あらすじ
“それ”はいつの間にか場を支配し、事が決まっていく。その圧力に抗うことは困難だ。日本では法よりも総理大臣よりも上位に立つ存在、それが「空気」である。あの戦争の時も、コロナ禍においても、国家、国民を支配したのは「空気」だった。なぜそうなるのか。メディアやネットはどう作用しているか。息苦しさを打ち破る手立てはあるのか。豊富な事例から得体の知れぬものの正体をロジカルかつ鮮明に解き明かす。
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Posted by ブクログ
著者が専門家ではないせいもあるだろうが、専門的な用語などが少なく身近な例が豊富で大変分かりやすく、社会科の基礎的な知識さえあれば誰でも読めて内容がわかるようになっている。
一方ではそのわかりやすさ故に、著者が本書内で指摘した「コメンテーター」の、そして強い言い方を避けようとする本書の姿勢から「専門家」の欠点までも、指摘しつつ自らもまたそれらの欠点を表してしまっているように思う。
加えて、著者は「保守」にも「リベラル」にも与さずにいたいと考えていることが随所から伝わってくるが、本書では体制に迎合する、時には「ネトウヨ」とさえ呼ばれる人々の著書からの引用が多く、本書の性質上仕方の無い部分もあるかもしれないとは思いつつも少し違和感を覚える。
全体としてはわかりやすく興味深かったが、僅かに核心を外している印象も受けた。
Posted by ブクログ
日本社会がいかに空気によって支配されているかを再認識できる本です。原発事故やインパール作戦などの歴史的事実、そして現在のコロナ禍においても、空気に支配されていることを実感できます。常に空気を気にしてしまう自分、空気に逆らうことはできないが、空気に支配されているという自覚をもって、物事にあたっていきたいものです。