小澤身和子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリーズ最終巻!
大好きな『馬と少年』を含めナルニア国シリーズは岩波版を繰り返し読んでいたが、最終巻だけは全然好きになれずたぶん1回しか読んでいない。何度も出てくるロバとサルの名前(瀬田訳ではトマドイとヨコシマ)に気が滅入ってしまったのと、ハッピーエンドのように描かれている物語の結末に当時の私は納得できなかったためである。この新潮版小澤訳で久しぶりに物語に触れて幼少期とはまた違った気持ちを抱いた。
想像していたより息苦しくない。上記でも触れたが、ロバとサルの名前の効果が個人的に大きいと思った。他翻訳版はどうなってるのだろうか。読み進めるしんどさが減ったので物語の内容に集中できてさらに楽しめ -
Posted by ブクログ
ネタバレ優秀な奨学生エスター・グリーンウッドは雑誌社のインターンに選ばれ、マンハッタンにやってきた。しかし社会の厳しさや不条理に触れ、純潔に見えたボーイフレンドは実はそうではなくてモヤつき、ライティングコースにも選ばれなくて将来の設計図がぐらつき、自殺を図って精神病院に入れられる。後半は精神病患者の目から見た周囲の人々や病院の様子が、『赤い花』とかそういう作品と重なった。優秀な女子学生の挫折と、死にたくても死にきれない気だるさと、将来への不安と絶望感を感じた。
訳者あとがきに、この作品の舞台である1953年アメリカは、ソ連のスパイとされた民間人が電気椅子で処刑されることがセンセーショナルに報じられた時 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1960年代に書かれ、すでに一度邦訳されているアメリカの小説。昨年(2024年)、この新訳が出版され話題になっていた。
1950〜60年頃のアメリカ文学には、時代を超えて読まれてきた有名な作品も多いが、個人的には少し苦手意識がある。それは、社会に適応しきれない若者の肥大した自己意識を、どこまでも一人称の自分語りで書き連ねていくようなタイプ。この小説もまさにそんな作品だった。文中(原文)に出てくる「I am, I am, I am...」という象徴的な一節は、この訳書を第一弾とする海外文学シリーズのシリーズ名にもなっている。
社会の入り口に立って精神のバランスを崩してしまった女子大学生が主人公 -
Posted by ブクログ
ネタバレナルニア国とは、の位置付けがその崩壊から明示されていくのが爽快だった
リーピチープとタムナスさんは胸熱すぎる
が、そうか列車事故か…
現実と思う世界も、ほんとうの世界の影にすぎず
現実での死によってほんとうの世界での幸せな日々が始まり以後永久に続いていくと
アスランとしてはナルニアの崩壊は織り込み済みだったのかな
シフトが暴走しはじめる前に現れることだってできただろうに
ルーシーたちイギリス組の受皿としての役割もあった?
そもそもがポールたちが入り込んでしまった時に作った世界だしな
良き生き物が育まれる土壌を作り、ほんとうの世界へ誘い栄えさせるのが役割なんだろうか
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