赤松利市のレビュー一覧

  • 鯖

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    赤松利市『鯖』徳間文庫。

    赤松利市の作品は『藻屑蟹』に続き、2作目。何とも恐ろしいノワール小説。やはり、面白い。

    冒頭の得体の知れない薄汚れた漁業団『雑賀衆』の描写に一体どんな展開になるのか興味深く、読み始めた。この物語は成功を描いているのかと、一瞬微かな光が見えたのだが、物語はどんどん有らぬ方向に向かい、最後には世界の全てが焼き尽くされたかのような真っ暗闇のどん底の絶望が待ち構えていた。

    時代の波にあがらい、頑なに一本釣りを続ける『海の雑賀衆』。65歳の船頭・大鋸権座を筆頭に、66歳の加羅門寅吉、56歳の鴉森留蔵、55歳の狗巻南風次と高齢者に加え、35歳の水軒新一の5人が終の棲家に決め

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    2020年07月11日
  • 藻屑蟹

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    メッセージ性が強く、ストーリーとしても申し分ない。文章は荒削りだが、そのことがかえって切実さを感じさせることもあり、小説は技術より内容が大切だと改めて思わされる。最後の一行は、こんな終わり方があるのかとぞくりとなった。
    また、作中後半に以下の文がある。
    「どうして世の中は、こんな風にできているんだろう。金がすべてだとは思いたくはないが、残念なことにすべてなのだ」
    この言葉の重みは、市場に虐待された者にしか分からないだろう。札束の夢、ジュンの変容、金が分断を作り、それを利用する者もいる。自由社会ゆえの恐ろしさがそこかしこに散りばめられている。

    原発の物語として、同時期にボラード病を読んだ。文章

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    2020年07月06日
  • 藻屑蟹

    購入済み

    さすが賞を取った作品です。非常に秀逸で飽きさせず一気に読んでしまいました。文章も上手いです。この作者の他の作品も読みたくなりました。

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    2020年05月05日
  • 下級国民A

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    ネタバレ

    赤松ワールド入門編に最適。将来、赤松研究書が出た日には初期必読書となるだろう。これまでに出版された「藻屑蟹」「鯖」「ボダ子」「らんちう」の原型的な出来事がそこかしこに簡潔に描写される。そして描写「されなかった」であろう詳細がこれからの作品で展開されることを思う。おそるべし。

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    2020年03月12日
  • 藻屑蟹

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    ネタバレ

    印象的な一文から始まる。
    面白そう!という気持ちのまま一気に読めた。

    除染ビジネスの裏側が生々しく描かれており、実際の原発事故でもこうした現実があったのではないかと思うリアルさがあった。
    読後に作者が除染作業員だったと知り、納得。

    ラストは作品の世界観には合っていたけれど、訳ありのキャバ嬢の苦悩が他のリアルさに比べてあまり伝わらずだったのが少しざんねん。

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    2026年07月08日
  • 藻屑蟹

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    東日本大震災に伴う原発事故を起点とした、被災地の復興と再生を描いた物語。

    被災地に流れ込んだ除染作業員や原発避難民。その”民族大移動”によって変わってしまった人々の暮らしや価値観が、とても生々しく描かれている。
    作者の経歴を調べると、東北で除染作業に従事し、住所不定の生活を送りながら本作を書き上げたという。作品のリアリティに納得する。

    自然災害は天災だが、原発事故は人災となり、謝罪や賠償が発生する。
    そこに補償金が絡むことで生まれる嫉妬や偏見、そして被災者同士の軋轢まで、本作は容赦なく描いていく。序盤は「ここまで書いて大丈夫なのか」と思うほど踏み込んだ内容だった。

    主人公の言動にやや一貫

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    2026年07月02日
  • 藻屑蟹

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    福島原発の除染作業に絡めての様々な事柄。
    主人公の苦悩や葛藤が描かれていました。どうしてそこまでお金が欲しいのか、お金を得たら得たでこれで良かったのかと葛藤するわけで、、、。

    赤松利市さん自身が過去に除染作業員をされてたようで、現場はリアルに書かれていましたね。

    この本を読むまでは福島の隠れた現状を知りませんでした。避難された地元民に多額の補償金を渡し、お金で地元民を分断し、避難先でも色眼鏡でみられる。可哀想と言う目ではなく、得しやがってと言う妬みの目だ。
    お金を貰う事に必死で避難民と言う立場にあぐらをかく人達もいる。

    なんだか人間の醜さというのを見せつけられたような。
    復興事業に群がり

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    2026年06月23日
  • 藻屑蟹

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    福島原発とその関連から得たストーリーでなかなかに興味深い内容でした。
    お金を持たない苦労と持つことへの苦悩がリアルに描かれています。

