋 (Goons)
・尻ぬぐい (Duct Tapers)
・書類穴埋め人 (Box Tickers)
・タスクマスター (Task Masters)

このレビューで詳しくそれぞれがどういうものかは書かないが、何となく想像は付くだろう。

【ブルシット・ジョブの精神的負担】
グレーバーは次のように書く。
「わたしが募った証言から強烈に伝わってくることのひとつが、これだ。つまりは、腹の煮えくり返るような不明瞭さである。なにかいやなこと、馬鹿げたこと、途方もないことが起こっているというのにその事実を認めてよいのかさえはっきりせず、だれを、なにを非難したらよいのかも、それ以上にはっきりしないのである」

自分の社会的価値に疑問を抱きながら働いていることの心理的負担は相当のものだとグレーバーは指摘する。さらに悪いことには、これらのみせかけの仕事がいったい誰のせいなのかがわからないということだ。

グレーバーは「精神的暴力」と呼ぶ。本来、受ける必要のない暴力である。
「ブルシット・ジョブは、ひんぱんに、絶望、抑うつ、自己嫌悪の感覚を惹き起こしている。それらは、人間であることの意味の本質にむけられた精神的暴力のとる諸形態なのである」

無意味な雇用目的仕事がどうしてこれほど人を不幸にさせるのか。本書の最後の方で、フーコーの権力論を援用してブルシット・ジョブに関わる権力構造を分析している。フーコーの権力論は、権力そのものは悪ではなく具体的な個人に集約されているものではなく、逆に権力は社会の中に組み込まれる関係であるとされる。ブルシット・ジョブはそのような社会構造の中から生まれてきたのだ。

ブルシット・ジョブのような無駄な仕事が市場資本主義の中でこれほどまでの大きさで生まれているのは市場資本主義の逆説である。グレーバーは、ブルシット・ジョブを生み出しているのは資本主義それ自体ではないという。その原因は、マネジリアリズム・イデオロギーだと指摘する。

【ブルシット・ジョブに関する問い】
グレーバーは、ブルシット・ジョブに関して三つの次元の違う問いを立てなければならないと指摘する。
1. 個人的次元: なぜ人はブルシット・ジョブをやることに同意し、それに耐えているのか?
2. 社会的・経済的次元: ブルシット・ジョブの増殖をもたらしている大きな諸力とはどのようなものか?
3. 文化的・政治的次元: なぜ 経済のブルシット化が社会問題とみなされないのか、なぜだれもそれに対応しようとしていないのか?

この件に限らず、これらの異なる次元を混同して説明しようとするから、議論が発散したり、
レイシズムにせよ男女平等にせよLGBTQ運動にせよ学歴社会・競争社会問題にせよ社会保障問題にせよ、複雑な社会問題を論じるときにはすべからくこの次元を意識して議論するべきだ。著者が指摘する通り、ブルシット・ジョブ問題もしかり。グレーバーは、特に政治的次元でなぜブルシット・ジョブが社会において問題化されずに増大していくのかという点を論じている。

これは、労働に関する倫理的価値の問題だとグレーバーは言う。義務であり創造であるという労働倫理感が西欧社会に敷衍したがゆえに、無駄な労働を作ってでも雇用を確保し、さらに労働者がそれに対して異議を唱えたり、そもそも労働を拒否したりすることがないということが起こったと論じる。仕事を全くしないことの引け目を感じることにより、ブルシット・ジョブであってさえも仕事をすることが道徳的に正しいと感じるのだ。グレーバーは、社会学者らしく、ヨーロッパで労働が精神的に義務化され、かつ倫理的に正しいものとなっていった歴史を振り返る。また、これは資本主義の誕生によって賃労働が主になってきたことによって強化された。社会は労働価値説を受け入れ、時間を所有し売買することとなった。その労働倫理は、宗教的にも社会的にも利益があることだった。マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムと資本主義の精神』で論じたように、仕事は神の恩寵であった。守るべき美徳であった。

