赤松利市のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2021年、19冊目は、3年連続、この時期に読む(文庫の刊行ペースがそぅなのか?)、赤松利市。
千葉の海に面した旅館、望海桜。その総支配人が殺された。犯人は、従業員と元従業員の六人。
『藻屑蟹』『鯖』そして、今作が『らんちう』。水性生物括り。と言う冗談は、さておき、今作も社会の歪みの狭間や、下側にいる人々が展開の核を成す。
まづ、驚いたことに、全編そのパートの主人公の主観、一人称で描かれている。
「人はそれぞれ正義があって」何て、どこかで聞いた歌詞を思い浮かべたりもするが、六人の犯人達のベクトルが合致した先に「総支配人殺害」があったのだろう(もちろん、異分子的存在もあったし、果たす役割 -
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2020年、33冊目は、約1年振り、『藻屑蟹』以来の赤松利市。
「海の雑賀衆」一本釣りに特化した游漁船団。時代の変化に呑まれ、船頭、大鋸権座が率いるのは、オンボロ漁船一隻、乗組員四名だけである。現在は日本海の孤島を根城に、割烹料理屋に魚を卸すことで、糊口を凌いでいた。そんな彼らに、ビッグビジネスの話しが舞い込む。
フォーマットは『藻屑蟹』と似た「欲」にとらわれた人間の物語なんだが、コチラは狂気的、デカダンス型。よもや、こんな結末になるとは、予想出来なかった。
ストーリーの緩急。そして、中盤以後は一気に加速する展開。ソコに癖の強いキャラが絡んでくる。
『藻屑蟹』より、読者を選ぶし、評価も -
Posted by ブクログ
東日本震災後の復興特需に群がる人間が描かれた「藻屑蟹」「ボダ子」は、あくまで小説だった。
本書は、復興特需に乗っかろうとして、乗り損ねて住所不定無職となった筆者の随筆である。
かつてバブル時代にはゴルフコースのコンサルタントとして120人の従業員を率いていたが、バブルとともに会社は弾けた。
再起をかけて乗り込んだ東日本震災後の東北だったが、そこでは日雇いの土木作業員に揉まれる日々だった。
復興ビジネスの裏表を知り尽くし、そして最後には限界に気づく。
気が付いた時には下流国民へ。
まもなく震災から9年、日本という国自体の下への流れが止まらない。 -
Posted by ブクログ
2019年、26冊目は、新設の大藪春彦新人賞受賞作。先週までの不調がなかったかのような、一息、一気読み。
東日本大震災、福島の原発事故。その様子をテレビで見ていた木島雄介は、「何かが変わる」と感じていた。震災から六年が経ち、木島はパチンコ屋の雇われ店長ではあるものの、将来の見通しもないまま、仕事に忙殺されるような日々を繰り返すだけだった。そこに、高校時代の友人から、東相馬市の除染作業員となる誘いが舞い込む。
「一号機が爆発した。」という書き出しから始まる物語。ノッケから、なかなか衝撃的だ。
地方の閉塞感に苛まれる青年、木島が、除染作業の裏側に見たモノ。物事の表と裏。隠蔽、癒着、そこで動く