赤松利市のレビュー一覧

  • ボダ子(新潮文庫)

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    仄暗いイラストに赤字で大きく「ボダ子」と書かれたインパクトに惹かれて読み始めた(著者近影のガラの悪さ…笑)。


    壮絶。まともな人間が桜井さんしか出てこない。
    主人公(作者)に至っては初婚のエピソードで既に「あー…」と言いたくなる(元嫁も大概なのだが)。
    もしかしたら主人公には人を見る目が無いのかもしれない。一番の被害者はもしかしたら本妻かもしれないな。


    奥田英朗先生の「最悪」も読んでて辛かったが、これは比ではない。実話だというのも驚きだ。
    女性作家の作品ばかり読んでいたので、男性目線の野望、家族愛、悲哀、肉欲がすごい衝撃的だった。
    こんなにどん詰まりで辛いのに、読む手が止まらなかった。

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    2025年02月09日
  • 藻屑蟹

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    東日本大震災というか福島第一原発に関する話。全体としてはフィクションだが背景がどこまで事実に基づくのかはわからないけど、現場を知っている人が書いたかのような迫力がある。

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    2024年11月19日
  • 下級国民A

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    著者の体験に基づいて書かれているだけにすごくリアル。貧困ビジネス関連の本を読むと、必ずそこで働く人々の独特さが描かれているんだけど、こちらも例にもれず特殊な方々がいっぱい。この奇異な環境の中、著者はよく耐えたと思う。向き不向きとか、著者が彼らを見下しているとか、もうそういう問題じゃなくて、住む世界が違うとはこのことだと思う。(むしろ異星人といってもいいと思う)
    失礼を承知でいうけれど、一般常識があり、ある程度の文化的な生活を送ってきた人は、足を踏み入れないほうがいい世界だと痛感。

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    2024年09月24日
  • あじろ

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    主人公のライターの和歌子さんが、立飲み界のマドンナ真由美さんへの悪意の投稿、時を同じくしてお店に来なくなった事を心配して真由美さんの行動を探って行き、思わぬ真実に辿り着くと言うもの。皆さんが書いておられる様に赤松氏らしさが全くなくて驚いた。私が酒好き、立飲み好きなので酒の肴も含めてガイドブックをめくる様に読み終えた。

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    2024年08月28日
  • あじろ

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     なんかいい人情話だけど、コレ犯人が殺人を自供する話なのよね。

     新橋の千ベロ居酒屋「あじろ」は、江戸っ子気質の夫婦が切り盛りする店だ。
     そこの常連、マスコミの二人と女性記者、メーカーサラリーマンはいつも奥で呑んでいたが、そこにはいつも立ち飲み屋のマドンナがいた。
     しかし、毎日来ていたマドンナが来なくなり、投稿されたタレコミには、彼女のパパ活について書かれていた。
     そして時間を置かずに、そのマドンナの死体が奥多摩の林の中で発見される。

     事件の真相は何だったのか。
     新橋の立ち飲み屋で真相が明かされる。

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    2024年07月25日
  • あじろ

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    こんなに親密な関係ができる立ち飲み屋があったら、常連になりたい気もするけど、案外、距離をおきたいと思うかもしれない。

    「いつもの!」「はいよ!」ぐらいが、事件に巻き込まれないし、仕事もなくさなくて適当かも。

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    2024年06月30日
  • ボダ子(新潮文庫)

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    なんだかとんでもない本を読んでしまったなという感想。なんだかもうただただやるせない。
    ラストにかけてどんな結末になるのかと食い入るようにページをめくり、まさかのオチというべきかの展開に衝撃を受けた
    なんだか違う世界で生きている人のようだ

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    2024年05月30日
  • アウターライズ

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    東日本大震災後の東北で
    2度目となる規模の大きい地震、津波が発生。
    その後復興と共に「東北国」として独立国となる。

