赤松利市のレビュー一覧

  • 藻屑蟹

    購入済み

    さすが賞を取った作品です。非常に秀逸で飽きさせず一気に読んでしまいました。文章も上手いです。この作者の他の作品も読みたくなりました。

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    2020年05月05日
  • 下級国民A

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    ネタバレ

    赤松ワールド入門編に最適。将来、赤松研究書が出た日には初期必読書となるだろう。これまでに出版された「藻屑蟹」「鯖」「ボダ子」「らんちう」の原型的な出来事がそこかしこに簡潔に描写される。そして描写「されなかった」であろう詳細がこれからの作品で展開されることを思う。おそるべし。

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    2020年03月12日
  • 藻屑蟹

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    初赤松。原発事故を題材にした人間ドラマ。すべてが真実なんじゃなかろうかと、感じる程の力強い作品。確かに批判もあるだろうが、私は推したい!星五つ。

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    2020年01月08日
  • 藻屑蟹

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     人間とはまったく厄介な生き物だ。本書を読んでつくづくそう思った。
     「一号機が爆発した。セシウムを大量に含んだ白煙が、巨象に似た塊になって、ゆっくりと地を這った」
     本書の書き出しであるが、読み終えた後、あらためてここを読んでみると、著者の物語を紡ぐ巧みさにあらためて気づかされる。
     2011年、起こるべくして起こった原発の爆発は、原爆のときのような即死者こそ出さなかったものの、人々の日常を大きく変えていった。本書は、爆発によって産み出されたもやもやとしたものによって、いつしか人生を変えられていく人々の様子を、高いところで浮いている権力者でなく、地面の上で生きている普通の人々に焦点を当てて描

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    2019年08月01日
  • 藻屑蟹

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    東北で大震災、津波が起こり、原発が爆発した。その光景をテレビで見ていたパチンコ店の店長、木島は世の中が変わると思った。彼はその変化に期待し、愉快な感情さえこみ上げた。

    そして、数年後、彼に訪れた大きな変化。彼は崩壊した原発の利権に携わることになり、大金も手に入れた。身近な人が亡くなることもあった。自分じゃ理解できない事件にも巻き込まれた。

    変わったのは木島だけじゃない。避難民たちは賠償金額の大小に嫉妬し、一喜一憂する。「立入制限区域に住んでて良かったね」、「他の地震の被害者じゃなくて良かったね」、「家族が死んで良かったね」。陰ではそんな言葉さえも飛び交う。

    タブーとも言える原発避難民の格

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    2019年06月02日
  • 藻屑蟹

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    35歳で起業し後に破綻。除染作業員して、追い詰められ所持金5千円で上京し、風俗店の呼び込みで食いつなぐ。住所不定の62歳が漫画喫茶で書き上げた。原発事故後の地元の人々、除染作業者、下請け事業者、被災者遺族をめぐる物語。栄えある第1回の賞を受賞。…賠償金、補償金、支援金。金が流れる、表と裏に、不都合なことを闇に葬る工作に。恩恵を受ける人とそうでない人。分断を作り出すのは支配者の手口。自らの首を絞める装置を、まんまと使わされるのは弱き民。…「電気代を安くしたいなら再稼働支持せよ」に、乗せられるのも無知の民。

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    2025年10月04日
  • 鯖

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    凄い…。
    生き様、サクセス、恋模様、狂気、色々がごちゃ混ぜになって詰まっていた。
    一人称視点の主人公自身をどんどん嫌いになっていき、ここまで嫌悪感を抱くほどの感じは初めてだったかも知れない。

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    2025年08月15日
  • らんちう

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    旅館の総支配人を社員がみなで殺して
    自首してからのお話
    犯人、共犯者、関係者が取り調べ中に語った
    内容が書かれていました
    関係者がたんたんと語るだけなのかなと
    思いましたが終盤にきてそれだけではなさそう
    な流れになり・・・
    そういうことだったのかという
    まぁでもそれくらいないとなぁとは思いました

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    2025年07月16日
  • 鯖

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    面白い。ラストまで夢中で読んだ。
    ただ、一線を踏み越えてからの人間の描写については、やりすぎのようにも感じた。ただこれは、私が人間のことをわかっていないだけかもしれない。

    主人公の持つ容姿へのコンプレックス由来の卑屈さと、それ故の人間に対する視点の鋭さについては、本物を感じた。

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    2025年05月02日
  • 下級国民A

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    「実録!震災復興ビジネスの闇」な本。知る事のできない世界が小説仕立てで生々しく描かれ、結末も物語の様で良かった。土木系は結構わかる方だが人種描写も超リアル。

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    2025年02月27日
  • ボダ子(新潮文庫)

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    仄暗いイラストに赤字で大きく「ボダ子」と書かれたインパクトに惹かれて読み始めた(著者近影のガラの悪さ…笑)。