【ベーシックインカム】
ケインズは、テクノロジーの進化によって二十世紀末までには週十五時間労働が実現されるだろうと予測した。テクノロジーの進化はおそらくはそれを可能にするほど進化したにも関わらず、ブルシット・ジョブが生まれたおかげでそのような社会にはならなかった。完全雇用や、労働の美徳という道徳観から、本来必要のない仕事を多くの人がしていて、それがおかしいことと指摘されず、修正に向けて動くこともなかったからだ。

ここで持ち出されるのが、普遍的ベーシックインカムである。著者は、政策的解決策としてベーシックインカムを提言するわけではないことを強調する。何となれば著者のポジションはアナキストであるからだ。ただ、それよりもまずは多くの人がこの観点からベーシックインカムを検討してみてほしいというのが著者の意図であるのだ。

グレーバーは、ベーシックインカムによって金銭的な必要性がなくなった上で人が仕事を選ぶようになるとブルシットジョブではなく、「有益な仕事」をするようになるだろうと主張する。ベーシックインカムの究極的な目標は、生活を労働から切り離すことだと主張する。

一方でベーシックインカムは政府の肥大化や不経済・非効率を生み出すのではと言われる。それに対して著者によると、ブルシット・ジョブの存在を前提とすると、それらが縮小することから、ベーシックインカムの導入によって政府の経済的な面からも削減される効果を期待できるとも主張する。少なくとも導入されるベーシックインカムにより、国家権力の拡大を招くのではなく、まったくその逆として立ち現れる限りにおいて著者は賛同するのである。そのためには、条件付きではない、普遍的ベーシックインカムが求められる。

【ベーシックインカム社会と宗教的社会】
グレーバーは、「本書の主要な論点は、具体的に政策提言をおこなうことにはない。本当に自由な社会とは実際にどのようなものなのかの思考や議論に、手をつけはじめることにある」という。そこで、著者の狙いに沿って、ベーシックインカムが実現されるような社会とはどういう社会なのかを考えてみたい。

本書の議論を読み進めて頭によぎったのは、新興宗教が成立する条件との親和性である。ちょうど旧統一教会の問題が日々話題になっていることから影響されて連想されたことではある。そこには何か本書の議論で不足している要素のようなものがあるのではと思うので、結論があるわけではないが、少し考えてみたい。

ある種の閉鎖的な新興宗教においては、その閉鎖的コミュニティが最低限の生活を保障する。一方でメンバーは、そのコミュニティに「有益な仕事」に従事する。そこにはブルシット・ジョブは存在し得ないだろう。そして、そのための経済的な基盤として持てるものが拠出する、という構造である。それを実現するための条件が絶対的な「善きこと」をコミュニティのメンバーが共有することである。この構造は、ベーシックインカムが経済的かつ社会的に成立するための条件と似ているのではないか。政策的な法制度がそれを保証するのか、教義が保証するのか、違いはたくさんあれども、ベーシックインカムが成立するためにはそれを受け入れるための信心・道徳のようなものが必要となってくるのではないかと思う。

これは、グレーバーの考えが新興宗教に似ているということでは全くない。閉鎖的な新興宗教が成立する構造が、ベーシックインカムを成り立たせる構造とが似ているのではないかということである。逆に新興宗教がグレーバーの考え方をある意味では先取りして、実践をしているのではないかとも思えてくるのである。たとえば、週15時間労働を美徳として、それ以上にお金のために働くことを忌避し、コミュニティのケアのために時間を割くことが当然とされるような社会である。

そもそも『プロテスタンティズムと資本主義の精神』でマックス・ウェーバーが説くように、資本主義の成立において宗教が説く価値観が重要であった。仕事を天職と捉えて、その成功に邁進し、結果としての富の蓄積を神の恩寵と捉える精神が涵養されたことがプロテスタンティズム国家によって資本主義が発展したことと相関性が認められるという主張だ。ベーシックインカムのように社会的価値を生産性や労働価値といった既存の価値観から大きく変化させるような社会学的かつ人類学的な思考の押し寄せる大きな変化が必要ではないかと思う。それはもちろん宗教であるとはいかないだろうが、これまでの資本主義的価値観が大きく変わるような社会的変化が求められるだろう。それは、もちろん起きえないことではなく、常識や倫理観などは思うよりもたやすく変わる。最近でも、レイシズムやセクシズムの世界で起きた。課題はこの問題において、特に労働と社会的価値観において、そういった倫理観のシフトが社会全体で起きうるのかということだろう。

