上野元美のレビュー一覧

  • レッド・アロー

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    一言|『あらゆる視点から読むことができ、考えさせられる一冊』
    感想|「赤い矢印」というキーワードが物語における時間感覚を支配しているようであった。言語や他国の情景がなかなか浮かびづらい所もあったが、他国の状況や歴史的背景を知ることができとても参考になった。途中、幻覚剤の話も話題に上がっていたが、このことについては、知識不足のためなんとも言えなかったが、主人公のように救われる人がいるという朗報があるとも思った。また、これらから、すべてのことは一概には決めかねるので、錯誤や学ぶことは大切だと実感した!

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    2024年08月21日
  • モサド・ファイル2 イスラエル最強の女スパイたち

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     ノンフィクションで、そこそこ緊迫感もスリリングもあり、ぐいぐいと読ませられる。のだけれど、読んでいる間に次々に人物が出てくる。誰が誰だかわからなくなるうえ、どうも横文字の名前に弱い。しかも同じ人物なのに名字だったり名前だったり本名だったり偽名だったりが行単位で入れ替わったりとわけわからなくなって混乱しながら読んでいる。
     さほどその偽名に重要性がないならいちいち偽名をのせなくても…例えば「〇〇は△△という名義で・・」は「〇〇は偽名を使って…」とすれば、かなり読みやすくなる。何せ、1ページ内に名前も場所も道路も施設もカタカナが多くてわずらわしすぎ。しかもアラブ、イスラエルともに人名もその他も英

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    2024年01月21日
  • 秘録イスラエル特殊部隊 中東戦記1948-2014

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    あくまでも イスラエル側からの視点の中東戦記です。

    何が正義なのだか、何が道義なのか人道なのか、中にはイスラエル側の人たち犠牲を読者の情緒に訴えるような、家族が殺されたとかの記述もあります。

    あまり感情を込めずにイスラエル側から戦史を記述した内容の本です。

    ですがイスラエル側以上にパレスチナ、シリアレバノンヨルダン、イラクイランエジプトなどの人たちはあまりにもひどい目にあっていることはちょっとインターネットで調べることのできる人たちならわかることです。

    パレスチナ問題の解決は、道義的な情緒を世界に訴えるしか方法がないのかもしれません。

    綺麗事ではなくてただのんびりぼんやりと生きていく

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    2023年05月26日
  • 静寂の荒野【ウィルダネス】

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    都市の環境破壊が進んだため義父、母娘で山での実験生活みたいのに参加する(数年単位)。家というプライバシー空間のない状態での集団生活。よっぽど「自然大好き」「訳あり」でない限り、精神肉体共に荒んでゆく。やっぱり余裕ないと、きれいごとさえ言えない。結構この作品は多角的で色んな角度から読める作品で、人それぞれひっかかる部分が違うと思う。自分的には、人の死を商売にしている葬儀屋という組織にこの本を読ませたい。人間だって動物のように死にたい人もいると思う

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    2023年03月20日
  • 世界の終わりの七日間

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    シリーズ三部作完結巻。小惑星の地球衝突まで残り一週間、主人公・パレスは唯一の肉親である妹の捜索に乗り出す―。SF要素を舞台設定のみに留め、大風呂敷を広げず、とことんハードボイルドミステリーに徹するバランス感覚がやはり絶妙。極限状態においても「地上最後の刑事」を貫こうとするパレスの愚直なキャラクターが三作品通してブレないのも良い。救いのない物語だが、終章の静謐なラストシーンは深い余韻を残し、コルテスの『あんたは何を見ても妹を思い出す』という台詞を改めて回収する技巧性も魅せる。最後に相応しい実に見事な幕引き。

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    2022年07月29日
  • 燃える川

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    ネタバレ

    男同士親友2人で、カナダ北東部の大自然の中をカヌーで旅する。釣りをし、漁をし、ベリーを積み、狩猟だけでなく、それなりの食料を持ち込んで。
    川から湖へ気の向くままにオールを漕いで、気の利いた浜辺でキャンプする、そんな卒業旅行が一転、大規模な森林火災にぶち当たってしまい、彼らも早々に脱出しようとする中、行動が不信なカップルに出会う…。

