【感想・ネタバレ】藻屑蟹のレビュー

あらすじ

一号機が爆発した。原発事故の模様をテレビで見ていた木島雄介は、これから何かが変わると確信する。だが待っていたのは何も変わらない毎日と、除染作業員、原発避難民たちが街に住み始めたことによる苛立ちだった。六年後、雄介は友人の誘いで除染作業員となることを決心。しかしそこで動く大金を目にし、いつしか雄介は……。満場一致にて受賞に至った第一回大藪春彦新人賞受賞作。

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Posted by ブクログ

除染作業員、原発避難民、東北の苦悩の一端を知る事ができたと思う。大好きな仙台、まだ訪れたことの無い福島。どちらも必ず行こう。

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2023年10月16日

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面白すぎて1日で読み終わる。
地の文で、俺たちは虫けら以下だな。とか書いちゃう。「てにおは」の使い方も独特。そこがなんだか面白く読んでいて飽きない。
そのせいか、リアリティがありドキュメンタリーを見ているかのよう。と思ったら著者は本当に除染作業員だった。
痺れた。

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2023年05月14日

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どこか知らない世界のフィクションだと思いたい。
でもこれが日本で起きてる現実を描いた物語なのだと思うと辛く目を背けたくなる。

あの震災、原発事故はここまで人を変え、分断してしてしまっていたことを私は全く知らなかった。偽善的なのかもしれないが、私は近くて遠い安全な場所に身を置くことで、被災者や避難者の方々に心を痛めたり、除染作業員に感謝や敬意を示す気持ちだけを持っていた。想像力の無さと無知から、みんながそうだと思っていた。そう思い込むようにしていたと思う。

しかし、災害だらけのこの国では、このようなことは至る所で起きているのだろう。

思い返してみれば私自身も、今回のコロナ禍において補償金をたくさんもらった知り合いのお店の話を聞いた時、「ずるい」と思ってしまったんだった…

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2020年11月17日

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大型犬に散歩させられてるおじいちゃんの様な隅っこで背中をまげる老練なベース弾きが、コントラバスのゴツい弦を揺らして、間接照明が照らす空間を低く鈍く振動させる。
たまたま入った店が、行きつけになりそうな一冊。

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2020年11月07日

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心を鷲掴みにされる感覚。内臓を蟹に掴まれたヤマメの気分。フクシマ事故や被災者について描かれているけれど、人間とはなんなのか、ということを深く突きつけられる。あつい魂がこもっている。夢中で読んでラストにはぐっときた。最後まで読んでもう1度、始めから高橋の爺さんとの日々を読むと、たまらない気持ちになる。刺身うまそう。はー、読んでよかった。こんな思いができるなんて。赤松利市さんが書き続ける限り読み続けるぞい。

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2020年10月12日

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メッセージ性が強く、ストーリーとしても申し分ない。文章は荒削りだが、そのことがかえって切実さを感じさせることもあり、小説は技術より内容が大切だと改めて思わされる。最後の一行は、こんな終わり方があるのかとぞくりとなった。
また、作中後半に以下の文がある。
「どうして世の中は、こんな風にできているんだろう。金がすべてだとは思いたくはないが、残念なことにすべてなのだ」
この言葉の重みは、市場に虐待された者にしか分からないだろう。札束の夢、ジュンの変容、金が分断を作り、それを利用する者もいる。自由社会ゆえの恐ろしさがそこかしこに散りばめられている。

原発の物語として、同時期にボラード病を読んだ。文章技巧としてはボラード病の方が上だと思うが、内容により本書を推したい。部分的で不自然な同調圧力があっても、ファクトを提示すれば反論できるし移住する自由もある。それに対して、自分自身の欲望からは逃げられない。お金はすべてだから。滑稽なまでに欲望に忠実な人の心。操られ、孤立し、絶望するまでに追い詰められる。現代日本において、恐ろしいのは市場による虐待だ。責任の所在があやふやで、だからこそ誰も責任をとらず、ディストピアを作り上げる。

