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一号機が爆発した。原発事故の模様をテレビで見ていた木島雄介は、これから何かが変わると確信する。だが待っていたのは何も変わらない毎日と、除染作業員、原発避難民たちが街に住み始めたことによる苛立ちだった。六年後、雄介は友人の誘いで除染作業員となることを決心。しかしそこで動く大金を目にし、いつしか雄介は……。満場一致にて受賞に至った第一回大藪春彦新人賞受賞作。
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Posted by ブクログ
除染作業員、原発避難民、東北の苦悩の一端を知る事ができたと思う。大好きな仙台、まだ訪れたことの無い福島。どちらも必ず行こう。
面白すぎて1日で読み終わる。 地の文で、俺たちは虫けら以下だな。とか書いちゃう。「てにおは」の使い方も独特。そこがなんだか面白く読んでいて飽きない。 そのせいか、リアリティがありドキュメンタリーを見ているかのよう。と思ったら著者は本当に除染作業員だった。 痺れた。
どこか知らない世界のフィクションだと思いたい。 でもこれが日本で起きてる現実を描いた物語なのだと思うと辛く目を背けたくなる。 あの震災、原発事故はここまで人を変え、分断してしてしまっていたことを私は全く知らなかった。偽善的なのかもしれないが、私は近くて遠い安全な場所に身を置くことで、被災者や避難者...続きを読むの方々に心を痛めたり、除染作業員に感謝や敬意を示す気持ちだけを持っていた。想像力の無さと無知から、みんながそうだと思っていた。そう思い込むようにしていたと思う。 しかし、災害だらけのこの国では、このようなことは至る所で起きているのだろう。 思い返してみれば私自身も、今回のコロナ禍において補償金をたくさんもらった知り合いのお店の話を聞いた時、「ずるい」と思ってしまったんだった…
大型犬に散歩させられてるおじいちゃんの様な隅っこで背中をまげる老練なベース弾きが、コントラバスのゴツい弦を揺らして、間接照明が照らす空間を低く鈍く振動させる。 たまたま入った店が、行きつけになりそうな一冊。
心を鷲掴みにされる感覚。内臓を蟹に掴まれたヤマメの気分。フクシマ事故や被災者について描かれているけれど、人間とはなんなのか、ということを深く突きつけられる。あつい魂がこもっている。夢中で読んでラストにはぐっときた。最後まで読んでもう1度、始めから高橋の爺さんとの日々を読むと、たまらない気持ちになる。...続きを読む刺身うまそう。はー、読んでよかった。こんな思いができるなんて。赤松利市さんが書き続ける限り読み続けるぞい。
メッセージ性が強く、ストーリーとしても申し分ない。文章は荒削りだが、そのことがかえって切実さを感じさせることもあり、小説は技術より内容が大切だと改めて思わされる。最後の一行は、こんな終わり方があるのかとぞくりとなった。 また、作中後半に以下の文がある。 「どうして世の中は、こんな風にできているんだろ...続きを読むう。金がすべてだとは思いたくはないが、残念なことにすべてなのだ」 この言葉の重みは、市場に虐待された者にしか分からないだろう。札束の夢、ジュンの変容、金が分断を作り、それを利用する者もいる。自由社会ゆえの恐ろしさがそこかしこに散りばめられている。 原発の物語として、同時期にボラード病を読んだ。文章技巧としてはボラード病の方が上だと思うが、内容により本書を推したい。部分的で不自然な同調圧力があっても、ファクトを提示すれば反論できるし移住する自由もある。それに対して、自分自身の欲望からは逃げられない。お金はすべてだから。滑稽なまでに欲望に忠実な人の心。操られ、孤立し、絶望するまでに追い詰められる。現代日本において、恐ろしいのは市場による虐待だ。責任の所在があやふやで、だからこそ誰も責任をとらず、ディストピアを作り上げる。
さすが賞を取った作品です。非常に秀逸で飽きさせず一気に読んでしまいました。文章も上手いです。この作者の他の作品も読みたくなりました。
東日本大震災に伴う原発事故を起点とした、被災地の復興と再生を描いた物語。 被災地に流れ込んだ除染作業員や原発避難民。その”民族大移動”によって変わってしまった人々の暮らしや価値観が、とても生々しく描かれている。 作者の経歴を調べると、東北で除染作業に従事し、住所不定の生活を送りながら本作を書き上げ...続きを読むたという。作品のリアリティに納得する。 自然災害は天災だが、原発事故は人災となり、謝罪や賠償が発生する。 そこに補償金が絡むことで生まれる嫉妬や偏見、そして被災者同士の軋轢まで、本作は容赦なく描いていく。序盤は「ここまで書いて大丈夫なのか」と思うほど踏み込んだ内容だった。 主人公の言動にやや一貫性のなさは感じたものの、大金を手にして少しずつ壊れていく人間として見れば、それもまたリアルだったのかもしれない。 読み終えた今、主人公に聞いてみたい。 「オヤジさんから最後に借りた本の帯、何て書いてあった?」 ラストは賛否が分かれそうだが、「補償や賠償をしても元には戻らないものがある」というメッセージだと受け取れば、私は十分納得できる結末だった。 実体験をもとに作品を書く作家らしい。他の作品も読んでみたい。
福島原発の除染作業に絡めての様々な事柄。 主人公の苦悩や葛藤が描かれていました。どうしてそこまでお金が欲しいのか、お金を得たら得たでこれで良かったのかと葛藤するわけで、、、。 赤松利市さん自身が過去に除染作業員をされてたようで、現場はリアルに書かれていましたね。 この本を読むまでは福島の隠れた現...続きを読む状を知りませんでした。避難された地元民に多額の補償金を渡し、お金で地元民を分断し、避難先でも色眼鏡でみられる。可哀想と言う目ではなく、得しやがってと言う妬みの目だ。 お金を貰う事に必死で避難民と言う立場にあぐらをかく人達もいる。 なんだか人間の醜さというのを見せつけられたような。 復興事業に群がり暴利をむさぶろうとする輩達。 なんか、私たちの税金ってこんな事に使われてんのかぁとちょい憤慨した。 終盤に向けては駆け足だったような。 マキとはどうなって行くのかな、、、。
福島原発とその関連から得たストーリーでなかなかに興味深い内容でした。 お金を持たない苦労と持つことへの苦悩がリアルに描かれています。
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