眉村卓のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小1時間程度でサクッと読める、ちょうどよかった。
舞台設定としては一昔前のものではあったが、まあそこまで違和感なく読めた。
前半は全く未知のものに襲われる恐怖でだいぶ不快感が高かった(褒めてる)し、SFとして読み進めていったが、未知のウイルスに生活を狂わされている現在のことを考えるとどんどん他人事として読めなくなっていった。和美の最後の「またこんなことがある気がする…」台詞が本当にそうだな、、と思ってしまった。
主人公の父の「君たちの行動は短略的なものであり、ああいう熱は長続きしない(端折ってます)」はめちゃくちゃ的を得ているし現実にものすごく通じるなと思った。
現在のコロナ禍なのにも関わらず始まってしまえば盛り上がりを見せる五輪のことを考えると、なんとももやもやした気持ちになった。今こそ読むべき一冊に感じる。
(この短さだったから読めたけど個人的にはかなり不快感強かった!) -
Posted by ブクログ
「聞いた事があるな」と思った本をひたすら読む期間に初めに手に取った一冊。自分が面白かったか否か、それだけでいつもは星をつけている。今回はこの本を面白かった!いや、面白くなかった!という判断を私は出来ずにいる。じんわりと胸に広がるこの感覚が感動なのか寂しさなのか、それすら分からずに本を見つめている。
奥様が亡くなる5年間、毎日書き続けてきた話を、時系列に並べてその時の状況と照らし合わせながら読む。
形式としてはものすごく分かりやすく、好みの本だった。
筆者の奥様への愛と、その5年という年月に思いを馳せて、私は私なりの感想とさせていただく。 -
Posted by ブクログ
古典のジョブナイルSF。核の冬に怯えていた当時と比較して今読むと、作中のSF観の違いに驚かされる。それでも核による終末観はやはり依然として恐怖として残っており、その設定は色褪せてはいない。ネットが発達した今、同じ人間だからといって、果たして別の高次元の存在を受け入れるかと言われれば確かに疑問が残る所ではあるが、ジョブナイルものとしての落とし所は中々のもの。教師が協力的で作品の中にしっかり大人の存在を感じさせたのには非常に好感が持てる。やってきた転校生の一族は、先進的な文明を持っているにしては、ややその馴染み方に抜けがあると感じるが、それが今の人類の愚鈍さに繋がる点は上手いとは思った。
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Posted by ブクログ
岩田広一が通う中学に山沢典夫という転校生が入ってきた。典夫は美男子で成績優秀、スポーツも万能だが、なぞめいた雰囲気を持っていた。ある日とんでもない事件を起こした典夫の秘密とは…。SFジュブナイルの傑作。
初版は1967年という古典的少年少女向けSF。数年前に深夜ドラマ化された時、その映像の美しさには目を見張ったが、ストーリーは把握していなかったので読んでみた。学研の「中一コース」に連載された作品というが、確かに小さな盛り上がりがいくつもあるストーリーで、連載モノの痕跡はあった。ただこれが半世紀前に書かれたということから改めて眉村卓の才能に驚いた。
(B) -
Posted by ブクログ
再読。1976年の作品。
「ねらわれた学園」と中編「0からきた敵」
NHK少年ドラマシリーズ「未来からの挑戦」の原作。
懐かしい〜
今読むと展開が早くて子供向けと思うものの面白かった。
未来から来た種族との対決というSFではあるが、今の時代に権利と自由を主張したために未来は無秩序と混沌でどうしようもない状態である。あるいは、生徒会での決定という名のもとに、生徒会でパトロールを組んで規則を破った生徒を罰する。民主主義の手続きを踏んで正義の名のもとに生徒たちを支配していく。ファシズムというのはこうして始まるのだという意味も込められ、奥が深い。
主人公の少年は正義感が強くまっすぐで、母親は子ども思いで心配性、父親は子どもの意思を尊重し頼もしい存在。
こんなところは昔の家庭だなと思う。 -
Posted by ブクログ
学園が舞台で、超能力者が出てきて、生徒会と戦う。
ジュブナイルSFとは、昨今でいうラノベの、本当に正当な先祖なのだろう。
読んでて懐かしい感じがたんまり。
昨年、アニメ映画になりまして、文庫で再版されたので読んでみたわけですが。
こういうのが好きで好きでたまらない。
骨子はラノベと本当に近似なんだけど、ラノベがキャラクターに依存する傾向が強いのに対して、キャラクターそのものは現実感があり、ある意味で「普通」なんだけど、だからこそ、キャラクターというものは、その設定に意味があるのではなく、行動にこそ意味があり、行動するからこそ主人公は主人公たり得るのだ、ということに改めて気づかされる。
単純な話。
道に10,000円落ちていて、
・拾う人
・拾わない人
・拾いはするがこそこそとしている人
・拾わなかったが、気になって気になってしょうがない人
・etc......
ある事象があり、それに対してどのように行動するかで、初めてそのキャラクターはキャラクターとして成立し、そしてそのような行動を取った末にどのようにストーリーが転がるのか?それが、本来の物語。
・拾って、豪遊(?)して、でもそれは実は、ヤクザの所持金だったために、狙われることになりました。
・拾わなかったために、何の物語も起きませんでした。(終わり……じゃあ寂しいから……)拾わなかったが、知り合いがその10,000円を拾ったところ、あぶく銭だからと宝くじを購入、スピードくじで100,000円になり、その100,000円を元手に競馬をしたら、なんと万馬券大当たりで、10,000,000円になり、会社を辞めて豪遊している。幸運の10,000円だったという話を聞き……
・拾いはするがこそこそとしているために、持ってはいるが使う勇気が出ず、いつまでも財布の中にあり、日常生活を送る中で、自分が窃盗という罪を犯したことに気づき、プレッシャーに押しつぶされるうちに、何者かに命を狙われるようになり……
・拾わなかったが、気になって気になってしょうがなくて、次の日に同じ道を通ってみると、また同じところに同じ10,000円が落ちていて、(これは同じ一万円札が、誰にも拾われていないのか?それとも、誰かが拾った後で、不運な誰かが、また一万円札を落としたということか?)逡巡している間に、拾って持って行く人が現れて、でも次の日、やはり同じところに10,000円が……!
一つの状況から、キャラクターの行動によって、物語はいかようにも変わっていく。
『ねらわれた学園』の主人公耕児は、特に何の能力も持っていないし、美形でも頭脳明晰でもありません。幼なじみの女生徒・和美は、読書家であるというキャラクターづけがなされているけど、逆に言うとそれくらい。
だけど、耕児も和美も、自らの行動によって、見事に主人公たり得ています。
あとがきでも、作者本人が、「物語性の強い作品になっている」と書いていますが、キャラクターたちの行動によって物語がぐいぐい進むために、読んでる方も自然と前のめりになって読み進めることができる。
ストーリーテリングの基本中の基本として、非常に丁寧に描かれている「物語のお手本」のような作品です。
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ちなみに、映画は観てないのですが、どうだったんでしょうね。
若手男性声優人気トップクラスの小野Dと、AKBのまゆゆこと渡辺麻友が声をやっているので、話題になっていましたが。
原作はちょっとばかし古いし、あくまでもこの小説を原作として作られた別解釈の作品だと思うので、別物にはなっていると思いますが、だからこそ、それはそれで面白いものになっているのではないかと思います。
機会があったらみてみたいと思います。