眉村卓のレビュー一覧

  • ねらわれた学園

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    小1時間程度でサクッと読める、ちょうどよかった。

    舞台設定としては一昔前のものではあったが、まあそこまで違和感なく読めた。

    前半は全く未知のものに襲われる恐怖でだいぶ不快感が高かった(褒めてる)し、SFとして読み進めていったが、未知のウイルスに生活を狂わされている現在のことを考えるとどんどん他人事として読めなくなっていった。和美の最後の「またこんなことがある気がする…」台詞が本当にそうだな、、と思ってしまった。

    主人公の父の「君たちの行動は短略的なものであり、ああいう熱は長続きしない(端折ってます)」はめちゃくちゃ的を得ているし現実にものすごく通じるなと思った。
    現在のコロナ禍なのにも関わらず始まってしまえば盛り上がりを見せる五輪のことを考えると、なんとももやもやした気持ちになった。今こそ読むべき一冊に感じる。

    (この短さだったから読めたけど個人的にはかなり不快感強かった!)

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    2021年07月26日
  • 六枚の切符

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    サラリーマンの変身願望をテーマにする連作集という趣。眉村卓の短編は、読みやすいので旅行にぴったりという感じがしている

    員数外要員・・・タイムパトロールもの
    三十日の夢・・・悪魔との契約の変形?
    変身赴任・・・異世界のロボットに意識をアップロード
    超能力訓練記・・・腹が減った時だけ超能力が使える
    異様な時刻表・・・脱出するための電車に乗って。
    思わぬ居候・・・非SF。雪が降って転職候補先の社長が帰れなくなって。

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    2021年05月01日
  • 妻に捧げた1778話

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    素敵な夫婦…
    人と人がお互いに信じ合い、共に生きてゆくためには、何も相手の隅から隅まで知る必要はないのだ。
    夫婦に限らずそうなのかも。
    最終回…苦しくて泣きました。でも、こんな風に思えるくらい、大切な人に出会えるって、やっぱり幸せですよね。

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    2021年04月26日
  • 静かな終末

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    収録作品数が多くバラエティにとんでいるのでお得感はあるが、落ち着かない読後感。
    その中で、表題作が素晴らしく光っている。次に収録されている「錆びた温室」とセットで読んで欲しい。

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    2021年04月11日
  • なぞの転校生

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    ネタバレ

    『ねらわれた学園』と比べると、面白さには欠ける。しかし、それも物語られた時代を考えれば、味とも言える。

    「理想の世界なんてどこにもないんじゃないでしょうか。」という言葉が、とても印象に残っている。恵まれていれば見えない、恵まれていなければより強く抱くものが「理想」だと思う。典夫たちは、広一たちに出会って、自分たちの本当の目的を見つけたのではないだろうか。

    私が抱いている理想も、現実を見れば素晴らしいことばかりで、何でもないものになるかもしれない。

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    2021年02月03日
  • 妻に捧げた1778話

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    「聞いた事があるな」と思った本をひたすら読む期間に初めに手に取った一冊。自分が面白かったか否か、それだけでいつもは星をつけている。今回はこの本を面白かった!いや、面白くなかった!という判断を私は出来ずにいる。じんわりと胸に広がるこの感覚が感動なのか寂しさなのか、それすら分からずに本を見つめている。
    奥様が亡くなる5年間、毎日書き続けてきた話を、時系列に並べてその時の状況と照らし合わせながら読む。
    形式としてはものすごく分かりやすく、好みの本だった。
    筆者の奥様への愛と、その5年という年月に思いを馳せて、私は私なりの感想とさせていただく。

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    2020年09月17日
  • 妻に捧げた1778話

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    著者後書き
    「人と人とがお互いに信じ合い、共に生きてゆくためには、何も相手の心の隅から隅まで知る必要はないのだ。生きる根幹、めざす方向が同じでありさえすれば、それでいいのである。」

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    2020年04月10日
  • 妻に捧げた1778話

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    夫婦ってこうなれるんだ、と思いました。著者が最後に書いてらっしゃるとおり、相手の心の隅から隅まで知る必要はなく、生きる根幹、目指す方向が一緒であればいいんですよね。 SFのショートショートの良さはあまり自分には分からなかったけど、最後の三話を読んでたら、勝手に涙が滲んできました。

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    2020年01月13日
  • ねらわれた学園

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    昨年、亡くなられた眉村卓さんの名作。中学生のころ、眉村作品をむさぼるように読みました。それこそ、1日1冊のペースで読んでいた夏休みを思い出します。
    舞台設定にはさすがに時代を感じますが、根底を流れる社会的なメッセージには、昔は気が付かなかったように思います。