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2020年07月06日

購入済み

さすが賞を取った作品です。非常に秀逸で飽きさせず一気に読んでしまいました。文章も上手いです。この作者の他の作品も読みたくなりました。

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2020年05月05日

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初赤松。原発事故を題材にした人間ドラマ。すべてが真実なんじゃなかろうかと、感じる程の力強い作品。確かに批判もあるだろうが、私は推したい!星五つ。

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2020年01月08日

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 人間とはまったく厄介な生き物だ。本書を読んでつくづくそう思った。
 「一号機が爆発した。セシウムを大量に含んだ白煙が、巨象に似た塊になって、ゆっくりと地を這った」
 本書の書き出しであるが、読み終えた後、あらためてここを読んでみると、著者の物語を紡ぐ巧みさにあらためて気づかされる。
 2011年、起こるべくして起こった原発の爆発は、原爆のときのような即死者こそ出さなかったものの、人々の日常を大きく変えていった。本書は、爆発によって産み出されたもやもやとしたものによって、いつしか人生を変えられていく人々の様子を、高いところで浮いている権力者でなく、地面の上で生きている普通の人々に焦点を当てて描いた小説である。故郷を奪われた人、降って湧いた補償金で高額な買い物をする人、それを嫉妬する人、身近な人の死と引き換えに金を受け取ったという罪悪感に苛まれる人、不幸な人災を商売の好機としか見ない人、そして、自分の信ずるものを変えまいとする者は、どのような道を選んだか。かろうじて平穏に保たれていた日常が破壊された結果、見えないところに仕舞われていた人の様々な本性が露わになっていく様子を、著者は淡々と描いている。
 釣りをする場面がある。釣ったヤマメを捌き、はらわたを川に投げると、藻屑蟹がそれをハサミで掴む。その蟹も人にとっては、旬が来れば食されるべき存在である、或いは、あった。再び、印象的な文を引用する。
 「釣り場の近くに、夥しい量の、蕗の薹や土筆が、生えていた。汚染され、誰にも見向きもされず、生えていた」
 本書執筆当時、作者の住所は「路上」であり、書く場所は漫画喫茶だったと、あとがきにある。本書は(私の嫌いな)「感涙必至」という言葉で形容される物語では全くない。文学部は要らないなど公然と言い放つ者には、本書は向かないだろうが、私は本書を強く薦める。

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2019年08月01日

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東北で大震災、津波が起こり、原発が爆発した。その光景をテレビで見ていたパチンコ店の店長、木島は世の中が変わると思った。彼はその変化に期待し、愉快な感情さえこみ上げた。

そして、数年後、彼に訪れた大きな変化。彼は崩壊した原発の利権に携わることになり、大金も手に入れた。身近な人が亡くなることもあった。自分じゃ理解できない事件にも巻き込まれた。

変わったのは木島だけじゃない。避難民たちは賠償金額の大小に嫉妬し、一喜一憂する。「立入制限区域に住んでて良かったね」、「他の地震の被害者じゃなくて良かったね」、「家族が死んで良かったね」。陰ではそんな言葉さえも飛び交う。

タブーとも言える原発避難民の格差や闇、批判を正面から描かれた作品だが、原発事故をカネのために利用することに躊躇する主人公が存在することで、バランスが保たれ、エンターテイメントとして成立している。

「原発乞食」という言葉が強烈な印象を残す。

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2019年06月02日

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35歳で起業し後に破綻。除染作業員して、追い詰められ所持金5千円で上京し、風俗店の呼び込みで食いつなぐ。住所不定の62歳が漫画喫茶で書き上げた。原発事故後の地元の人々、除染作業者、下請け事業者、被災者遺族をめぐる物語。栄えある第1回の賞を受賞。…賠償金、補償金、支援金。金が流れる、表と裏に、不都合なことを闇に葬る工作に。恩恵を受ける人とそうでない人。分断を作り出すのは支配者の手口。自らの首を絞める装置を、まんまと使わされるのは弱き民。…「電気代を安くしたいなら再稼働支持せよ」に、乗せられるのも無知の民。

