芥見下々のレビュー一覧
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この巻は、それまでの流れをそのまま引き継ぐというより、「戦いの質が完全に変わる瞬間」を見せる巻だった。
舞台は東京第2結界に移り、秤とパンダが高得点プレイヤーである鹿紫雲を狙って動き出す。ただし、結界に入った瞬間に分断され、ここからは完全に個人戦になる。 この時点で、もう「連携して戦う」という余裕はなくなっていて、それぞれが自分の判断で生き残るしかない状況に変わっている。
まず印象に残るのはパンダの戦い。相手は鹿紫雲で、これがとにかく異常に強い。これまでの強敵と違って、“勝負になるかどうか”の段階ですらない。パンダは一方的に追い詰められていく。この展開はかなりシンプルで、「死滅回游の上位層は別格」ということをはっきり見せる役割になっている。
一方で秤の方は、シャルルというプレイヤーと対峙する。ここはパンダ側と対照的で、いきなり圧倒的な暴力ではなく、「能力の読み合い」になる。シャルルの術式は未来を少し先まで読むようなもので、単純な力押しが通用しない。この戦いで分かるのは、死滅回游がただの殺し合いではなく、能力とルールをどう使うかの戦いになっているという点。
そしてこの巻の一番のポイントは、秤の領域展開。
正直かなり特殊で、いわゆる「当たれば勝ち」みたいなものではない。確率や状態によって有利が続くタイプで、戦いが“ギャンブル”に変わる。ここで秤の戦い方がはっきりする。力で押すタイプではなく、流れを引き寄せて勝つタイプ。
読んでいて感じるのは、「同じ戦いでもここまで形が違うのか」ということだった。パンダ側は絶望的な差を見せる戦い、秤側はルールを利用する戦い。
同じ死滅回游でも、戦いの種類が全然違う。
第21巻の本質は、物語が進んだことよりも、死滅回游という舞台の“上のレベル”が見えたことにある。
ここからは、ただ強いだけでは足りない。どう戦うか、その選び方自体が問われる段階に入ったと感じる巻だった。 -
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19巻までで「人間同士の重さ」に踏み込んできた流れだったけど、この20巻は一気に空気が変わる。結論から言うと、ここは完全に“乙骨の巻”で、これまでの主人公視点とは別の強さと戦い方を見せつけてくる。
まず前半は、伏黒とレジィの戦いの決着。ここはかなりギリギリで、伏黒が勝ちはするんだけど、余裕は一切ない。むしろ「ここまでやらないと勝てないのか」という消耗戦で、死滅回游の厳しさを改めて感じる場面になっている 
ただ、この巻の本質はそこじゃない。舞台が仙台結界に移ってから、一気に雰囲気が変わる。
ここで中心になるのが乙骨。虎杖が一切出てこないくらい、完全に主役が入れ替わる そして戦う相手もかなり異質で、石流・烏鷺・特級呪霊が入り乱れる“四つ巴”。単純な1対1じゃなくて、「誰がどのタイミングで動くか」で勝敗が変わる、かなり読み合いの強い戦いになる。
その中での乙骨がとにかく異常。強いというより、バランスが壊れている強さをしている。
・回復できる
・呪力量が桁違い
・リカを完全に使える
・複数の敵を同時に相手できる
これまで「五条が別格」という話だったけど、この巻を読むと、「乙骨もまた別の意味でおかしい側の人間だな」とはっきり分かる。実際、四つ巴の状況を一人で崩しにいく展開になる 
印象的なのは、乙骨の戦い方が“冷静”なところ。虎杖みたいに感情でぶつかる感じではなくて、状況を整理しながら最適解を選び続けている。だからこそ、強さに説得力がある。
読んでいて感じるのは、「強さの種類が違う」ということだった。虎杖は背負って戦う強さ、乙骨は制御して勝つ強さ。この巻は、その違いをはっきり見せてくる。
20巻はストーリーが大きく進むというより、“トップクラスの戦いってこういうもの”を見せる巻だった。
ここで乙骨の立ち位置が完全に確定するし、死滅回游のレベル感も一段上がる。読後の印象としては、「ここから先、普通の強さじゃもう通用しないな」と感じる、そんな巻だった。 -
