【感想・ネタバレ】藻屑蟹のレビュー

あらすじ

一号機が爆発した。原発事故の模様をテレビで見ていた木島雄介は、これから何かが変わると確信する。だが待っていたのは何も変わらない毎日と、除染作業員、原発避難民たちが街に住み始めたことによる苛立ちだった。六年後、雄介は友人の誘いで除染作業員となることを決心。しかしそこで動く大金を目にし、いつしか雄介は……。満場一致にて受賞に至った第一回大藪春彦新人賞受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

原発の除染作業員の経験がある赤松利市の大藪春彦新人賞受賞作。デビュー作なのに文章力、表現力がある。原発の廃炉作業にともなう利権に群がる人々の群像劇かと思ってよみすすめたら、最後は市民の矜持が勝つという話だった。
 長年、原発の作業に従事して被曝、そして自殺。
原発の除染に関わる利権を手にして、疑心暗鬼そして暴殺される。そして主人公は原発で家族を失ったキャバクラ嬢と第二の人生を生きようとする。
 ミステリー仕立ての話の展開も読ませる筋だった。

0
2023年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

東日本大震災と原発事故を題材に人々の分断が描かれていて、一筋縄では行かない本だった。
その地に住む者でないと分からないような心情も事情もあり、著者の除染作業員の経験がこの物語を生んだのだと思うが、知らない視点を与えられ驚くことが多かった。どれも他人事じゃない。圧倒される凄みがある。特にラストの迫力に息を呑んで、その余韻が残っている。

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2021年02月24日

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