【まとめ】
著者は、ブルシット・ジョブという多くの人の眼からは見えていなかった事象を見えるようにして取り出して、その分析を行った。その上で、著者は普遍的ベーシックインカムの導入について論じて、導入を視野に入れた議論が行われることを望んだ。それは高齢化社会における社会保障の問題と大きく絡んでくるだろう。
グレーバーは、ブルシット・ジョブの問題は三つの次元において問われるべき問題だと言った。「ブルシット・ジョブ」はベストセラーにもなり、ワードとしてはそれなりに世間には広まった。しかし、ともすれば個人的次元の問題のように捉えられがちであったブルシット・ジョブの問題を、本来問われるべき文化的・政策的次元から問うべき問題だと理解するためにも、「ブルシット・ジョブ」というワードと紹介記事だけを読んでわかったような気にならないように、ちょっと長いけれどやはり読まれるべき本だというのがひとまずのまとめになる。決して、シンプルな問題ではないのだから。

とはいうもののやはり長いし高い、という人には、新書で『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』という本が出ていて、かなり忠実なまとめになっているので、いったんはこちらで読むのもお薦め。

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Posted by ブクログ 2022年07月26日

この本を読んで、はっとしたこと。

その1
奴隷じゃあるまいし、人間の時間を買えると思うのはおかしい。

なるほど!!
いつのまにか買われる奴隷根性が染み付いてました。
拘束時間中は雇い主のいうなりになるべき、という発想からは、ダラダラと働く結果しか生まれない。
(さっさと済ませても、同じ対価で追...続きを読む加労働が発生するだけだから)

その2
人が行う労働は、それと意識されることがなくともケアが含まれている。

ロンドン地下鉄の改札で勤務する職員たちは、乗客アシスト(子連れや車椅子の乗客、降車出口案内その他)も当然の如く行なっている。そして、もちろんそれらケア労働はジョブカウントされてはいない。
ジョブカウントされるのは、改札で切符を確認すること、であり、それは簡単に機械に置き換えることができる。

この2点がこの本のキモというわけではもちろんなく、また、他にもたくさん、働くということ、について、感じ、考えました。
いろいろ感じ考える時間を、どうも、ありがとう。

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Posted by ブクログ 2022年04月21日

『「誰かの労働」が重なり合って織りなす人間社会』を、時にズームアウトして遠くから概観し、そしてまたズームインして近くから観察して丁寧に論じている。

承認欲求に駆られた人々が権威や名誉などどんなに情緒的に飾り立てても、グレーバーさんが巧みに抽象化してブルシット・ジョブに分類していく。その流れが実に見...続きを読む事で思わずシニカルな笑いがこみ上げてくる。ブルシット・ジョブには以下の主要5類型がある。

1.取り巻き(flunkies):誰かを偉そうに見せたり、偉そうな気分を味わわせたりするためだけに存在している仕事
2. 脅し屋(goons):雇用主のために他人を脅したり欺いたりする要素をもち、そのことに意味が感じられない仕事
3. 尻ぬぐい(duct tapers):組織のなかの存在してはならない欠陥を取り繕うためだけに存在している仕事
4. 書類穴埋め人(box tickers):組織が実際にはやっていないことを、やっていると主張するために存在している仕事
5.タスクマスター(taskmasters):他人に仕事を割り当てるためだけに存在し、ブルシット・ジョブをつくりだす仕事

本書は社会学であり、歴史書であり、喜劇であり、救いがたい悲劇である。一日も早くユニバーサル・ベーシック・インカムでこれらの儀式(苦行?)から開放される人々が増えることを願わずにいられない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年07月29日

やっと読めた。社会やらお仕事やらはどうしてこんなに不合理なのかしらんを煮詰めた一冊。小規模な社会でなら起こりそうもないあれこれの無駄に関するエピソードを読み続けていると精神がいい感じにぐんにょりしてくるが、それでいて面白いんだから困る。やはり「官僚制のユートピア」も読むべきだろうか。

