上野元美のレビュー一覧

  • 地上最後の刑事

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    こぶ平のお勧め。

    小惑星衝突目前の世界、という設定は違和感ない。
    過剰でなく、不足でもなく、うまく世界が描き出されていると思う。

    ミステリーとてしては、ちょっと食い足りない気もするけど、
    面白かった。

    解説によると、三部作の初作だとか。
    続きも読みたい。

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    2014年05月19日
  • 地上最後の刑事

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    世に警察小説は数あります。ですが、本作ほど個性的な作品は警察小説はおろかミステリ全体を見渡しても数えるほどでしょう。

    何といっても基本設定が

    小惑星衝突による破滅的災厄を間近に控えた世界。古びたファーストフード店で一人の男が首を吊った。未来に悲嘆しての自殺と誰もが思った。だが、新人刑事ヘンリー・パレスは他殺を疑い、終局に向かう世界の中、地道な捜査を開始する……

    だというのですから。

    本作『地上最後の刑事』はかように特異的かつ魅力的な背景を持つ一作です。メインとなる舞台も、起こる事件も、主人公たる刑事と彼を取り巻く登場人物たちも、全てが「警察小説」という言葉から浮かぶイメージと一致します。

    ただ、人類が確定的な滅びに瀕しているという一点を除いては。

    本作は驚天動地のどんでん返しミステリではありません。キャラクターは個性豊か、かつプロットも十二分に練り込まれていますが、事件解決に至るプロセスも、真相もどちらかといえば地味だといえるでしょう。

    読みどころはむしろその先にあるといえます。
    終わりを待つばかりの絶望的な世界においては、人々の思考も行動も全てが変容しています。
    同時発生する祝祭と暴動、機能停止した保険会社、通じない電信網。些細な描写の積み重ねが、変容してしまった世界を克明に浮かび上がらせてくれます。
    わけても中盤、ある人物が呼吸をするように死をえらぶくだりは象徴的でしょう。

    読み進めながら、我々は問いかけざるを得ません。
    滅びに瀕した世界が異常なのか?
    それとも、異常な世界で己の日常を、使命を貫こうとする刑事こそが異常なのか?
    壊れゆく世界の中で悩み、苦しみながら猟犬の如く獲物を追い詰めるパレスの姿はいっそ悲壮ですらあります。

    事件を追う興奮、終末を過ごす虚無感、そして究極的状況における自らの選択。これらを同時に追体験出来る、まさに思弁的ミステリというべき一作でしょう。
    お勧めします。

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    2014年02月28日
  • 地上最後の刑事

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     SFである。
     ミステリなんだけど、正統派ハードボイルドSFというか。

     アメリカが大好きな、隕石が地球に落ちてくる世界での、ある一つの事件のお話。
     設定はごく単純でありがちかな?とも思えるのだけれど、そこから描き出させる世界は実に豊か。
     表現ってすごいね、としみじみしました。

     続編があるらしいので翻訳が楽しみだ!

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    2014年02月15日
  • モサド・ファイル イスラエル最強スパイ列伝

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    この本にも時々登場するイスラエル人ジャーナリストのロネン・バーグマンのシークレット・ウォーズがホメイニ革命以後のイランvsモサドを中心に書いているのに対し本書では特に1948年の建国から1980年代までのモサドの活躍を中心に書かれている。バーグマンもかなりイスラエルよりだと感じたが、本書は完全にイスラエルの立場で書かれており、暗殺や国外での誘拐など他国の主権を無視する行為も肯定的に書かれている。イスラエルでベストセラーになった理由がよくわかるがちょっと一方的すぎる。モサドの失敗談も書かれているがバーグマンの方が辛辣だ。

    全21章にはナチスのアイヒマン誘拐と処刑、ミグ21の略奪、黒い9月のミュンヘンオリンピック事件、スターリンを批判したフルシチョフ演説の入手などがあり、シリアのクーデーターでバース党が実権を握った際に革命議会に食い込み次期閣僚候補になったエリ・コーヘン、エジプトのナセル大統領の義理の息子となり、サダトの情報担当大統領秘書官になったアシュラフ・マルワン(イスラエルに偽情報を流した二重スパイとの説もあるが、モサドはイスラエルのスパイであったことを認め、エジプトのムバラク大統領は公式には否定した)が取り上げられている。