    大火災からの脱出と、瀕死のけが人の搬出、さらには彼らをつけ狙う殺人者…という、自然にも人間にも狙われる2人のサバイバルを描いた小説。大自然の火災の描写は圧巻、と思ったら作者はアウトドア系ノンフィクションの本を3冊上梓しているのだとか。なるほど得意な土俵ということ

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    2021年09月21日
  • 地上最後の刑事

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    半年後、小惑星が地球に衝突して人類は壊滅すると予測された世界での話。

    主人公は、そんな世界でも職務に忠実に地道に捜査を続けていく中で、そんな世界だから罪を犯してしまう人々と向き合っていく…

    読み終えた後、色々考えてしまいますね。その中でそういう世界を望んでいる自分もいると、改めて気付かされたよ。

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    2021年06月14日
  • 世紀の大博打 仮想通貨に賭けた怪人たち

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    映画「ソーシャル・ネットワーク」が好きで、それのもとになったメズリック氏の「facebook〜」を読んでいたこともあって、「世紀の大博打」を読んでみた。
    仮想通貨という言葉しか知らない、みたいな自分でも興味深く読めた。
    ……のだけど。facebook〜と同じく、ノンフィクションだけれど、人物の心理描写など、本人しか知り得ない・(過去のことなので)細かく書くのが難しい部分が多かったと思う。facebook〜の前書きだったかで「読みやすさを考えて小説(物語?)仕立てにした」というような一文があった気がするのだけど、今回もそういう感じだったのかな?と。

    映画を観たり本を読んでも、自分はウィンクルボ

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    2021年04月23日
  • 燃える川

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    カヌーの旅に出た親友同士の大学生二人。しかし不穏な事件に遭遇し、大自然のなか生き延びるために闘うことに。迫真のサスペンス。

    アウトドアライフには縁がないので、どこまでリアルなのかはわからないが、特に山火事の描写は圧倒的。

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    2021年03月11日
  • 燃える川

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    ネタバレ

    大自然を舞台にした小説は苦手で敬遠しがちだが、これは読んでよかった。
    角幡唯介さんのノンフィクションはなぜか好きで読んでいるので、それがこの小説を読む手助けになったと思う。


    静かで美しくて悲しく、忘れ難い一冊になった。

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    2021年03月07日
  • 燃える川

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    カヌーで旅に出た二人の大学生。そこで遭遇した山火事。道中でさまざまなことが起きるけれどなにより山火事の描写の迫力がいい。煙の臭い、木が燃える音。風。川で出会った人たちとのやりとり、火事によって追い詰められていく緊迫感。大自然の中で展開される冒険は息つく暇ないくらい読み応えがある。

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    2021年02月21日
  • マンモスを再生せよ ハーバード大学遺伝子研究チームの挑戦

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     以前、「合成生物学の衝撃」という本を読んだのですが、その流れで手に取ってみました。
     ケナガマンモスを再生しようという俄かには信じ難いプロジェクトの話です。
     最先端の遺伝子学がテーマですが、専門的な解説書ではなくノンフィクションの物語の体裁なので、学術的な内容を期待していた読者の方は少々拍子抜けするかもしれません。

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    2020年09月09日
  • 地上最後の刑事

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    ネタバレ

    半年後に隕石が衝突することが発表され人類滅亡までのカウントダウンが始まっている世界。
    人々は仕事そっちのけで残された時間を有意義にするため、”したいことリスト”の実現を目指し社会機能が減衰。
    一方多くの人が希望を失い自殺者も急増。

    そんな中一見すると自殺に見えるが、何かひっかかる事件に遭遇する新米刑事ヘンリー・パレス。
    終末の憂いを帯びる廃れた世界でひとり熱意を保ち職務を全うしようとする姿が健気で胸を打つ。

    極めて特殊な状況設定の中で明らかにされていく事件の真相と差し込まれるヘンリーのプライベートサイドストーリー。
    終わりゆく世界での事件解決までの道のりと虚無感との融合がある意味新鮮な感覚

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    2020年07月24日
  • 世界の終わりの七日間

