物江潤のレビュー一覧

  • SNS選挙という罠

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    これは素晴らしい。
    今の時代の嫌な潮流が、なんなのかよくわかる。
    どちらにも与し得ない自分の苛立ちや、考える方法がよくわかる。

    対話をする方法にも、ストーリーに騙されない方法にも繋がる。
    素晴らしい著者。
    こういう知性を持った人が若手にいるということに、安堵するし、今後も師事していきたいと思った。

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    2025年07月20日
  • 「それってあなたの感想ですよね」―論破の功罪―(新潮新書)

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     本のタイトルはなかなか攻撃的であるが、著者も繰り返すように本著は「ひろゆき氏」断罪ではなく、「ひろゆき氏的思想」の功罪を論理的に解いていてとても面白い。

     塾経営を通して日々中高生と接する著者だけあり、昨今の学校教育や受験の現状を的確に捉え、そのような社会状況において「ひろゆき氏的思想」が如何に負の影響をもたらすか「信念」を持って解いている。

     この「信念」をもつ生き方にたどり着く事の大切さが読後にジワジワとくる。数学的思考をもとに、ニーチェの思想も登場し、隙の無いロジックで個人的にはとても好きな印象だ。もし論理的展開が苦手な方は、その部分は斜め読みでも問題ない。

     「それってあなたの

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    2025年06月05日
  • 「それってあなたの感想ですよね」―論破の功罪―(新潮新書)

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    タイトルで損をしているのでは。期待せずに読み進めたけれど非常に良い内容だった。新潮新書でこういう良書が出るとは。

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    2024年12月05日
  • デマ・陰謀論・カルト―スマホ教という宗教―(新潮新書)

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    スマホ教の危険性や特徴が客観的に書かれていた。
    今の時代、インターネットの危険性や使用する際の心得みたいな授業があるらしい。私たちの時代にはもちろんそんな授業はなかった。
    リアルな世界で築けなかった関係がネットの世界では簡単に形成されてしまう。
    ネットは便利だけど、あくまでも手段にとどめて
    リアルな世界での自分を充実させることが重要だと思った。

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    2022年12月23日
  • 入試改革はなぜ狂って見えるか

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    入試改革は狂っている。ではなく、狂っているように見えるというところがポイントです。この本によるとゆとり教育も長所はあったようです。詳しくは内容を読みましょう。一番共感したのは提言などをまとめた文章がとってもわかりづらいのは参加している委員すべての意見をまとめるからそのようになると言うところです。まさに公務員的。そして教育は誰もが受けたものなので、誰もが持論を持っている。そんなところもいろんな意見が噴出する原因なだと。入試改革をする委員が入試の事や科目のことすらまるでわかっていないと言うのも、的を得ている思いました。やっぱり塾の先生はいろいろ考えているなと思います。

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    2022年01月15日
  • 入試改革はなぜ狂って見えるか

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    ゆとり教育は間違っていた、入試制度は不平等だ、など、とにかく批判されやすい教育制度。


    この本では、主に大学入試の現場、すなわち大学入試は全てにおいて、知識の確認テストばかりであるのか、それに対して改善をしようと試みる大学が、どのような試験制度を設けているのかについて取り上げられている。


    また、各試験のメリット・デメリットもあげられており、共通試験が、「共通」であるがために、制度改革をすることが難しい理由をわかりやすく説明している点で、コンパクトにまとまっており、タイトルの、「狂ってみえる入試改革」が少しずつ自分の中で氷解した。


    延々に解決する見込みのなさそうな「教育改革」。分かりや

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    2021年12月18日
  • SNS選挙という罠

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    政治ド素人、そして「もうどの情報を信じればいいのか分からなくて困惑している人」としてはとてもためになった。
    著者の物江さんという人のことはとりあえず信用して読み進めて大丈夫そうだなと思った。複雑なことの複雑さをきちんと説明して、安易な断定を避けている辺り、信頼して良さそうだし誠実だなと思った。