    直近ではモサドの27名からなるチームがドバイのホテルでハマスの指導者にして武器密輸の要アルマブフーフを暗殺する工作の様子が空港、ホテルのカメラに収められている。現実のミッション・インポッシブルはきれいごととは縁遠い。

    中東和平交渉が再開し始めているがどうなることやら。イスラエルはアラブから信用できる相手に見えるのか?アラファト議長暗殺についてもイスラエルのペレス大統領が関与を認めている。

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    2013年08月01日
  • モサド・ファイル イスラエル最強スパイ列伝

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    イスラエルのインテリジェンス機関「モサド」の活動(の一部)を記録した1冊。「このような機関が存在しなければ、地球上の国々の均衡が一部の既得権益者の望むようには保てない」ということがよくわかる。社会システムは随分と複雑化したけれど、人間の根本的な部分は人類誕生より進化していない。

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    2013年05月25日
  • モサド・ファイル イスラエル最強スパイ列伝

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    最強の諜報機関であるイスラエルのモサドの様々な諜報・スパイ活動がこれでもかと紹介されている。

    イラクの核開発を阻止するための科学者の暗殺、ブラジルからナチス残党を拉致する話、エジプトの大統領の義理の息子をスパイにする話、PFLPのテロ組織壊滅のための攻撃、シリアに住むユダヤ系女性のイスラエル脱出作戦、ミグ21の機体を欲しいとイラクの空軍少佐をそそのかしたりと兎に角これでもかとばかりにモサドの合法・非合法を問わず、また成功・失敗を問わずに活動内容が次々と紹介されている。

    知られざる中東の歴史の背景にある様々な国の思惑、特にイスラエルから見た中東の近隣諸国との関係の裏面史には目を見張るものがある。

    とは言え一番の驚きはそうしたモサドの勇士達の活動が実名または写真付きで紹介されていることだ。幾ら既に過去の話としてもこうした諜報活動は最後まで世に出ないことが普通とされているにも関わらず、こうして大量の資料をベースに実名で活動に携わった人間が本書を通じて表舞台にでると云う事が信じがたい話だ。

    著者はイスラエルのジャーナリストでありスパイ小説作家でもあるわけだが、飽くまでもモサドの活動内容を直接知り得る立場にもないはず。つまりイスラエルの文書公開がベースになっているとしか考えられないのだが、もしそうhした活動内容も含めて公文書が公開されているとすればイスラエル恐るべしだ。

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    2013年02月01日
  • 秘録イスラエル特殊部隊 中東戦記1948-2014

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    ネタバレ

    秘録イスラエル特殊部隊──中東戦記1948-2014

    題名と内容がちょっと異なる気がします。
    内容はイスラエルの建国から中東紛争を経てテロとの戦いを年代順にまとめ、最後に当事者のコメントを追加したものです。
    当然、イスラエル寄りのバイアスが非常にかかった内容ですが、中東紛争の全体を知るという意味で読む価値はあると思います。
    また、周りを敵に囲まれながら国家の存続を賭けて時には先制攻撃も辞さない決断力には感服です。
    文章的には、作戦の全体を描写する中に個々人のエピソードが挿入される形式になっていますが、それがあまりマッチしておらず、どちらかにした方がよかったのかなと思えます。
    はてさて、日本は・・・

    竹蔵

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    2026年09月02日
  • 赤く染まる木々

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    ミステリーとしては全然面白くない(トリック明かしがないから)が、ミステリーでなければグイグイ読み進められないと思う。
    この著者は、話をデカくしすぎる(その結果、地に足がついておらず興醒め)ように思う。
    『ジェイムズ』に続けて読んだが、今後読むかはわからない。

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    2026年08月31日
  • 赤く染まる木々

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    ネタバレ

    まるで血の臭いまで漂ってくるような一冊。舞台は2019年のアメリカ・ミシシッピ州マネー。物語自体はフィクションだけど、やがて1955年に実際に起きた エメット・ティル殺害事件 へと結びついていく。単なる警察ミステリーにとどまらず、アメリカ南部で長く続いてきた白人による黒人へのリンチの歴史や、今もなお残る人種差別の問題を浮かび上がらせる作品だった。本書を読むまでエメット・ティルを知らなかった。

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    2026年02月24日
  • モサド・ファイル2 イスラエル最強の女スパイたち

