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夫の通夜、夜伽する恵子の前に、40年前に白蟻駆除剤を飲んで死んだ夫の浮気相手――白蟻女――の幽霊が。「思い出をめちゃめちゃにしてやる」と彼女が口にした途端、恵子は新婚旅行の日に戻っていた。反発し合いながら、山あり谷ありの人生を追体験する彼女たち。忘れていた過去、知らなかった夫の一面、大きな転機になったあの日、そして――。(表題作) バブル前夜、時代の変化に翻弄された家族の再生を描いた感動作!
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Posted by ブクログ
赤松利市『白蟻女』光文社文庫。 短編『遺言』と中編『白蟻女』の2編を収録。最初に収録されている短編『遺言』は無かった方が良かった。『白蟻女』が面白い中編だけに残念。非常に不味い前菜を食べた後に素晴らしいメインディッシュが出て来ても、不味い前菜で損なわれた口はなかなか整わないのだ。 『遺言』。箸...続きを読むにも棒にもかからないレベルの短編。年老いた母親が娘の咲子への遺言をリオノコーダーなる機械に吹き込む。遺言というよりも昔の想い出を延々と語るのだが、山谷も無く、最後の衝撃の告白も予想の範囲だった。★★ 『白蟻女』。表題作。まさか感動の結末が待ち受けているとは。夫の栄一郎の通夜、2人の娘を家に帰し、夫との最後の夜を2人きりで過ごそうと夜伽する恵子の前に、40年前に家に押し掛け、居間で白蟻の駆除剤を飲んで死んだ夫の浮気相手の幽霊が現れる。恵子が白蟻女と呼ぶ夫の浮気相手で当時17歳の朱美は、死んだ栄一郎を奪うために恵子と栄一郎の大切な想い出をぶち壊そうとする。恵子は、朱美と過去の人生を辿るうちに何故か朱美を理解するようになる。★★★★★ 本体価格680円 ★★★★
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