東日本震災後の復興特需に群がる人間が描かれた「藻屑蟹」「ボダ子」は、あくまで小説だった。
本書は、復興特需に乗っかろうとして、乗り損ねて住所不定無職となった筆者の随筆である。
かつてバブル時代にはゴルフコースのコンサルタントとして120人の従業員を率いていたが、バブルとともに会社は弾けた。
...続きを読む 再起をかけて乗り込んだ東日本震災後の東北だったが、そこでは日雇いの土木作業員に揉まれる日々だった。
復興ビジネスの裏表を知り尽くし、そして最後には限界に気づく。
気が付いた時には下流国民へ。
まもなく震災から9年、日本という国自体の下への流れが止まらない。