道満晴明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シンプルに表現するなら、とんでもない
道満先生のファンでなきゃ感じ取れない凄さがある、と言い切っちゃっても、他のファンから抗議は来ないと思う
恥ずかしい事に、全ての作品を網羅している訳じゃないんですが、それでも、これまで読んで来た、道満先生の作品で、最も面白かったです
これまでは、他の漫画読みに、道満先生の作品をお勧めする時は、『ぱらいぞ』だったんですが、これからは、この『メランコリア』にしよう、と思います
あくまで、私個人は、ですが、この『メランコリア』は上下巻を一気に読んだ方が、面白さを噛み締められる、と言うか、多少は飲み込めると思います
先程も書きましたけど、ほんと、道満イズムに触れた事がある人間でないと、この良さは感じ取れないかもしれません
残酷な描写がある訳じゃないんですが、生理的にアウトな表現が皆無じゃないんで、道満イズムに毒されてない、幸福な人間が読んじゃうと、理性が崩壊する可能性もあったりなかったり
そんな危ない作品を、未読の人間に勧める気か、と怒られそうですが、それを承知でお勧めしたくなるのが、漫画読みであり、道満信者
どんな内容なのか、それを説明するのが難しいのも、この『メランコリア』の魅力です
笑える、泣ける、イライラさせられる、ドキドキさせられる、深く考えさせられる、自分を大事にしたくなる、他人を信用する気持ちが揺らぐ、救いを得た錯覚がある、絶望に引きずり込まれる、綺麗に死にたくなる、みっともなくてもいいから生きていたくなる、と表現しても、やはり、未読の人間には、ピンと来ないんでしょうねぇ
この『メランコリア』でしか通用しない表現をしても構わないのであれば、ルーブ・ゴールドバーグ装置的である・・・ぬっ、今、この『メランコリア』のファンから、そのまんまじゃねぇか、とツッコまれた気がする
この『メランコリア』が未読で、道満先生の作品を読んだ事が無い人間でも、『外天楼』(石黒正数)、もしくは、『金剛寺さんは面倒臭い』(とよ田みのる)が好きな人なら、ある程度は、面白い、と感じる事が出来るはずだ・・・と信じたい
改めて言うが、道満清明って漫画家は、凄い
さすがに、藤田和日郎先生や羽海野チカ先生たちには勝てないにしろ、江口夏実先生や十五夜先生と、同じステージに立てる漫画家だ
(上)でのお気に入りは、Flgure.8「Handspinner・・・・・・・・・[ハンドスピナー]」
ざっくり言うと、人は他人を救えないし、起きた事は変えられない、って身も蓋も無く、にべもなく、手の打ちようがない、しょっぱい話
(下)でのお気に入りは、Flgure.15「Oui・・・・・・・・・[応為]」
いつの時代でも、男らの心を支えるのは、攻めた「エロい」であり、いつの時代にも、「エロい」を過剰に取り締まる存在がいやがるってこと
この台詞を引用に選んだのは、グッと来たので
読んでない人間からしたら、私が異常者のように感じるだろう、きっと
道満先生のファンにしても、同意かつ共感してくれるのも全員じゃないかも
けど、周りはどうであれ、私が、この台詞に、道満先生らしさを感じたのが事実だ
実際にやられたくはないのに、これくらい愛されたい、と思う自分もいる
好きな人の外見だけじゃなく、中身も好きってのは、これくらいやってから言っていい言葉なのかもしれない
「あなたに言われる筋合いはないわ。河瀬くんは、可愛い。どうしても、告白する勇気がないのなら、せめて、好きな人の臓器を手元に置いておくくらい、いいでしょ?」(by生徒会長 上巻 Flgure.9『Internal organs [内臓]』より) -
