赤松利市のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
仄暗いイラストに赤字で大きく「ボダ子」と書かれたインパクトに惹かれて読み始めた(著者近影のガラの悪さ…笑)。
壮絶。まともな人間が桜井さんしか出てこない。
主人公(作者)に至っては初婚のエピソードで既に「あー…」と言いたくなる(元嫁も大概なのだが)。
もしかしたら主人公には人を見る目が無いのかもしれない。一番の被害者はもしかしたら本妻かもしれないな。
奥田英朗先生の「最悪」も読んでて辛かったが、これは比ではない。実話だというのも驚きだ。
女性作家の作品ばかり読んでいたので、男性目線の野望、家族愛、悲哀、肉欲がすごい衝撃的だった。
こんなにどん詰まりで辛いのに、読む手が止まらなかった。
この作品を読んで私は父親にネグレストされてた事に気がついた。仕事にかまけて放置されていたのではない。とにかく自分以外の人間に関心の無い人で、私が鬱病になった時もとことん無関心だった。未だに親子らしい会話すらした事もない。
いざとなるとやたら主人公が責められるが、悦子だって相当ヤバい親だろう。むしろ娘の発症の原因は母親のせいでもあるんじゃないか。夫が事業を立て直そうと必死に駆け回り、慣れない作業現場で壮絶なイジメに遭ってるのに気付かず一晩中詰ったりカネのことばかり口にするのもおかしい。
独りよがりで手遅れだったのかもしれないが、娘が発症する前から愛情を注ぎ、事業を傾かせても娘との生活を選んだ主人公は本当に立派だ。
赤松先生に作家の道が残されていて本当に良かったと心から思う。応援してます。
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Posted by ブクログ
タイトル通りの救い難いクズが自滅していくストーリーは著者の得意分野だ。
何をもって金しか愛せないクズに堕ちていくかを、ひとりの人生に描き出している。
在日二世、朴マンスは中学校に入っていじめの対象になった。
そこを救ったのが、貧困団地の井尻だった。
マンスは井尻に月10万円を払い、学校での安全が保障された。
マンスと井尻との関係は一生続くものになる。
朴マンスは婚外子だ。
父親は姫路のパチンコ屋の経営者だ。
幼い頃は父親に猫かわいがりを受けたが、次第に父は母子の家に寄り付かなくなる。
しかし、マンスが高校生になる頃には、父が忍んで家に来ていることを知っていた。
そして父母が何をしているかも知っていた。
ある日、マンスは見てしまった。
母が父に首を絞められながらセックスをしているのを。
そして翌日、母は死体となっていた。
父を憎むマンスに、井尻はマンスに生きる目的をささやく。
父の全てを奪ってしまえと。
そのことを隠し、父のパチンコ店で働きながら次第に社内での地位を上げていく。
しかし、目的のために手段を選ばなくなっていた。
金に魅せられた怪物になっていく一人の男の人生を描く。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全く知らない世界で生きる彼らに感情移入できない。
が、それが面白い。
主人公マンスの小学から成りあがるまで描かれている。
井尻、マンスと同じ中学校の先輩。
大人になったマンスの周りには井尻の息のかかったメンバーで固められている。
マンスはこのことに気付いていない。
孤独なマンス。でもそれに気づいていない。
井尻さんお金は信頼できる。
でもほんとに?疑心暗鬼が面白かった。
父を恨んでいるが、逆境に負けないでと思うのは、幼いころの父との楽しい思い出があるせいだろう。混乱したマンスの歪み様が悲しい。
母への疑問、寂しさ。
違和感を覚えるマンス。母が死んだのは自分のせい?最後の方では母の死を自分なりにかみ砕いたように思われた。そうか。自分は幸うすい女に惹かれていたのか、と思いついたシーンが心に残った。
井尻さん いい人だなと思う。やってることは黒いが、人情があり多くの人に慕われている。愛嬌がある・・・とでもいうのだろうか?魅力的な人物。
父 事業を大きくした経験は没落後も生きる。きっと余生は楽しむのだろうなと光が見えた。
烈士・恨。韓国の文化の言葉か。知らないことが多かった。
パチンカスを操るにはどうしたら良いかが書かれており勉強になった。射幸心という言葉を久しぶりに見た。
ギャン中、借金、芸能界など裏のつながりが書かれていて面白かった。
この方の本を読むと、穿った見方をしてしまう自分に気が付く。裏のつながりを勘ぐってしまう。幸か不幸か、そもそも決めるのが間違いなのか。 -
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赤松利市『白蟻女』光文社文庫。
短編『遺言』と中編『白蟻女』の2編を収録。最初に収録されている短編『遺言』は無かった方が良かった。『白蟻女』が面白い中編だけに残念。非常に不味い前菜を食べた後に素晴らしいメインディッシュが出て来ても、不味い前菜で損なわれた口はなかなか整わないのだ。
『遺言』。箸にも棒にもかからないレベルの短編。年老いた母親が娘の咲子への遺言をリオノコーダーなる機械に吹き込む。遺言というよりも昔の想い出を延々と語るのだが、山谷も無く、最後の衝撃の告白も予想の範囲だった。★★
『白蟻女』。表題作。まさか感動の結末が待ち受けているとは。夫の栄一郎の通夜、2人の娘を家に帰し、夫との最後の夜を2人きりで過ごそうと夜伽する恵子の前に、40年前に家に押し掛け、居間で白蟻の駆除剤を飲んで死んだ夫の浮気相手の幽霊が現れる。恵子が白蟻女と呼ぶ夫の浮気相手で当時17歳の朱美は、死んだ栄一郎を奪うために恵子と栄一郎の大切な想い出をぶち壊そうとする。恵子は、朱美と過去の人生を辿るうちに何故か朱美を理解するようになる。★★★★★
本体価格680円
★★★★