田川とまたのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ思わずバスの中で涙が出るほど心に残る作品だった。優子が多くの人に愛されながら育ってきたことに感動し、「こんなに愛されて育ってくれてよかった」と感じた。
特に印象的だったのは、最後に優子がバージンロードを歩く場面で、隣にいるのが森宮さんだったことだ。この描写から、血のつながりではなく、「旅立つ場所も、この先戻ってくる場所も森宮さんのところ」だという言葉がすごく感動した。物語の終盤は森宮さんの目線で描かれていることで、彼の優子に対する深い愛情がより伝わってきて良かった。
梨花さんも想像以上に優子のことを大切に思っていたことが印象的で、愛情の深さに驚いた。
現実ではなかなかないありえないかもしれないが、とても温かい物語だと感じた。
物語の中でも特に印象に残ったのは、「親になること」について語られる場面である。梨花さんはそれを「明日が二つになること」と表現していた。
314ページ
「自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって」
と森宮さんも、優子と暮らす中でその言葉を実感していた。
「自分のと、自分のよりずっと大事な明日が、毎日やってくる」
この場面を読んで、大切な人ができるということは、自分の人生だけでなく、その人の未来も一緒に考えていくことなのだと感じた。その考え方がとても素敵だと思った。
また、自分もそのように大切に思われている存在なのだとしたら、失敗を恐れず、さまざまなことに挑戦し、経験を積んでいきたいと感じた。
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Posted by ブクログ
演劇とマンガにハマっているタイミングで、本作の存在を知り、推しのシンガーソングライター"TOMOO"が推薦コメントを担当したという情報も聞いたため、読んだ。
疎遠になった友人のため、中学演劇の大会で舞台をした主人公"浜野陽太"
彼は同大会に出場した"村岡茉莉"の演技に圧倒される。
高校入学後、思わぬ再会を果たした彼らは、部員ゼロの演劇部を再興させるため、手を組むことになるが……。
春からの転居先である愛媛県に下見で訪れた際に、旅先のヴィレッジヴァンガードで購入した経験を含め、思い出深い一冊。
亡き母への思いから演劇に取り組み、家族のためにその道を諦めた"村岡"と、演技ベタで演劇バカの"浜野"という二人のコンビネーションが面白い。
まるでラブコメのように軽快かつユーモラスな掛け合いが、いつしか、強い熱量を帯びた"演劇愛"の物語へと加速していく展開に、胸が一杯になった。
大切な誰か一人のために"戯曲"を作り上げる2人の姿には、心を動かされるし、もはや"創作論"の真髄を感じた。
舞台上では見えないものの、観客の"想像力"で見える世界を可視化した演出は、マンガという表現ならではで興味深い。
その辺りも含め、演劇×マンガとして、文句無しの傑作だと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとても愛情に満ちたストーリーで、心が洗われる様だった。
その時その時で、愛を向けられて過ごしてきた主人公が、それでも特殊な生育環境が原因で悩むこともあり、悩んだときに「一般的な関係性」でないことからさらに思い悩んでいるように感じました。高校生活では悩んでいないように見えますが、むしろ「早く大人にならざるを得なかった」という側面を感じ、それを先生も心配しているのではないかと感じました。お互いに大切に思っているからこそぎくしゃくしてしまうところなどはとても感銘しました。
最後の方は本当にボロボロ泣いてしまうような、とても好きな物語になりました。
個人的には筆者さんの他の作品も読み、愛情の(ないし愛情を受けた)現れや、愛情の形についてとても感じるものがあった。 -
Posted by ブクログ
よく内容も知らずに、本屋大賞というだけで読み始めました。直前、知り合いが偶然「良かった❣️」と投稿して期待大。
そして期待を裏切らない小説でした。
親との死別親の離婚、様々な理由で家族が変わってきた優子。「どんな名字にも合う」と言うごとくどんな親にも大切に育てられた彼女が自分の家族を作るまでのお話。
結婚相手にバトンを渡す森宮さんの愛情に心打たれながら、梨花さんの「親になると、自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日がやってくる」と言う言葉にハッとさせられました。未来は明るいだけではないけれど、確かに未来は子供の分、孫の分までやってくるんですよね。