Posted by ブクログ
ニッケルオデオンが面白かったので購入。
彗星の衝突で人類の滅亡がすぐそこまで迫った終末の世界、一喜一憂する人々の悲喜こもごもがリンクして予想外の展開になだれこむ短編。
序盤はそれぞれ関係ない独立した話と見せかけて実は……というのが巧い。小出しにされた点が次第に繋がって伏線が回収される快感。
性転換・おねショタ・おじロリ・人外・ホモ・百合・臓物愛好など、ニッケルオデオンと同じく特殊性癖の引き出しが多すぎる。
エロくない絵柄なのに萌えとエロスがそこはかとなく共存する。
ブラックでシュール、リリカルでポエット、なんとも不思議な読み心地。アルファベットからとられた各話のタイトルもおしゃれ。
作中散りばめられた「ルーブ・ゴールドバーグ装置」「ハンドスピナー」「テセウスの舟」などのキーワードもおシャンティで、並べるだけでなんだかちょっと頭がよくなった気がしてくる。
フレーメン隊の由来も知っているとちょっとクスッとできる、随所に仕込まれた小ネタが心憎い。
ちょっと匙加減を間違えると露悪なグロに偏りそうなのに、そうならないギリギリの線を突いてくる。モノローグやセリフも哲学的で深い。
個人的にはハンドスピナーと応為の話が面白かった。
ハンドスピナーはいじめがきっかけの悲劇だが、直接的な描写は一切なく、終盤たった一言で何が起きていたのか読者にガツンとわからせるのが凄い。
「一週間辛抱した結論がこれなんだ。依田くんの私への答えだ」
いじめられっ子やいじめを傍観していた人には突き刺さる言葉だと思った。
そしてこの台詞が冒頭の「気持ちはわかるけど」と呼応し、何にもわかっていなかった事実が暴かれるのが凄く痛い……。
「ヴィオニッチホテル」など、他作品のキャラクターも登場して嬉しいサプライズ。
変態一家のパパはどんどん変態性が増している……。
スーパーヒーローや人魚や超能力、なんでもありのファンタジックな世界観だが、登場人物はいずれもごく私的な悩みを抱えており、それは恋や友情や家族、小さな秘密や罪に関する事柄だったりする。
世界の終わりが近付いてもヒトは相変わらずくだらないことで笑ったり泣いたりし、うっかりだれかを好きになったり性懲りなく失恋したりする。
そんなどうしようもなく滑稽な空回りっぷり、個人の成長しなさがおかしくていとおしい。
タイムスリップや巻き戻しもアリのループな話なので、「結局なにがどうなってたの??」とこんがらがってしまうが、むずかしいことを考えずオムニバスとして読んでも楽しめる。 -
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ネタバレ短編漫画集でありながら
その完成度の高さから
サブカル好きの間で密かに話題となった(赤)版に続く第2弾。
いやぁ~、これ大好きなのですよ(笑)
ニッケルオデオン(昔アメリカで流行った庶民的な小さな映画館)のタイトルどおり、
SF、ホラー、恋愛、ナンセンス、寓話、ファンタジーものなど、
キレ味鋭い8P読み切りショートが13編収録されています。
僕が印象に残ったのは、
人生をやり直すために何度も飛び降りる少女。
薄れゆく意識の中、彼女が見つけた真実とは…
『コロンバインで給食を』
流れ星に祈った願い事が叶うとき、
少女たちの世界は淫靡で酒臭い宴会と化す…(笑)
『飲酒番長』
愛する男友達のために公園に爆弾を仕掛ける少年が切ない
『遊星より愛をこめて』
ゴミ屋敷に一人で住む少女と
そんな彼女に毎週プリントを届けるクラス委員の少女との最後の一日。
二人の少女たちは、文京区が誇る史上最強のサイクロンゴミ粉砕機ダスキン=ホフマンに真っ向から挑む!
