眉村卓のレビュー一覧

  • なぞの転校生

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    ネタバレ

    『ねらわれた学園』と比べると、面白さには欠ける。しかし、それも物語られた時代を考えれば、味とも言える。

    「理想の世界なんてどこにもないんじゃないでしょうか。」という言葉が、とても印象に残っている。恵まれていれば見えない、恵まれていなければより強く抱くものが「理想」だと思う。典夫たちは、広一たちに出会って、自分たちの本当の目的を見つけたのではないだろうか。

    私が抱いている理想も、現実を見れば素晴らしいことばかりで、何でもないものになるかもしれない。

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    2021年02月03日
  • 妻に捧げた1778話

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    「聞いた事があるな」と思った本をひたすら読む期間に初めに手に取った一冊。自分が面白かったか否か、それだけでいつもは星をつけている。今回はこの本を面白かった!いや、面白くなかった!という判断を私は出来ずにいる。じんわりと胸に広がるこの感覚が感動なのか寂しさなのか、それすら分からずに本を見つめている。
    奥様が亡くなる5年間、毎日書き続けてきた話を、時系列に並べてその時の状況と照らし合わせながら読む。
    形式としてはものすごく分かりやすく、好みの本だった。
    筆者の奥様への愛と、その5年という年月に思いを馳せて、私は私なりの感想とさせていただく。

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    2020年09月17日
  • 妻に捧げた1778話

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    著者後書き
    「人と人とがお互いに信じ合い、共に生きてゆくためには、何も相手の心の隅から隅まで知る必要はないのだ。生きる根幹、めざす方向が同じでありさえすれば、それでいいのである。」

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    2020年04月10日
  • 妻に捧げた1778話

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    夫婦ってこうなれるんだ、と思いました。著者が最後に書いてらっしゃるとおり、相手の心の隅から隅まで知る必要はなく、生きる根幹、目指す方向が一緒であればいいんですよね。 SFのショートショートの良さはあまり自分には分からなかったけど、最後の三話を読んでたら、勝手に涙が滲んできました。

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    2020年01月13日
  • ねらわれた学園

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    昨年、亡くなられた眉村卓さんの名作。中学生のころ、眉村作品をむさぼるように読みました。それこそ、1日1冊のペースで読んでいた夏休みを思い出します。
    舞台設定にはさすがに時代を感じますが、根底を流れる社会的なメッセージには、昔は気が付かなかったように思います。

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    2020年01月07日
  • 妻に捧げた1778話

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    淡々としたエッセイなんだけど、行間に哀惜というか、切ない想いがにじみ出ているエッセイである。
    静かに、胸に染みる。

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    2019年12月08日
  • 妻に捧げた1778話

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    奥様のおっしゃるとおりこれエッセイやんかと思うお話もあるけれど、奥様への愛情に溢れた一冊。
    続けることは尊い。誰にでもできることではないよね。

    令和元年11月3日
    亡くなられたとことをニュースで知りました。
    奥様にようやく会えますね。
    ご冥福をお祈りします。

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    2019年11月03日
  • 妻に捧げた1778話

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    子供の頃読んだ謎の転校生以来の眉村卓。
    ちょっと本来のSF作品という感じとは違うけど、これはこれでグッときた。

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    2019年09月08日
  • 妻に捧げた1778話

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    妻に捧げた1778話
    著:眉村 卓

    余命1年を宣告された妻に対して一日一作品、妻のために作品を綴る。そして妻に向けたその作品はプロである著者が商業的な読み物として世に出せるものという水準が求められている。

    妻に向けながらもその先にある読者を考慮する作品。
    全1778話の中から厳選された作品が本書にて編纂されている。

    著書の作品を紡ぎあげる目的は何だったのだろう。余命一年を宣告された妻に対しての想いを綴るそれは、手紙でもなく、そしてその作品によって完治を図るものでもないように思う。ただ目の前の人に喜んでもらう。その妻の喜びは裏・将来の読者を意識した喜びが叶えてはじめて妻も喜ぶ。

    難しく

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    2019年07月07日
  • 妻に捧げた1778話

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    僕が青春時代、既にオールドタイプのSF作家という認識でいました。何冊か読んだ事はあると思うのですがあまり覚えておりません。(不定期エスパーシリーズを読んだ記憶があります)
    本作はカズレーザーさんがアメトークの読書芸人で紹介した事で一気に広がったと思うのですが、(僕も見ていました)メチャクチャ感動する泣ける、という方向の紹介だった為泣かせて欲しい症候群の人々が群がったのがとっても残念でした。
    淡々とした筆致で奥様との日々を語り、短編を淡々とつづる。
    長い時間を共有した夫婦だからこそ醸し出せる奥深い空気感。
    誰にでも訪れる別れに、わが身を置いてこそ感じるしんとした切なさ寂しさ。
    最後の一文に込めら

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    2019年06月17日
  • なぞの転校生

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    古典のジョブナイルSF。核の冬に怯えていた当時と比較して今読むと、作中のSF観の違いに驚かされる。それでも核による終末観はやはり依然として恐怖として残っており、その設定は色褪せてはいない。ネットが発達した今、同じ人間だからといって、果たして別の高次元の存在を受け入れるかと言われれば確かに疑問が残る所ではあるが、ジョブナイルものとしての落とし所は中々のもの。教師が協力的で作品の中にしっかり大人の存在を感じさせたのには非常に好感が持てる。やってきた転校生の一族は、先進的な文明を持っているにしては、ややその馴染み方に抜けがあると感じるが、それが今の人類の愚鈍さに繋がる点は上手いとは思った。