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渋谷事変が終わったあとの重たい空気を引きずりながら始まるこの巻は、物語が次の段階に進む準備を整えつつ、その裏で一つの「区切り」を容赦なく描き切った印象が強い。乙骨が虎杖の側につくことで、一度は敵対していた関係がひっくり返り、ようやく味方としての軸が見えてくる。ただ、それで安心できるわけではなく、伏黒の姉を救うために死滅回游へ向かう流れが決まり、舞台はさらに危険な方向へと進んでいく。ここまではまだ「次の戦いへの助走」という感覚がある。
ただ、この巻の空気を決定づけているのは、やはり真希のパートだと思う。禪院家に戻った彼女が直面する現実は、これまで積み重なってきた歪みの集大成のようなもので、そこで起きる出来事は単なるきっかけというより、長年の抑圧が一気に噴き出した結果に近い。そこからの真希は、これまでの延長線上にいる存在ではなくなっていて、強くなったというより「別の存在になった」という感覚の方がしっくりくる。
禪院家の人間たちを次々と倒していく流れも、読んでいてスカッとするというよりは、むしろ静かで重たい。復讐という言葉だけでは収まらないし、正義とも言い切れない。ただ、ここまでの扱いを見てきた側としては、避けられなかった結末にも思える。この一連の出来事で、禪院家という存在自体がほぼ崩壊し、物語の中で一つの大きな構造が完全に壊れる。
読後に残るのは爽快感ではなく、「もう元には戻らない」というはっきりした断絶の感覚だった。これまでの価値観や組織が一度リセットされて、ここからは新しいルールの中で戦っていくしかない。その意味でこの17巻は、次の戦いの始まりを示す巻であると同時に、過去をきれいに終わらせるための巻でもあったと思う。 -
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この巻は、渋谷事変の「後始末」と「次の地獄の準備」が同時に進む巻。読後の印象はかなり重い。
まず一番大きいのは、夏油(の体を使っている黒幕)が本格的に動き出すこと。真人を取り込んだあと、自分の計画を語り始める。ここで出てくるのが「死滅回游」という新しいゲームのような仕組みで、一般人を巻き込んだ殺し合いを全国規模で始める準備が整う。 
つまり、この巻でハッキリするのは、「渋谷は終わりじゃなくて、ただの始まりだった」ということ。
一方で、キャラ側の状況もかなり厳しい。虎杖は大量殺人の件で完全に背負い込んだまま、表には戻れず、脹相と行動して呪霊を狩り続ける。ここはヒーローというより、罰を受けている人間に近い状態。 
さらに追い打ちで、呪術界そのものも崩れ始める。
・五条は封印されたまま
・上層部は混乱
・規律もほぼ機能していない
その中で出てくるのが乙骨。ここも重要で、乙骨が虎杖の“処刑役”として動き出す。つまり味方だったはずの側から命を狙われる構図になる。
全体として、この巻は派手なバトルよりも、世界が一気に壊れていく感覚が強い。
読んでいて感じるのは、もう「学校で任務やってた頃の呪術廻戦」には戻らないということ。
・ルールは崩壊
・安全圏もない
・一般人も巻き込まれる
ここからは完全にサバイバルになる。第16巻は、戦いの盛り上がりというより、物語のスケールが一段跳ね上がる転換点。
ここで提示された「死滅回游」が、この先の話の軸になる。つまり、この巻は“静かだけど一番重要な仕込みの巻”。 -
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この巻は、ただの戦いの続きではない。「一気に状況が悪くなる中で、それでも戦うしかない現実」を描いた巻だった。
物語は渋谷事変の真っ最中。虎杖と伏黒はそれぞれ別の場所で戦いながら動いていくが、全体としてはずっと“後手”の状態が続く。敵は準備を終えていて、こちらは起きた問題に対応するしかない。この構図がずっと続くのが、この巻の特徴。
特に大きいのは、伏黒のまわりで起きる出来事だ。オガミ婆の術によって、伏黒甚爾が一時的に復活する。そしてこの甚爾が圧倒的で、呪術のルールを無視した強さを見せる。ここで改めて、「呪術がすべてではない」という現実が突きつけられる。 
一方で虎杖は、九相図の長男・脹相と戦う。ここも単なるバトルではなく、途中から「何かがおかしい」という違和感が入り込む。脹相の中に、虎杖との“記憶”のようなものが流れ込み、戦いの意味が揺らぐ。この違和感はこの巻では完全には説明されないが、明らかに後につながる伏線になっている。
また、全体としてかなり重要なのは、「味方がどんどん削られていく感覚」だ。
・味方はバラバラ
・連携が取れない
