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ショートストーリーの名手・道満晴明が描くメランコリックオムニバス! 世界の終わりが近づく中、人は何を思うのか!? 楽しいだけじゃ、穏やかなだけじゃ、幸せなだけじゃ、人生はつまらない。「憂鬱」それは甘くて苦い蜜の味――…。読むほどに絡み合っていく、巧妙なストーリーギミックとじわじわと心を侵すメランコリックな物語!!
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匿名
とってもメランコリア。
どれも退廃的で、それでいてお気楽で。 私も家族に囲まれてお金もあって幸せなほうだと自認しているが、いつ死んでも大して興味はない、惰性で生きてる人生観だったり。 将来オムツ生活になったら北欧で家族に囲まれながらあっさり安楽死を決め込んでいる程度には。 だから、世界の終末、人生の終末、自分の終末に全...続きを読むくといっていい程、焦らないと思う。 そんな中でも多分、世界が終わるとなると、焦る周りの人たちで、感情が多少揺さぶられるとは考える。 本書を読むと、そんなことを徒然なるままに想うのである。
#ほのぼの #シュール #共感する
読んでいて涙が出そうで出ない、そんな作品でした。 1話1話から優しさを感じられる短編集でした。 この方の作品をもっと読んでみたい。
#泣ける #切ない #感動する
Posted by ブクログ
ニッケルオデオンが面白かったので購入。 人類の終末を迎えるそのときを、割と淡々と生きる人々を描く独特な世界。 短編だけど、それぞれが他のストーリーとビミョーにつながっていて、その感じがすげえ気持ちいい。
ニッケルオデオンが面白かったので購入。 彗星の衝突で人類の滅亡がすぐそこまで迫った終末の世界、一喜一憂する人々の悲喜こもごもがリンクして予想外の展開になだれこむ短編。 序盤はそれぞれ関係ない独立した話と見せかけて実は……というのが巧い。小出しにされた点が次第に繋がって伏線が回収される快感。 性転換...続きを読む・おねショタ・おじロリ・人外・ホモ・百合・臓物愛好など、ニッケルオデオンと同じく特殊性癖の引き出しが多すぎる。 エロくない絵柄なのに萌えとエロスがそこはかとなく共存する。 ブラックでシュール、リリカルでポエット、なんとも不思議な読み心地。アルファベットからとられた各話のタイトルもおしゃれ。 作中散りばめられた「ルーブ・ゴールドバーグ装置」「ハンドスピナー」「テセウスの舟」などのキーワードもおシャンティで、並べるだけでなんだかちょっと頭がよくなった気がしてくる。 フレーメン隊の由来も知っているとちょっとクスッとできる、随所に仕込まれた小ネタが心憎い。 ちょっと匙加減を間違えると露悪なグロに偏りそうなのに、そうならないギリギリの線を突いてくる。モノローグやセリフも哲学的で深い。 個人的にはハンドスピナーと応為の話が面白かった。 ハンドスピナーはいじめがきっかけの悲劇だが、直接的な描写は一切なく、終盤たった一言で何が起きていたのか読者にガツンとわからせるのが凄い。 「一週間辛抱した結論がこれなんだ。依田くんの私への答えだ」 いじめられっ子やいじめを傍観していた人には突き刺さる言葉だと思った。 そしてこの台詞が冒頭の「気持ちはわかるけど」と呼応し、何にもわかっていなかった事実が暴かれるのが凄く痛い……。 「ヴィオニッチホテル」など、他作品のキャラクターも登場して嬉しいサプライズ。 変態一家のパパはどんどん変態性が増している……。 スーパーヒーローや人魚や超能力、なんでもありのファンタジックな世界観だが、登場人物はいずれもごく私的な悩みを抱えており、それは恋や友情や家族、小さな秘密や罪に関する事柄だったりする。 世界の終わりが近付いてもヒトは相変わらずくだらないことで笑ったり泣いたりし、うっかりだれかを好きになったり性懲りなく失恋したりする。 そんなどうしようもなく滑稽な空回りっぷり、個人の成長しなさがおかしくていとおしい。 タイムスリップや巻き戻しもアリのループな話なので、「結局なにがどうなってたの??」とこんがらがってしまうが、むずかしいことを考えずオムニバスとして読んでも楽しめる。
短編しぬほど巧い。世界の終わりよりもまず自分の生活圏内のことで一喜一憂する感覚。端正さと大胆さ。何回でも読み返したい。
ひねくれ者で、ナンセンスで、ロマンチストないつもの道満晴明。ハマる人は本当にハマるタイプ。ハンドスピナーの話は普通じゃ描けないわ
SFチックなショートオムニバス。他の話と少しずつ繋がっているのが面白いです。 大どんでん返し的な展開がもっとあったらいいかなと思いました。
各話タイトルがアルファベットのAから始まり、B.C.D・・・と続き 1巻は13話が収録されているのでMで終わり。 という事は次巻はN~Zの13話で、全2巻ですかね。 でももしかしたら、Zの次はギリシャ文字が控えているかもしれない。 道満晴明さんの作風を考えると、なきにしもあらずなので油断大敵。 作...続きを読む品名にあるように、基本的には全ての話がメランコリック。 そして13の話があちこちで繋がりを見せたり、見せなかったり 更には過去作のキャラクターや設定まで出てきて 最終話の着地点がこれ程絞りきれない作品もそうはあるまいよ。 悲観的なストーリーの中にも希望を見出したり、あるいは希望が無かったり もしくは、希望とは何ぞや?と問いかける話。 そもそも悲観的ではない話。 悲観と希望のごちゃまぜ短編集、なかなかよくできています。 道満晴明さんの作風はとても良く生かされているとは思うけど 応用編のようなスタイルなので 初めて氏の作品に触れるのであれば、この作品は避けた方がいいね。
やっぱり道満晴明さんは短編が天才的。 以下ネタバレ。 独立した短編と思いきや少しずつ設定がつながっていて、同じ一つの世界の物語だと分かっていくのが楽しい。 上巻とあるってことは次が下巻で終わる予定なんだろうか? 最初の一話が最後のオチに使われるところまで予想した。 ヴォイニッチホテルからの設定...続きを読む(殺し屋にランキングがついている、例のホテルで例のメイドさんが登場する)が使われていて、読んでた人が読むと嬉しい。 ところで小題がABC...となっているのに後で気づいた.
道満晴明のショートショート・オムニバス。タイトルどおり(もしくはいつもの道満晴明の作品どおり)メランコリーが漂う、しかし軽やかな物語を描く短々編集。不可思議が混じり込む日常を、各話独立した登場人物を通して描きながら、それぞれの世界が僅かに接点を持ち、重なっていくのがいつもながら面白い。 上巻収録作で...続きを読むは『ハンドスピナー』が特に良かった。 地球に接近する彗星の名が「メランコリア」なのは、ラース・フォン・トリアーの映画を思い出すけれど、上巻では言及されなかったように思う。下巻で回収されるのだろうか。
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道満晴明
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