物江潤のレビュー一覧
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本書で大切なことは、陰謀論者でもその他でも、
「最初はだれもが同じ人間だった」という点。
そんな人間が、「おや?」という
違和感を持つ存在になるに至る道筋がりそう。
机上で考えるだけになってしまい、
現実の中で行動しながら思考しないことへの自省。
確証バイアスや人の情報処理の特性など。
誰もがもつこれらの認知面の自覚が大切ではないかと思う。
行動しない、
つまり差し迫った現実と向き合わずにいると、
答えのない問題に捉われすぎる。
人は答えを見つけたがる生き物だから、
この答えをネット空間の中に見出そうとする。
そうしたら、
スピリチュアルや陰謀論などの
「物語」と出会ってしまう。
点と点がつ -
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ネタバレ目的論と義務論。
目的論は、~なら、~する。義務論は、~にもかかわらず、~する。
目的論は帰結主義でもある。
仮言命法とは、目的論。定言命法は義務論。
何が正義か、目的論からいうと正義は変わることがあるが、義務論では、変わることはない。
「なんのために生まれて」には答えられなくても「何をして生きるのか」は、返答可能。
運にめぐり逢いたいなら、なんでも引き受ける。
売れた「やさしいライオン」ではなく売れない「アンパンマン」にこだわったのは定言命法だったから。
定言命法に徹底的にこだわると、奇跡が生まれる。
バイキンマンはイースト菌。共生しないとパンは生まれない。悪者も徹底的には叩かない。敵も自 -
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スマホとスピリチュアルの本。
スマホが普及し、SNS が一般化して誰でもつながることができるようになった。 ただし、その弊害としてフェイク情報やデマ、個人批判などが蔓延し、人生に悪影響を及ぼすような事例も発生している。 米大統領選挙でのQアノンの存在、安倍元首相暗殺、オウム真理教などの例を考察しながら、著者が命名した「スマホ教」について考察する。
スマホが社会に与える影響は大きくて、それがないと生活できない人もいる。人との繋がりもSNS頼みで、その中には思想的なサイトがあり、自分の思想を裏付ける情報にだけ依存して、反論を受け付けないスマホ教信者が増えてきた。これは社会にとって厄介な存在で、 -
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ネタバレ<目次>
第1章 大学入試の現場
第2章 推薦入試の表と裏
第3章 奇妙な入試改革
第4章 こうして改革は失敗した
第5章 多面的な評価を多面的に評価する
終章 どうして入試改革は狂って見えるのか
<内容>
さまざまな障害を持つ生徒が増えた今、著者の言うように、「公平性」「平等性」というのはこれを保障するのは無理ゲー状態である。しかし、著者に言わせると、入試問題も見たことのないような委員が、改革の論議の主導権を握っているようでは、日本の将来も知れている。このような分析がされるこの本は、今まで気がつかなった視点から大学入試を紐解いていくので、優良だと思う。