中西モトオのレビュー一覧
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無料版購入済み
壮大なストーリー
無料で2巻まで。
これは良い!
時代を超えた壮大なストーリー、かつせつなさも併せ持つ展開、いずれも素晴らしい。
各登場人物たち…主人公はもちろん、当初のヒロインや清正まで含め、せつない心情が丁寧に描かれている。
さらに言うと、敵側である鬼も人間らしい心理描写がふんだんにある。
この点も素晴らしい。
絵もきれいかつ独特の雰囲気があり、この世界観にマッチしている。
この「過去編」の後、すぐに現代に飛ぶのかと思いきや、チラ見した限りでは時代を刻んで江戸時代の物語に入る様子。
作品として、その深みもいい。
しかもこの作品、マンガ化は2021年からでも、小説投稿サイトでの初出は2011年からとの事。
つまり、本作を読んで嫌でも連想してしまう「鬼滅の刃」よりずっと前から存在している作品。
この事に気が付いて、評価が星4から星5に上がりました。
全巻揃えるに値する、素晴らしい名作だと思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレ個人的には1巻と同じくらい刺さった回……
鬼でありながらここまで何十年も築き上げできたものと一気に切り離される甚夜の心は、その刀で切って血が溢れるように止まらなかっただろうなと思う。
野茉莉が忘れたくないよぉ…………ってなるとこは何度も読み返しました。そして一緒に泣きました。
これ娘さんいらっしゃるお父様とか読んだら膝から崩れ落ちちゃうんじゃないか……汗
全てをなくして辿り着いた先が夜鷹のもとだった事も、残酷であり救いのようにも見える。思わず声出ちゃったもん。あっっって。
その地獄の中に唯一の蜘蛛の糸のように唯一甚夜の記憶を残された4代目染五郎が、この後どのように甚夜の未来に絡まるのか、時間が楽しみになって堪らない1冊。
三代目染五郎の最期、最高にカッコよかったぜ〜〜〜……………………推しが…(泣) -
Posted by ブクログ
読後何を感じたか、「寂しいな」終わってしまった。
170年にわたる物語、その時代を自分が生きたわけではないが、時代背景が強すぎづ何となく入ってくる自分のイメージしていた歴史観と近く、その時代を楽しみながら読めた、特にそう思えた「昭和編」本当に切なく懐かしく入ってきた、個人的に一番印象に残る。
読み始めは「鬼滅の刃」竈門炭治郎と著シリーズの甚夜がかぶる部分が見えたり、ヒーロー型ダークファンタジーの冒険活劇かと思ってスタートした気がするが、主人公甚夜が緊張感溢れる戦いを経てどんどん強くなっていく流れは充分読み応えのある戦闘物で間違いないが、途中から全く別の感情「哀愁」鬼の宿命を背負いながら、命に限りある登場人物(人)との関わりや、時代の流れ、甚夜の目から見える独特の世界観、哲学的なまとめ方、思い出深いシリーズとなった。やっぱり「寂しい」
しかし、本編終了後の余談が心に残る、出来れば170年にわたるサイドストーリーをもっと読んでみたい気になる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ懐かしさ溢れる巻。
三代目秋津染吾郎の伝言。しぶとさを証明した三代目秋津染吾郎と十代目までの歴代秋津染吾郎達に感謝。
秋津染吾郎という誇り。鬼の親友という誇り。
この感動を言葉に出来なくてもどかしい。
四代目が伝言を持っていく役目を子孫に託したのが嬉しい。七代目で途切れてしまったのは悲しいけど秋津染吾郎と伝言は継がれた。そして今、想いと心が三代目秋津染吾郎の親友に届いた。とてつもなく嬉しい。
秋津染吾郎ばかり言ってますが桃恵萌ちゃんの人となりも好きです。自分をしっかり持っていると言いますか。秋津染吾郎の想いと心を届けるために自分自身の目で見極めた。
職業が刀。これはパワーワードと言って間違いないのでは?
