亀田俊和のレビュー一覧

  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    足利尊氏・直義・直冬の兄弟父子の争いを、関わった人物たちの動機や行動の細かな解釈と室町幕府の統治機構の確立の沿革の叙述とを絡めて総合的に記述。寺社や家格の高い武士に依拠する直義と新興勢力を基盤とする高師直の対立という従来の視点を相対化し、プレーヤーたちの動機・動向をより複雑に、より立体的に描き出す一方で、終章では擾乱の原因を「尊氏―師直が行使する恩賞充行や守護職補任から漏れ、不満を抱いた武士たちが三条殿直義に接近しつつあるところに、足利直冬の処遇問題が複雑にからんで勃発したこと」(227頁)に求めている点で、従来の擾乱像を乗り越える新たな像を打ち出すことに成功している。また多くの一次史料から、

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    2021年03月25日
  • 新説の日本史

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    ネタバレ

    驚くよ「坂本龍馬は薩摩藩士」「仮想敵国のおかげで予算ゲットしたから開戦」「1609年江戸の人口は15万人」「義輝は御所巻からの勢いで殺害」

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    2021年02月25日
  • 新説の日本史

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  古代(河内春人)
    第2章  中世(亀田俊和)
    第3章  戦国(矢部健太郎)
    第4章  近世(高尾善希)
    第5章  幕末(町田明広)
    第6章  近現代(舟橋正真)

    <内容>
    近年の研究成果をコンパクトにまとめたもの。文章も読みやすく、ざっと確認できる。幕末などはかなり斬新な内容が載っている。

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    2021年02月22日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    室町時代が混沌を極めていたのはなぜなのか。一つの考え方ができるような本であったと思う。
    足利直義と執事・高師直との対立から尊氏と直義の対立へと変わる様。南朝を取り巻く様子など、高校で日本史を専攻したが、あまり室町時代の動乱期に興味をもてなかった私が、面白いと感じながら読むことができた。
    ただ、様々な人が登場してくるので混乱してしまうと思われる。

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    2021年01月10日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    戦には長けていたが政治に興味がなかった尊氏と、戦に弱く政治運営も今一つに見える弟・直義。そこに高師直が政治に加わることで対立が深まっていった感がある。擾乱自体は約2年だけの内乱だが、南北朝というややこしい時代背景に、生え抜きの家臣、寝返る家臣など、その時代を生き抜くには標準的であろう保身が、また読むものを混乱させる。尊氏も直義も、本気で相手を討ち取ろうとしていないように見え、それが擾乱という混乱をもたらした大きな要因に思えた。

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    2019年02月11日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    歴史モノは文庫、新書ともに戦国時代以降の近世、近代しか読んでないに等しいから、中世以前はまことに暗い。よって観応などという元号は知る由もないが、「室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い」なるサブタイトルが気になった。戦は「役」「変」「乱」と表されるものの、「擾乱」とは何ぞや。地元史で騒擾事件ってのがあり、「擾」とはゴタゴタのお騒がせってな意味である。尊氏と直義の兄弟喧嘩、内輪もめってことか?読んでまさにその通り。尊氏、直冬の親子喧嘩もあって、南朝と北朝の分裂ドタバタ劇まで絡め、地味でせこい戦の割りにおもしろい。高師直(こうのもろなお)、すぐ忘れるんだろうが、執事にして不思議な実力者であ

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    2018年11月29日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    室町幕府自体が歴史の授業の中でも影がうすいこともあり「観応の擾乱」自体知りませんでした。

    室町幕府と言えばあまり成熟していないイメージでした。
    がこの戦いの中で自己改革をしていたんだと初めて知ることができました。

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    2018年06月11日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    室町幕府の創成期に全国規模の内乱となった、
    足利尊氏と直義の骨肉の争い。
    観応の擾乱の全貌を描き出す。
    足利一族の兄弟、親子、親族。執事である高師直の一族。
    恩賞と領地が絡んで全国の諸将たちは離合集散し、
    まさに昨日の友は今日の敵状態。
    更に、北朝と南朝も巻き込む。
    丁寧に分かり易い文章で書かれ、
    適切に史料を提示していて、興味深く読めました。
    特に関連年表、観応二年はすごいものです。
    月並みな感想ですが、尊氏は運が良かったなぁと。
    随分危ない場面も多く遭遇してます。
    状況次第では、尊氏が死んでた可能性だってあるし、
    室町時代自体無いとか、南朝が支配する世になるとか。
    また、骨肉の争いとは言え

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    2018年05月23日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    高校の日本史の教科書で名前だけは覚える「観応の擾乱」だが、これがこんなに短期間で形勢が極端に変動し、地滑り的な離合集散が続くダイナミックなものだとは知らなかった。また、観応の擾乱以降、「努力が報われる政治」が定着し、室町幕府の全盛期につながったという点で、観応の擾乱が初期室町幕府にとって重要な意義を有するものであるということを理解することができた。足利尊氏、足利直義、高師直などの人間像も興味深かった。

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    2018年01月25日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    良書。

    観応の擾乱というドマニアックな領域ながら、
    非常に丁寧な説明でわかりやすい。

    ただ、当然ながら人を選ぶ。
    歴史系に興味のない方だと、おそらく最後まで読み切るのがかなり苦痛だと思われる。

    ある程度歴史に興味・関心のある方ならかなりおすすめ。

    個人的には初期室町幕府のありようと、
    尊氏のあり方がかなり印象が変わったかな。
    とても面白かった。

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    2018年01月21日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    ネタバレ

