亀田俊和のレビュー一覧
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日本の歴史
教科書にまとめたものは綺麗に繕ったもの。
しかし纏まるまでには幾つもの見解と事実があった。
古すぎて調べようがないこともある。
こうだと決めつけてかかる人。こうだったら良いとばかりに美談にする人。
それで現在の歴史知識が出来上がっている。
この本には当時は調べきれなかったことや、新しく発見された事実などから、歴史的事項を再度検証している。
大化の改新辺りのところはなんとも古すぎて繋がるのは大変だったと思う。
サラッと過ぎていた歴史的な出来事の新しい発見とエピソードや裏話。
読みやすくまとまっている。
乃木将軍の二百三高地攻略は深い。
人柄だろう天皇からも愛され同期からも敬愛 -
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ネタバレ#兄弟喧嘩 に違いないが意味不明な戦いが #観応の擾乱
読書感想というか忘れないための備忘録
1.尊氏引籠りで直義が実権掌握
2.直義、師直を憎み暗殺試みる
3.逆襲を受け直義出家、南朝へ
4.直冬追討の合間に直義が逆襲
5.惨敗尊氏、謎の将軍大権保持
6.直義求心力失い、義詮の復讐
7.俺はまだ本気じゃない(尊氏)
8.スゲエよ将軍(南朝を味方に)
直義は本領安堵・恩賞を軽く見たのか、初期の武将たちは常に不満あるようで、初期のほゞ将軍Ⅱ直義は吝く、武将たちに利益をもたらさなかった。
直義監修の太平記だけ師直の微笑ましい悪行があるらしい=つまりほゞ善人執事だが、直義は攻撃し、反撃の師直は御所巻 -
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日本史上最大の兄弟喧嘩といえば、室町幕府創始者の足利尊氏と弟、直義の対立だ。2人の争いは、北朝と南朝、尊氏の側近と2人の息子を巻き込み、3年間もの内戦「観応の擾乱」に発展する。
この内戦、敵味方が目まぐるしく移り変わり、とにかくややこしい。尊氏と直義がそれぞれ南朝に降伏したり、京都を占拠したり。尊氏の実子で直義の養子、足利直冬が反尊氏で挙兵したり。
なんで、こんなに複雑なことになってしまったのか。それは、主人公である足利尊氏の決められない性格にある。後醍醐天皇や直義、南朝と対立はするものの、心の底から憎めない。誰に対してもいい顔をして、みんなと仲良くしたい。
そんなリーダーとしての素質に -
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私にとってお城巡りの醍醐味は、その場所で時空を超えた感慨を味わうことです。650年以上前の時代、結果的には主流派となったタフな室町幕府初代将軍足利尊氏と二代義詮が反主流の尊氏の弟の直義、尊氏の庶子直冬の争いに、高師直や佐々木道誉などに南北の朝廷を交えた主導権争い。
この時代「あれ、あなたは尊氏派?」とか「今から南朝に参加ですか?」のオンパレードです。学生時代に私本太平記の文庫本を楽しく読んだ世代としては馴染みの世界です。特に兵庫県在住者として恥ずかしながら初めて登城した、尊氏が抜けなかった光明寺や、義詮が留まった石龕寺は要害の地にあり、当時を創造するのに絶好の地でした。また書写山や石清水八幡宮 -
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室町幕府初代将軍の足利尊氏と、その弟直義。足利家の執事として最初期の政治を仕切っていた高師直。鎌倉幕府から建武親政を得て室町幕府に至る最後の動乱(観応の擾乱)について書かれています。この勢力が勝ったり負けたりと激しく争うのですが、なぜこれほどまでにややこしい状態になってしまったのかが、紐解くように理解できます。尊氏の政治への執着の低さといってまとめてしまえるのですが、それも含めて一人の人間も、その都度で変化激しいというところが、リアルに現代の自分でも理解できるところがありました。
理非糺明は訴訟の基本として当然というのが常識ですが、それが鎌倉幕府の弱体化に絡んでいて、室町幕府では訴訟の簡素化と -
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「室町時代」というのはどうにも派手な戦国時代に飲み込まれてしまって日本史でも影が薄いが、著者も指摘するとおり200年も続いた長期政権であり、その成立背景は大変興味深い。
征夷大将軍足利尊氏という名前だけは有名で、「とにかく何かした」みたいに扱われがちなところ、しかしその時代を拡大していけば生き生きと立ち回る武士や天皇がそこにいるのである。
大枠だけは有名で細部がよくわからないというのは歴史研究ではよくあることで、しかも有名な小説になっているとあるエピソードが史実なのか創作なのか、史実として伝わっている創作なのか、そこを一つ一つ明らかにしていかなければならないわけで、いうなれば出来上がって -
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「逃げ上手の若君」を読み、中先代の乱の後の時代を知りたいと思い手に取った新書。
予想以上のカオス。1日ごとに敵味方が入れ替わり何が何だか……という状況なのだが筆者の筆が確かに状況を把握させてくれる。
足利尊氏とその執事高師直一派と、尊氏の弟足利直義の一派に分かれて起こった室町時代初期の内乱である。本当に昨日の敵は今日の味方、今日の敵は明日の味方と状況が目まぐるしく変わる。
師直派が優勢になり直義が隠居したと思ったら直義の元に武将が集まって内乱が混沌としていく。
本文にあった通り「こんなにも優劣が変わる内乱はなかなかない」のだ。1年間のうちにあっという間に誰が優勢で誰が劣勢なのかが入れ替わる。