    理想論だと言われればまぁそうに違いないのだけれど
    夢や理想の未来を語れる国はシンプルに素敵だなと思った。
    各々が「いま自分に何が出来るか」を考えながら
    それを実行に移し生活出来るっていいな。

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    2024年04月26日
  • らんちう

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    かなり面白かったけどグロテスクだな…
    読んでて色々思ったけど
    「昨日と同じことを今日もしていたい」
    的に生きてると、活動範囲狭まっちゃうし嫌なことに対する対抗策も減るよなぁ…とは思いつつ
    私は人間関係狭めの終わりかけみたいな中小企業のコミュニティも帰属できればいいものだと感じるのでなんとも…

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    2024年02月06日
  • 救い難き人

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    救い難き人。
    どうしようもない悪人ばかり登場するので、いい加減こちらの感性が麻痺してくるような感覚に陥ってしまう。
    パチンコ屋を舞台に在日二世のマンスは、母の「恨の気持ち」を情動にして、中学の先輩で悪人のノブと共に父親への長い復讐を画策する。
    次々と金に固執する男達の悪事の連続に、464ページの長さも気にならなかった。

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    2024年01月23日
  • 救い難き人

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    お笑いのネタでいうツカミが、読書人生一のディープさ、実生活に影響するほどの打撃をもらった後は無駄な贅肉が一切ない美しい文章運び。筆者は人の心を分かりすぎているがしかし、人間でありましてや神ではない。飴や鞭を巧みに与えられて、読者はどんどん引き込まれていく。有象無象の世界を文学は芸術に仕立ててしまう、ラストにはそんな品格さえ見せてくれる。

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    2023年12月12日
  • 救い難き人

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     タイトル通りの救い難いクズが自滅していくストーリーは著者の得意分野だ。
     何をもって金しか愛せないクズに堕ちていくかを、ひとりの人生に描き出している。

     在日二世、朴マンスは中学校に入っていじめの対象になった。
     そこを救ったのが、貧困団地の井尻だった。
     マンスは井尻に月10万円を払い、学校での安全が保障された。
     マンスと井尻との関係は一生続くものになる。

     朴マンスは婚外子だ。
     父親は姫路のパチンコ屋の経営者だ。
     幼い頃は父親に猫かわいがりを受けたが、次第に父は母子の家に寄り付かなくなる。
     しかし、マンスが高校生になる頃には、父が忍んで家に来ていることを知っていた。
     そして

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    2023年10月24日
  • 下級国民A

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    人というものはいろんな重み付けで測られるものではあるが、その場のハッタリや腕力だけが物をいう世界があって、本書は間違ってそんなところに中年を過ぎてから入り込んでしまった男の悲喜劇。無論やられっぱなしではなく、筆者なりの打算や世渡りも描かれるが、読者からするとどうにも「取らぬ狸の〜」と感じてしまい、救いのない話の中で貴重なユーモアとして効果を発揮している。

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    2023年08月31日
  • 救い難き人

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    ネタバレ

    全く知らない世界で生きる彼らに感情移入できない。
    が、それが面白い。

    主人公マンスの小学から成りあがるまで描かれている。
    井尻、マンスと同じ中学校の先輩。
    大人になったマンスの周りには井尻の息のかかったメンバーで固められている。
    マンスはこのことに気付いていない。
    孤独なマンス。でもそれに気づいていない。
    井尻さんお金は信頼できる。
    でもほんとに?疑心暗鬼が面白かった。

    父を恨んでいるが、逆境に負けないでと思うのは、幼いころの父との楽しい思い出があるせいだろう。混乱したマンスの歪み様が悲しい。
    母への疑問、寂しさ。
    違和感を覚えるマンス。母が死んだのは自分のせい?最後の方では母の死を自分な