ただいま、とおかえり。
心が満たされる素敵な挨拶。
コンビニの店長さん。腕の心配は無いけれど。
甚夜の言う「首」とみやかちゃんの言う「クビ」の意味が違い過ぎて。物理的と契約的な差はでかい。
普通の夏。友達と海で遊ぶなんともない夏。
でもそれが初めてで楽しそうで嬉しい。
そんな時もあって良いじゃない。
いつかの天女との再開。ただ懐かしい。
職業が刀時代の知り合いとの再開。
懐かしさと成長を感じる。
終わらない夏休み。
みやかちゃんが会った人、すれ違った人達は甚夜と縁がありもう会えない人達で、でもそれをみやかちゃんは知らなくて、目が覚めたら忘れてしまうけど、それでも嬉しい。
さとるくんが少し不憫。
よくない都市伝説だけどまさか斬られるとは思わんでしょう。
本当のところは誰にも分からない。
けど、そうであればいい。
都市伝説とそれを倒す都市伝説。
甚夜はどちらにも居そう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ江戸時代、山間の集落葛野(現兵庫県)には「いつきひめ」と呼ばれる巫女がいた。
葛野は鉄製品、主に刀剣の産地であり、「マヒルさま」という火の神に祈りを捧げる巫女をいつきひめと呼ぶ。
ひめは火女のことで集落の繫栄と安寧の象徴である。
江戸の裕福な商家に生まれた甚太は、父の妹への虐待を見かねて、追い出された妹・鈴音の手を取り共に家出する。
道中巫女守だという元治に出会い、彼についていくことにした。
元治の妻「夜風」は当代のいつきひめで、社で祈りを捧げる身、娘の白雪は母の顔を殆ど見たことがなかった。
よそ者である甚太と鈴音を集落に迎えると夜風が決めてくれ、夜風と元治は甚太と鈴音の義父母に、白雪は鈴音と同い年の義妹になった。
元治に剣の稽古をつけてもらい、三人で遊ぶ日々、白雪と甚太は互いに思い人となっていた。
甚太が8歳になった時、鬼が葛野を襲った。
夜風を殺して喰らい、元治は命と引き換えに鬼を退治した。
巫女守の仕事のひとつは「鬼切り」である。
白雪はいつきひめになると決め、名を白夜と改め、社に籠り巫女となる。
10年が経ち、腕を磨いた18歳の青年甚太は「お前を守る」と誓った通り巫女守になった。
そして鬼切り役を任され、退治してきた。
半年前から長の一人息子清正が巫女守に増えた。
あまり腕が達つとは言えぬ清正は、甚太が鬼切りで社を留守にする時の巫女守であった。
二匹の鬼の出現があり、長はこことばかりにいつきひめである白夜に清正との婚姻を強引に決めてしまう。
跡継ぎを作るのもいつきひめの仕事、甚太は葛野の地を引かないので認められないと、白夜に諦めさせる。
甚太もまた、遠い幼い日にどこの馬の骨ともわからぬ甚太・鈴音の兄妹に居場所をくれ、故郷となってくれた葛野の民への恩は捨てきれず、白夜が二人で逃げて夫婦になろうという道は選べないと思う。
二匹の鬼は巨体の男の鬼が森で待ち受け、甚太と死闘を決する。甚太は左腕を失いながらもなんとか巨体の鬼を倒すが、腹部からの出血もはげしく気を失う。
鬼は餞別だと言って鬼の持つ力「同化」「剛力」の腕を甚太の失くした腕に投げつけていた。
目覚めた甚太は腕があることも体が傷まないことも不審に思う間もなく、二匹目の鬼を追い、自宅に戻れば鈴音は連れ去られた後で、白夜の元へ急ぐ。
清正は甚太の護衛する閨で子作りをしたいかと白夜に迫り、甚太の留守の今がいいんだ、うまくすれば一晩で済むと、自身から迫った割に契りについては気が進まないようなことをいう。
清正も白夜を思っていたが、甚太と想いあっているのは知っているので、父のごり押しで縁談はなったが、白夜が自分を想っていないのに妻となることを承諾したことも、甚太が白夜を想いながらもなにひとつ言わず婚姻を聞いている、納得しているという態度にも傷ついていたのだ。
そして白夜は清正の気遣いに、自ら襦袢姿にまで衣を脱ぎ、清正に身を任せようとする。
そこに2匹目の鬼女が「想い人が命を賭して鬼と戦っているときに他の男とことにおよぶのかい」と鈴音を連れて現れる。
鈴音もまた女として甚太を想っていたが、甚太の幸せのため、白夜とのことは祝福しようと気持ちを抑えていたが、目の前の白夜は甚太への裏切りでしかない。
鈴音は鬼の血を引いていたのでそこで幼女から少女へ姿を変え、間に合って白夜を抱きとめた甚太の腕の中で、白夜の首を切り飛ばし、倒れた白夜の心臓を畳に貫いた。
甚太にとっては知らない3匹目の鬼だが「にいちゃん」と呼び、「にいちゃんのためにしたんだよ。喜んでくれないの」という鈴音が信じられない。
鬼女のほうは負傷した清正を捨ててくる、ふたりきりにしてやろうと社を出ていく。
鈴音に戦う意思がなかったのにすべての攻撃は払いのけられてしまう劣勢の中で、深い傷を負わせ、とどめというときに鬼女が割って入り、そのとどめを身に受け死ぬ
その時、自分の能力は「速見」、この日本はいずれ外からの文明を受け人工の灯りで夜もあかるくなる。われら鬼はその速さについていけず、いずれ昔話に語られるのみの存在になる。だけれども170後甚太と鈴音が相まみえるとき、甚太を礎として闇を統べる鬼神が誕生する。
私たちはなすことをなしたと満足げに消滅していく。
残った鈴音は「私にはあなたしかいなかった。あなたも私を捨てるというならほかのものはどうでもいい。国も現世も人もそしてあなたも滅ぼす」と言いおいて姿を消す。
社の警護についていた集落の男衆を殺したのは一旦外に出た鬼女ではないかと思われるが、甚太はそれも鈴音の仕業だと思ってしまうようだ。
愛する白夜を殺され憎しみで甚太も鬼と堕ちるが、妹を大切だった思いも消えない。
鬼神となるなら自分が止めなくてはけじめにならないと思うが斬るか斬らないかは結論が出ないと、憎しみは消えないのにと悩める鬼の誕生である。
170年後のために強くなりたいと思う甚太は江戸へ行くことを決意する。
長からは詫びられ、社の宝刀「夜来」を渡され、これからは甚夜と名乗れと言われる。
社の後には神社でも建て、甚太神社にしよう、そしてお前に涙のひとつも流させてやると見送られる。
最後まで物語は予測通りに進むが読みやすく、結末がわかっていても面白い。
ひとりになった鈴音の物語を読みたいと思う。