感情タグBEST3
Posted by ブクログ
女性作家さんが続いて、久しぶりに赤松さんが読みたくなった。(軽めなやつ)
とても面白くてあっという間に読んでしまった。
東京株という強悪な新型コロナウィルスが蔓延し、東京から人が他県へ避難するという話。そして、その東京に取り残された人達の物語。
主人公の男性が普通の人であるのが良かった。いかにも小説の中の人物というのでなく、良いところも良くないところもある、リアルな人間なのがいい。さすが赤松さんだなぁと思う。
小説だからこそという部分とリアルな部分のバランスが良くて、読みやすかった。
Posted by ブクログ
この方のほかの作品を読んでいたので、主人公が死んだり悪い感じになったりするではないかと・・・はらはらしながら読んだ。
イッペイよかったね。
有事が過ぎれば、日常が帰ってくる。
日常は視野を狭め、問題を見ないことにして平安をめざす。
どの立場にあってもそう。そんな中でタハラの今後に期待を感じた。
Posted by ブクログ
文庫書き下ろし。
まさか、赤松作品に悪と対峙するヒーローが登場するとは・・・!
とは言っても、45歳で彼女いない歴45年、定職無し、マンガ喫茶住まいの冴えない男なのだが・・・
今作は、氏の作品に期待する、キモチ悪い・狂気的な・読むのが嫌になるような、ドンヨリ暗い世界観、
からは遠のいてしまった作品でした。(個人的感想)
たまには良いか?!と思いながら次作に期待。
Posted by ブクログ
心がザワザワする。
何故かというと今、またコロナの波が押し寄せてきているから…。
収束したのか、したのか…いやまた感染拡大しているではないかの状態で…。
この物語は、コロナの影響で勤務先を解雇され、マンガ喫茶暮らしとなった中年男性の行く末である。
何度目かの感染爆発が起き、その都度ウイルスの名前も変わり、「東京株」という新しい株が発生。
ついに東京逆ロックダウンという措置を政府が発表する。
東京エリアに関して感染者数の増加が急激過ぎて、東京エリアの都民、市民を他の地域に移動、分散させる対策である。
だが、マンガ喫茶にいた中年男性やホームレスやその避難計画から取り残された人たちが、どのようにしていたのか…。
ひとりになった時、まず何を思い行動するのか、誰と行動するのか、信頼できる人を見抜けるのか、最後まで諦めないのか、
いろんなことを考えてしまった。
現実、この夏はどうなるのか…
人々は動いている。
Posted by ブクログ
著者初の文庫書下ろし。
コロナ禍が続く日本、オミクロン株の次に流行したのは致死率が高い”東京株”だった。
政府は県外移動ではなく、全東京都民を疎開させる措置をとった。
「東京逆ロックダウン」と呼ばれる強硬政策により、東京はもぬけの殻となった。
しかし、その枠から漏れる人間も存在した。
イサムはコロナ禍の中で勤めていた調理器具商社が倒産し、フリーターを続けながらネットカフェ難民を続ける40代半ばの中年だ。
ある日、突然にネットカフェにいた客どころか、店員もいないこと気が付く。
ツイッターで東京逆ロックダウンが起きることは知っていたが、住民票もない自分のところには連絡が届くわけもなかった。
同じくネットカフェに取り残されていたら20代半ばのフリーターの女性、ヒカルも東京に取り残された同じ状況で、宮崎から東京の彼氏のところへ来たが会えずに東京逆ロックダウンに巻き込まれたという。
政府は、東京の機能が戻るのは早くても3年間だと発表した。
ネットカフェの外では略奪が起きていたり、取り残された者同士のコミューンが発生しているようだ。
果たして無法地帯と化した東京で生き残ることができるのか。
バブル期に社長だったが、会社倒産後は原発作業員、フリーターをしながらネットカフェ難民を経験して住所不定無職でデビューした著者の経験から、ホームレスとして生きている人たちの描写には現実味がある。
と同時に、その経験から政府や経済団体に対する痛烈な批判、特に淡路島に本社を置く人材派遣会社に批判が向けられている。
内容としては、ラストに物足りなさを感じた。
そしていつも通り、主人公は頭がよくないのに自意識は高い性格なのだが、今回はラストで破滅せず。