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    2023年08月29日
  • 白蟻女

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    赤松利市『白蟻女』光文社文庫。

    短編『遺言』と中編『白蟻女』の2編を収録。最初に収録されている短編『遺言』は無かった方が良かった。『白蟻女』が面白い中編だけに残念。非常に不味い前菜を食べた後に素晴らしいメインディッシュが出て来ても、不味い前菜で損なわれた口はなかなか整わないのだ。


    『遺言』。箸にも棒にもかからないレベルの短編。年老いた母親が娘の咲子への遺言をリオノコーダーなる機械に吹き込む。遺言というよりも昔の想い出を延々と語るのだが、山谷も無く、最後の衝撃の告白も予想の範囲だった。★★

    『白蟻女』。表題作。まさか感動の結末が待ち受けているとは。夫の栄一郎の通夜、2人の娘を家に帰し、夫

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    2023年08月25日
  • 藻屑蟹

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    ネタバレ

    原発の除染作業員の経験がある赤松利市の大藪春彦新人賞受賞作。デビュー作なのに文章力、表現力がある。原発の廃炉作業にともなう利権に群がる人々の群像劇かと思ってよみすすめたら、最後は市民の矜持が勝つという話だった。
     長年、原発の作業に従事して被曝、そして自殺。
    原発の除染に関わる利権を手にして、疑心暗鬼そして暴殺される。そして主人公は原発で家族を失ったキャバクラ嬢と第二の人生を生きようとする。
     ミステリー仕立ての話の展開も読ませる筋だった。

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    2023年08月14日
  • 藻屑蟹

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    途中暗くて心が折れそうになってからの最後のスピード感、すごかった。
    そして作者の経歴を知らず(激レアさんも見てたのに気付かなかった。。)、びっくり。

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    2023年06月03日
  • 東京棄民

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    女性作家さんが続いて、久しぶりに赤松さんが読みたくなった。(軽めなやつ)
    とても面白くてあっという間に読んでしまった。
    東京株という強悪な新型コロナウィルスが蔓延し、東京から人が他県へ避難するという話。そして、その東京に取り残された人達の物語。
    主人公の男性が普通の人であるのが良かった。いかにも小説の中の人物というのでなく、良いところも良くないところもある、リアルな人間なのがいい。さすが赤松さんだなぁと思う。
    小説だからこそという部分とリアルな部分のバランスが良くて、読みやすかった。

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    2023年03月07日
  • 鯖

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    なぜか突然、この本の旬は1月なのではという気が強くして、読み始めた。『藻屑蟹』を読んでから3年と10ヶ月、ずっと読むタイミングを計っていたこの本、ようやく読めた。

    いやぁ、なんか……かなりヤバいものを読んでしまった。この本にはR指定(と今は言わないのかな)が必要では。でも読書の醍醐味である、貴重な擬似体験をさせてもらった。そういう意味では、ものすごくおもしろかった。

    始めは、世間への憤りを抱えた主人公にハッとさせられながらも、これはコメディなのかと思うほどコミカルな表現に何度も吹き出していたのだが、読み進めるうちにだんだん笑えなくなってきて、後戻りできなくなっていく状況に恐怖を感じるように

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    2023年01月20日
  • 犬

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    赤松利市『犬』徳間文庫。

    第22回大藪春彦賞受賞作。

    個人的に苦手なトランスジェンダーを主人公にしたピカレスク小説だが、面白い。

    国の誤った政策で非正規雇用が増加し、日本は貧困国に成り下がり、社会保障額は目減りし、老後の不安は増す一方。死ぬは地獄、生きるも地獄の今のご時世。一攫千金を狙ってもリスクばかりで、うまい話に儲けは無い。貧困のあるところに犯罪あり。

    大阪でニューハーフバー『さくら』を営む63歳になるトランスジェンダーの桜は、同じトランスジェンダーで24歳の沙希を雇い、慎ましい生活を送っていた。

    ある日、『さくら』に桜の昔の男であった安藤勝が現れる。久し振りの再会に舞い上がる桜

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    2023年01月15日