    面白かった、のだが、知らない登場人物が多くて、今ひとつ入りこめない。しかし、今まで知らなかった尊氏、義詮、直義、師直を知ることができた。
    次は義満を知りたい。

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    2018年01月09日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    大河ドラマ「太平記」を思い出しながら,読みました。
    あまり知識のないところでしたが,非常にドラマティックな内容で,面白く読めました。

    本当によく分からないのが,尊氏が実子の直冬を疎んじた理由です。
    尊氏の直冬の扱いが酷いからといって,それを周囲の者が不満に思ったことが観応の擾乱の原因の一つというのも,いまいちピンときませんでした。

    この点については,今後,研究が進んで,新たな知見が発表されることを期待したいです。

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    2017年10月28日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    「応仁の乱」がベストセラーになるなかで、さらに地味なテーマを投入してきた。さすがは中公。日本史好きは泣いて喜ぶね。
    人気や知名度はいまいちだけど、将軍と弟の対決、父と子の確執、裏切りを次々と繰り返す家臣団、第三勢力としての南朝、奥州から九州まで広範な舞台……と話題には事欠かない。ここまで要素を詰め込んでおいて、どうして人気がないのか。
    読んでて思うのが、兵を動かすこと戦闘を行うことの感覚が、現代とは全く違うんだな、ということ。簡単に挙兵して、簡単に寝返る。寝返っても再び帰順すればすぐ許される。交渉のちょっとした駆け引きくらいの感覚っぽい。幕府といえども絶対的権力・軍事力を持っているわけでなく諸

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    2017年07月29日
  • 太平記(上)

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    (上下巻同内容)西源院本を底本とし訳者選定の90話を現代語訳した上下巻の入門書。読み易さ重視のフランクな訳であるが、軍記物語の雰囲気や漢籍・古典による文飾などの特徴が感じられる内容であると思う。下巻末の解説による太平記研究の現状も興味深い。

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    2024年12月31日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    「観応の擾乱」とは南北朝時代にあった足利尊氏・直義の兄弟間にあった権力争いである。本書ではこれを多彩な一次資料を引用しながら簡潔にまとめられていて、とても読みやすかった。著者はこれまでにあった「足利尊氏は朝敵」という歴史観に異を唱えており、そこにも共感ができた。

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    2024年02月02日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    権力をめぐる骨肉の争いのストーリーとして、「ゴッドファーザー」や「ゲームオブスローンズ」、「吾妻鏡」なんかと似てる。違うのは勝者が敗者を排除し権力を奪うことなく、敵味方主従問わず勝つ→許して復権→裏切るの繰り返しなところ。煮えきらないところがもどかしい。
    個人的に三十年前の大河ドラマの印象が強く、陣内孝則や高嶋政伸、柄本明の顔を思い出しながら読んだ。

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    2024年01月08日
  • 太平記(上)

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     「太平記」を岩波文庫版で読んだことがあるが、何にせよ長いし、南朝、北朝、敵と味方が次々に入れ替わるので、かなりしんどいと思いながら読んだことを思い出す。

     (上)のクライマックスは、やはり湊川の戦いでの楠木正成の戦士の場面【16-10】かな。
     
     本書は現代語訳であるし、また全体の大まかな流れが分かるようにエピソードが選ばれているので、太平記には一体どのようなことが書かれているのか、その概略を知る手始めとして適当ではないかと思う。

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    2023年12月08日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    室町時代の初め、いわゆる南北朝時代に起こった、足利高氏とその弟足利直義による争いが観応の擾乱。一緒に腐った鎌倉幕府を倒して、新しい世の中を作る…はずが、なんで殺し合うような兄弟・家族喧嘩になってるの!?という中世日本史の謎の一つ。そんな観応の擾乱について詳しく解説した新書だ。
    個人的に、「太平記」を見た後だったので、割りとすんなり入り込めたが、応仁の乱と並び、非常に複雑な話だと思うし、中公新書は専門性が高く、易しくはない。

    もっと勉強して理解を深めたいと思いました。

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    2023年11月12日
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

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    教科書の説明からすれば、一行程度の出来事。
    しかし、そのなかではめまぐるしく勢力が変わる二年間の大混乱。
    やる気スイッチが入るのが遅い尊氏。
    燃え尽き症候群と微妙なやる気、保守的な弟・直義。
    逆にやる気に満ちた一部の周囲。優勢劣勢で流動化の限りを尽くす各将。
    所領や官位を目当てにがんばったのに、それを保証してくれるハズの男は微妙なやる気と現状維持の塊。
    そんな不穏な休戦期間に立ち上がるあっちの人やこっちの勢力。
    常時殺意と殺気に満ちた南朝。
    九州で暴れまわる嫌われっ子(理由不明)・直冬。
    突然やる気スイッチの入る尊氏。
    叔父とも父親とも仲良くできない義詮。
    あまりに当たり前のことだが、歴史は人

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    2023年10月16日
  • 新説の日本史

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    日本史についてこれまでの通説と違った新設を扱った一冊。

    オムニバス形式なので、内容にばらつきがあるもの、読み物としては面白かった。

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    2022年09月26日