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Posted by ブクログ 2022年06月20日

そのお前の仕事がブルシットだよって言いたい人がたくさんいる。
そして、お前の仕事がブルシットだよって言われそうな気もする。

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Posted by ブクログ 2022年05月06日

◎ブルシットジョブ
働いている本人がこの仕事は無意味だと、ないほうがいいとさえ感じている仕事
大抵ホワイトカラーの書類仕事
労働環境が良い

◎シットジョブ
人に必要とされ、誇りを持てる仕事だが、賃金など労働環境が悪い
ケアワーク、コロナ禍で言われたエッセンシャルワークなどがこれに当たる

これまで...続きを読む、どちらの仕事も経験してきた。そして、グレーバーがこの本で言い当ててくれた現象をまさに感じていた。

「どうして面白いって思える仕事はこんなに給料が安いの?!子供育てられないんだけど!」

ブルシットジョブをしている人からは、「好きなことをしてるんだから給料安くて当然じゃない」とよく言われた。労働自体が聖なるものであるという歴史の流れだとは!

なんだか、現代における階級闘争である気もしてきた。結局、みんなうんざりしてるけれど、自分の立場を守りたいのだ。

ラストの提言は納得した。
ベーシックインカムがあったらどんなにいいだろう!だけどおそらくいまの政府はそんなことを選択しそうにない。

(ベーシックインカムと、社会主義の違いはあんまりピンときていない。このあたりもっと調べてみたいと思う。)

ああ、結局、この社会で私がどう生きてゆくかなのだ。

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Posted by ブクログ 2023年07月10日

ブルシットジョブ、確かにあるよなと納得してしまう。これまで、このような視点で仕事の意味について考えた事は無かったし、仕事の有無は問題になってきたが、主観的な仕事の価値が問題となった事はたぶん無かった。
ブルシットでない仕事が生活できな程低賃金で、ブルシットなペーパーワークが高給な事は事実で、何でこん...続きを読むな事になったのか、納得が出来ない。
ベーシックインカムはいい考えだが、ハードなケアワークをニーズを満たすだけの人間が選択するのか、需給のバランスが取れないように思う。

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Posted by ブクログ 2023年07月08日

読みづらくて大変だった。本書による定義では、ブルシットジョブとは、
「被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態。とはいえ、雇用条件の一環として、本人は、そうでないと取り繕わなければならないように感じている。」とされている。既にしんどい。...続きを読む
その無意味な仕事に対して、なぜか結構なお金が支払われる状況があり、これが働く者の尊厳を傷つけて苦しめるような現象まで起きている。

・・そして、200ページほど事例の列挙と勿体ぶった考察が続く。大幅に端折ると、
・労働はそれ自体が価値という考えが古くからある(労働価値説)。
・そこに資本主義が入ってきた。富の生産者は労働者でなく資本家となった。
 地位の源泉は、生産力でなく、購買力(消費力)にとってかわられた。
 もはや生産に重要な意味はなくなり、仕事自体に価値が置かれるようになった。
・さらに情報化がやってきて、正味では大量の失業者が生じたが、
 (内容がなくても)仕事をすること自体に価値が置かれるようになっていたため、
 失業は忌み嫌われ、意味のない仕事が大量に生み出された。
・それがブルシット化を加速した。
・解消は困難であるが、労働と収入を切り離すのは有用だろう。
 たとえば、ベーシックインカムみたいに。
 そうすれば、計量できないケアリング労働を正当に評価することにもなる。
理解としてはこんな感じ。どこか間違っているかもしれない。

さてこの本の考察をどう思うか?
正直なところ、前半の考察がなくても、ブルシット化現象の成因は情報化の影響だけで大方説明がつくんじゃないかと思う。ただ、それだけでは労働と収入を切り離す方法がなく、ブルシットジョブを解消できそうにない。解決のヒントが欲しい・・というところに考察の前半分が活きてくる。著者も述べている通り、これは問題提起の書であり、解決策を説くものではない。そして、書籍の出版後まもなく、著者は2020年に亡くなっている(訳本は死の直後に出版されたようである)。著者による続編は永遠に得られず、謎かけまでで終わっているのである。