    で、前半と後半で違う本になっていたのは、やっぱりちょっと気になった。
    けれど、なんで吉本隆明の話をするのか、なんで吉本隆明の考え方が参考になると思ったのかの説明が丁寧だったので、こういう本になった理由には納得した。

    「どのストーリーを信じるかじゃなくて、自分のストーリーを作れ」とか、「自分の本業に根

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    2025年10月13日
  • 現代人を救うアンパンマンの哲学

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    いつから目的至上主義になったのかな
    それが当たり前の中での行動そのものが正しいことの素晴らしさを忘れてしまっていたなぁ

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    2025年09月18日
  • 「それってあなたの感想ですよね」―論破の功罪―(新潮新書)

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    普遍的に正しい数学が構築できないのと同じく、普遍的に正しい論理・データの扱い方は存在しない。できることは、ある仮定の元に、論を進めていくことだけ。そして、仮定の選び方はどこかで恣意的になるしかない。それを広義の感想としてとらえる。個人の感想を否定して、論理を追求すると、感想に頼らざるを得ないという構造がこの本の主張。
    その構造が、自由な公理系と演繹規則をもとにする現代数学と類似しているというポイントは面白い。最後「推し活」に活路を見出すところは、若干こじつけ感がある。

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    2025年01月18日
  • デジタル教育という幻想

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    タブレット導入に関わる、生徒指導上の問題はどの学校でも起きているが、その対策として、禁止や強制閲覧ができないことになっている問題点をキチンと述べている。多様な指導法の一つであるべきタブレット活躍が、前提となることに警鐘を鳴らす意味でも筆者の主張は明確である。

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    2024年04月22日
  • 空気が支配する国(新潮新書)

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    著者が専門家ではないせいもあるだろうが、専門的な用語などが少なく身近な例が豊富で大変分かりやすく、社会科の基礎的な知識さえあれば誰でも読めて内容がわかるようになっている。
    一方ではそのわかりやすさ故に、著者が本書内で指摘した「コメンテーター」の、そして強い言い方を避けようとする本書の姿勢から「専門家」の欠点までも、指摘しつつ自らもまたそれらの欠点を表してしまっているように思う。
    加えて、著者は「保守」にも「リベラル」にも与さずにいたいと考えていることが随所から伝わってくるが、本書では体制に迎合する、時には「ネトウヨ」とさえ呼ばれる人々の著書からの引用が多く、本書の性質上仕方の無い部分もあるかも

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    2024年04月11日
  • ネトウヨとパヨク(新潮新書)

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    「ネトウヨ」「パヨク」と呼ばれる彼らのSNS上での大立ち回りに辟易してしまい何か良い心の持って行き方の手立てはないかとこちらを読み始めました。著者のフィールドワークに基づいた考察が豊富で素直に読み進める事ができました。沢山の例が出てきますが結局は「対話のできない人」は放っておくのが良いのかな、というのが感想です。
    自分は「ユーモアと素敵なレトリック」で議論できるよう努めたいと思いました。

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    2022年02月28日
  • 入試改革はなぜ狂って見えるか

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    塾の主宰者でもある著者の入試改革への評価だ。
    そも審議会はマクロ的な発想で改革論議を進めているけど、受験する現場はミクロ的な対応をしていくわけで、乖離してること甚だしい。ま、受験生のために改革してるわけじゃないからね。だからこそ現場からは改革がトンチンカンなものに見える。実は「知識偏重の弊害」って昔から言われていること。何よりも受験生って一括りにしたところで受験的な実力差がありすぎる。そんなこと分かっているのに文科省は頬かぶりだもん。うまくいくわけないよね。

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    2021年11月11日
  • 入試改革はなぜ狂って見えるか