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2025年10月04日

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東日本大震災というか福島第一原発に関する話。全体としてはフィクションだが背景がどこまで事実に基づくのかはわからないけど、現場を知っている人が書いたかのような迫力がある。

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2024年11月19日

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ネタバレ

原発の除染作業員の経験がある赤松利市の大藪春彦新人賞受賞作。デビュー作なのに文章力、表現力がある。原発の廃炉作業にともなう利権に群がる人々の群像劇かと思ってよみすすめたら、最後は市民の矜持が勝つという話だった。
 長年、原発の作業に従事して被曝、そして自殺。
原発の除染に関わる利権を手にして、疑心暗鬼そして暴殺される。そして主人公は原発で家族を失ったキャバクラ嬢と第二の人生を生きようとする。
 ミステリー仕立ての話の展開も読ませる筋だった。

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2023年08月14日

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途中暗くて心が折れそうになってからの最後のスピード感、すごかった。
そして作者の経歴を知らず(激レアさんも見てたのに気付かなかった。。)、びっくり。

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2023年06月03日

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多額の金を受け取った木島は、その後崩れていくのかとドキドキした。
脱原発に傾けさせないために、原発避難民に多額の賠償金を渡すという点、ホントだったから怖いけど、、どうなんだろう。

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2021年10月07日

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ネタバレ

東日本大震災と原発事故を題材に人々の分断が描かれていて、一筋縄では行かない本だった。
その地に住む者でないと分からないような心情も事情もあり、著者の除染作業員の経験がこの物語を生んだのだと思うが、知らない視点を与えられ驚くことが多かった。どれも他人事じゃない。圧倒される凄みがある。特にラストの迫力に息を呑んで、その余韻が残っている。

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2021年02月24日

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当たり前の日常が崩れ去ったあの日から生まれた、もしくは表面化した格差・偏見・閉塞感。
大金を目の前にするとそれを得た者も得られなかった者も本性がむき出しとなる。
綺麗事の裏に隠された生々しさ。見てはいけないものを見てしまった気分になった。

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2020年03月20日

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Fukushima50/原発作業員/除染作業員というワードが飛び交う、震災をきっかけとする泥臭いような埃っぽいようなじめっとした話。どこからがフィクションなのだろう。どことなく「うなぎ鬼」っぽい。それにしても著者の経歴も負けず劣らず。

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2020年03月18日

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除染作業員をやっていた経験を活かしての描写かと。。フィクションではあるが、この物語の中の事が本当にあったら、被災者、被災地に関わる人は、かわいそうだ。
上級国民との言葉があるが、一番底辺で暮らしている人の弱さや憤りを描いている。

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2019年12月14日

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2019年、26冊目は、新設の大藪春彦新人賞受賞作。先週までの不調がなかったかのような、一息、一気読み。

東日本大震災、福島の原発事故。その様子をテレビで見ていた木島雄介は、「何かが変わる」と感じていた。震災から六年が経ち、木島はパチンコ屋の雇われ店長ではあるものの、将来の見通しもないまま、仕事に忙殺されるような日々を繰り返すだけだった。そこに、高校時代の友人から、東相馬市の除染作業員となる誘いが舞い込む。

「一号機が爆発した。」という書き出しから始まる物語。ノッケから、なかなか衝撃的だ。

地方の閉塞感に苛まれる青年、木島が、除染作業の裏側に見たモノ。物事の表と裏。隠蔽、癒着、そこで動く金

250p級、わずか数ヶ月の出来事ながら、なかなかドライブ感がある。そして、被災地は福島だけではなかった。被災者にも、表と裏があった。

ラストは、心がガッサガサなオッサンにも、グッと来た。

★★★★☆評価文句なし。しかも、久々、他人に、充分ススめられるレベル&中身。

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2019年10月22日

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原発事故が残した様々な問題が書かれている。エンタメとしても面白い。主人公がミイラ取りがミイラになるんではないかと思っていたけどそうではなかった。ラストシーンは、まだ続きがあるのかとページをめくって確かめた。なんとも言えないラストシーンで、どう受け取るべきなのか考えた。

