荒木健太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
気象大学校卒の雲研究者である著者が、気象をテーマに解説している本。学問的な内容ではなく、普段の生活の中でどのように気象と関わることができるのかという「楽しみ方」を読者に伝えるような内容となっている。文章がほどよく平易であるのに加えて、オールカラーの写真や図が非常に分かりやすく魅力的である。前半の章は以前に読んだ「すごすぎる天気の図鑑」シリーズと同じような内容を、大人向けに書き直されたという印象である。後半の章では、気象学の発展の歴史や著者自身の研究者に至る道のり、研究の苦労話などが書かれている。他の気象の本にはあまり見ない内容で、とても興味深かった。何度も読み直したいと思える本だった。
本書から学んだこと
- 焼肉店でのスープから湯気が多く出るのは、スープが熱いからではなく、煙などの空気中の粒子「エアロゾル」が大量に存在するから。また、浴室の壁面に水滴ができ、これらが合体すると一気に流れ落ちる様子は、それぞれ降水粒子の「凝結成長」「衝突・併合成長」と同じである。このように身近な場所で気象の世界を見ることができる。
- 太陽が地平線から-18°~-12°の位置にあるときを「天文薄明」(六等星が肉眼で確認できなくなる)、-12°~-6°の位置にあるときを「航海薄明」(水平線が見える)、-6°~0°の位置にあるときを「市民薄明」(照明なしで屋外で活動できる)という。
- 気象庁は「梅雨入りした」ではなく、「梅雨入りしたとみられる」と発表する。速報として出すものの、のちに振り返り、毎年9月1日に梅雨入り日を確定値として出している。 -
購入済み
私には一生物の本
にわか天気ファンとしては、今後も何度でも参照するつもりの本です。
でも一番印象深かったのは、パワポで描いたイラストの描き方のくだりでした。素晴らしい! -
Posted by ブクログ
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荒木健太郎
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・博士(学術)。1984年生まれ、茨城県出身。慶應義塾大学経済学部を経て気象庁気象大学校卒業。地方気象台で予報・観測業務に従事した後、現職に至る。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、気象災害をもたらす雲の仕組みの研究に取り組んでいる。映画『天気の子』、ドラマ『ブルーモーメント』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』『もっとすごすぎる天気の図鑑』『雲の超図鑑』『最高にすごすぎる天気の図鑑』『読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし』『世界でいちばん素敵な雲の教室』『雲を愛する技術』『雲の中では何が起こっているのか』など多数。Twitter・Instagram・YouTube:@arakencloud
雲を愛する技術 (光文社新書)
by 荒木 健太郎
空を見上げると様々な雲に出会えます。相手の名前を知っていると格段にその人を親しみやすく感じるように、雲の名前を知ると雲とのコミュニケーションがはかどります。雲が段々可愛い子たちに見えてきて、あなたの 雲 愛 も一気に深まることでしょう。というわけで、第2章では雲の分類と名前について紹介していきます。
ダブルレインボーがあるならトリプルレインボーもあるのか、気になるところです。主虹は別名1次の虹、副虹は2次の虹とも呼ばれ、実は3次以上の 高次 の虹 も存在します。虹の次数は雨滴内部で光が反射される回数と対応しています。雨滴内部で反射する光の経路から、3次と4次の虹は太陽側の空、5次、6次は太陽と反対側の空のそれぞれ主虹と副虹の間、主虹の内側に理論上は存在します(図3・22)。ただし、副虹でもうっすら見えることがある程度の光の強さで、3次以上の虹の光は非常に弱く観測は極めて困難です。
世間一般で 地震雲 として騒がれている雲は、全て気象学で説明できる雲です。 雲は地震の前兆にはなりません。しかし、それでもなお地震雲という非科学的な考えが世間で度々話題になるのは、雲愛の普及が足りていないからです。何の変哲もない普通の人が、名前を間違えられた挙句に怖がられているのと同じことが起こっているのです。
地震雲なるものはまず定義が 曖昧 ですが、地震の前兆として現れる雲とするのであれば、科学に中立な立場からは「地震雲は存在が証明されていない」という説明が正確です。それなら将来的に存在が証明されるかもしれないと思うかもしれませんが、これは幽霊の存在を証明するのと同レベルで限りなく不可能に近い問題です。地震雲の説明として地下深くの状態の変化に伴って大気中に電磁波が放出されて雲ができるといわれているようですが、このプロセスはよくわかっていません。仮に深い地中からの電磁波が雲に何らかの影響を与えていたとしても、少なくとも世間一般で地震雲と呼ばれることの多い雲はすでに力学的・雲物理学的に説明できるため、その影響を私たちが目で見て雲の形などから判断することは不可能です。