ということで、概要を知るだけならダイジェスト本やコミカライズ版でいいのではないかと思う。

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Posted by ブクログ 2023年06月15日

自分の仕事は世の中の役に立っているんだっけと自問してしまう。管理する仕事とか金融とかやっている人は心の中どうなんだろうとか。

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Posted by ブクログ 2023年05月29日

「ブルシット・ジョブが増え続けている!」というポイントに絞ってほしかった。枝葉の議論が多すぎるように感じた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年11月12日

話自体は非常に面白かった。

ただ"""日本語訳"""って感じの文章が読みづらすぎて読むのが辛かった。

かまいたちの、「もし俺が謝ってこられてきてたとしたら絶対に認められてたと思うか」、みたいな感じ。
※P.263の見出し「現代社会に生き...続きを読むるほとんどの人びとは、たとえそれがなんなのか明確にすることが困難であったとしても、どのようにして経済的価値とは峻別される社会的価値という概念を受け入れているのか」

解説本によいものがあれば、本書よりそちらを読みたい。



#ブルシットジョブの定義
被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある雇用の形態。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕うわなければならないと感じている。

#ブルシットジョブの主要五類型
①取り巻き(フランキー)
②脅し屋
③尻ぬぐい(ダクトテーパー)
④書類穴埋め人
⑤タスクマスター

#ブルシット・ジョブ従事者は不幸に感じる
■囚人は、一日中テレビを見ているよりも、洗濯や掃除などの労働をしている方がストレスを感じない。それほど無意味なことを強いられるのはストレス。
■独房に6ヶ月入れられると、物理的に観測可能な形で脳に損傷が出る。それほどに人間は社会的な生き物。
■幼児は、自分の行動が予測可能な形で世界に影響を与えられることに気付いた時に大きな幸福感を得る。

#資本主義社会においてはブルシット・ジョブは増殖し続ける
■資本主義社会において金融セクター従事者の賃金は上昇、だが金融セクターはブルシット・ジョブの宝庫
■資本主義では貧富の差は広がるしかない
→富裕層はフランキーや脅し屋を生み、それによってダクトテーパーやタスクマスターが必要になり、書類穴埋め人の仕事も増える

#なぜブルシット・ジョブの増加に人々は反対しないのか
■古来より労働は大変なほど神聖とされ、神聖な労働ほど見返りを求めてはならない風潮がある(例えば「出産」など)

#解決策は?
■ベーシックインカムが提案されている
ここが一番面白い。実現できるとは思えないが。
実際、ロボットやAIなどによって、人間が行うべき労働は減少しているはず。
ベーシックインカムが導入されれば、人々は報酬を気にせず好きなことができるはず。
やりがいのあるリアルジョブほど報酬は低いが、取り組みやすくなる。

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Posted by ブクログ 2022年10月25日

言い回しの回りくどさや、似たような事例の列挙が気になるが、主張自体はとても納得できた。
社会や人のためにならない仕事の方が高給で、必要不可欠な仕事の方が薄給という自己肯定感と金銭のトレードオフは、社会の断裂を生み出す。
ブルシットジョブという会社と社員の封建的な構図は、王様と家来の時代から変わってい...続きを読むないという指摘もなるほどと思った。日本の労働は生産性が悪いと言われているが、労働の問題に関して他の国でも同様の事態に陥っているのは皮肉に感じる。

