赤松利市のレビュー一覧

  • 鯖

    なかなかの胸糞な結末が待っているが、まあ因果応報感も否めないので、納得できる。終始陰鬱な感じだが、引き込まれて読み切った。魚の匂いやアンモニア臭まで感じられる本だった。
  • 下級国民A
    03月-09。3.0点。
    赤松利市本人の半生記。
    「鯖」を読んだとき「ナンじゃこりゃ」と思ってから、全て読んでいる。凄い人生を歩んでいたんだな。
    ある著作にも、同様の内容があった。モデルは著者本人だったんだなと再認識。
  • 風致の島
    02月-11。3.5点。
    東南アジアのある国で、カジノ案件が持ち上がる。
    元商社社員の主人公、利権を手に入れようと奔走。

    この作家らしい、ハチャメチャなストーリー。上手い。
    ラストの一気怒濤の攻防が面白い。
  • 下級国民A
    もともと会社経営で羽振りがよかった著者が食い扶持を失って福島へ、土方に混じって働くことになる。土方たちの単細胞ぶり、そのくせ競争心が高いのでみんなでスマホゲームに熱中する、スマホゲームやらないと怒るなど。性格的におかしいのもいて、いじめられるが耐える、家族に仕送りするためのカネが必要なので。
    最後は...続きを読む
  • 下級国民A
    変わった雰囲気の文章です。
    除染作業まですることになった現場の雰囲気、仲間となる人たちの育ちを感じさせる描写など、なかなか壮絶なことが淡々と書かれています。
  • 鯖

    前評判に戦々恐々としながら読み始めたが、まさかまさかの一風変わったお仕事小説…と思いきや、中盤以降は急転直下で狂気の世界へ。何でもありのノワール小説だが、デフォルメされたキャラクターの人物造形は人間の浅はかさや傲慢さ、空虚さを映し出す鏡のよう。長年の経験に裏付けられた漁師団の漁猟技術が最新鋭の魚群探...続きを読む
  • 藻屑蟹
    1月-6。3.0点。
    震災後の福島原発。近隣でパチンコ店長の主人公。
    幼馴染みに誘われ、原発関連の仕事を始めようとする。

    この作家らしい、転落もの。
    デビュー作だけあって、ライトな感じ。
  • 藻屑蟹
    『3.11』から6年後の福島。パチンコ店店長として、なんの希望もなく細々と暮らしていた木島は、原発の保守点検を請け負う会社で成功を収めている友人・純也に誘われ、高額な報酬を手にするが…。原発の事故で生活を奪われた人々、原発に関わるあらゆる企業、除染作業員を狂わせる何十、何百、何千、何億という金、金、...続きを読む