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Posted by ブクログ
金融バブルに関する解説書。バブルであったがゆえにバブルが投資家を引き付けること、バブルに乗った投資家はそれがバブルであることを十分に知っていたこと、バブルの発生が必然で何がバブルであるかは偶然であること、など金融バブルおよび著者が名づけたリスクテイクバブルについて非常に腑に落ちる解説(仮説)になっています。サブプライムローンの仕組みとその崩壊過程についても分かりやすい説明になっています。
第4章から第6章の2007年2月末から2008年3月の約1年間に渡るサブプライムバブル崩壊を時系列で追った記述は、場合によってはかなり退屈な内容になりがちな中、投資家の想定される心理を描いてスリリングなものに仕上がっています。
経済学分野の話としては、あくまで仮説という部分も多いのかと思いますが、自分も含めて個人投資も全くしていないどちらかというと疎い人にとっても、よい本かと思います。
Posted by ブクログ
金融に疎い自分にとっては初めて知ることが多くてとてもためになった。
まず経済と金融が逆転し、膨張を続ける金融資本。実体経済には限界があるために資本の希少価値も下がるが金融工学や証券化を通して金融の世界の中での価値を上げる。実体経済を離れた金融資本の自己増殖はねずみ講と同じシステムで維持され、ねずみ講と同じように破綻する。それがバブル崩壊。
そして証券化の意義について。証券化でリスクをオーダーメイドにすることで価値を作り出す。また証券化によって今まで投資対象にならなかったものが「商品化」され、これにより流動性リスクが大きく改善される。そして資産がもたらす利益などから視点がリスク・リターンを軸にするものへと変化する。
このリスクの変質が著者の造語「リスクテイクバブル」を生み出す。リスクを取ることに人が殺到してバブルとなっている状況である。バブルは貨幣の自己循環理論と同じでなぜバブルがバブルなのか説明できない。また資本と頭脳が分離された現代では投資家はどうしてもバブルを最大に活かして稼ぐ必要にかられて参入せざるを得ず、適当なところで引くこともできない現状がある。
それからこのサブプライム問題などを時間を追って解説。
そして「バブルの常識」を考えていく。まず「バブルがバブルと気づかない」。実はみんなバブルを認識して市場に参入している。ここから「バブルに投資するのは失敗で、崩壊後に後悔する」や「バブルはプロが近寄らない素人の産物」といった常識がウソであることを述べる。
最後にキャンサーキャピタリズムについて。自己増殖する資本に投資機会は食い尽くされ実体経済が金融資本に支配されるとゆう主客逆転を起こし、どちらも崩壊する。著者は癌化した資本が死滅するまでわれわれは幾度かの苦しみを味わうだろうと予測。
と今まで知らなかったことが盛りだくさんで非常に勉強になった。
Posted by ブクログ
著者は、小幡氏である。東大卒ー大蔵省ーハーバード卒 〜 で現在は慶應准教授。
基本的には、経済学者だと思うがその分野は「行動経済学」だ。今流行の分野であり、
今後最も注目を集める分野であると思う。
本書の内容は、資本主義は「ねずみ構」である。これから始まる。そして、サブプライムの
本質は、流動性リスクの構築であり、バブルは作られた。ただし、そのメカニズムの理論は
ない。そして、経済が回復するには、今以上の激痛を受けて、初めて正常化する。その
覚悟をしておくのは間違いではない。って感じ。
鋭い。そしてやっと本質が分かったって感じが最も強く残った印象である。
そして、本書のポイントは上記にも書いたが、
1.流動性リスクの軽減
2.ヘッジファンドのシステムの問題
3.ネズミ講
これは、3に関しては気づいてはいたが、うまい言い方があったな。って感じで、
なかなか良いと思う。その他の1と2は、新しい知識を得られたと思う。
流動性リスク、これは確かにそうであると思う。株に関しても同様で、上場株と
非上場の株では、どちらが基本的に価値が高くなるか。市場が整い、いつでも大体
売れる環境と、市場がなく手探りで売買相手を探さなくてはならない環境。
どちらが望ましいか。それが流動性リスクである。
一方ヘッジファンドのシステムとは、評価基準が絶対値ではなく、相対的であるという
評価システムの事。稼いでも稼いでも、周りがもっと稼いでいればそれは評価が低くなって
しまうという点。これは・・・・って思う。
しかし、何事も本質を知るのは極めて大切。今までのサブプライム問題の解説が陳腐に
思えるほど、明快に論理的に解説されているので、とてもお薦めできる。
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ビジネス・実用
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