『ヒッキー&ガッキー』
歳上の女学生を好きになった天使見習いの少年。
失恋した女学生を前に
少年の切ない想いは届くのか…
『カミサマソロギィ』
村を災害から救うため、神様への貢ぎものとなった青年と
神様との悲恋を描いた
『水神岩』
病院の待ち合い室で出会った、
生れつき精子に異常がある少年と
生れつき片方の耳が聞こえない少女の刹那の恋に涙した
『パラノイドアンドロイド』
かな。
それにしても、道満さんはスゴいよ。
わずか8Pの短編漫画にもかかわらず、
すべてにオチがあって、
なおかつ、どの作品も読後に深い余韻が残る作りになっていて、
登場人物たちのその後の人生に想いを馳せてしまう。
空間認識能力に優れてるだろうことが分かるカット割りや物語の構成の仕方など
実に映画的だし、
漫画家じゃなく映画やアニメの監督をやってもスゴい人になってただろうと思う。
エロにブラックに自殺願望に百合にBLにコメディと
なんでも来いの
そのストーリーの柔軟さと引き出しの多彩さ、
そして、なんと言ってもそのキュートな絵柄の魅力に
もうメロメロです(笑)
(少しずつ、赤版や青版とも話が繋がっているのも、ファンにはたまらない魅力だと思う)
何度も読み返したくなる短編漫画って
そうそうないので、
一家に一冊、家宝認定でよろしいんじゃないでしょうか(笑)
(よし、次は青版だ!) -
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ネタバレ奇妙な人々――被虐、加虐、露出狂といった性癖持ちであったり、クトゥルフ神話と『イカ娘』の漫画を混ぜたようなイカ人間だったり、果ては“地球上の全ての生物から嫌われる”という特性持ちだったり…いわばひとつずつ何かしらの業を背負った11人の少年少女、通称「オッドマン」たちと、彼らの中のひとりへ恋したゆえに、その輪へ入っていこうとするひとりの少女の話。
露悪的なほど下品で頭の悪いギャグが続くのに、デザインはいつもながらスタイリッシュ(今回は表紙まで格好良い)。また、情報量が凄まじい漫画だけれど、パロディや引用の弾幕の陰で、ふと熱い台詞が出るのは憎い(episode 006のゴディバの啖呵には痺れた。ついでにいうと「露出狂」という通り名を「ゴディバ」と読ませるセンスも素晴らしい)。
1話ごとのページ数が短く、連載ペースも早くなかったので、単行本化はないだろうと諦めていたけれど、いざ単行本で読めてしまうと、完結まで書籍化してほしいと祈らずにはいられない。いつか完結巻が出ますように。 -
Posted by ブクログ
不条理と言うよりも、登場人物ほぼ全員の頭のねじが吹っ飛んでおり
ついでに下ネタ回路が熱暴走を起こしているので、描かれているのは
さながらピンク色のゴッサムシティで繰り広げられる笑いの攻防。
1巻は割と多様なキャラが出てきて、全話ピンク色ながら多様性があり
2巻は、1巻のキャラが卒業してほぼ不在。という珍しい事態により
人間かどうかが怪しい呪田四姉や、スケバンのリーダーそして
猥談・BL特化のおちけん部員達を中心とした話が多く、各キャラ毎に見ごたえがある。
1巻と2巻で多少雰囲気が違うんだけど、これがまた味である。
成年誌のパロディネタもそこそこあり、それにより
・・・いや、よらずとも伏字がとても多く
更に一捻り加えた、知的エロス(?)の様なお話もあるので
単なるエロスを求めて読むと多分速攻で投げだす事になると思う。
そう、読み進めるうちにこう気づくだろう。
これは変態上級者が読み集うパライゾと言う名の隔離施設である。と。 -
Posted by ブクログ
「『下ネタ』虎の巻」
「下ネタ」の応用力の高さに、笑いを通り越して感心してしまう作品。きっと作者の目には、政治も経済も宗教も、世の中のあらゆる事象が「下ネタ」として映っているのでしょう。「女子高生の日常」を世界観に繰り出される4コマギャグ(全て「下ネタ」)は単行本1冊につき、怒涛の約300題。2巻では「あずまんが大王」のキャラクターも参戦。同じ「女子高生の日常」を世界観としながら、対極に位置する作品同士のコラボレーションは必見です。内容に反して絵柄は淡白で、際どい描写もデフォルメされており、時に不謹慎と思えるネタですら、不思議と許せてしまう独特の魅力があります。飲み会の前に読んでいけば、色々な意味で一目置かれるかも!?(小谷中宏太)
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