松浦理英子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
念願の梓の飼い犬となったフサだが、梓は、肉体関係を強要する兄・彬と、兄にばかり目をかける母に悩まされる日々を送っていた。そんな中、まるで梓が書いたかのような、彬との性的関係を告白するブログを見つけてしまう。家族の呪縛を抜け出したくて、けれど抜け出せない梓と彼女を慕うフサに訪れる結末は……
ファンタジー要素はあれどなんか久々にどろどろした現代小説読んだな……って感じ。振り返ってみると設定はユニークだけど別にそこまで面白いってわけでもなかったかな……八犬伝要素も名前だけでほぼないしね。途中何で私これ読んでるんだろう……って疑問に思ってたりもしたので、☆3くらいで。彬もそうなんだけど梓の母親も読ん -
Posted by ブクログ
犬まみれ。
荒唐無稽な話なのに、ぐいぐい引き込まれてすらすら読めてしまった。まるで散歩中の犬にぐいぐいリードを引っ張られて、知ってはいたけど行ったことのなかった場所に連れて来られてしまったみたいなそんな気分。いや、自分は犬の散歩なんかしたことないですけどね。っていうか猫派なんですけどね。
犬視点で描写される世界はやはり嗅覚や聴覚、それから皮膚感覚に依存するところが大きくて、何とも生々しくて生温い。自分の近くにいる犬が、もしもこんなふうに自分達の話に聞き耳を立てて自分達を観察しているのだと考えると非常に気味が悪い。だから嫌いなんだよ、犬は。
魂と引き換えにして手に入れた生活に、不穏な「匂い」が -
Posted by ブクログ
ネタバレ私は生まれてくる「種」を間違えたのだという考えを持つ女性が主人公。
作品紹介の「あの人の犬になりたい-」という文だけ読むとご主人様は男性かと思いきや女性。
人間のように損得勘定ナシで無償の愛をそそぎ合う関係に憧れているとの事。
「犬」として梓を愛し、愛されたいと切望し、正体不明のバーのマスター朱尾と魂の取引をして本当に犬になってしまう。
しかし、梓の飼い犬となり、梓と共に暮らしていくうちに異常な家族関係を知ってしまう…。
別に露骨な表現・言葉ででネチネチ書かれているという訳でもないのに兄との行為の場面や母親からの言葉など読むのが本当に辛かった。
下巻で救いがあってほしい。