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    教育現場の人々や当事者が平易に理解でき、また最低限認識すべき情勢がまとまっている。受験産業の提供する「攻略法」により産み出される「平易な難問」というキメラ(第1章)、他大学のオープンキャンパスの模擬講義を丸パクリしてAO合格(第2章)、「多面的評価」で精神的に問題を抱える受験生は体よく排除され、再チャレンジの途が絶たれる(第5章)。大学入試の共通試験における英語スピーキング評価の根源的問題はこのあたりにあるか。

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    2021年10月23日
  • 空気が支配する国(新潮新書)

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    日本社会がいかに空気によって支配されているかを再認識できる本です。原発事故やインパール作戦などの歴史的事実、そして現在のコロナ禍においても、空気に支配されていることを実感できます。常に空気を気にしてしまう自分、空気に逆らうことはできないが、空気に支配されているという自覚をもって、物事にあたっていきたいものです。

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    2021年04月05日
  • 空気が支配する国(新潮新書)

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    様々な文献からの引用を中心に、著者の思想を付け加えながら「空気を読むこと」とは何か、「空気を作ること」とは何かを論理的に解説しています。

    文化的側面から見た、なぜ空気を読む習慣がついてしまったのかが大変興味深かったです。空気を読むことは、心地がいいこと、かもしれません。

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    2021年01月06日
  • ネトウヨとパヨク(新潮新書)

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    友人から虎ノ門ニュースを勧められて以来、彼らのマインドがどうにも受け入れがたく、そういった気持ちをネットで書いてみると「パヨク」認定されることがあって、自分は何者なのかと思い読んでみた。

    本書に書かれてある通り、私に対して「パヨク」認定してきた人たちは対話不能だと感じた。ネトウヨにとって相手を「パヨク」と罵ることは何よりの攻撃あり防御であり、これは逆もしかりなのだろう。そこにはなんの論理もなく、むしろ小学生が言い合いになって相手を「バーカ」と罵る状況によく似ている。
    現実ではあまり「ネトウヨ」も「パヨク」も聞かず、しかしネット内ではこの言葉は頻繁に見られる。それも感情的なシチュエーションで使

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    2020年12月18日
  • ネトウヨとパヨク(新潮新書)

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    ネトウヨとパヨクを分析、深堀したものではない。

    ネトウヨとパヨクを対話のできない人として定義
    対話ができないとはどういうことか
    を論じた本。

    論理的な対話は
    トウールミンの議論モデル
    ①事実②理由付け(論拠)③主張
    から成り立つ。

    結論ありきの議論は理由付けがきちんとされていないので、対話にならない。

    本人が正義と思っていることで人の意見を聞かないことがある。
    対話とは他の意見をロジカルに聞き、自分の主張もあくまで仮定といして、建設的に意見をアップデイトしていくこと。

    結論を言い争い、人のロジックを聞かないことは対話になっていない。

    ネットだけではなく、実社会の会社の打ち合わせなど

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    2020年07月19日
  • ネトウヨとパヨク(新潮新書)

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    主にネット上で「ネトウヨ」「パヨク」と呼ばれている対話不能な人々に対するフィールドワークと社会学的分析の著述です。
    個人的に印象に残った部分は、彼らの言論が若年層(中高生)に悪影響を及ぼす危険性を指摘しているところです。
    正直に言うと、学校教育ではその性質上、それに十分に対応することが難しいと感じましたが、やはりcritical thinkingを普段からあらゆる場面で実践することが大切であると考えます。
    「自分の主張は本当に正しいのか」
    「その意見の根拠は十分であるか」
    「なぜそのように言えるのか」
    私も自戒することを忘れずに生徒たちと接していこうと思います。

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    2020年05月11日
  • ネトウヨとパヨク(新潮新書)

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    ネトウヨとパヨクは議論できない人々であることがよくわかった。帯にある通りなんだ。

    ネトウヨやパヨクはどこにでもいる。ゲームの世界にも沢山いる。

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    2019年06月21日