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Posted by ブクログ 2022年08月27日

自分でも気づかなかった悩み・もやもやがすっきりした。ブルシットジョブもいくつかカテゴライズしていて、この研究おもしろと思った。

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Posted by ブクログ 2022年08月26日

いわゆる生産に携わる仕事の自動化の半面、サービス(特に管理)の部門は膨張した。一方で、多数の人間が、その大半の時間を仕事に費やしているために存在する24h営業のピザ屋や飼い犬のシャンプー業者などの仕事がある。こうした背景の下で現れるブルシットジョブは、経済上のものではなく、道徳上かつ政治上のものであ...続きを読むる。
生産性のなさを見て見ぬ振りさせ、仕事をしている振りを強いるブルシットジョブは、個人の自尊心を損ねることにつながる。
以前であれば、働かない時間は労働者の逃亡や反乱などトラブルの種として扱われていたが、今日では雇用主が買い取った労働者の時間の窃盗という扱いになる。(そもそも、他者の時間を誰かが所有できるという発想は、奇妙なもの)(労使交渉における自由時間の要求は、労働時間中の労働者の時間は雇用主が所有しているものという概念を強化した。)
ドレスの肌を守る効用を軽視したり、結婚式に人間の必要性を感じたりするなど、ニーズは主観的なものであるので、ニーズを用いて議論を進めることは不可能。
あらゆる労働は生産よりも、配慮や監視・保守を重視するという点でケアリングである。
○○という問題に関して、私たちは何をすべきか?という問題が良く示されるが、まるで私たちが決定を下す側のように扱われているのに、実際はそうではない(支配される側)ので、欺瞞的な議論になってしまっている。

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Posted by ブクログ 2022年07月31日

面白そうだなと軽い気持ちで借りたら、めっちゃ分厚い本が来て、びっくりしたけど、頑張って読んだら面白かった。価値と諸価値、ケアリング労働、とかとか。人が仕事することについての論考だけど、ビジネスの取り引きにも同じような場面を感じているので、いろいろ考えたい。企業間の関係における諸価値として、信頼とか入...続きを読むってくるかな、とか、ケア労働多いけど、それをどう扱うか、とか。自分の仕事がブルシットか考えてみたけど、いろいろやってるから、そーゆーのもあれば、そーでないのもあるって感じかなあ。

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Posted by ブクログ 2024年01月07日

★金銭に換算できないケアリングの価値★労働は苦行を伴うものであり、教師や看護師など誇りとやりがいを得られる職業は低賃金でも仕方ない――。「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」に先立つ、労働を修養の一環とみなす英国の考え方まで立ち上り、無意味なのに意味があるように取り繕わなければならないブルシ...続きを読むット・ジョブの存在に光を当てる。

労働はそもその金銭と換算するものではなく、時間の切り売りという概念を取り込んだから雇用者は働き手が暇そうにしているのを許せない。労働は生産にばかり焦点を当てていたからこそねじれが生じ、サービスという概念を取り込めていない、と主張する。最後に遠慮がち(?)ながらベーシックインカムに触れ、労働を金銭から解放しようと訴える。

代替可能性や市場性で収入が決まるおかしさに違和感があるのは確か。満足度で収入を補うやりがい搾取に通底するものだろう。

前段の各地の体験談は興味深く、後段の理屈も納得感がある。ただ、実はそのつながりはうまくつかめなかった。読み物に仕立て上げたいのだろうが、論旨をはっきりさせた章の名称にしてくれたらもっと理解しやすいのに。

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Posted by ブクログ 2022年12月31日

自分を含めて、おそらく多くの人間が感じていながらも口に出してこなかった問題について論じている。「世の中から消えても別に何の問題もなさそうな(むしろ無くなったほうが良いかもしれない)無駄な仕事」について。

例えば、わざと通さないように作られている補助金等の制度における書類作成や穴埋め作業、ファンドマ...続きを読むネージャー、決定権のない中間管理職、コンサルタント、いなくても会社が回るCEOなど、権力者を権力者たらしめる為だけに存在する「貴族社会における従者」のような仕事のことを言うらしい。ブルシットジョブとは「誰から見ても不要だと分かっていて、本人でさえ自覚しているにも関わらず、表立って不要な仕事だと言えない仕事」と、この本では定義している。そしてこういう仕事は往々にして高賃金である。

その対極にあるのが、医療や教育、あるいは3Kと言われる仕事だそうだ。これらは確実に人のためになり、無くなってしまったら社会が回らなくなる。そしてこれらの仕事は総じて賃金が低く設定してある。コロナ禍で言われるようになったソーシャルワーカーである。コロナ禍で勇者の如く祭り上げられているが、彼らの賃金が上がる事は今のところない。何故こんな不条理極まりないことが起きているのか。

