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一号機が爆発した。原発事故の模様をテレビで見ていた木島雄介は、これから何かが変わると確信する。だが待っていたのは何も変わらない毎日と、除染作業員、原発避難民たちが街に住み始めたことによる苛立ちだった。六年後、雄介は友人の誘いで除染作業員となることを決心。しかしそこで動く大金を目にし、いつしか雄介は……。満場一致にて受賞に至った第一回大藪春彦新人賞受賞作。
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Posted by ブクログ
第一回大藪春彦新人賞受賞作が、住所不定作家のものだったという事で興味が湧いて。
受賞作は、正確には第一節部分が該当するもので、短編だったとあとがきにあたる選評で知りました。
続く第二節から第四節(電子書籍で先行配信後加筆修正)でかなり厚みがついて読み応えのあるものになっています。
原発周辺の諸問題が詰め込まれ、そのダークな部分を詳らかにしているのでフィクションとは言え、各所から問題視されそうであります。
が、著者の現場経験が生かされていると思うと、なかなかにスリリングです。
第一節の終わり方はショッキングで確かに大藪春彦がニヤリとしそうなものです。しかしその先の物語がもっともっと面白い。主人公やその周辺の人物たちのキャラが白黒付けにくくなっていく流れはページを捲る手を止めさせません。
最後には組織の上層部がそんなに物分かりがいいの?と、正直思ったけどマキに比重をかけたのでま、納得かな。
Posted by ブクログ
これがデビュー作だなんて本当ですか!?
文章がめっちゃ上手かったです!
テーマは東日本大震災です
そのためトラウマがある人は読むのを控えた方が良いと思います
福島原発の除染作業を描いた物語でした
金と利権について大変リアルに描かれています
それに翻弄される一般市民たちの哀れな末路がしんどい…
震災で1人生き残った者の苦悩についても触れられています
全員がこうなるわけではないけれど、少なからずの人達が自暴自棄になったと思わされる説得力がありました
大きな金か動く場所には多くの闇が蠢いている
それをしっかりと描かれています
映画化されるようですね
どんな作品になるのか期待です
Posted by ブクログ
赤松利市さん著「藻屑蟹」
著者の作品は初読みになる。
2018年、第一回大藪春彦賞を本デビュー作で受賞。
その当時62才、住所不定の作業員だったとのこと。著者の年齢と背景が凄くミステリーに感じられる。
物語は東日本大震災によって被害を受けた原発のその後の闇が描かれていくフィクション。
正直フィクションとはいえ、描かれていたものは実際に事故の裏側であった事だったのかもしれないし、少なからず形は違えど利権や欲にまみれた裏の社会ではこうした金銭が存在してたに違いない。
フィクションなのだが色んな闇を炙り出しているようにも感じられた。
物語は粗っぽさが強く、かなり強引な手腕での展開。正義感やら友情やら同情やら…
結構詰め込んで書かれている。
かなり重厚な部類のテーマと内容なのだが、全ての展開が早いためドッシリとした重厚感は感じられなかった。
自分的にはそこが少しだけ残念。
最初にも触れたが現在70才の新人って…
つくづく凄いなと感心させられる。
Posted by ブクログ
この本には、力強さを感じる。
一貫して、何かしこに怒りという力を得ながら
最後まで突き進む勢いを感じた。
原発による補助金や周りからの批判、それぞれの考え方、生きることと死ぬこと。
また、死ぬことによるお金の支援、被災によるお金の支援、それが生きているものに纏わりついてくる。
お金というものは、人生を悲しくも楽観視させてしまう。
自分自身、お金にはとても根深く関わってきてきた。
決して貧乏ではない。だが、上には上がいるものだ。
自分にとって何が大切な生きる力になるのか。
生きる上でどれほどのお金が必要で、人生のどこまで削ることが許されるのか。
僕はまだその先を考えたいと思った。
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