あらすじ
2024年兵庫県知事選でのSNSの影響を検証しつつ、溢れる情報に惑わされないための「自立」の考え方を戦後の思想から学ぶ。
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Posted by ブクログ
これは素晴らしい。
今の時代の嫌な潮流が、なんなのかよくわかる。
どちらにも与し得ない自分の苛立ちや、考える方法がよくわかる。
対話をする方法にも、ストーリーに騙されない方法にも繋がる。
素晴らしい著者。
こういう知性を持った人が若手にいるということに、安堵するし、今後も師事していきたいと思った。
Posted by ブクログ
政治ド素人、そして「もうどの情報を信じればいいのか分からなくて困惑している人」としてはとてもためになった。
著者の物江さんという人のことはとりあえず信用して読み進めて大丈夫そうだなと思った。複雑なことの複雑さをきちんと説明して、安易な断定を避けている辺り、信頼して良さそうだし誠実だなと思った。
で、前半と後半で違う本になっていたのは、やっぱりちょっと気になった。
けれど、なんで吉本隆明の話をするのか、なんで吉本隆明の考え方が参考になると思ったのかの説明が丁寧だったので、こういう本になった理由には納得した。
「どのストーリーを信じるかじゃなくて、自分のストーリーを作れ」とか、「自分の本業に根差して考えればいい」という方針は参考になった。
SNSのない時代にだってストーリーは乱立していて、人々は簡単に惑わされていた。ということは、これから何が登場してどんな時代になってもそれは変わらないだろう。これからも続くであろうそういう時代における一つの指針として、妥当な本だと思う。
Posted by ブクログ
政治というのがどんどんと先鋭化してきている。大衆というのは真面目な議論なんかではなく、劇的なストーリーを求める。SNSによって、それは伝わりやすくなり、さらには自らが参加できるようになって、より熱を帯びている。
現代において、陰謀論が広まる背景には、多くの人が日常生活で充実感や自己肯定感を得にくい状況にあると感じている。日々の仕事や人間関係の中で、自分の価値や存在意義を見出すことが難しくなっている人々が、その埋め合わせとして陰謀論に傾倒していくケースが増えているのではないだろうか。