    壮絶。まともな人間が桜井さんしか出てこない。
    主人公(作者)に至っては初婚のエピソードで既に「あー…」と言いたくなる(元嫁も大概なのだが)。
    もしかしたら主人公には人を見る目が無いのかもしれない。一番の被害者はもしかしたら本妻かもしれないな。


    奥田英朗先生の「最悪」も読んでて辛かったが、これは比ではない。実話だというのも驚きだ。
    女性作家の作品ばかり読んでいたので、男性目線の野望、家族愛、悲哀、肉欲がすごい衝撃的だった。
    こんなにどん詰まりで辛いのに、読む手が止まらなかった。

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    2025年02月09日
  • 藻屑蟹

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    東日本大震災というか福島第一原発に関する話。全体としてはフィクションだが背景がどこまで事実に基づくのかはわからないけど、現場を知っている人が書いたかのような迫力がある。

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    2024年11月19日
  • 下級国民A

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    著者の体験に基づいて書かれているだけにすごくリアル。貧困ビジネス関連の本を読むと、必ずそこで働く人々の独特さが描かれているんだけど、こちらも例にもれず特殊な方々がいっぱい。この奇異な環境の中、著者はよく耐えたと思う。向き不向きとか、著者が彼らを見下しているとか、もうそういう問題じゃなくて、住む世界が違うとはこのことだと思う。(むしろ異星人といってもいいと思う)
    失礼を承知でいうけれど、一般常識があり、ある程度の文化的な生活を送ってきた人は、足を踏み入れないほうがいい世界だと痛感。

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    2024年09月24日
  • あじろ

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    主人公のライターの和歌子さんが、立飲み界のマドンナ真由美さんへの悪意の投稿、時を同じくしてお店に来なくなった事を心配して真由美さんの行動を探って行き、思わぬ真実に辿り着くと言うもの。皆さんが書いておられる様に赤松氏らしさが全くなくて驚いた。私が酒好き、立飲み好きなので酒の肴も含めてガイドブックをめくる様に読み終えた。

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    2024年08月28日
  • あじろ

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     なんかいい人情話だけど、コレ犯人が殺人を自供する話なのよね。

     新橋の千ベロ居酒屋「あじろ」は、江戸っ子気質の夫婦が切り盛りする店だ。
     そこの常連、マスコミの二人と女性記者、メーカーサラリーマンはいつも奥で呑んでいたが、そこにはいつも立ち飲み屋のマドンナがいた。
     しかし、毎日来ていたマドンナが来なくなり、投稿されたタレコミには、彼女のパパ活について書かれていた。
     そして時間を置かずに、そのマドンナの死体が奥多摩の林の中で発見される。

     事件の真相は何だったのか。
     新橋の立ち飲み屋で真相が明かされる。

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    2024年07月25日
  • あじろ

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    こんなに親密な関係ができる立ち飲み屋があったら、常連になりたい気もするけど、案外、距離をおきたいと思うかもしれない。

    「いつもの!」「はいよ!」ぐらいが、事件に巻き込まれないし、仕事もなくさなくて適当かも。

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    2024年06月30日
  • ボダ子(新潮文庫)

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    なんだかとんでもない本を読んでしまったなという感想。なんだかもうただただやるせない。
    ラストにかけてどんな結末になるのかと食い入るようにページをめくり、まさかのオチというべきかの展開に衝撃を受けた
    なんだか違う世界で生きている人のようだ

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    2024年05月30日
  • アウターライズ

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    東日本大震災後の東北で
    2度目となる規模の大きい地震、津波が発生。
    その後復興と共に「東北国」として独立国となる。

    理想論だと言われればまぁそうに違いないのだけれど
    夢や理想の未来を語れる国はシンプルに素敵だなと思った。
    各々が「いま自分に何が出来るか」を考えながら
    それを実行に移し生活出来るっていいな。

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    2024年04月26日
  • らんちう

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    かなり面白かったけどグロテスクだな…
    読んでて色々思ったけど
    「昨日と同じことを今日もしていたい」
    的に生きてると、活動範囲狭まっちゃうし嫌なことに対する対抗策も減るよなぁ…とは思いつつ
    私は人間関係狭めの終わりかけみたいな中小企業のコミュニティも帰属できればいいものだと感じるのでなんとも…

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    2024年02月06日
  • 救い難き人

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    救い難き人。
    どうしようもない悪人ばかり登場するので、いい加減こちらの感性が麻痺してくるような感覚に陥ってしまう。
    パチンコ屋を舞台に在日二世のマンスは、母の「恨の気持ち」を情動にして、中学の先輩で悪人のノブと共に父親への長い復讐を画策する。
    次々と金に固執する男達の悪事の連続に、464ページの長さも気にならなかった。

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    2024年01月23日