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    2020年01月07日
  • 妻に捧げた1778話

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    淡々としたエッセイなんだけど、行間に哀惜というか、切ない想いがにじみ出ているエッセイである。
    静かに、胸に染みる。

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    2019年12月08日
  • 妻に捧げた1778話

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    奥様のおっしゃるとおりこれエッセイやんかと思うお話もあるけれど、奥様への愛情に溢れた一冊。
    続けることは尊い。誰にでもできることではないよね。

    令和元年11月3日
    亡くなられたとことをニュースで知りました。
    奥様にようやく会えますね。
    ご冥福をお祈りします。

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    2019年11月03日
  • 妻に捧げた1778話

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    子供の頃読んだ謎の転校生以来の眉村卓。
    ちょっと本来のSF作品という感じとは違うけど、これはこれでグッときた。

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    2019年09月08日
  • なぞの転校生

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    古典のジョブナイルSF。核の冬に怯えていた当時と比較して今読むと、作中のSF観の違いに驚かされる。それでも核による終末観はやはり依然として恐怖として残っており、その設定は色褪せてはいない。ネットが発達した今、同じ人間だからといって、果たして別の高次元の存在を受け入れるかと言われれば確かに疑問が残る所ではあるが、ジョブナイルものとしての落とし所は中々のもの。教師が協力的で作品の中にしっかり大人の存在を感じさせたのには非常に好感が持てる。やってきた転校生の一族は、先進的な文明を持っているにしては、ややその馴染み方に抜けがあると感じるが、それが今の人類の愚鈍さに繋がる点は上手いとは思った。

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    2019年05月26日
  • 司政官 全短編 【完全版】 《司政官》シリーズ

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    古いSFを読み直している流れの1冊。これらの何作かはSFマガジン掲載時に読んでいるはずで、実際「これかな」と感じた作品もいくつかあるのだが、結局確信を持てたものは皆無。40年を超える時の流れは半端ではない。司政官シリーズの短編はこれで終了。『終末の光輪』は入手済み。『引き潮のとき』はどうしたものか思案中。

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    2017年06月22日
  • なぞの転校生

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    岩田広一が通う中学に山沢典夫という転校生が入ってきた。典夫は美男子で成績優秀、スポーツも万能だが、なぞめいた雰囲気を持っていた。ある日とんでもない事件を起こした典夫の秘密とは…。SFジュブナイルの傑作。

    初版は1967年という古典的少年少女向けSF。数年前に深夜ドラマ化された時、その映像の美しさには目を見張ったが、ストーリーは把握していなかったので読んでみた。学研の「中一コース」に連載された作品というが、確かに小さな盛り上がりがいくつもあるストーリーで、連載モノの痕跡はあった。ただこれが半世紀前に書かれたということから改めて眉村卓の才能に驚いた。
    (B)

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    2016年12月04日
  • ねらわれた学園

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    再読。1976年の作品。
    「ねらわれた学園」と中編「0からきた敵」
    NHK少年ドラマシリーズ「未来からの挑戦」の原作。
    懐かしい〜
    今読むと展開が早くて子供向けと思うものの面白かった。

    未来から来た種族との対決というSFではあるが、今の時代に権利と自由を主張したために未来は無秩序と混沌でどうしようもない状態である。あるいは、生徒会での決定という名のもとに、生徒会でパトロールを組んで規則を破った生徒を罰する。民主主義の手続きを踏んで正義の名のもとに生徒たちを支配していく。ファシズムというのはこうして始まるのだという意味も込められ、奥が深い。

    主人公の少年は正義感が強くまっすぐで、母親は子ども思いで心配性、父親は子どもの意思を尊重し頼もしい存在。
    こんなところは昔の家庭だなと思う。

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    2016年03月30日
  • なぞの転校生

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    書庫の整理をしていたら、カバーのないものが出てきた(汗)
    もう一本タイムとリップものの短編が収録されていて、手塚治虫氏が巻末で書評を書かれている。
    新しく撮り直しされたらしきドラマを深夜にやっていたけれど、結局一話で離脱してしまったので、本なら読めるかもと開いてみたら、こんな面白い話なら全部見てみれば良かったと後悔。
    児童文学っぽく堅い言い回しの台詞なので、それが苦手な大人は苦痛かもしれない。ストーリーは深い。何故これが我が家にあったのかは謎のままだけれど……。