地震雲とは別に、世の中には陰謀論で雲を語る人々もいます。彼らは単なる飛行機雲であるにもかかわらず有害物質を散布する雲だと主張したり、普通の雲や大気光象を気象兵器・地震兵器なるものの実験によるものだなどと主張することがあります。あえていう必要もないですが、現代日本においてそのような事実は一切ありません。一部の過激な陰謀論支持者が、平成 28 年熊本地震の際に被災家屋や市役所庁舎に地震兵器などと落書きをするという許されざる行為をして逮捕される事件もありました。おそらく陰謀論を支持する方には、気象学とは全く別のそうせざるを得ない何らかの背景要因があるのだろうと思います。SNS上で雲愛を発信していると、彼らが接触してくることもあろうかと思います。私たちが充実した雲ライフを送るためには、雲を 冒瀆 する彼らの発言で心を痛めるよりも、一切関わらないのがベストです。ナチュラルにブロックするかミュートして、 雲を愛でましょう。
雲や空は私たちの感性を豊かにしてくれます。もちろん雲の声を聞いて空の気持ちを読みとるのも楽しいですが、何も考えずに純粋に雲や空を眺めて楽しむのも素敵なことです。面白い形の雲がいたら、ぜひ大事な人に教えてあげてください。
彩雲はスマホでも撮影できます。スマホでもコンデジでも同様ですが、カメラのレンズに太陽からの直達光が入ると全体的に白くなり、虹色が上手く見えなくなります。そのため、積雲や高積雲の彩雲を狙う場合には雲の厚い部分に太陽が隠れ、虹色のよく見えるタイミングがベストです(図5・6)。また、巻積雲に伴う彩雲など太陽を隠す雲が中下層にない場合には、何かの景色と組み合わせて直達光を防ぐとスマホでも綺麗な虹色が映ります(図5・7)。スマホで光を抑えて暗く撮る設定にして太陽付近の雲を撮影すると、後から見直して虹色が映っているということもあります。 -
Posted by ブクログ
前作に続き、天気にまつわる様々な知識を紹介した本。写真やイラストが豊富で、説明も簡潔であり分かりやすい。一見子ども向けの装丁となっているが、大人でも学べる内容が多く、気象に関する教養を身につけたい人に薦められる。
この本を通じて学んだこと。
- アイスの周りにできる白いモヤモヤも一種の雲である。表面付近の空気が冷やされ、水蒸気が飽和して発生する。湯気とは違い、冷気によって下降するのが特徴。空気の湿っている夏に発生しやすい。
- 主虹と副虹の間に暗く見える部分があり、これを「アレキサンダーの暗帯」という。
- 秋の空が高く感じられるのは、大陸からの乾燥した高気圧に覆われて水蒸気や塵が少なくなるから。春は黄砂などの塵、夏は太平洋高気圧の水蒸気によって見通せる距離が低下する。冬は対流圏の高度が低い。 -
Posted by ブクログ
空や雲、天気予報に関する豆知識をわかりやすく解説した一冊。児童が楽しめるように作られているが、大人でも初めて知る知識が多く、学びのある内容となっている。写真やイラストが豊富かつフルカラーで、気象現象をイメージしやすい点が高く評価できる。
本書で学んだ点は主に次の3つ。
- 本来はそこに存在しないにも関わらず、馴染みのあるものを連想してしまう心理現象を「パレイドリア現象」という。特に逆三角形状に配置した3点が顔に見えることを「シミュラクラ現象」と呼ぶ。雲の形に対してよく起こる。
- 主虹と副虹は対日点から42°、50°の位置に現れる。ハロ(暈)は太陽から22°の位置に現れることが最も多い。
- 雨の匂いには「ペトリコール」という名前がついている。雨が降ったときに地面から上がってくる匂いを指し、ギリシャ語で「石のエッセンス」を意味する。 -
購入済み
命を守る
この本を読んで天気予報が命を守る仕事だと認識した。
そして、天気予報に携わっている人達にあらためて感謝を伝えたくなった一冊だった。
ありがとうございます。 -
購入済み
感謝
読んでいて涙が出ました
異常気象と言われる天気が当たり前のように起こるようになったこの近年、見えないところでこんなにも一生懸命働いてくださっている方々、それをわかりやすく教えてくれるこの漫画に感謝します
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Posted by ブクログ
自分が大学でなにを学ぶか、これからどう生きていくのかの将来設計していく上でのきっかけとなった本。
まだ中学生か高校生あたりの頃に、空ってどんなふうに成り立っているんだろう、雲ってどんな奴らなんだろうと思い、初めて親に本をすがって買った本だからなんか愛着がある。
気象を学ぶにあたってのバイブル的な存在である「一般気象学」の数式を除いたイラスト付きの参考書、みたいな立ち位置で、とっつきにくい数式が散りばめられた気象の世界をキャラクターを用いて擬人化したり比喩表現をふんだんに用いたりしてわかりやすく解説してある良書。理系以外の人にもわかるようにアラケンさんが読者目線に立つよう努力しているのがひしひしと伝わってくるし、何よりも雲好きなんだなってことがわかる。
個人的に物理現象のイメージを掴むために大いに役だったと感じるし、本質を知れてますます気象を好きになれたとちと思う。
しかしながら、本質を正確に記述してあることからどうしても難しい、理解し難い内容も多く、自分が大学で気象を専攻して勉強を進めていくまではなかなか読み進められず、挫折し続けてしまった。
自分の学力と共に徐々にステップして読める領域が広がってくみたいなアドベンチャー的な感じがあって、最近ようやく読み切れた。サボったせいもあるけどここまで長かった。
ガッツリ学びたい人、ある程度気象に関しての教養を持つ人向けの本だと思う。
また何回でも立ち返って読み返すだろうし、読み返したいと思う本だった。