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2019年09月04日

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原発事故、震災を経た人々の情と利の物語。
利が生む安定と分断。情が手引きする救いと成し得ない理想。この狭間で揺れ動くハードボイルドなストーリーラインと文字通り「救いようがない」エンディングにニューシネマ的なロマンと切実なリアルを感じた。神代辰巳に映画化して欲しい。

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2019年07月09日

Posted by ブクログ

東日本大震災から8年が経ち、人々の意識からもあの大惨事の記憶が薄らいでいると思う。当時の日本を覆い尽くす暗い雰囲気を忘れたい気持ちは自然な事ではあるが、今も先の見えない福島原発の廃炉作業が続いており、震災のダメージから回復が出来ていない人もいる事は心に留めておかなければならない。
震災後の各補償問題について当時、色々な情報が流れていた事を思い出した。最終的には補償イコール金銭となるが、実際の金額と向き合うと人の別の面が表れてくる。
高額な補償金額、より多くの補償を望む気持ち、その補償を受け取る人々への嫉み、被害者意識などが交差してより嫌な雰囲気になったと思う。
この作品はストーリーの展開の中で当時の人々の気持ちを描いている。重く考えさせられる作品だと思う。

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2019年05月30日

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災害の裏で、利権を狙う者や立場のために分断を促す者、被害者ビジネス等、まあ人間の醜さのオンパレード。
現実的なのに、陰謀論めいた遠い世界の話にも見える不思議な距離感。
文章は癖がなく、展開も淡々としているが熱量は高く、1日で読み切れた。
もっと派手に人が死ぬような反社や国家陰謀レベルの話かと思っていたのでそこは拍子抜けだったが、むしろ抑制された描写が現実感を強めている感じ。

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2025年08月14日

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赤松利市さんの本は何冊か読みました。今まで読んだ本の中では、かなり控えめな内容。でも、被災地の現状が書かれてあり、こんなことももちろん起こるだろうなあと思いました。

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2025年05月13日

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話題になっていたホームレス作家さんのデビュー作。原発事故に詳しくなかったので生々しい描写に引き込まれました。

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2025年04月19日

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この作者は、現時点での最新作「救い難き人」から読み出し、受賞して最初に話題となった本作を読んだ。かなり遅咲きのデビューも、初期の文章はまだ若く無駄や邪心の見える初々しいものでした。ただ、ある種の使命感を感じるだけで無くエンタメ性も考えられた文章です。

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2023年12月22日

Posted by ブクログ

特に急展開!という訳でもないのに、終盤は主人公の心理描写にドドドッと惹きつけられた。
震災と原発事故の被災者に対する支援金などの闇部も描かれ、どこまでが事実なのかはさておき、賛否両論になる事を厭わず描き切った作者の覚悟は凄い。
ただ個人的にはラストシーンがちょっと尻切れトンボに感じる。アレが良いという人もいるだろうが。

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2023年10月06日

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福島原発事故後のメディアがあまり報じない現実。
地震や津波に直接被災していなくても心が壊されてしまった人達もいたんだな・・・。

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2023年08月31日

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1月-6。3.0点。
震災後の福島原発。近隣でパチンコ店長の主人公。
幼馴染みに誘われ、原発関連の仕事を始めようとする。

この作家らしい、転落もの。
デビュー作だけあって、ライトな感じ。

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2020年01月13日

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『3.11』から6年後の福島。パチンコ店店長として、なんの希望もなく細々と暮らしていた木島は、原発の保守点検を請け負う会社で成功を収めている友人・純也に誘われ、高額な報酬を手にするが…。原発の事故で生活を奪われた人々、原発に関わるあらゆる企業、除染作業員を狂わせる何十、何百、何千、何億という金、金、金。そのドス黒い渦の中に木島も取り込まれていく。これは現実に起こっている事なのか?実際に除染作業にも携わった、住所不定無職の62歳の作者が漫画喫茶で書いたという本作、強烈としか言いようがない。

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2019年12月21日

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