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    たった一人の家族、妹を探してどこまでも。小惑星との衝突までの7日間。いいラストシーンでした。
    一緒に行動するようになった泥棒は信じられるのか、嘘ついているのは誰なのか、本当に小惑星は来るのか。
    じわりじわり妹に真相に近づいていく、ゆっくりだがタイムリミットは刻々と迫る。
    このバランスが良い。

    先の読めない展開で最後まで一気読み。
    この著者のほかの作品を読みたくなる。

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    2019年11月28日
  • カウントダウン・シティ

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    このキャラの楽しみ方がわかってきた。粘り強く、いったり来たりしながら人探しを続ける。
    だが、ついに秩序は乱れはじめ中盤あたりから物語は加速する。
    それでもまだ、小惑星は落ちない。続編へ。

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    2019年11月17日
  • マンモスを再生せよ ハーバード大学遺伝子研究チームの挑戦

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    ノンフィクションでありながら、近未来の描写をちょっと入れたり、ほんのり小説テイスト。
    全編通読後、結構重要なブリッジが端折られているんじゃ…といった感想を持ったりもしたが、遺伝子工学の大まかな現状とこれまでの過程がある程度分かり、また、永久凍土が失われてゆくメカニズムとそれがもたらすCO2排出の恐ろしさがヒシヒシと感じられ、スリリングでもあった。
    意図して種を滅亡させることも可能だという、遺伝子ドライブなる技術も然り…。
    科学者は"科学でできること"を際限なく突き詰めるのが本能であるし、その衝動及び恩恵と倫理がどこで折り合いをつけるのか、これはバイオテクノロジーを論じる時に

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    2019年08月26日
  • マンモスを再生せよ ハーバード大学遺伝子研究チームの挑戦

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    シベリアに「氷河ワールド」を作る。
    マジなんですね。
    小説の形を取っていますけど実現可能な条件は整いつつあるのでしょう。3000年前はギリギリ絶滅種を再生出来るタイミングなのでしょうか。
    ケナガマンモスはもちろん見たいですが、ドードーやサーベルタイガー、ニホンオオカミも見てみたいですね。
    夢が広がる近未来ノンフィクションでした。

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    2018年11月19日
  • カウントダウン・シティ

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    『地上最後の刑事』の続編、3部作の2作目。

    一層荒廃が進んだ世界で、黙々と自分に課した任務を遂行するヘンリー。
    彼がなぜそこまで刑事"業"にこだわるのか詳しく書かれていないところがちょっとモヤッとするけれど、
    勝手に解釈してね、ということなのか。

    なにしろ読みやすい。
    ミステリーとしての謎はたいしたことなくても、なんだか読めちゃう。
    そこがいい。

    いちおうSFジャンルに括ってみた。
    本人いわく、スペキュレイティヴ・フィクション、とのこと。
    ま、ジャンルなんてどうでもいい。

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    2018年11月13日
  • 世界の終わりの七日間

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    もうミステリでもSFでもなくて、心の旅というか。

    あまり説明なくいきなり重要なことが起こったり、まとまりに欠ける。
    注意深くよまないと、あれ、この人ダレ?とか、あれ、そーなったんだっけ?とか置いてきぼりにされがち。

    そっか、こう終わるのか。
    しみじみ。

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    2018年11月13日
  • マンモスを再生せよ ハーバード大学遺伝子研究チームの挑戦

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    マンモス再生計画に携わる研究者たちを追うノンフィクションである。
    類書に比較して読みやすい1冊である。研究者の人となりにもフォーカスし、彼ら彼女らがどのような経緯でその研究に携わることになったのか、人間ドラマとして読むこともできる。

    軸となるのはハーバード大学のジョージ・チャーチと彼が率いる研究室である。チャーチはヒトゲノム計画や次世代シーケンサー(遺伝子配列解析装置)の開発に携わってきた遺伝学界の「巨人」である。
    チャーチのグループは、永久凍土に残るマンモスから、クローンをつくることを目指しているわけではない。マンモスの特徴を持ったゾウを作り、マンモスを復興(リバイバル)させることを目指し

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    2018年10月22日