・状況も把握しきれない
この状態で戦い続けるしかない。つまりこの巻は、「強い敵が出てきた」というより、状況そのものが詰んでいく怖さがある。
読んでいて感じるのは、安心できる場面がほとんどないことだ。誰かが助けに来る展開ではなく、それぞれがギリギリで耐えているだけ。この空気がずっと続く。
第12巻の本質は、戦いの盛り上がりではない。
戦力も情報も足りないまま、それでも前に進むしかない状況を描いた点にある。
ここから先は、「勝てるかどうか」ではなく、「どこまで崩れるか」のフェーズに入っていく。そんな転換点の巻だった。 -
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この巻は、これまでの続きではない。「最強がいなくなることで、世界のバランスが一気に崩れる巻」だった。
物語は渋谷事変のど真ん中。地下のホームに一般人が閉じ込められ、その中で五条が戦う。敵は漏瑚・真人・脹相といった強敵が同時に仕掛けてくるうえに、周りには守るべき一般人が大量にいる。この時点で、五条は全力を出せない状態に置かれている。 
それでも五条は圧倒的で、0.2秒だけ領域展開を使い、一般人に影響を出さずに敵を無力化する。ここまでは「やっぱり最強」という展開。ただ、この巻はそこで終わらない。
敵の本当の狙いは「倒すこと」ではなく、「封印すること」。そしてその決定打が、夏油の姿をした存在だった。
死んだはずの夏油が現れたことで、五条の中で過去の記憶が一気に蘇る。その一瞬の隙を突かれて、五条は獄門疆に封印される。 
ここがこの巻の一番重要なポイントで、
・最強でも負ける
・しかも力ではなく“心”を突かれて負ける
という形になっている。
つまりこの巻で起きたのは、「五条がやられた」ではなく、「五条がいない世界に変わった」ということ。
後半は、その影響がすぐに出始める。虎杖たちは現場に向かうが、もう状況は完全に手遅れに近い。敵は準備を終えていて、こちらは後手に回るしかない。
読んでいて感じるのは、「ここからは別の作品みたいになる」という感覚。それまでの“強い味方がいる安心感”が一気になくなる。
第11巻の本質は、バトルの迫力ではない。物語の前提そのものを壊した点にある。
最強が消えたことで、ここから先は「誰も助けてくれない世界」に変わる。そのスタートがこの巻だった。 -
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この巻は、単なるバトルの続きではない。「呪いの正体が人間に近づいていく巻」だった。
物語は交流会の後から始まり、呪霊側の目的がはっきりする。高専に侵入した本当の狙いは、宿儺の指と「呪胎九相図」を奪うことだった。そしてその九相図から、新たな敵が生まれる流れに入っていく。 
ここで重要なのは、敵の性質が変わることだ。これまでの呪霊は「人間から生まれた存在」ではあるが、見た目も行動も完全に怪物だった。一方で九相図から生まれる存在は、人間にかなり近い。つまりこの巻から、「敵=倒して終わり」という単純な構図がさらに崩れていく。
実際の戦いも象徴的で、虎杖と釘崎が兄弟呪霊と戦う場面では、ただ強い相手を倒す話にはなっていない。相手は意思を持ち、関係性を持ち、感情すらある存在として描かれる。ここで虎杖は、「人に近いものを殺す」という現実に踏み込んでいく。
一方で伏黒の戦いも重要だ。彼はこれまで「誰かを守るため」に戦っていたが、この巻では自分の限界を越えるために踏み込む。ここで初めて、「善悪」ではなく「自分の選択」で戦う方向に進む。この変化はかなり大きい。
また、全体として軽い日常(野球など)と、重い戦いが混ざっているのも特徴的だ。ただ、この日常は前の巻までのような安心感はない。すでに裏では呪霊側が計画を進めており、「何も起きていない時間」がただの準備期間になっている。
読んでいて感じるのは、世界が一段深くなったということだ。敵は強くなったというより、「理解しづらくなった」。人に近づいたことで、単純に憎めない構造になっている。
第7巻の本質は、戦いの激しさではなく、呪いと人間の境界を曖昧にした点にある。ここから先は、ただ勝つだけでは済まない戦いに変わっていく。その入口にあたる巻だった。 -
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この巻は、それまでの重い流れから一転して、「呪術師同士が本気でぶつかる世界」を見せてくる巻だった。