この本はそれを経済的観点からだけでなく、宗教的観点、道徳的観点、左翼右翼それぞれの観点など、多角的なアプローチで論じている。

なるほどと納得できる内容ではあるが、それゆえ人間の非合理的で不条理な固定概念を覆せない現状にモヤモヤする。

資本主義の機能はすでに破綻しつつある。
人間はそれに変わる新たな社会のあり方を作り出すことができるのだろうか。

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Posted by ブクログ 2024年04月13日

ブルシット・ジョブ=クソどうでもよい仕事が増えている。交通違反を待ち構える警官、スキャンダルを大問題として長々と扱うマスコミ、申込書に押されたハンコが本人のものか印鑑証明書で確認する銀行、、ちょっと見渡しただけで失くなっても何の影響もない、むしろ有害にすらなっている仕事が溢れている。

問題なのは、...続きを読むエッセンシャルワークと呼ばれる現場に近いブルーカラーの仕事(=シット・ジョブ)の給与水準が低く、長々と結論の出ない会議や書類を作成する作業に時間を費やすホワイトカラーの方が経済的に恵まれていることだ。当然、現場の方がやりがいを感じられる一方で搾取のような構造が常態化している異常な社会なのだ。

個人的にも、大学で働いた時にブルシット・ジョブの多さに辟易とした。本来的な価値創造である教育や研究に割く時間は半分以下であり、参加するだけの仏像になる会議、現場をまったく分かっていない上層部に説明するための資料作成、文科省のご機嫌を伺いながら都合よく解釈する目標設定、、最後の方はブチ切れ気味でこれらのクソ仕事を放棄した。

刑務所においてもっとも過酷な刑罰とは、何のためにやっているのか分からない作業である。穴を掘ってまた埋める、右から左に移したらまた左から右に移すといった、成果のない仕事をさせることで人間の精神は病んでいくことは実証されている。給与は高いけど社会の役に立っているのか分からない仕事は、まさにそんな状況なのだろう。そんな社会を何と呼ぶのか、"地獄"だ。

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Posted by ブクログ 2024年03月24日

飛ばし読みで読んだ
世の中にどれほどブルシットジョブ(クソどうでも良い仕事)が溢れているか、みたいな内容がほとんどで自分が読みたかった解決策に関してはほとんど書かれていなかった。最後にベーシックインカムについてちょろっと書かれてただけ。
解決策は世の中からブルシットジョブを無くして、雇用を失った大量...続きを読むの人にどのような対応をさせるかが肝なんだろうな。
世の中には必要のない仕事が溢れている。理論的には労働時間短くなっているはずなのに必要のない仕事がその分増えているから今だに人々は8時間働いてるとのこと。ホントかわからんけど。
ベーシックインカム以前に、1日4時間労働・週休3日で働けます!みたいな求人・職種が増えていくことが大事だと思う。義務教育の軍隊教育の影響か国民性か知らんけど8時間労働こと自体を疑わない人が世の中の大半だから既存の雇用形態は変わらないだろうな
この国でベーシックインカムが導入されて一般市民が労働しなくても良い世の中になるには時間はかかりそう。西欧諸国が導入し始めない限りは無理だろうな。

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Posted by ブクログ 2023年09月24日

問題提起が素晴らしい。そしてこの本を読むと、単に世の中の無価値な高給取りを批判しているだけではなく、なぜこういう構造が生まれるかを説いている。なので、他の本が変に引用するものをもってわかったようにならないことは大切だなと思った。

最も悲しい事実は、社会的価値が高ければ高いほど、それに与えられる報酬...続きを読むはより少なくなるということ…


ただ、もう少し簡潔に説明できるはず…分量の割に…

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Posted by ブクログ 2023年09月03日

読みながら本当に思ったこと。
「会社のブルシットジョブな業務を洗い出す為に専門の部署が必要!そしたらその部署を管理する人間も必要か!」
重症。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月12日

p111「囚人を六カ月以上、独房に閉じ込めつづけたばあい、物理的に観察可能なかたちで脳に損傷をこうむることが、いまでは判明している。人間とはたんに社会的な動物であるだけではない。もしも、他の人間との関係から切り離されたならば肉体的な崩壊がはじまるほどに、本質的に社会的な存在なのだ。」

