小幡績のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
そもそも一番最初にリスクを取って証券化するという行為は、
その後の参入者が商品を次々と購入していくことを考えるとリスクではなくなる。
という部分は驚き。
流動性リスクってのは危機が起きるとその重要さが認識されますね。
住宅バブルも儲かるとわかって起こるべくして起こったといえる。そうだ。
確かに世の中は最初に仕掛けたものは儲かる仕組みになっておりますね。
ただ、今回は証券化という商品によって仕掛けた者も、稼ぎを得る過程で仕掛けられた商品を購入していたのですね。当然わかっていたと思いますが。
LTCMが大きくなりすぎたがゆえ、
投資対象の拡大を図り、結局はまともな投資機会が減っていった。と -
Posted by ブクログ
キャッチーなタイトルだが、意外と学術的。
現代資本主義が内包するバブル発生のメカニズムを、事例をもちいて解説している。
著者は資本主義の本質とは「ねずみ講」であり、癌のように無限に増殖する「キャンサーキャピタリズム」であると名付けている。
1〜3章のバブル発生のメカニズムは非常にわかりやすく解説されていて、かなり納得できた。4〜6章の具体的な事例の部分は本書の論旨を裏付けるために必要なのは間違いないが、描写がクドくて、個人投資家としても活躍する著者の「俺ってこんなに事情通なんだぜ」というひけらかしなんじゃないかと思ってしまうのは、俺がひねくれているだけか。
なお、著者は自分自身個人投資家であ -
Posted by ブクログ
すなわち、すなわち。
であれば、であれば。
助詞の「の」。が連続5個。非常に読みにくい。
MMTは眉唾と断言するも、根拠を示さない。
自分の主張したいことは、「最優先される」「最重要である」などと書くが、根拠が不明。
現在の株価異常高騰がバブルであり、一つ前のバブル崩壊後"精算後回し的な金融緩和政策"によって、余った金が株式市場に流れているだけと言うのはとてもわかり易い。
原油の価格や牛丼の価格の決まり方は面白かったが、牛丼の価格は企業戦略の一つで、はじめに一杯500円としていたらそもそも”牛丼の吉野家”なんて概念自体が今無いかもしれないな。とは思った。
ゼロリスクに対す -
Posted by ブクログ
バブルとアフターバブルの繰り返しが経済の本質。
バブルとは、外部の力で膨らませたもの。
流動化、外部、フロンティア、の3つが資本主義の発展に必要なもの。
コロナは、一時的なものだが、財政出動した分はのちのちバブルになる。
イラクの国家予算は1バレル80ドルで組まれている。ロシアは40ドル以下では財政破綻になる。シェールオイル業者は40ドルを割ると採算割れ、70ドルを超えると参入が増える。
ダイヤモンドとゴールドは、旧ソ連、南アフリカで産出される。南アフリカのデビアス社が流通の9割を押さえて、価格を維持している。
世界的には、金の埋蔵量は多く、希少性は少ない。希少なものは持てないのでバブルにな -
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やたら断定口調である割には論理的な説明がほとんどなく、まったく説得力のない文章である。例えば特区についてその定義を明確にしないので、読者と認識がずれたまま議論が進んでいく。必ずしも特区=東京優遇ではないはずだ。また円安は輸出メーカーに値下げして増産する誘因を与えるから、明らかにプラスに作用する。著者は完成品以外のメーカーの経営事情をご存じない。材料・部品こそが日本の強みなのに。これ以外にも事実誤認、根拠を明示しない断定など数多く、勢いだけの机上の空論の印象が拭えない。
ただ著者の思想に通底する「箱より人」の発想は素晴らしい。大企業の設備投資を助成するくらいなら、教育に投資すべきというのは正 -
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リフレがヤバいことは感覚的に理解できる。アベノミクスも持続的な成長路線に乗せられなかったし、日銀のインフレ目標も事実上棚上げだ。インフレ状態にする唯一現実的なシナリオが円安とのことだが、為替相場は金融市場と米国の意向で決まるので実質的に日銀が操作できないこと、これ以外に人為的にインフレを起こすにはヘリコプターマネー以外に手段がないこと、仮にそれらの結果としてインフレになったとしても国民にとって何の利益もないことは良くわかった。マクロとミクロのバランスが取れていて非常に説得力がある。
ただいくつか理解できない点がある。
まず国債の暴落は円安が起点になるとのことだが、リフレで継続的に円安に誘導する -
Posted by ブクログ
まあ、こういう経済系の本はとんと読まないのですけれども、最近こういった分野に興味が出始めた自分を自覚し、読んでみたわけなんですけれども…まあ、これは著者の主張・言い分ですよね、ということを了解して読んだ方がいいかと存じます…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
もっと有用な政策が他にあるのかもしれませんしね…ただまあ、安倍ちゃんが今やっている政策は即止めるべし! みたいな主張には僕も賛同の意を示すというか…どうしてもこういう主張系の本を読んでいますと著者が正しいように感じてしまいますね…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
それと安倍ちゃんってアレですかね、経済の知識とかないんかなー? -
Posted by ブクログ
全体的には面白く読んだ。特に第8章の「円安戦略はもう古い」で「真のグローバル日本企業になるためには、思考はドルでなさなければなりません。円で考えていると、単なる地元にこだわった、井の中の蛙になってしまうのです」という指摘はもっともだと思う。円安は株高につながって、株価の時価総額は上がっているが、さらに円安が進めば、企業価値や資産価値は目減りしていく。
面白かったのは「タコ紐理論」。インフレは凧と同じで高く揚がった時(インフレが進んだ時)は紐を引いて制御できるが、風がなければ、凧は揚がらない。つまりインフレは起きない。金融緩和で起きるのは輸入インフレだけだそうだ。
それではデフレ脱却に -
Posted by ブクログ
GPIFを巡る昨今の議論は過熱している
公的年金であり、130兆円という資産規模を誇る世界最大の運用機関であるGPIF
この本を読まざるともそのGPIFを巡る問題点は明らかだ
即ち、恣意的な政治介入を断固避けるべきだということ
そもそも株価(=企業価値)は企業の本源的価値そのものであり、バリュエーションの方法による差異はともかく、外的な資金流入の影響で左右されるものではない
行動ファイナンスを取り上げるまでもなく、現代の投資理論がモメンタム重視であり、既知情報の蓄積がイコール株価であるとまでは言わないが、アベノミクス(=政治)の通信簿を良くするために株価操縦は行われてはならない
ましてや所轄官