舞台は京都姉妹校交流会。表向きは実力を競うイベントだが、裏では虎杖の暗殺指令が出ているという、かなり歪んだ状況で戦いが始まる。つまりこの巻は、「仲間のはずの呪術師同士が、普通に殺しにくる」という異常な前提の上に成り立っている。 
その中で一番印象に残るのは、やはり東堂と虎杖の戦いだと思う。ただの殴り合いではなく、戦いながら相手の“本質”を見抜いていく。東堂は敵でありながら、虎杖の考え方を理解した瞬間に一気に距離を詰めてくる。この関係の変化はかなり独特で、「戦い=敵対」ではない世界観がはっきり見える。
一方で、虎杖はこの戦いを通して明確に成長する。それまでは身体能力に頼った戦い方だったが、呪力の使い方や戦い方の質が変わり始める。東堂とのやり取りは、単なるバトルではなく“戦い方を教わる場面”として機能している。 
また、この巻の特徴は戦いの多さだけではない。伏黒、釘崎、真希など、それぞれの戦いを通して価値観や立場の違いがしっかり描かれる。誰もが自分なりの正しさを持って戦っているが、それが必ずしも一致しない。ここに、この作品特有のやりづらさがある。
読んでいて感じるのは、「安心できる戦いが一つもない」ということだ。敵が呪霊ではなく人間になることで、単純な勧善懲悪が成立しない。しかも裏では暗殺という命令が動いている。つまりこの巻は、バトルが増えたというより、「世界のルールがより冷酷になった」と感じる巻だった。
第5巻の価値は、戦闘の迫力だけではない。呪術師同士ですら信頼できない世界と、その中で虎杖がどう立つのかを示した点にある。ここから物語はさらに厳しい方向に進んでいく、明確な転換の一冊だった。 -
Posted by ブクログ
この巻は、単なる戦闘の決着ではない。「助けられるはずだった人間を、結局助けられない」という現実を突きつける巻だ。
物語は、虎杖と順平の関係の結末から始まる。順平は真人に利用され、虎杖と対立するが、最終的には虎杖の言葉によって救われかける。しかしその直後、真人によって肉体ごと歪められ、取り返しのつかない形で殺される。この流れは非常に明確で、「あと一歩で救えた」という状態から一気に奪われる構造になっている。 
ここで描かれているのは、虎杖の敗北ではない。むしろ、「優しさではどうにもならない現実」の提示だ。虎杖は順平を理解し、寄り添い、救おうとした。しかしそれでも届かない。つまりこの巻では、「正しい行動をすれば救える」という前提が崩れる。
この出来事によって、虎杖の怒りの質が変わる。それまでの戦いは敵を倒すためのものだったが、この巻以降は「理不尽に対する怒り」になる。真人との戦いも単なるバトルではなく、人間の尊厳を踏みにじる存在への対抗という意味を持つ。七海との共闘も含めて、戦闘の意味が一段深くなる。
また、この巻の終盤では京都姉妹校交流会が始まる。ここだけを見ると新しい章の導入に見えるが、直前の順平の死と対比すると、空気の軽さがむしろ不自然に感じられる。この構成は意図的で、「日常に戻れない状態」に虎杖が置かれていることを示している。
読後に残るのは、はっきりした後味の悪さだ。敵は倒せるが、人は救えない。このズレがこの作品の核にあると理解させられる。
この巻の本質は、バトルの盛り上がりではなく、“救済が成立しない世界”を明確に提示した点にある。ここで作品の前提が一段厳しくなり、以降の物語の読み方そのものが変わる転換点になっている。 -
Posted by ブクログ
展開が早すぎるような気もする。
ちょいちょい前作キャラが出てくるのは嬉しいけど、無理に絡めるより今出てきているキャラにもっと焦点を合わせて欲しいかな。
力の差があるのかもだけど、なんで地球人側がシムリアに対して、そこまでへりくだってんのかが今ひとつ理解できない…戦うばかりではダメなのもわかるけどさ、他所の星に来て、自分たちが崇拝する生き物(?)殺して許さん!とか言われても知らんがな!ってなるだろ。それこそ真剣じゃないけど、出てって!ってなるわな〜(^◇^;)その挙げ句憂花を決闘に出すなんて〜〜っなんで向こうの言い分ばっかり聞かなきゃなんないんだーーっっ!
読後、私ってば結構話にのめり込んでるんじゃん?ってなった(笑) -
購入済み
呪術廻戦はアニメも漫画も読んでないけど、絵が良くて購入。本編?の呪術廻戦の登場人物のことは何一つわからないけどこれ単体でも楽しめそうです。
黒髪の男性主人公が良き。