巻末脚注より...続きを読む
「無能というだけでクビにするのは――パイロットや外科医ですらも――ほとんど不可能だが、ふるまいの基準に反しているようなばあい、つまりきちんと役割を演じていないようなばあいは、きわめてかんたんにクビにできる、と。」

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Posted by ブクログ 2023年05月07日

個人の自由・個人の主権を守るために私有財産は認められる。▼各個人の自由意志に基づく結合はよいが、国家という形での結合はだめ。▼全人類の利益に対する道徳的義務が正義を形作る。正義の判定は政府ではなく、自立した個人が判断する。自然権は個人の恣意を正当化するもので社会規範にはならない。ウィリアム・ゴドウィ...続きを読むンGodwin『政治的正義』1793

所有すること(私有財産を持つこと)は他人から盗むことだ。個人の自由は財産の共有によりもたらされるのであり、私有財産は認められない。▼自律的な個人は多種多様なものを生産する。生産したものを自由に交換し合う。個人は小さな諸集団に組織され、小さな諸集団同士が連合する。最終的に国家はいらなくなる。ピエール=ジョゼフ・プルードンProudon『貧困の哲学』1846

私有財産は認められない。▼農村のような相互扶助の関係を再建すべき。相互扶助が自然な原理であり、自然な原理に必要のない国家は打倒すべき。▼組織的な階級闘争ではなく、個人の直接行動(テロ)によって社会を変えるべき。ピョートル・クロポトキンKropotkin

労働運動により国家を暴力的に転覆すべき。ミハイル・バクーニン『神と国家』1882

社会的憎悪や宗教的憎悪は、政治的憎悪よりもはるかに強烈で深刻である。ミハイル・バクーニン『政治哲学』

政府は社会の成員に無条件にお金を与えるべき。その人に就労意欲がなくても、金持ちでも貧乏でも、誰と生活を共にしていようと、国のどこで住んでいようと与えるべき。ベーシックインカム。フィリップ・ヴァン・パレースVan Parijs『本当の自由をみんなに』1995

意味がない、必要ない、有害ですらあると感じている仕事。膨大な書類作成。複雑な事務手続き。皆、意味がないと分かりながら、自分を騙し騙し働いている。こうした仕事は廃止すべき。仕事を失った人はベーシックインカムで生活すればよい。デヴィッド・グレーバーGraeber『ナンセンスな仕事』2018
※bullshitな業務とbullshitな職業の違い。
※LSE。ウォール街を占拠せよ運動を指導。

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Posted by ブクログ 2023年05月04日

社会的には役に立っていないと本人が感じている仕事を、勤務時間中は忙しそうにやらないといけないため、精神的苦痛を味わう。威厳を保つためにだけ存在していたり、脅迫と欺瞞を押し付けたり、無駄な書類ばかり作ったり。ブルシット・ジョブだけでなく、仕事のブルシットジョブ化も進んでいる。

経営本には如何に効率化...続きを読むするか的なことが書かれているのに、それをがんばって読んでいたのに、実際は、やる仕事がないから遊んでるって。。でもそれで、給料がもらえてるからうらやましいな。

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Posted by ブクログ 2023年01月22日

この提言を、耳痛いと感じてほしいと思う人にほど、届かないんだろうな。
その「届いてほしい人」が生み出している「ブルシットジョブ」に就いている人ほど、読んでハッとさせられ考え込んでしまうんだろう。
このパンデミックが、非ブルシットジョブであるエッセンシャルワークの重要さ、それゆえにストさえ起こせない、...続きを読むその奉仕色により賃上げも要求できないジレンマが浮き彫り。
読み切るのに時間がかかってしまったけど、鋭い指摘にクスッと笑えたり、不条理にイラッとしたり、はたまた自分の直属の上司、およびその上の上司の顔がちらつきすぎて、それも可笑しかった。

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