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    モサドの女性比率が思ったより高い。
    過去からの事例が、緊迫した工作員の活動の様子を明らかにする。
    イランの核開発阻止にこれほどモサドの工作が関わっていたとは驚きである。

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    2024年12月23日
  • モサド・ファイル2 イスラエル最強の女スパイたち

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    これらすべて事実なのか
    地図で場所を追いながら読んだが、個人能力と組織力のベストマッチが実現されているようだ
    宗教のもつ力、恐ろしさに慄く

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    2024年05月09日
  • 静寂の荒野【ウィルダネス】

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    テーマは素晴らしいと感じたので読んだ。
    テーマや世界の設定の割には、どうしてこうなったかを、もっと科学的根拠を基にしながら、言及されていれば、もっと凄みが増しただろうに、と思う。
    しかし、作者が描こうとしたテーマは、そこには無いみたいだ。
    紹介文が言っているテーマは、作者のテーマと違うのではないようだ。結局、紹介文はプロモーションのひとつだったのだ。たぶん。
    私は、それに釣られたのだ。作品の中の登場人物たちのように。

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    2023年09月22日
  • 燃える川

    nao

    購入済み

    自然の描写が素晴らしかった
    カヌー用語とか知らなくても一緒に行動しているような感じで読めたし
    山火事って恐ろしいと芯から思わされましたし
    なので、最後の展開がとっても残念
    まぁ、そういう事も起こり得るでしょうけれど、ここまで来てそれはないだろ、と何だかすごくガッカリしました

    #切ない

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    2023年07月10日
  • 地上最後の刑事

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    設定が面白い。
    フィクションなのに、読み進める折々で、「もうすぐ地球が滅亡する」ことの恐怖にゾッとしてしまう。自分がこの立場になったら、どう行動するだろう。

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    2023年04月22日
  • カウントダウン・シティ

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    「地上最後の刑事」シリーズ三部作の第二作目。終末世界を舞台とした地味な警察小説という秀逸な設定は前作でその役目を終えてしまったが、今作は小惑星<マイア>の衝突がより一層間近に迫り、社会秩序が加速度的に崩壊していく中、主人公・パレスが人探しに奔走する特殊設定ハードボイルド探偵小説に様変わりしている。肝心な事の真相はミステリーとして些か精彩を欠くが、学生自治会や移民問題は作品世界の重層化に一役も二役も買っており、パレスの妹・ニコがのめり込む陰謀論の真偽も含め、最終作への繋ぎとしては上々といったところだろうか。

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    2022年07月29日
  • 世紀の大博打 仮想通貨に賭けた怪人たち

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    映画『ソーシャルネットワーク』の後日譚としてビットコインの創世記を描いた本。テッキーな人を中心に広まり、マネー・ロンダリングなどへの悪用が当局に指摘されていた当時の状況が描かれており、ビットコイン初期の動向が描かれていた。マーク・ザッカーバーグと対立したウィンクルボス兄弟の葛藤や世間からの風当たりを描写されており、物語としても読み応えがあった。

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    2022年05月12日
  • 燃える川

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    ずいぶんと高評価だったアメリカ大自然川下り物語。期待値が高かっただけに、ちょっと厳しいな。
    ピケットシリーズなど、このジャンルでは活きの良い名作がたくさんあり、さらに新作も書かれている。そこに分け入るためには、シンプルなストーリーとアウトドア好きの大学生コンビだけでは難しいな。3.2

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    2022年03月19日
  • モサド・ファイル イスラエル最強スパイ列伝

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    ナチによるホロコーストの指揮を執ったというアドルフアイヒマンの補足劇を読みたくてこの本を手に取った。ほかのいくつかの章も興味深かったが、半分まで読んだところで疲れて中断した。

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    2021年10月14日
  • 世界の終わりの七日間

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    主人公・パレスの旅が終わった。お疲れ様でした✨ 主人公・パレス、いろんな意味で『強い』な。タフ‼️
    今作で最終作。10月3日に読み終えたことに奇跡を感じる☺️
    ホラー小説かと間違えるくらいに不気味に怖かった。でも、最後は悲しくもロマンチックだった。
    三部作。良く読みました

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    2021年10月03日
  • カウントダウン・シティ

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    元刑事パレスの物語、第2部。 今回については、スケールがデカいのか、小さいのか良くわからないが、舞台設定が好きな小説。次回作でラストの3部。楽しみだなぁ。90分位の映画にならないかな(笑)

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    2021年09月09日