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    2026年06月21日
  • 藻屑蟹

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    えっここで終わり!?と思いつつその後の2人を見たいと思った
    マキがいてよかった


    と思いつつも、国公立の大学出で除染作業員と原発作業員の区別がつかない被災者はいたのかなとご都合的な部分も見られた

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    2026年06月18日
  • 藻屑蟹

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    audible にて。

    うだつの上がらない主人公が震災ビジネスの闇に巻き込まれていくお話。お金、矜持、尊厳、命など、自分の生き方考え方を再考させられた。心が熱くなる作品。

    映画化されるとのことで、そちらも楽しみです。誰がどの役やるのかなあ。

    一点だけ、一点だけ、自分の読解力の無さが原因だとは思うんですが、ラストシーンの流れがほんとによく分からずにびっくりしてしまった。他の方のレビュー見て参考にさせてもらおうかな。

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    2026年06月15日
  • 藻屑蟹

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    東北大震災後の原発を巡る物語。

    色んな人のいろんな視点や言動。そして、思考があって、自分だったらその時どんな考えや行動をしただろうか・・・

    勝手に考えてしまう物語でした。

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    2026年06月05日
  • 救い難き人

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    ネタバレ

    最後引っ張って引っ張ったマンスへの対応が曖昧な感じで終わった部分が残念。どっちが撃たれたのかわからん…。粛清の場面は表現して欲しかった。終始展開もあって、どんどん読み進むことできたのに最後だけ個人的に残念。マンスは1号店をどうしたかったのか?

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    2026年06月04日
  • 藻屑蟹

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    原発作業員や原発避難民、国からの支援金をめぐる話。お金を軸に非常にリアルに人間の醜さや弱さを描いた作品。

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    2026年06月02日
  • らんちう

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    『藻屑蟹』に続き、赤松作品二作目。
    …いや、本当にすごい作品だった……いろいろな衝撃が押し寄せてくる——。
    この作品の感想を述べるのは大変難しい。物語の構成上、下手なことを言ってネタバレになるのは避けたい…。
    万人にオススメできる作品とは到底言えないが…今、この時、読まれるべくして誕生した作品のひとつだと、強くわたしは思います。
    それにしても『らんちう』とは一体何だったんだろう——。

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    2026年05月03日
  • アウターライズ

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    東日本大震災の10年後に、最大級の津波が再び東北を襲う。犠牲者を最小限に留め、災害への強みを掲げて東北が日本から独立。被災表現も生々しく、壮大な空想小説だが、最後まで読んで、著者の思いに気付く。

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    2026年04月30日
  • 藻屑蟹

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    35歳で起業し後に破綻。除染作業員して、追い詰められ所持金5千円で上京し、風俗店の呼び込みで食いつなぐ。住所不定の62歳が漫画喫茶で書き上げた。原発事故後の地元の人々、除染作業者、下請け事業者、被災者遺族をめぐる物語。栄えある第1回の賞を受賞。…賠償金、補償金、支援金。金が流れる、表と裏に、不都合なことを闇に葬る工作に。恩恵を受ける人とそうでない人。分断を作り出すのは支配者の手口。自らの首を絞める装置を、まんまと使わされるのは弱き民。…「電気代を安くしたいなら再稼働支持せよ」に、乗せられるのも無知の民。

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    2025年10月04日
  • 鯖

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    凄い…。
    生き様、サクセス、恋模様、狂気、色々がごちゃ混ぜになって詰まっていた。
    一人称視点の主人公自身をどんどん嫌いになっていき、ここまで嫌悪感を抱くほどの感じは初めてだったかも知れない。

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    2025年08月15日
  • らんちう

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    旅館の総支配人を社員がみなで殺して
    自首してからのお話
    犯人、共犯者、関係者が取り調べ中に語った
    内容が書かれていました
    関係者がたんたんと語るだけなのかなと
    思いましたが終盤にきてそれだけではなさそう
    な流れになり・・・
    そういうことだったのかという
    まぁでもそれくらいないとなぁとは思いました

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    2025年07月16日
  • 鯖

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    面白い。ラストまで夢中で読んだ。
    ただ、一線を踏み越えてからの人間の描写については、やりすぎのようにも感じた。ただこれは、私が人間のことをわかっていないだけかもしれない。

    主人公の持つ容姿へのコンプレックス由来の卑屈さと、それ故の人間に対する視点の鋭さについては、本物を感じた。

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    2025年05月02日
  • 下級国民A

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    「実録!震災復興ビジネスの闇」な本。知る事のできない世界が小説仕立てで生々しく描かれ、結末も物語の様で良かった。土木系は結構わかる方だが人種描写も超リアル。

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    2025年02月27日