小幡績のレビュー一覧
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資本主義とは「ねずみ講」である、
という身も蓋もない話
(そして、それは本質かもしれない)
が述べられる。
バブルの発生と崩壊について、
後付けではあるものの、
時系列で説明される4〜6章が面白い。
今(2011年8月)の株安、円高の状態も、
同じように、投資家心理からの説明を
考えてみたい。
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(目次)
第1章 証券化の本質
第2章 リスクテイクバブルとは何か
第3章 リスクテイクバブルのメカニズム
第4章 バブルの実態―上海発世界同時株安
第5章 バブル崩壊1―サブプライムショック
第6章 バブル崩壊2―世界同時暴落スパイラル
第7章 バブルの本質
第8章 キャンサーキャピタリズムの発現―二一世紀型バブルの恐怖 -
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ネタバレ現時点で年金の運用構造とその課題を理解するために格好の書物である。
利回りについて割かれた分量は多いが、その分丁寧な説明で分かりやすい。
➡6章、8章は読むべきポイントが多い。
そして、話はガバナンスの話へと向かう。
著者自身がガバナンスを専門としており、ガバナンスの入門書としても通用する分かりやすい説明であった。
➡9章、12章が良い。
それ以外のポートフォリオの提言などは、アイディアの一つとしてはありかもしれないが、中身としては深まっていないように感じた。
外部からメディアなどが具体的ポートフォリオに口出しすべきでないと書きながら提言している形になっており、むしろポートフォリオの提言は書かず、途中までの年金運用とGPIFのガバナンスについての紹介書で良かったのではないかと感じた。
全体としては、類書が少ないなかで、GPIFだけでなく年金運用、さらにはガバナンスについて分かりやすく触れた良書であった。 -
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以前地方公務員の年金運用の仕事をしていたことがあり、年金運用のあり方についてはいろいろ思うところがあったので、GPIF改革について書かれたこの本には早速飛びつきました。
運用のプロというのは世の中に大勢いますが、プロでも通常の運用している額は数百億円程度で、兆円単位の金額を運用している人というのは、少なくとも日本にはあまりいません。そのことから、年金運用の改革については、専門家でもどうも実務的にちょっと的外れのように思われる意見を言う人が多いように思っていたのですが、この本の筆者は、数年にわたってGPIFのあり方検討会の委員や運用委員を務めておられたというだけあって、さすがによく研究されており、説得力のある意見を述べられているなと思わされ、とても勉強になりました。
最終章の運用の改革案については、非常におもしろい提案ではあるものの、やはりちょっと実務的には無理があるのではないかと思われましたが、今政府が検討しているという「もっと日本株を買わせる」という方向性よりは、よほどこちらの方が良いというのには同感です。
一般の人にもわかるようやさしい言葉で書こうと非常に努力をされていることはよくわかったのですが、それでもこの本は運用の経験の全くない人には、やはりかなりわかりにくい内容ではないでしょうか。資金運用の専門家の人にこそ、しっかりと読んでもらいたい本です。 -
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アベノミクスだ何だと言われてもてはやされている、現・安倍政権のリフレ政策に対して警鐘を鳴らしている本。リフレによる円安の進行が、結果的に国債の暴落を招き、日本経済が再起不能に陥るといったシナリオについて解説している。
まあ、安倍さんの言う3本の矢というのは分からないでもないが、自分はその3本の中では成長戦略というものが一番重要と思っているのだけど、残念ながらそれを具現化する方策がきちんと立てられているようには見えず、結局円安誘導で無理矢理数字をこねくり回して何となく景気が浮揚しているように見せているだけなのではないかというように見えてしまっている。その意味で、小幡さんのいうような展開になってしまう可能性は決してゼロではないし、よしんばしばらくの間景気がよくなったとしても、結局それが将来の成長の先食いでしかないのであれば、後の世代にとんでもないツケを残すことになりかねない。今先行して進めている2本の矢が有効なうちに、最後の1本を真剣に実現していく必要があるだろう。
本で書かれているシナリオについてはよく出来ていると思う。が、最後の最後で感情論に陥ってしまっているのが残念。結局のところ、リフレ憎しで叩いているだけになってしまっている。前の展開がよかっただけに、余計に残念。 -
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今経済論壇が活発だし、まぁ売れてるみたいだし、この版元のこのレーベルは「電子書籍の衝撃」で印象もよかったので読んでみた。
