赤松利市のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
千葉にあるリゾート旅館で、総支配人夷隅登が殺された。従業員から通報があり、警察が駆けつけると、そこにいた6名の従業員全員が犯人だという。
本書は、6人の従業員らがその犯行を語ることから始まり、警察での取り調べでそれぞれの事情を詳細に語り、さらに周囲にいる関係者たちが参考人として供述、そして、受刑者となった6人の心中が語られて、幕を閉じます。
「あとがき」にあるとおり、この小説には主人公と言える人物がいません。始めから終わりまで、代わる代わる誰かが話しています。なぜこうなるに至ったのか、少しずつ事情が見えてくるのですが、赤松利市さんのことだからきっとこのままでは終わるまいと思っていたら、やっぱりね、でした。
ひとことで言うと、不快な小説。すべてが、隅々までとことん不快。なんだけど、なんだろう、この不思議な感覚。一生懸命生きているこの人たちを、私は蔑むことなんかできないし、決して笑えない。ましてや憐れむなんて失礼すぎる。受け入れる、とまでは言えないけど、ちゃんと見なくては、こういう声を聞かなくては、と思います。
「あとがき」を読むと、この本には著者の人生が凝縮されているのだとわかります。これからもこの人の書く物語を読んでいきます。
最後に、気になった点をひとつ。「物事の心理」(たぶん「真理」)とか、「青色吐息」(正しくは「青息吐息」)といった誤りが目につきました。
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Posted by ブクログ
バブル期に大いに働き大いに稼ぎ大いに遊んだ主人公。それでも家庭を持ち子を持つ。
大人になった頃には既にバブルが弾けていた私には理解不能な価値観の人物たち。
所謂グズ。グズでも本を読み働き夢を追いかける…だけれども、やっぱりグズ。
私を育ててくれた大人たちがバブル期を経験してもこんな風にならなくてよかった、ありがとうという気持ちにさえなってしまった。
筆者の体験に基づいて書かれた作品とのこと。
ある意味自然主義文学さながらの物語。
バブル期を経た人物が被災地へ流れて一攫千金を狙って再起を図るとは被災されたたくさんの方たちにとっては虫が良すぎるのだろうと感じ、やはり、震災後文学というものには安易に手を出したくないな、と思う。
それでも人生の壮絶さ、理解不能な人物の人生観の壮絶さを思い知らされる印象深い作品。