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    2014年03月30日
  • なぞの転校生

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    昭和50年4月20日初版発行の角川文庫版も読んだが2013年12月13日発行のこちらも。文字が大きくレイアウトもゆったりしていて読みやすかった。
    角川文庫版では解説が手塚治虫だったので驚いたが、こちらはドラマの企画・脚本の岩井俊二が解説している。中学生の時にNHKの少年ドラマシリーズで「なぞの転校生」を見たそうである。
    今回のドラマはあまり真剣に見ていなかったが、最終回で今の世界がD-15ではなくD-12で、原作の39年後の話だという事がわかった。そういえば「時をかける少女」のアニメ映画も原作の何十年後かの話だったのを思い出した。

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    2014年03月29日
  • ねらわれた学園

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    ここまでクラスが団結するなんて、今の学校ではありえないので、ちょっとうらやましかった。2もあるようなので、読んでみようと思った。

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    2013年07月19日
  • ねらわれた学園

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    学園が舞台で、超能力者が出てきて、生徒会と戦う。

    ジュブナイルSFとは、昨今でいうラノベの、本当に正当な先祖なのだろう。

    読んでて懐かしい感じがたんまり。

    昨年、アニメ映画になりまして、文庫で再版されたので読んでみたわけですが。

    こういうのが好きで好きでたまらない。

    骨子はラノベと本当に近似なんだけど、ラノベがキャラクターに依存する傾向が強いのに対して、キャラクターそのものは現実感があり、ある意味で「普通」なんだけど、だからこそ、キャラクターというものは、その設定に意味があるのではなく、行動にこそ意味があり、行動するからこそ主人公は主人公たり得るのだ、ということに改めて気づかされる。

    単純な話。

    道に10,000円落ちていて、

    ・拾う人
    ・拾わない人
    ・拾いはするがこそこそとしている人
    ・拾わなかったが、気になって気になってしょうがない人
    ・etc......

    ある事象があり、それに対してどのように行動するかで、初めてそのキャラクターはキャラクターとして成立し、そしてそのような行動を取った末にどのようにストーリーが転がるのか?それが、本来の物語。

    ・拾って、豪遊(?)して、でもそれは実は、ヤクザの所持金だったために、狙われることになりました。

    ・拾わなかったために、何の物語も起きませんでした。(終わり……じゃあ寂しいから……)拾わなかったが、知り合いがその10,000円を拾ったところ、あぶく銭だからと宝くじを購入、スピードくじで100,000円になり、その100,000円を元手に競馬をしたら、なんと万馬券大当たりで、10,000,000円になり、会社を辞めて豪遊している。幸運の10,000円だったという話を聞き……

    ・拾いはするがこそこそとしているために、持ってはいるが使う勇気が出ず、いつまでも財布の中にあり、日常生活を送る中で、自分が窃盗という罪を犯したことに気づき、プレッシャーに押しつぶされるうちに、何者かに命を狙われるようになり……

    ・拾わなかったが、気になって気になってしょうがなくて、次の日に同じ道を通ってみると、また同じところに同じ10,000円が落ちていて、(これは同じ一万円札が、誰にも拾われていないのか?それとも、誰かが拾った後で、不運な誰かが、また一万円札を落としたということか?)逡巡している間に、拾って持って行く人が現れて、でも次の日、やはり同じところに10,000円が……!

    一つの状況から、キャラクターの行動によって、物語はいかようにも変わっていく。

    『ねらわれた学園』の主人公耕児は、特に何の能力も持っていないし、美形でも頭脳明晰でもありません。幼なじみの女生徒・和美は、読書家であるというキャラクターづけがなされているけど、逆に言うとそれくらい。

    だけど、耕児も和美も、自らの行動によって、見事に主人公たり得ています。

    あとがきでも、作者本人が、「物語性の強い作品になっている」と書いていますが、キャラクターたちの行動によって物語がぐいぐい進むために、読んでる方も自然と前のめりになって読み進めることができる。

    ストーリーテリングの基本中の基本として、非常に丁寧に描かれている「物語のお手本」のような作品です。

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    ちなみに、映画は観てないのですが、どうだったんでしょうね。

    若手男性声優人気トップクラスの小野Dと、AKBのまゆゆこと渡辺麻友が声をやっているので、話題になっていましたが。

    原作はちょっとばかし古いし、あくまでもこの小説を原作として作られた別解釈の作品だと思うので、別物にはなっていると思いますが、だからこそ、それはそれで面白いものになっているのではないかと思います。

    機会があったらみてみたいと思います。

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    2013年01月13日