論旨は明確で読みやすい。センセーショナルなタイトルの割にはちゃんと建設的。この辺がディスカバーさんのバランス感覚かね。全体としてリフレ派への評価を「~だと思います」としていて、論証責任を放棄しているのは誠実ではないと思う。こういう感情っぽさを入れた方が受けるのかな。
たぶん産業戦略のビジョンがリフレ派と違うんだろうなぁ。新しい価値、新しい技術革新で攻めていかないといかんという主張は割と好きなのだけど、もう一冊くらいリフレ派の本を読んでから自分の主張を決める。 -
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イェール大学名誉教授の浜田さんの本「アメリカは日本経済の復活を知っている」
に続いてこの本を読んだ。
無知な私は浜田さんの本を読んだ時点では、
日銀が金融緩和すれば、円安になり、インフレになり、製造業が復活し、日本は全体として良くなるんだな
と完全にそう思っていた。
しかし、この本を読むと、書かれている内容が真っ向から対立していて、しかもものすごく説得力があり、今頭の中の整理がつかない状況だ。
確かに円安になれば輸出は良くなるのだろう。だが、円安とは、他の通過と比べて円の価値が下がることなので、海外とのやり取りが不安になる感じは前から感じていた。
リフレがいいのか、悪いのか、もしくはなんともないのか、とても奥が深い。もっと知識を得て、理屈も、人間ならではの理論じゃどうにもならない雰囲気も様々なところから感じないと自分にはこの問題はわからないなと思った。
とにかく、互いの議論はすごく面白く、二人の討論番組でも見てみたい気分だ。この本をきっかけに、二つの対立する意見を自分で吟味し、考えていく力を身につけようと思った。 -
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先日読んだイェール大学名誉教授の浜田宏一氏の『アメリカは日本経済の復活を知っている』では、日銀の金融政策でデフレ脱却、円高解消は出来ると書かれている。国債で大きな債務を抱えているが、同時に世界一の対外純資産を持っている世界一の債権国でもあり日本国民の将来の納税力があるため円の信頼はゆるぐことは無いと言っている。
一方この本の著者は、『リフレ』つまり『インフレを起こそうとすること』はまずいと主張する。金融政策だけではインフレは起こすことはできない。インフレが発生するためには強い需要が必要だが、所得が増えない状況では需要が増えずインフレは起きないという。円安輸入コスト高でインフレは起きるが、このインフレは求めるものではない。本当に給料は増えないのか? アベノミクスは別に金融政策だけではない。給料を上げた会社は法人税の減税の対象とする政策を同時に実施しているが、ここではふれられていない。
また円安ではドル換算でその価値が下がり国債が暴落すると主張する。国債を抱える銀行が厳しくなり、貸し渋り、貸し剥がしがおこり経済が回らなくなる。一方浜田氏の本は、借金は多くても国民の対外純資産は世界一であり、将来の国民の税金の支払い能力があるため円の信頼は揺るがないと主張している。
兎に角この2つの本は互いに対立している。この手の本、素人の私は読む度にそれが正しいと思い込まされるてしまう。一体どっちが正しいのか? 浜田氏の本は名誉教授という立場のやや上から目線でかかれいて、是々の論理は証明されていて自明、どこどこの偉い人がこう言っている、というような内容になっているので今ひとつスッキリしないのに対して、この本は非常に一つ一つの内容について丁寧に説明しようとする姿勢が見えるので、本としてはこちらの方が好感が持てる。
日本国債の空売りでヘッジファンドが何故損をしたのか、みんなの党がリフレ派であること、タコ紐理論とはどういうことか等、本題からはそれるが勉強になる内容もたくさんあった。楽しめた。 -
Posted by ブクログ
問題①お金はなぜ殖えるのか②経済はどうやって成長し続けるのか
③資本主義とは何か
著者によれば、①から③まで端的に同一かつシンプルで、「ねずみ講」であるという。
②について、資本が労働とともに生産プロセスに投下され、付加価値を生み出し、それが利益となり、資本の蓄積が進み、されに資本が生産力を高め、労働機会を生み、付加価値が増加していくという正のフィードバックが形成されることになる。するとどうなるか?、資本が実体経済から乖離して金融資本主義に変質していくことになるのである。というのも、世界経済における未開の地は減少していくのに対して、資本の膨張スピードが相対的に加速しているからである。資本は利益獲得機会を別の方法に求めることになる。すなわち、これが金融資本への変化である
金融資本の自己増殖は、経済成長が永遠に続かない限り、バブル以外には維持不可能である、そしてバブルは永遠に維持することは不可能である従って、結局は最終的に崩壊することになる。金融資本の自己増殖願望が実体経済と金融資本の主従逆転現象を生むことになるのである。これをキャンサーキャピタリズム(癌化した資本主義)と著者は揶揄しているが、このシステムに変わるものは今のところ出現する気配がない。これからも何度もバブルの発生と崩壊を繰り返していくことになるだろう。