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    2019年05月26日
  • 日本SF傑作選3 眉村卓 下級アイデアマン/還らざる空

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    眉村卓『日本SF傑作選3 眉村卓 下級アイデアマン/還らざる空』ハヤカワ文庫。

    隔月刊行の全6巻。現代日本SF誕生60周年記念シリーズの第3弾。眉村卓の記念すべきデビュー作を含む、全22篇を収録。700ページを超えるボリュームに圧倒される。

    第一部は異種生命SFを13編、第二部はインサイダーSFを9編と構成に気を使った感はあるが、同じテイストの短編ばかり並び、飽きてくる。出来れば、もう少しバラエティに富んだセレクトにしてもらいたかった。

    眉村卓はジュブナイル向け作品を皮切りにだいぶ読み込んだ記憶がある。昔、NHKがまだまともだった時代に眉村卓の初期代表作である『なぞの転校生』がドラマ放送

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    2017年12月14日
  • 司政官 全短編 【完全版】 《司政官》シリーズ

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    古いSFを読み直している流れの1冊。これらの何作かはSFマガジン掲載時に読んでいるはずで、実際「これかな」と感じた作品もいくつかあるのだが、結局確信を持てたものは皆無。40年を超える時の流れは半端ではない。司政官シリーズの短編はこれで終了。『終末の光輪』は入手済み。『引き潮のとき』はどうしたものか思案中。

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    2017年06月22日
  • なぞの転校生

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    岩田広一が通う中学に山沢典夫という転校生が入ってきた。典夫は美男子で成績優秀、スポーツも万能だが、なぞめいた雰囲気を持っていた。ある日とんでもない事件を起こした典夫の秘密とは…。SFジュブナイルの傑作。

    初版は1967年という古典的少年少女向けSF。数年前に深夜ドラマ化された時、その映像の美しさには目を見張ったが、ストーリーは把握していなかったので読んでみた。学研の「中一コース」に連載された作品というが、確かに小さな盛り上がりがいくつもあるストーリーで、連載モノの痕跡はあった。ただこれが半世紀前に書かれたということから改めて眉村卓の才能に驚いた。
    (B)

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    2016年12月04日
  • ねらわれた学園

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    再読。1976年の作品。
    「ねらわれた学園」と中編「0からきた敵」
    NHK少年ドラマシリーズ「未来からの挑戦」の原作。
    懐かしい〜
    今読むと展開が早くて子供向けと思うものの面白かった。

    未来から来た種族との対決というSFではあるが、今の時代に権利と自由を主張したために未来は無秩序と混沌でどうしようもない状態である。あるいは、生徒会での決定という名のもとに、生徒会でパトロールを組んで規則を破った生徒を罰する。民主主義の手続きを踏んで正義の名のもとに生徒たちを支配していく。ファシズムというのはこうして始まるのだという意味も込められ、奥が深い。

    主人公の少年は正義感が強くまっすぐで、母親は子ども

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    2016年03月30日
  • なぞの転校生

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    書庫の整理をしていたら、カバーのないものが出てきた(汗)
    もう一本タイムとリップものの短編が収録されていて、手塚治虫氏が巻末で書評を書かれている。
    新しく撮り直しされたらしきドラマを深夜にやっていたけれど、結局一話で離脱してしまったので、本なら読めるかもと開いてみたら、こんな面白い話なら全部見てみれば良かったと後悔。
    児童文学っぽく堅い言い回しの台詞なので、それが苦手な大人は苦痛かもしれない。ストーリーは深い。何故これが我が家にあったのかは謎のままだけれど……。

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    2014年03月30日
  • なぞの転校生

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    昭和50年4月20日初版発行の角川文庫版も読んだが2013年12月13日発行のこちらも。文字が大きくレイアウトもゆったりしていて読みやすかった。
    角川文庫版では解説が手塚治虫だったので驚いたが、こちらはドラマの企画・脚本の岩井俊二が解説している。中学生の時にNHKの少年ドラマシリーズで「なぞの転校生」を見たそうである。
    今回のドラマはあまり真剣に見ていなかったが、最終回で今の世界がD-15ではなくD-12で、原作の39年後の話だという事がわかった。そういえば「時をかける少女」のアニメ映画も原作の何十年後かの話だったのを思い出した。

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    2014年03月29日
  • ねらわれた学園

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    ここまでクラスが団結するなんて、今の学校ではありえないので、ちょっとうらやましかった。2もあるようなので、読んでみようと思った。

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    2013年07月19日
  • ねらわれた学園

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    学園が舞台で、超能力者が出てきて、生徒会と戦う。

    ジュブナイルSFとは、昨今でいうラノベの、本当に正当な先祖なのだろう。

    読んでて懐かしい感じがたんまり。

    昨年、アニメ映画になりまして、文庫で再版されたので読んでみたわけですが。

    こういうのが好きで好きでたまらない。

    骨子はラノベと本当に近似なんだけど、ラノベがキャラクターに依存する傾向が強いのに対して、キャラクターそのものは現実感があり、ある意味で「普通」なんだけど、だからこそ、キャラクターというものは、その設定に意味があるのではなく、行動にこそ意味があり、行動するからこそ主人公は主人公たり得るのだ、ということに改めて気づかされる。

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    2013年01月13日
  • ねらわれた学園

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    劇場用アニメ「ねらわれた学園」を観たんで、原作を読んでみた。
    映画はこの原作の後の世代の話だったのね。

    出版された頃の時代の風潮かもしれないけど、登場する中学生もストーリーもお行儀がよすぎる気がしてしまう。

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    2012年12月07日